悪質業者への対処法と成功事例を教えます

2017年10月26日

交渉の秘訣は絶対に泣き寝入りしないだろうと認識させること

この相談サイトを始めて驚いたのが、いかに悪質な業者が多いかということです。最近は特にそんな相談が多いです。新築マンションを売り出すような、中堅のデベロッパーでも結構アコギなことをやってきます。

今回は、不動産屋にマージンが入るだけで利用者にメリットのない提携ローンが条件になっており、そればかりか法外な住宅ローン事務代行手数料を請求してくる悪質な不動産業者への対抗手段について書きます。

詳しい手口と見分け方はこちらをご一読ください。

不動産の法律ラボ

スーパーに買い物に行って、レジで「レジ打ち手数料」が加算されてたら誰でも「オイオイ」って反射的に突っ込みますよね。
それと同じ事をやってるのが不動産の悪質業者です。マイホームの購入は一生に一度で皆が初心者という所に付け込んでるんです。

ハンコを押してしまったからもうどうしようも無いでしょ、後の祭りでしょ…

それは悪質不動産業者の言い分ですよ。それを反復しても状況は好転しません。相手は我々が勝手にそう思って諦める方にコインを置いてるのです。

スーパーだったら、家に帰ってから気付いて証拠のレシートを握りしめてスーパーに文句を言うでしょう。初心者には誰しも無知や不注意ゆえの失敗はある。それをリカバリーしに行く根性があるか無いかの違いです。

相手に、この人は絶対に泣き寝入りしない人だと認識させれば、ひっくり返すのは可能な事です。

確かに契約書に実印を押したら「そういう事」になります。

仲介手数料以外の手数料(住宅ローン事務代行手数料)は、宅建業法で規制されてませんよ、お客さんそれで納得したんでしょ?

そういう手ですね。

ならば、逆手をとれば良いんです。

契約書なんて当時者間で有効なだけです。相手がその取り消しに応じ、該当の条項を二重線で消して修正させれば、それが新しい契約です。

こういう交渉は契約前にやる事をお勧めしますが、後からでも可能です。ちょっと力が要りますけどね。今日はそんな相談ケースと、成功の実例2つをご紹介します。

交渉の秘訣は以下の二つです。

  • 絶対に泣き寝入りしないタイプだと認識させること。
  • 自分と営業マンだけでなく多くの人を巻き込むこと。

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相談:質の良くない業者とどうやって交渉するか?

いつもお世話になっております。

ご回答ありがとうございました。

やはり業者の質は良くないのですね。

ローンについては親身になってくれないなぁと思っていました。

また、ベランダの横に焼き肉屋の排気筒が出来たことについても、自分で現状を確認して言ってこない限り図面を見せる義務はないと言われました。

このとき不動産会社としての誠意がない会社だと認識しました。

提携ローンと事務手数料について

悪徳業者の基準に入りますね。大変残念です。中堅デバロッパーなので大丈夫かなと思っていたのですが。。。

手付金が35万なので契約する前に戻りたい気持ちもないわけではないのですが、オプション(50万)の工事も進んでいますので難しいですね。

さて、業者との交渉についてですが、直接出向く、電話、メールのなかでどれが良いというのはありますか。

また、以前に仮審査が通った段階で不動産業者からは、

『住信SBIネット銀行ですが、月々のお支払いが115,315円となります。(ボーナス月199,232円)諸費用は概算で198万円(提携ローン:1,168,860円、 税金その他:809,390円)となります。(現時点の概算)』

と言われました。

諸費用の内訳や利率については連絡がなかったので、これも確認しようと思います。

これまでのアドバイスから検討して変動に決めようかと思っていますが、もし千日さまとしましたらずばりどのようなプランになさいますでしょうか。

回答:こちらから出向く必要はありません電話だけで十分です

そうですね、不動産業者との交渉については、色々とやり方はあると思いますが、

  • 一度こちらから出向くとこれからも何かある度にそうなってしまいがちですから、電話で要求をしつこくする方が得策です。
  • また、行くとなるとスケジュールを合わせなくてはなりません。こちらの負担も大きいですし、言いたい時に言いたい事が言えるようにするのが良いです。

私ならば以下の方法で進めます。

  • この程度の代行で5万なんて高すぎる。ローンの事務代行など要らない。当然払わない。とぶつけてやります。
  • 中堅デベと言っても、営業マンは委託業者だと思います。同時にデベのお客様相談室に電話して同じ要求を行います。(そういう窓口が無ければ、代表に電話します)
  • 無理と思っても、手付は返してもらうしオプション工事も払わない。と「主張」します。

相手になんとか丸く収めたいと考えさせるのがミソです。

千日による追記:

いずれにせよ、決定権限のある者が我々の前に出てくることはありません。絶対に泣き寝入りしないだろう、という印象を営業マンの向こうにいる上司に伝えさせることが目的です。

また、営業マンだけでなく不動産会社の多くの人を巻き込むことで、営業マン個人が握りつぶせないようにするんです。他の部署に知れるということは、同時に営業マンの上司に対するプレッシャーにもなります。

オプション工事はむしろ、こちらの強みですよ。話がこじれて、そのままオプション工事が行われた部屋は値引きしないと売れにくくなりますからね。

50万円の売り上げ減に加えて、100万以上の売上減です。オプション工事代は請求するでしょうが、こじれると債権管理コストの方が高く付く、ちょうど良いボリュームなんです。

こっちは35万。相手は150万超プラス社内の管理コストと管理責任のプレッシャーです。

一度だけガツンと強い主張を伝えます。声を荒げる必要などありません。冷静に強い主張を言う方が相手には効きます。

まず、提携ローンの住信SBIはボーナス払いが含まれてますのでお勧めはしないです。

また諸費用も怪しいですね。明細を見るまで「白紙」です。まあ5万の手数料がある時点でダメなんですけどね。多分細かい所でズルをしてます。

不動産業者を間に挟む限り、交渉は業者を通して行う事になります。私には「彼は絶対やらずに、やったと報告する」という絶大な信頼がありますね。

はじめの回答は1月金利を前提としてましたので、今の時点で絞るのは難しいですが、収入の高さと遺産を鑑みれば、変動であっても可能だと思っています。

また何かご不明な点がありましたら、いつでもご連絡下さいませ。

成功例1:信じられない方法で手付金を取り返した千日の妻

身内の話ですが、私の妻の話です。当時はまだ付き合ってもいません、友達でした。そこそこお金を持ってた彼女が中古マンションを買いたいって事で相談を受けたんです。

古いですけどほぼ駅前で立地も良く相場よりかなり安く買えるっていう事で、すぐ手付を払って契約したらしいのです。

でもね、不動産に掘り出し物なんて無いんです。

まずそのマンションは定期借地権マンションだったんです。敷地が所有権じゃないんですよ。そういう物件は都心部にたまにありますが、安い反面、期限が来たら返さないといけないんです。

そしてそういう物件には住宅ローンを貸さない銀行が多いんですよ。

さらに床面積が足りなくて住宅ローン控除が受けられないマンションでした。

住宅ローン控除という減税制度はご存知でしょうか。でも物件の広さに条件があって、彼女の買ったマンションでは住宅ローン控除が受けられないんですよね。

住宅ローン控除の詳しい条件についてはこちらをどうぞ。

税金ラボ

典型的な安かろう悪かろうマンションだったんです。

私からその事を聞いて、「走れメロス」風に言うと、

彼女は激怒した。

ワケです。

まず不動産屋に乗り込みました。私も心配でついて行きました。不動産屋さんの営業マンは「ちゃんと重要事項説明書に書いてあるように説明した」と言います。

彼女はというと「そんな事は聞いてない!」

並行線です。

普通はね、こういう場合は手付金は返って来ないです。私は言いましたよ。

しょうがないよ諦めよう…

しかし彼女は諦めませんでした。その足で売主の住むそのマンションに行ったんですよ。

私?ついて行きましたよ、心配で。

気の毒にも売主さんは家に居ました。そして1時間後、彼女は払った手付の半額をその場で売主さんから回収してしまったんです。私はというと、ポルナレフ状態です。

頭がどうにかなりそうだった…

催眠術だとか超スピードだとか

そんなチャチなもんじゃあ

断じてねえ

もっと恐ろしいものの片鱗を

味わったぜ…

いや、売主さんこそポルナレフ状態だったでしょうね。今思い出しても気の毒です。不動産屋と売主さんのその後は私のあずかり知らぬ事ですが、なんとなく想像は付きますね。

その時思い知ったのは、「この女だけは絶対に敵に回してはいけない」という事です。

その後月日は流れ、どういう訳か彼女は私の妻になりました。

成功例2:営業マンに〇〇させた義弟の彼女

我々が結婚して1年くらいでしょうか、妻の弟が当時付き合っていた彼女と同棲を始める。ということになりました。ついては『お義兄さん、賃貸アパートの保証人になってくれませんか?』と言ってきたんです。

「ああいいよ、どんなアパート?」

よくよく聞いてみると彼女がその部屋をとても気に入っていて、そこに二人で住む。近く結婚してそこで生活を始めたいということでした。

で、義弟と彼女と私の3人で不動産屋へ行ったんですね。

その彼女っていうのが、すごくカワイイ娘なんですよ。けしてお世辞ではなく、そのままアイドルで通用するくらいで、弟はいい彼女捕まえたよな~なんて思ってました。

後で分かりますけど、営業マンを狂わせる魔性の女だったんです。

不動産屋で契約書を見て、説明を聞いて、私は「だったら私は保証人はやらんよ、別のマトモな不動産屋で部屋を探しなさい」と宣言しました。

不動産屋が家賃を保全するために、保証人を立てるという実務は昔からあると思います。ちょっと前からは、その家賃保証を行う専門の保証会社というのがあって、そこに毎月お金を払うと不動産屋に対して家賃を保証してくれる仕組みもあるんですね。

その不動産屋の要求は以下のようなものでした。

  • 部屋を借りる人が家賃プラス保証会社への保証料を毎月払う。
  • それに加えてお義兄さん(私)の連帯保証を付ける。

なんで不動産屋だけが得する保証料をコッチがはらわにゃならんの?

でもって、なんでさらに私の連帯保証が必要なの?

百歩譲ってどっちか一つでいいでしょ?

自慢ではないですけど、私が連帯保証に入れば義弟が何年家賃を滞納しても即金で払うくらい余裕なんです。

弟の彼女はすごくその部屋を気に入っていたので、目を潤ませて私に頼んできて正直グラつきましたけど、その不動産業者にもちょっとムカついたんですよね。

「こんなところアホらしいからやめなさい別のとこだったら喜んで保証人になってあげるから、ね?」

と宥められたと思っていたんですが…数日後。驚愕することになります。義弟から電話がありました。

「お義兄さん、この前は色々ありがとうございます、実はやっぱりあの部屋に住むことになりました」

「へ?保証人はどうしたの?」

「あの営業マンが自分が保証人になるって…(笑)で、アパートは彼女の名義で借りることになりました」

「マジ?」

「本気と書いてマジです」

あの営業マンは彼女の上目使いにヤラレたんでしょうか…女って怖いですね。気を付けましょう。

その後、義弟は彼女の気性の激しさ、自由さに耐え切れず、彼女とは結婚には至りませんでした。

美しい花には棘があるのです。

まとめ~悪徳業者はブラック企業でもある

いかがでしたでしょうか。いずれも、私の実体験です。一つ目は私自身が目の当たりにしたことですし、二つ目の現場は目にしていませんが、後日賃貸借契約書の連帯保証人の欄にその営業マンの署名と実印を確認しました。

どちらを成し遂げたのも当時20代の、法律の知識もほぼ無い女性です。

私は「こういう場合はこうなる」と教えただけです。

無理が通れば道理が引っ込む。

と昔の人は言いました。イキナリこちらが無理を通すわけではありません。まず、相手の方が無理を通してきているのです。

こちらが道理を通す必要はありません。無理難題を吹っかけてやればいいのです。

二つ目の成功例については、いかにも若い男性の営業マンが美人に鼻の下を伸ばして保証人になったかのような演出を行いましたが、実際のところは「ノルマ」であろうと思います。

悪徳業者の多くはブラック企業でもあります。おそらく末端の営業マンに過度のプレッシャーを強いている。

自分を護るためだからこそ、顧客の利益を犠牲にできるんです。

ですから、相手のブラック体質を逆手に利用するのが賢い方法なんですね。営業マンやその直属上司を組織の間の板挟みにしてやるんです。

  • この相手は絶対に泣き寝入りしない。
  • モタモタしていることが同僚や上司、元請け、(仲介の場合は)買主にも知れている。

こういう状況を作るんです。相手が急かせてきても、こっちはあくまでマイペースを貫きます。

何やってんだ?

そんな事になってんのか?

しっかりしろよ!

ちゃんとしろよ!

そういうプレッシャーを仲間同士で相互に掛け合っているのが、ブラック企業です。どうです?ちょっとあの営業マンが気の毒になってきたんじゃあないですか?

マイホームの購入は皆が初心者です。不動産屋に対して少し気おくれしてしまう人も多いです。

可哀そうに…もっとマシなところに転職した方がイイよ?

このくらいの感覚で交渉に臨むことが出来れば、ほぼ大丈夫です。成功例の2例はまあ特殊な例です(笑)誰にでも出来る芸当ではありません。

相談以外にも、こんな話があるというようなネタも大歓迎です。皆さまのメールをお待ちしています。

 

以上、参考になりましたら幸いです。