公務員の住宅ローンは60歳定年に注意!空白の5年間への備え

高い信用力で有利な住宅ローンを組める公務員の落とし穴は60歳定年です

公務員は安定した収入と年金による高い信用力で、住宅ローンを組む際には通常よりもかなり優遇された条件で借り入れできるケースがあります。

千日もこの無料相談ドットコムを始めてから多くの方の相談に乗るうち、公務員がいかに審査属性が高いかを目の当たりにし、驚いている次第です。

最近は低金利であることから、年収に対する融資可能額も増加傾向にあるのですが、中でも公務員は高いですね。

しかし、タイトルにあるように公務員は60歳が定年であるというのが、意外なウィークポイントなんです。それもかなり大きなものです。

民間企業では年金の受給が65歳からになっていることから65歳までの定年延長が義務付けられていますが、公務員については、定年延長が見送られています。

なぜか?

最も分かりやすい理由は、少子高齢化によって人口は減少し税収が減る一方で、老人の割合が増えて医療費や扶助費が増えることが見えているからです。

無い袖は振れないのです。

  • 60歳から65歳までの無収入となる5年間。

これは、過去には無かった公務員のリスクです。

しかし、

  • 住宅ローンの審査においては、公務員の無収入の5年のリスクが、全く反映されていない。

これを千日は肌で感じています。

今日のご相談者は破格の好条件で住宅ローンの審査に通過していますが、この5年のリスクに十分に注意する必要があるケースです。

相談:37歳公務員のフルローンの返済計画は?

東北地方在住の地方公務員です。今回、土地購入して注文住宅を新築します。住宅ローンは、ほぼフルローン(頭金100万程度)で、35年間3,500万円で組もうと考えています。

土地購入から着工まで時間がかかるため、つなぎ融資が必要です。そこで住宅ローンは地元の銀行から借りら予定です。銀行からは、変動を進めらています。その銀行は、10年固定までしかなく、変動が月々の支払いが一番安くとの話でした。

私は、つなぎ融資も必要な事と新生銀行などの都市銀行の支店がない地域に住んでいるので、最初の契約は地元の銀行で組もうと考えています。お忙しい中だとは思いますが、アドバイスをいただけると助かります。よろしくお願いします。

住宅ローンの条件

地元の地銀で3行ほど審査を受けて最も有利な銀行に絞りました。

  • 借入元本:3,500万円(頭金ほぼゼロ)
  • 金利:変動金利0.51%で、保証料は金利に含みます。
  • 支払期間と方法:35年元利均等返済ボーナス払いなし
  • 諸経費:手数料等の諸経費は74,108円
  • 団信:一般団信、がん団信が保険料負担なしです。

土地購入のため、つなぎ融資が必要なのですが、一括融資ができるため当初から元金返済 ができるそうです。

私としては、新生銀行の長期ローンを希望していたのですが、つなぎ融資の期間が長いこと、新生銀行では提携のアプラスという会社からつなぎ融資を受けるため、別途金利が発生していまいます。

また、フラット35は、それなりに諸費用がかかるため、私にとってお得なのかがわかりません。

つなぎ融資と物件

なぜ、つなぎの期間が長いかというと、住宅を建てる市の補助金50万(例年5月に申請)をもらうからです。
そのため、6月着工~9月末完成になります。

土地の契約は、昨年の12月に仮契約したのですが、農地転用が必要なため3月に許可が出た後の4月に本契約になります。

年収と年齢

  • 本人37歳、年収550万、役職などは上がらないため、大幅な年収アップは考えられない状況です。
  • 妻41歳、パート年収100万
  • 子ども、男9歳、女6歳
  • 車のローン70万があり、月々2万の返済です。

素人判断なので善し悪しがわからず、以前から拝見していた千日さんに相談したいと思い、思い切ってメールした次第です。

千日さんのおっしゃる通り、百戦錬磨の銀行員やハウスメーカー営業、不動産屋にはかないませんが、できれば少しでも負担が軽いローン契約をしたいと思っています。

回答:60歳までに住宅ローンを完済した上で5年間の無収入期間を乗り切る貯蓄が必要です

では、この地銀での住宅ローンの可否、現状の住宅ローンの返済計画の2点についてお答えしますね。

住宅ローンの条件はピカイチです

はっきり言って破格の条件です。

保証料込みで0.51%というのは、多分方便で保証会社の保証を付けていません。もし、返せなくなったら銀行がかぶるということです。

つまり、保証会社の保証をつけずに銀行独自でリスクを取るというケースではないかと見ています。

また、車のローンなど他の借り入れがあると、普通は審査が厳しくなり、本来貸せるはずの融資額がガクッとへります。特にこの傾向はフラット35に顕著です。だいたい借入額の5倍位、融資可能額が減ります。

にもかかわらず、明らかに担保評価額を超えた額を融資しています。しかも、その金利は0.51%と大手銀行の変動金利よりも安く、加えてガン団信付きですね。

変動金利では最安と言われるネット銀行よりも有利です。ネット銀行なら、約2.16%の融資手数料がかかります。つまり75万円位ですね。それがこの地銀なら10分の1以下の7万4千円です。

ですから、この地銀で進める事に間違いは無いと思いますよ。

毎月の元利均等返済額については夫婦2馬力なら可能です

次に借入額です。これはちょっとオーバーしてます。

住宅ローンのセオリーの2つのページをご一読下さい。

住宅ローンのセオリー 金利タイプ選びのセオリー
  • 毎月の元利均等返済額を手取り月収の4割以下にする。
  • 変動金利の場合は毎月の元利均等返済額の25%を貯蓄に回した上で月収の4割以下にする。

です。

シミュレーションしてみました。

  • 借入額:3,500万円
  • 利率:0.51%(変動金利)
  • 返済期間:35年
  • 支払い方法:元利均等返済、ボーナス払いなし
  • 毎月の元利均等返済額:91,009円

手取り月収を25万円とすると、4割は10万円です。今の元利均等返済額ならセーフですが、25%を貯蓄するとなるとオーバーしますね。

なので、年収が650万円を超えるまでは奥様との2馬力が条件です。

借入年数については定年時の残高を意識して決めましょう

金額に加えて、年数もオーバーしています。こちらの方が喫緊の問題点です。

年金の支給開始が65歳からになったことで民間企業には65歳までの定年延長が義務付けられましたが、公務員の定年の延長は見送られました。

つまり、60歳になると原則として収入が途絶えるということです。

再任用制度があると言っても、今のところは最長1年です。

つまり、60歳までに住宅ローンを完済した上で、年金支給がスタートする65歳まで生活する貯金を用意しないと、家を手放さなくてはならなくなるのです。

つまり、37歳から60歳までの23年のミッションは以下のようなものになります。

  • 2人のお子さんが独立するまでの学費と生活費を払う。
  • 住宅ローンを完済し、加えて5年間の生活資金を貯蓄する。

この住宅ローン(変動金利)で23年後のローン残高は幾らになるかというと、約1,271万円ですね。

これに加えて5年間、夫婦2人が最低限の生活が出来る資金を約1,000万円とすると、合計2,271万円の貯金が定年退職時に必要ということですね。

これには退職金を含めても良いです。

こちらは40代から住宅ローンを組む場合の記事ですが定年が5年早いので適合します。参考にどうぞ。

2017年40代から借り始める住宅ローンの返済計画 老後破たんしないために

借入期間は35年ではなく、30年位にしておいたほうが良いかもしれません。そうなると、月の元利均等返済額は104,870円ですが、23年後のローン残高は865万円となります。桁が一つ下がるだけでもだいぶ違いますよね。

金利変動リスクよりも、むしろやむを得ない理由で当初計画した貯蓄ができなくなり、老後破たんするリスクの方が遥かに深刻だと思います。

 

まとめ〜住宅ローンを完済出来ても老後破たんしては意味無い

いかがでしたでしょうか。退職金については公務員ですので、確度が高いと言えます。

しかし、退職金で住宅ローンを完済した後に5年の無収入期間があることが、むしろ金利変動リスクよりも大きなリスクですね。

銀行としては、退職金で住宅ローンが完済されれば、オールオッケーなんです。老後の生活には関知しません。

子供の仕送りに期待は出来ません。その頃には若年層への年金負担は今より遥かに重くなっているはずです。

自分の老後を守れるのは、自分だけなんです。

以上、参考になれば幸いです。

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