2017年3月実行予定40代半ばからの住宅ローンはどうやって組むか?

40代半ばにしてトランプリスクの渦中で組む住宅ローンについて

3月は住宅の引渡しが1年で最も集中する時期ですが、今年の3月はいつもとは違いますね。去年の11月にトランプ氏が大統領に当選してからというものの、全ての流れが変わりました。

良くも、悪くも。(良いことなんてありましたっけ?)

そして、2017年3月に住宅の引き渡しを控えている人にとっては、3月の金利がどうなるか?というのはまさに死活問題です。

今のところ、金利はトランプ大統領の就任後下降トレンドになっていますが、いつどんな動きになるか?予断を許さない状況であることは確かですね。

特に民間の金融機関は出来るなら金利を上げたいというインセンティブが働いているようですし。

今日はそんな状況下、ペアローンで2017年3月に住宅ローンを借りる方からのご相談です。ご主人はこの千日と同級生の昭和47年生まれです。

では、始めます。

相談1:40代半ばにして家を買います!住宅ローンの組み方に問題ないですか?

いつもブログを拝見させていただき、勉強させていただいております。

約1年後に引き渡し予定の物件を、契約予定でして、現時点の考え方についてご意見をいただきたくメールいたしました。

相談の前提は以下の通りです。

◼物件価格:6,500万(2017年3月引渡予定)

◼年令:夫44歳、妻39歳、子供5歳

◼収入:夫月収35万ボーナス200万(税抜)、妻月収23万ボーナス80万(税抜)

◼現在は社宅住まい

◼貯蓄:3,000万

子供の小学校進学を機に交遊関係を維持したままマンション購入をしたく、物件価格は高いですが上記の物件を購入しようと考えております。

妻1対夫2のペアローンで10年固定に問題ないですか?

現時点ではペアローンを前提に考えています。これによって住宅ローン控除が約200万円増加するためです。

  • 連帯債務のリスクは夫婦で確認したうえで判断をすること。
  • 住宅ローン控除の効果が大きいこと(やはり200万程度)。
  • 夫が10年後には54歳で定年まであと6年であること。

これらを考慮し、10年は元本はなるべく減らさず、

  • 11年目妻残債の一括繰上返済(連帯債務は残りますが・・・)
  • 夫60歳での夫残債の一括繰上返済

を目指したいと思います。

11年目から定年までの6年間に子供の大学進学もあるため多少の金利上昇があっても手元に資金を残しておいた方がリスクが少なく、逆に金利リスクは6年程度であればとってもいいのかと感じています。

ということで、借り入れは

  • 夫:4200万 三井住友信託10年固定 34年 60歳時(16年目)一括繰上返済
  • 妻:2300万 三井住友信託10年固定 35年 11年目一括繰上返済(実質的な頭金をイメージ)

とする方向で考えておりますが、千日さまのご意見をお聞かせください。

また、月収に対しての返済額割合が5割位ですし、夫の年令が高いので不安を感じています。我々にとっては高すぎませんか?

夫の会社の定年制度は、

  • 60歳 定年による退職
  • 60~65歳 再雇用

となっており、再雇用では大幅に収入がダウンします。が、あまり確かな情報は得られておりません。。。

今後の金利動向はわかりませんが、いずれにしても夫の65歳までの完済を考えています。

先の見通しについて自分の考えだけでは不安なこともあり、いつも参考にさせていただいている千日さまのご意見をお伺いできればと考え、ご連絡させていただきました。

お忙しいところ恐れ入りますが、ご回答をお待ちしております。

回答:ペアローンについてのリスクを把握された上でなら大丈夫です

ではお答えしていきますね。

ペアローンの連帯債務のリスクについては、ご夫婦で十分に話し合われたということで、世帯年収をベースとしてお答えします。

世帯年収に対する借入金額について

6,500万円の全体のボリュームを測ります。前回同様に20年で三井住友信託の20年固定0.95%でボーナス払い無しで月々いくらになるか?を計算しました。

297,483円がその価格ですね。

注)なぜ実際に借りる金利タイプで測らないか?という理由は、金利変動リスクを見積もりから排除するためです。
ボーナス払いにしないのは、収入の変動リスクを排除するためです。ボーナス払いは実際の返済計画を立てる上でもお勧めしていません。

世帯月収が58万円ですから、 住宅ローンのセオリー で設定している4割を超えるのですけど、このセオリーは一般的な月収を想定してます。

世帯月収58万円でしたら、5割でも問題無いです。だって30万円近く余裕がある訳ですから、世間並みの生活をしている限り、足りないなんてことは無いでしょう。

またボーナスが高いですから仮に月の収支がきつくなっても貯蓄による補填が可能です。

10年固定か?20年固定か?

奥さまと旦那さまの割合については、ほぼ年収按分の①対②ということで合理的だと思いますよ。

そして、①の方を10年後に一括返済する(実質的な頭金という考え方)にも賛成です。

ご提案したい部分は②の借入について、当初の固定期間終了後もそのまま借り続けることの適否についてです。

残り6年とは言え、まだその時点では3千万円位の残高があるのですよね。それに対する利息を6年間払うリスクです。

このリスクを無くすシンプルな方法は20年固定にすることです。

10年固定と20年固定の16年間の利息の推移をグラフにすると以下のようになりました。

  • 10年固定は10年後に優遇幅が0.9%から1.1%減ってしまうことが確定しています。グラフでは0.9%金利が増える前提で描いてます。

このグラフを見ると、『左側の台形』=10年固定が安い部分の面積より『右側の台形』=20年固定が安い部分の面積が小さいてすね。

それもあって6年間位はリスクを取って良いとお考えなのだと思います。

しかし、右側は『本当はまだ白紙』なんですよ。赤いラインはもっと上にあるかも知れませんし、グラフはまだ右側に延長していくかも知れません。

具体的に貨幣単位で測定してみました。グラフは利息ですがここからはより実質的に考えるために元利均等返済額で比較します。

まずは16年間の毎月の返済額について、10年固定と20年固定を比較します。元本は4,200万円34年元利均等返済ボーナス払いなしです。

(単位:円)

10年間を合計すると、その差は102万円ほどですね。これがリスクを減らす為のコストです。これを高いと見るか安いと見るかです。

もしも、今と同じ金利水準ならその後に取り戻せるお金は27万円で、16年間トータルでは75万円多く払うことになります。

あくまで今と同じ金利水準だという仮定ですから取らぬ狸の皮算用です。

なお参考として、16年後の一括返済額も加味するとどうなるか見てみました。

(単位:円)

20年固定は金利が高い分だけ元本の減りが遅いので、16年後の一括返済額も約20万円大きくなります。トータルで95万円のキャッシュが多めに必要ですね。

あくまで今と同じ金利水準だという仮定ですから取らぬ狸の皮算用です。

もちろん、金利が下がることもあり得ます。

そうですね、私見としてはペアローンのリスクを負うことによって約200万円の住宅ローン控除をゲットしているのですから、その分ここはリスクを取らないというの考え方もあると思います。

その為に95万円多めに払っても、ほぼ確定200万円儲かってるんですから、差し引きでプラスですものね。

相談2:トランプ大統領の影響で金利が高騰した場合に備えるには?

千日さま

お世話になっております。毎回、迅速かつ丁寧なご回答をいただき、とても感謝しております。

10年固定、20年固定については、図解や具体の数字をお示しいただき安易に「リスクを取る」と考えない方がいいんだという気持ちになりました。

というのも、自分の年齢を考えると取ったリスクが顕在化した場合にリカバリーするタイミングが期待できないということです。
妻とも相談しましたがペアローンという大きなリスク(顕在化させるつもりはないですが)を取ったうえでさらに定年に向けて金利リスクを取ることはないだろうと決めました。

ということで、

  • 10年固定(実質頭金相当)
  • 20年固定(実質借入相当)

の組み合わせで本申込みに備えます。

ありがとうございました。

あとは3月の融資実行時の金利がどうなっているかです。こればかりはわかりませんが、大きな上振れがないことを祈るばかりです。

最後に1点、アドバイスをお願いします。

三井住友信託銀行の金利方針が大きく変わってしまった場合に備えて仮審査を通しておくべき金融機関はありますでしょうか?

自分で調べた結果ですが、繰り上げ返済前提なのでネット銀行は対象外として

  • 三菱東京UFJ信託←現状、三井住友信託の次点?
  • 三菱東京UFJ(期間限定固定10年)←20年固定は金利が高い

ぐらいしか選択肢を見つけることができませんでした。

こちらについてもアドバイスをいただけると助かります。

回答:フラット35や地銀にも視野を拡げてはいかがでしょうか?

私もご満足頂けて嬉しいです。

そうですね、3月の金利は全く読めませんものね…

確かに挙げられた銀行は安い方の部類に入りますね。保険として考えるのであれば、別の方針で金利を決めそうな金融機関が良いかもしれませんね。

となると、地銀やフラット35です。

また、現時点のプランはあくまで今の金利水準を想定したものですので、大きな動きがあればそれに合ったやり方を模索する必要が出てくるかもしれません。

そういった意味でも地銀やフラット35といった全く毛色の異なる商品についても仮審査を出しておくことがリスクヘッジになると思います。

まとめ

その後、他のご相談者からの情報提供があって書いた都銀を凌ぐ低金利の伊予銀行の住宅ローンはどうか?とお勧めしました。

また、もう少しこれを掘り下げた記事として千日のブログでトランプリスクを回避する住宅ローンの組み方-千日のブログを執筆しました。

合わせて読んでみてくださいね。

以上、参考になれば幸いです。

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