フラット35からフラット35の借換は12月か1月か?

2017年10月26日

12月に借換するか来年に延期するかどちらが有利?

トランプ氏が大統領選に当選してから多くなった相談です。初の記事は、このテーマについての実際の相談と千日の回答をご紹介したいと思います。

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相談メールの要約

ブログを拝見いたしまして、連絡をさせていただきました、T(年齢30代)と申します。

現在、楽天銀行にてフラット35で住宅ローンを組んでおり、地元の地銀でフラット35に借り換えを考えています。

今返済中の利率は1.11%、数年後に1.51%、1.81%になる予定です。12月中に完済するなら、26,884,977円支払う予定です。

①返済中の楽天銀行のフラット35について
返済中のローンはフラット35Sで、最初が1.11%、平成30年11月~平成45年11月までが1.51%、平成45年11月~平成60年11月までが、1.81%という契約になっています。

②借換の条件について
12月の提示された金利は、1.1%です。ちなみに、0.7%の変動金利(10年固定)も提示されたのですが、10年後のリスクを考えてしまい、フラット35に決めました。銀行さんは、残念がっていましたが・・・。

12月に借り換えを実行するのか、少し先延ばしするのか、どちらが有利か自分では見通しが立てられず、メールにて相談させていただきました。

回答~固定から固定はシミュレーションで確実に分かる

では回答いたします。フラット35からフラット35への借換ですと、固定から固定ですので影響額は確定します。

差額では220万円ですね。

ここまでは計算されたのではないでしょうか。ちょっと細かい数字が違うかもしれませんが、概ねこんな感じですよね。

当初の借入28,800,000円でちょうど3年経過したという前提にしてます。

借換のコストが220万円を下回るなら今借り換えてよいと思います。確かに、さらに金利が下がれば、機会損失かもしれません。しかしそれは実損ではありません。

12月に借り換えれば、220万円-借換コストが100%の確率で節約可能です。

ただ、できれば機会損失を少なくしたいというお考えがあるのだと思います。

つまり、金利が1.51%に上がるこの先2年の間に1.10%を下回るかどうかですね。

いままでで最もフラット35の金利が下がったのは今年の2016年8月で、0.90%でした。

もしも2年後に0.90%になったらというシミュレーションをすると以下のようになります。

さらに83万円の差があります。

2016年8月に起こった出来事というのは、英国のEU離脱という当時としては未曾有の出来事があったからです。これと同じような出来事で0.9%になる可能性に賭けるなら、見送りです。

しかし、同時に今よりも上がる可能性があります。

それが何パーセントか、また、どちらの可能性が高いか?については今の千日の回答としては『分からない』です。

もしかしたら、T様の知りたかったことは書いていないかもしれません。

しかし、上記の前提で借換コストが正確にいくらになるか、銀行の担当者に問い合わせれば、金額的に比べることは可能となりますので、決めやすくはなると思います。

借換コスト=一括返済のコスト+新規借入コストです。

参考になれば幸いです。

千日

借換と金利交渉のセオリー

後日談~借換費用の実例

後日、銀行に実際かかる借換費用を問い合わせた結果をお知らせいただきました。

  • 登記関係費用   ¥182,400
  • 利息       ¥ 37,371
  • 印紙代、手数料等 ¥435,800(手数料は融資額の1.512%)
  • 合計          ¥655,571

今月借り換えれば220万円の利息の節約になりますから、差引で155万円得できるということですね。私だったら既に審査が下りていればもう借換えてしまいますね。

もう少し待てばさらに得するかもしれませんけど、なにせ155万円ですし。

ただ、考え方は人それぞれだと思います。ご相談の際にはよほど不利というケースを除いて客観的な事実とその考え方を示すのみにとどめるようにしています。

 

まとめと補足

住宅ローンは借りてすぐ返済がスタートしますから、毎月残高が減っていきますよね。

ということは、12月31日の残高が高いタイミングで借りるのが得です。

つまり、何も動きが無ければ12月に借りると、得ということです。

  • 借入 3,000万円
  • 金利 0.8%
  • 返済期間 35年
  • 元利均等返済、ボーナス払いなし

このように7万円位12月に借りた方が得になってます。実際に家の購入を検討されている方からは、『なんだ7万か』なんて声が聞こえてきそうですが、その物差しを普段の生活に戻してみたらどうでしょう?

けして無視出来ない金額です。7万稼ぐのってタイヘンなんですよね。

同じ家を買い、同じ金額のローンを同じ金利で買っても、たった一月の違いでこれだけ違ってくるんですよ。

以上、参考になれば幸いです。