同じ銀行でフラット35から変動への借換について

2017年10月26日

同じ銀行で残り8年で借り換え、変動でも大丈夫?

借換というと、通常は他の銀行への借換ということになりますけど、金利タイプを変更する借換ならば同じ銀行も選択肢に入ってきますね。

今回のご相談は、同じ銀行でフラット35から変動金利への借換についてです。

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相談メールの要約と借換費用の実例

住宅ローンについて相談に乗っていただきたくメールしました。年齢は40代です。

現在住宅ローンが残り9年、残高500万です。フラット35で借りていて金利は3%です。(月々の返済額は約54000円)

今の低金利がとても魅力的に思え借換えを考えていますが、こういったことに知識もなく、理解もしにくくどうしたらいいかと思っています。

今借りている銀行に相談に行ったところ、フラット35から変動金利0.55%に借り換えるとして、借入金520万(諸費用20万含)、8年ローンの試算をだしてもらったら、0.55%のままだとして総額44万のメリットでした。

諸費用の内訳は以下の通りです。

保証料 34,466円
印紙代 10,600円
事務取扱手数料 54,000円
抵当権設定費用 61,200円
未払利息 12,631円
抹消費用 18,000円
合計 190,897円

今まで固定金利でしたので変動金利がとても怖く感じます。フラット35を100万程繰り上げ返済すると32万程返済額が減り、期間も7年になります。

今後の景気はだれにも分からないのですが、景気が上がってきたとしても私のようなケースは変動金利の方が多少はメリットがあるのでしょうか?

千日さんのブログでは2020年のオリンピックのあたりは上がるかも・・・。

考え方の問題なのかもしれませんが、銀行マンをうのみにしたくないので、何かアドバイスをいただけたらと思います。

 

千日の回答

Y様

では早速お答えします。

銀行から提示されている、変動金利0.55%は銀行のホームページの最優遇金利よりも0.3%も低いです。これはY様が長い期間にわたり、延滞なく返済されたことでかなり属性(信用力)が高い証拠です。

他行の、例えば安いネット銀行に乗り換えられないような、かなり良い条件を出しています。今後金利が上がったとしても、この0.3%が効いていますので、他の方よりもそれだけ安全圏が多いという事です。

同じ銀行でのフラット35から変動への借り換えはアリです

金利上昇リスクについては、5年ルールと125%ルールがありますので、たちまち返済額が増える事はありません。返済額の四分の1を貯金して月収の4割未満に出来るなら、金利の上昇に対応出来ます。

金利タイプ選びのセオリー

また、繰上げ返済を考えておられるという事ですがその資金も金利が上がった時に使えば、最も無駄が無いですね。金利が安いうちはできるだけ借りておいて、今ある貯金は老後の生活資金や万一の時に備えて置いておくべきだと思いますよ。

繰上げ返済したお金は返って来ません。

住宅ローン以外でその銀行から借りようとすれば金利は住宅ローンの利用者ということで、優遇されてても4.5%です。桁がひとつ違ってきます。

フラット35からフラット35の借り換えも可能

それでも変動は不安な場合は折衷案として同じフラット35への借り換えです。

分かりやすいように表にしました。

変動金利でのメリットは478,760円です。銀行の見積もりで「未払利息」がありましたが、これは利息精算の為の払いなので、厳密には追加のコストじゃありません。なので除いてます。

フラット35は最短で15年ですので当初の契約では180ヶ月借りる契約になります。

変動金利ほど安くはないのと、借入期間が長くなるのでメリットは少なくなりますがそれでも103,171円メリットがあります。

メリットは、それだけではありません。

今後の毎月の返済が2万4千円くらい少なくなりますね。金利が固定されているので、その分貯蓄で金利以外の様々なリスクに備える事が出来ます。

一番右側に書いたのは、当初の返済期間で完済する為に一括返済するケースです。月に2万5千円ずつ貯金を積み立てておくと可能です。

そうした場合は、192,150円のメリットがあります。ただし一括返済手数料がかかると思います。担当者に確認して下さいね。

千日

 

まとめ

この方のケースに限らず、月収をお聞きすることはありません。毎月の支払額を月収の4割未満に抑えてくださいというような形で回答すれば、月収を聞く必要が無いからです。

また、この方の場合ですと、銀行の優遇金利の対応から察するに、変動金利でも十分に返済可能なケースですね。銀行は危ないと思ったら、こういう条件は出して来ません。審査の結果や金利には隠しようのない本音が出るんです。それは色んな方の相談ケースを見ていくと如実に感じます。

それでも、不安だという場合の為にフラット35での借り換えを提案させて頂きました。メリットもおおむね半分になりますが、金利変動リスクはありませんし、月々の返済額が減るのでリスクに強い借り換えになりますね。

借換と金利交渉のセオリー

以上、参考になりましたら幸いです。