変動から新生銀行20年固定金利への借換について

2018年10月9日

変動から20年固定への借換~コスト削減よりもリスクヘッジ

千日様

初めまして。ここ1ヶ月ほどブログを拝見させていただいていたKと申します。

当初は他のサイトを見つつ自分の考えを固めていったのですが、「千日のブログ」に辿り着き自分の考え方の答え合わせのような感覚で拝見させていただきました。結果としましては自分の考え方は「千日のブログ」の考え方と大差無いということが確認でき、自信を持って借り換え手続きを進めることができました。

そのためぜひお礼を述べたいと思いメールさせていただきました。
有用な情報を公開していただいたことに感謝致します。ありがとうございます。

現在契約一歩手前の状況ですが、私の状況をお話させていただきます。

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借換前の状況

  • 当初借入日:2009/3
  • 当初借入金:4800万円
  • 借入銀行:三井住友銀行
  • 金種:変動
  • 金利:1.075%
  • 毎月返済額:約13.7万円
  • 返済残年:27年3ヶ月
  • 2016/12時点の借入残:約3900万円
  • 住宅概要: 首都圏23区内マンション(2009/3築) 72平米 土地建物所有権
  • 本人情報: 37歳 勤続14年 年収約720万

きっかけはトランプ大統領の当選

変動金利が上るまではこのままで良い、なにやら面倒そうという思いがあり、いままできちんと乗り換えに関する情報収集すらしてきませんでした。

しかし、2016年に入って住宅金利が非常に低いという話をよく耳にするようになり動いたほうが得なのかなと漠然と思っていました。

そう思っているうちに月日が経ち、トランプが次期大統領になるということから長期金利が上がり始めました。

もし今後も金利が上がり続けると住宅ローンに波及するのではと考え、各行の住宅ローンのホームページなどで情報収集をはじめました。

そうしたところ、現在と同じかそれ以下の低い金利で当初固定金利に乗り換えられることが分かりました。
以前より漠然といつかはリスクの少ない固定にしたいとは思っていたものの、固定は金利が高いため二の足を踏んでいました。

しかし、金利が低くなっている今は、現在の金利と同じかそれ以下の金利で10年はもちろん20年固定で借り換えができることが分かり、またトランプ相場がもし続き、日本も引っ張られた場合は、変動金利が上がり、そのタイミングで固定に変えると相当金利が高いことになっているのでは無いかという心配から、借り換えを本気で検討し始めました。

借換の理由はリスクヘッジ固定に絞る

上述のように金利を抑えて支払額を減らしたいというよりも、借入金額が多く長期の借入となるため、リスクを避けたいという思いのほうが強いです。

とはいえ、これ以上毎月の支払額を増やしたくないという思いもありました。

このような考えのため、固定に絞り検討を始めました。

新生銀行(借換先)への相談

ネットで予約を取りローン相談に行きました。新生銀行を選んだ理由は家から近く、金利も低めであり、早いタイミングで相談できたからです。

担当者と話しましたが、既に色々調べた上で基本方針が決まっていた私としては一点を除いてあまり有用な情報はありませんでした。

その一点というのは新生銀行の融資手数料でした。この時におよそ31万程度を言われました。

千日による追記:新生銀行は手数料が安いことで有名です。私も借入の当時検討に入れました。ただ変動金利が短プラ連動ではなく、銀行独自のレートであり、金利も随時見直し5年ルールも無しということで、変動金利で検討していた私は最終的に候補から外しました。Kさんの場合は20年固定ですのでそのような問題は無さそうです。

三井住友銀行(現在借入中)との金利交渉

結果的に他行の仮審査等を始めた後になりましたが、三井住友銀行に相談に行きました。簡単に言えば金利を下げてくれ、そうでないと乗り換えるよと言いに行きました。その結果、以下の条件が出てきました。

  • 変動:0.775%
  • 10年固定:0.8%(10年以降は店頭金利より-1.4%)

* つまりHPで公開している金利です

残念ながら10年を超える固定は全期間固定しか無く、それに変えるにはほぼ新規借り入れと同じ手続きを行う必要があるということ、金利もそれなりに高くなることが分かりました。

結果として、もう少し魅力的な提案ができないか再検討してくれと言い残し、立ち去りました。

10年固定では短いと考えた理由

10年固定は各行が力を入れており金利だけを見れば魅力です。

私の場合は、3900万の残債があり、毎月14万程度の返済となると、返済期間は25年程度は見込む必要があります。しかし、最初の10年が良くても、残りの20数年は金利が大きく上がるリスクがあります。

単純に計算すれば10年経過後に2400万近くの残債があり、これを高い金利で返すというリスクを負いたくなかったために、15年以上の固定金利のみを考えました。

審査を申し込んだ銀行は4行

長期金利が上がり続けていたために年内には借り換えを終わらせたいという思いから、基本的には店頭には赴かず、ネット上の金利が安い下記4行に審査を依頼しました。

また、繰上返済手数料0円以外の疾病保証等の付帯サービスは不要と考え考慮せずに決めました。

尚、新生銀行は提携企業であったため、11月の金利より固定で-0.2%になること、手数料等が安いことから含めました。

  • 住友信託SBI(0.81%)
  • 三井住友信託(0.8%)
  • 三菱東京UFJ信託(0.82%)
  • 新生銀行(0.9%)

* カッコ内は11月時点の当初20年固定金利、新生銀行は-0.2%した金利

※この時期(11月下旬)に千日ブログと出会いました。

決め手は金利が上がる前に融資実行できるかと付帯サービスの充実度

資料を投函した翌日から4営業日目に住友信託SBIから、7営業日目に三菱東京UFJ信託から、10営業日目に新生銀行からOKの連絡がありました。三菱東京UFJ信託は、Web上での仮審査の回答が18営業日経過後であり、上記3行の本審査通過の連絡後のタイミングでした。

2017年1月の金利は間違いなく上がるという考えのもとで、2016年中に融資実行する予定で動いていたために、三菱東京UFJ信託にそれを伝えると12/15あたりの契約でないと年内の実行は厳しいと言われました。

住友信託SBIは三菱東京UFJ信託からOKが出た翌日あたりが期限だったと思いますが、三菱東京UFJ信託で通っていたので次には進みませんでした。
残りの新生銀行ですが、会社への在籍確認の電話が7営業日目に来ており、審査が進んでいることが分かるものの、三菱東京UFJ信託での契約期限が近づいているため待つのも限度があります。

しかし、既に2行の審査が通っていて新生銀行も落ちないだろいうという考えと、三菱東京UFJ信託で本当に年内に実行できるかやや不安があったこと、手数料等を含めた総額では新生銀行が一番低いこと、オトクなサービス(団信介護保障と家事代行サービス)があることから、新生銀行に決めようと考えていました。

尚、新生銀行での金利適用は実行日ではなく契約日基準であること、9営業日目に進捗確認をしたところ間もなく結果が出ると言われたことから、時間的な心配はほぼしていませんでした。

その後、上述のとおり新生銀行からも審査通過の連絡があり、現在契約に向けての手続きを進めています。

新生銀行との契約内容

  • 固定20年:1%(その後、基準-0.2%(残債500万未満の場合))
  • 借入額:3380万(審査は3600万で通過していますが、担当者は多少増やしても構わないという話でした。しかし、自己資金500万を使い借入額を3400万程度にする予定です)
  • 返済期間:23年
  • 毎月返済額:約13.7万円
  • 借り換えに伴う諸費用:30.9万

千日による追記:新生銀行は残債が500万円を下回ると金利優遇が無くなります。十分その点も考慮に入れられています。

新生銀行のリスクへの考え方

固定期間である20年経過後の金利優遇がほぼありませんが、繰上返済をしなかったとしても残債は500万前後であるため、この500万にリスクがあっても十分許容できると判断しました。

借換メリットは費用削減ではなくリスクヘッジ

金額面でのメリットは、現在の契約(変動:1.075%)のままとしてもほぼありません。三井住友銀行が提示してきた変動:0.775と比較すれば大きくマイナスです。

しかし、今後20年の金利を1%とするという私が考える最大のリスク回避ができるため、これがメリットとなります。

以上です。まだ契約に至っていませんが、トラブルが無ければクリスマス前後に契約、来年1月に融資実行となります。

まとめ~千日による総括

ご相談者ではありませんが、読者様が千日のブログに出会われ、借換の参考ないし自分の考え方の答え合わせとして利用して頂いた結果、寄せられた実例情報です。

本当に非の打ちどころの無い検討過程と意思決定だと思いますし、その文章も理路整然と分かりやすく書かれていましたので個人を特定可能な部分を除きほぼ原文のままご紹介することとしました。

また、借換先に選ばれた新生銀行の手数料の安さの裏にあるリスクのポイントを理解するのにも有用ですね。

借換と金利交渉のセオリー

その後この方から、なんと新生銀行に乗換えて借換費用がゼロ円以下になったという情報が寄せられました。必読です。

以上、参考になりましたら幸いです。

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