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フラット35では自宅を将来賃貸に使途変更できる?

フラット35なら借入後に一定の条件で賃貸OK

フラット35では親が住む家やセカンドハウスでも住宅ローンを借りることが出来ます。また、返済が厳しくなったなどの事情があれば、完済までの期間、その物件を賃貸に回すことも可能です。

この点が民間の住宅ローンと大きく違うところです。

民間の住宅ローンは自宅を住居として使用することが、条件として定められています。当初、住宅ローンを借りた家を借入後に賃貸物件として有償で他人に貸し出す場合には、予め銀行の承諾を得る必要があるのです。

自分の家をどう使おうと勝手でしょ?

こんな風に思われるかもしれません。確かにその通りです。しかし、住宅ローンを融資する金融機関は我々がその物件を住居として使用しているからこそ、安い金利でも貸すのです。

家を奪われたくない。

誰だってそうですよね。しかし、それが自宅ではなく、金儲けの手段として持っている投資物件ならどうでしょう?

自宅ほど、執着しないんじゃないでしょうか。『ま、借金と相殺ならしょうがないか。』となる部分が増えてきますよね。

住居として使用しているからこその低金利の住宅ローンなのです。

ですから通常、民間の住宅ローンの約款にはこのように謳われています。

第8条(融資対象物件の使途が変更となる場合)

借主はこの契約により借り受けた金銭で購入した物件の使途を、借入後に変更(住宅ローンの融資対象物件を賃貸物件とする場合等)し、または譲渡する場合には、あらかじめ銀行の承諾を得るものとし、銀行が承諾した場合には銀行の指定する他のローンへの切替え(金利の変更を含む)当の銀行所定の手続きが必要となる場合には当該手続きを直ちに行うものとします。

さて、今日のご相談者です。

相談:将来賃貸に回す可能性もある自宅の住宅ローンについて

千日さま

今般東京都内に戸建てを建てるにあたり住宅ローンをそろそろ検討し始めなければ、と調べているなかで貴ブログに辿りつきました。

他にはない圧倒的な記事の濃さに感服しご多忙とは存じますが以下ご相談させて頂きたく存じます。

相談内容は「ベストな住宅ローンはどの商品(或いはどのタイプ)か」につきアドバイスを頂戴したい、というものです。

年齢及び家族構成

  • 年齢:48歳(ローン実行日年齢)
  • 扶養家族:妻39歳(専業主婦)長男12歳(中学生)
  • 年収:650万
  • 職業:サラリーマン、60歳定年、65歳まで再雇用可(65歳定年、70歳まで再雇用可へ向けた労使協定協議中)
  • 債務:ゼロ:自動車ローン、カードローン等も利用無し

物件の概要

  • 自己名義(残債無し)の土地に建築、2017年9月竣工予定
  • 長期優良住宅
  • 請負金額は6,000万円前後(工務店と見積調整中)
  • 建築する自宅用の土地は仕入時1億弱でしたので昨今の市場価格では多分1.2億程度と推測致します。
  • また、自宅も賃貸併用住宅へのリフォーム容易な設計にしていますので将来的には15万/月程度の賃料を稼いでもらう事も可能ではあります。

所有資産の概要と資金計画

今回、住宅ローンを検討した基本的背景としては、

  • 運用金利と借入金利の差を利用し現有金融資産にはそのまま仕事をしてもらう。
  • 低利の融資、及び優遇政策を享受することで資金全体のパフォーマンスを向上させたい。

という考えです。

ただ、金融資産の多くは海外の金融機関で運用しているため住宅ローン審査では主張できないと思われます。

今般建築する自宅の頭金や諸経費につきましては、上記金融資産の一部を取り崩して充当する予定です。

現在居住している住宅ローン完済みのマンションは、取りあえずは都下の不便な地域に住む両親へ都内のセカンドハウスとして提供する予定です。

上記以外には収益物件や不動産は所有しておりません。

ベストな住宅ローンの選択についてお聞きしたい

このご時勢、フラット35で借りた方が良さそうな気がしているのですが、如何なものでしょうか?

  • ① ARUHIスーパーフラット35s
  • ② 前回の住宅ローンを組み、その後メインバンクとして20年ほどお付き合いしているりそな銀行で相談すれば公開されている条件より更に有利な条件を引き出せる可能性はありますか?
  • ③ 上記①②以外で、よりお得な商品はございますか?

住宅ローンに対しての希望や返済イメージを付記致します:

  • 頭金は25%程度を予定(借入金額:4,500万円前後)
  • 30年ローン
  • 金利を低く抑えたい
  • 可能なら元金均等払い
  • ボーナス払い無し
  • つなぎローンもあれば嬉しい(中間金2,000万程度なので調達コストによっては別途検討)
  • 住宅ローン控除を有効利用したい(年収から長期優良の枠上限は無理でしょうが。。。)
  • ローン借り入れから10年超~20年未満の間に繰り上げ完済予定
  • 生命保険に加入しているので団信は不要でしょうか?

以上のような状況ですがベストの住宅ローンの選択につき良きアドバイスを頂戴頂ければ大変幸甚です。

お忙しいところお手数をお掛け致しますがよろしくお願い申し上げます。

回答:年齢、将来賃貸への転用可能性、団信を総合してフラット35をお勧めします

潤沢な資産をお持ちで羨ましい限りです。

確かに、将来的に収益物件にする予定の家を住宅ローンの金利で安く借りられたら、利回り面でかなりお得ですね。

住宅ローンを考えるにあたっての「要素」となることを重要度の順に並べてみました。

  • 完済までの年数
  • 賃貸への転用可能性
  • 団信と住宅ローン金利タイプ

おおむね、ご相談のポイントを網羅していると思います。ではそれぞれについて、ざっと要点を確認いたしましょう。

完済までの年数

年収ダウンの見込まれる60歳まではあと12年。長くとも65歳定年までの17年で完済したいですね。70歳まで延長があるとしても22年です。

賃貸への転用

賃貸へ転用すると、当該部分については住宅ローン控除の対象にはならない。また原則として住宅ローンとしての金利適用は受けられなくなります。

マイナンバー制度により従来より容易に名寄せが可能となっており、申告漏れ(対国税)及び約定違反(対銀行)のリスクを負うことはおススメしません。

サラリーマンの税金とマイナンバー制度-千日のブログ

したがって住居として使用している間に住宅ローン控除の恩恵をフルに享受し、かつ、残債務を安全圏にすることが望まれます。

もちろん、賃貸にすることが現段階で決まっているわけではありませんから、どちらにもシフトしてもコストとリスクを抑えられるプランがより有利です。

ただし、フラット35については、事情によらず住所変更届のみを提出することで転居ができることになっています。

明言はされていませんが、こういうことです。

  • 住んでいなくてもいい。
  • 住んでいない事情を説明しなくていい。

千日による追記:

2014年3月までは転勤や転職、病気などの事情で融資住宅から一時的に転居する場合は事前に『留守管理承認申請書』を提出して機構に承認をもらう必要がありました。

しかし、2014年4月からは事情によらず住所変更届のみ提出するだけで転居できるようになりました。承認は不要なんですね、届け出るだけでいいのです。

これにより、住宅に入居した後に所得の低下で返済が困難となった場合に所得が回復するまでの間融資住宅を賃貸し、その賃貸収入によってフラット35を継続することが可能になりました。

また、制度としても空き家になってしまうマイホームの家賃を保証する制度があります。一般社団法人移住・住みかえ支援機構その他で取り扱っています。

団信保険への加入と金利タイプ

ARUHIのスーパーフラット35sとした場合、団信は金利プラス0.3%となります。リスクとコストの見合いをどう考えるかを検討する必要があります。

民間金融機関では、団信は銀行負担となりますが、ARUHIのスーパーフラット35sに匹敵する低金利の住宅ローンタイプは10年固定タイプのみです。

変動金利は金利変動リスクを伴います。20年超の超長期の固定金利はコスト面でフラット35に及びません。

特にりそな銀行は最初から超長期で勝負する気が無い感じに見受けられます。

唯一りそな銀行は借換専用で10年固定を0.5%としており、これについては住宅ローン10年固定金利で10年後の金利に左右されない方法を教えます-千日のブログで述べたような、国債の代替投資としての意味合いが強い印象を受けました。

ですので、ARUHIのスーパーフラット35sを引き合いに交渉しても、あまり勝負にならないように思います。

千日による追記:

ARUHIのスーパーフラット35とは、頭金を2割以上準備することでフラット35の金利からさらに0.1%引き下げになる商品です。

もともと低金利で金利変動リスクもないフラット35の金利がさらに0.1%引き下げになるのでとても有利ですね。

詳しくはARUHIスーパーフラット35がマイナス金利時代に最もおトクな理由-千日のブログをどうぞ。

おすすめの住宅ローンはフラット35

では本題、どんな住宅ローンが良いか?です。2つのパターンが考えられますが、フラット35が安定しています。

①60歳(旧定年)までの固定期間に住宅ローン控除の恩恵を得てその後賃貸に使途を変更する

⇒民間金融機関の10年固定で借りて58歳で住居部分を一括返済し、賃貸部分を賃貸住宅ローンで借り換える。又はアルヒスーパーフラット35sで借りて58歳で転居し、賃貸する。

それぞれで当初の10年とそれ以降のシミュレーションをしました。

(単位:円)

4,500万円
30年
三菱東京UFJ
0.5%
ARUHI
0.7%
差額
毎月 134,635 138,620 -3,985
10年返済額 16,156,233 16,634,443 -478,210
10年後残高 30,743,288 31,036,610 -293,322
住宅ローン控除 3,415,965 3,424,219 -8,255
差引 43,483,557 44,246,834 -763,277
11年~も
返済継続
三菱東京UFJ
?%
ARUHI
1.0%
差額
毎月 ? 142,736 ?

毎月の支払はそんなに変わりませんね。ボーナスを除く手取りの月収を35万円とすると、どちらも4割未満に抑えられます。

三菱東京UFJの方が76万円有利となりますが、10年以降の金利にリスクをとることになります。3千万円がリスクのボリュームです。

  • 住宅の部分については金利変動リスク
  • 賃貸部分についてはその時の賃貸住宅ローンの金利のリスク

フラット35の場合は76万円多めに払うことになりますが、10年以降の金利変動リスクはありません。ただ、返済額が14万円超となります。その後、60歳を超えて収入が半減すると客観的に『支払いが厳しくなる』ということになるでしょう。

それを見越して(やむなく)転居し、自宅を賃貸に転用することにすれば、毎月のキャッシュ・アウト14万円を超える賃貸料の収入があるか?というリスクになります。

おそらくですが『転居』は条件になると思われます。併用のままで行けるかどうか?はグレーですね。

賃貸への転用工事については考慮に入れていませんのでその点はご了承ください。

②定年までは全期間固定型で元本を減らし、リバースモーゲージに切り替えて元本返済を人生卒業時まで繰り延べる

⇒アルヒスーパーフラット35sで借りて在職中は元本を減らし、年金収入のみに切り替わるタイミングでリバースモーゲージする。

賃貸にしないということであれば、安全圏まで元本を減らしてリバースモーゲージで元本返済を繰り延べ、利息のみを払うという手もあります。

リバースモーゲージとは、自宅を担保にした年金制度の一種です。持ち家を担保に金融機関から融資を受けて、元本返済は死亡時に売却することで一括返済する仕組みです。

  • 対象の物件を担保に住宅ローンをリバースモーゲージに切り替える。(リバースモーゲージで借り入れるお金で一括返済する)
  • その後は利息(その時の変動金利)のみを毎月支払う。
  • 死亡時に金融機関は担保物件を処分して元本を回収し、残余は相続人に分配する。

まさに、住宅ローンのリバースです。

メリット

  • そのまま対象の物件に住み続けることができる。
  • 負担は利息のみなので、毎月の支払いは軽減される。
  • 借りたお金の用途に制限はない。
  • 一括貸付方式や、年金のように分割で貸し付ける方式など、いろいろある。

デメリット(リスクと条件)

  • 担保物件の時価変動リスク=担保となった物件の時価が貸付金額を下回るとその分の返済が必要になる。
  • 金利変動リスク=支払う利息の利率タイプは変動のみなので、金利変動リスクがある。
  • 長寿リスク?=担保物件の処分までの期間が長くなると、その分上記の2つのリスクも高くなるうえ、支払う利息も増えていく。
  • 推定される相続人全員の同意が必要。

それぞれ節目となる年齢での住宅ローン残高をシミュレーションしてみました。

(単位:円)

11年~も
返済継続
ARUHI
1.0%
毎月 142,736
12年後(60歳)残高 28,204,642
17年後(65歳)残高 20,872,004
22年後(70歳)残高 13,163,574

それぞれの残高が、リバースモーゲージを組んだ時のリスクのボリュームです。

  • 担保物件の時価変動リスク=時価がこの金額以下にならないこと。
  • 金利変動リスク=この金額に対する金利変動があること。

というリスクになります。お聞きした物件の金額的なボリュームから考えると、あまり心配は無さそうですね。

まとめ~フラット35の金融円滑化の取組み

いかがでしたでしょうか。フラット35では借入時点で賃貸目的の住宅についての融資はしてもらえませんが、その後に賃貸に使途を変更することは禁止していないのです。

これは、民間の金融機関との大きな違いです。以下は住宅金融支援機構のホームページからの引用です。赤い文字色は千日が付けました。

中小企業金融円滑化法(「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律(平成21年法律第96号)」をいいます。)は、平成25年3月末を以て終了いたしましたが、法終了後においても、住宅金融支援機構の金融円滑化に向けた取組については、何ら変わるものではありません。

住宅金融支援機構は、同法の趣旨をふまえ、以下の事項を継続して実施します。

住宅ローン等の条件変更に関する取組方針の公表及び取組体制の強化

住宅ローンにおける融資住宅からの一時的な転居に関する承認手続の廃止(融資住宅を所得が回復するまでの間賃貸し、その家賃収入により返済を継続することも可

金融円滑化への取組みについて-住宅金融支援機構

文字の赤い部分に注目です。こんな条項は民間金融機関の住宅ローンには絶対に無いと断言してもいいでしょうね。これは国が運営する住宅ローンだからこそ出来ることなのです。

セカンドハウスにも使えることはまだ知られていますけど、賃貸への使途変更が事実上認められていることは、意外と知られていないのですね。

もちろん制度の主旨は中小企業や住宅ローンの利用者の返済負担を軽くして、返済が苦しくなった人を救済することですから、初めからお金儲け目的でフラット35の住宅ローンを利用するのはNGですよ。

以上、参考になれば幸いです。

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