自己資金の土地に注文住宅を建てる際のつなぎ融資はどうすればいい?

自己資金で土地を購入したら不動産担保ローンで借りる方法もある

住宅ローンは住宅が購入者に引き渡されるタイミングに融資を行います。なのですでに完成しているマンションや建売住宅の場合は引き渡しの時に住宅ローンが実行されるのですね。

これに対して注文住宅の場合は、着工時に着手金、上棟時に中間金、完成引渡し時に残金を払うのが一般的です。

また、土地も必要ですよね。工事に着工する前に土地代を支払う必要があります。

これら、引渡しまでに必要なお金を現金で用意できる人は少数派です。ですから『つなぎ融資』という仕組みを使うのですね。

つなぎ融資とは、正式に住宅ローンを借りるまでの間に必要な資金を金融機関から融資を受けるもので、建物が完成して引き渡されるときに借りる正式な住宅ローンに借り換えて精算することで終了するものです。

つなぎ融資はこんなイメージです

  • 土地代金:2,000万円
  • 建築費:3,000万円(内訳:着手金900万円、中間金900万円、残金1,200万円)

実際には一部自己資金を入れるのですが、銀行にとっては2,000万円の土地を担保として4,000万円貸すことになるんですよね。なので、金利が高くなったり、そもそも取り扱っていない金融機関もあるんです。

もしも土地が自己所有だったらどうでしょうか?

同じ例で図にするとこうなりますね。

これは不動産担保ローンです

2,000万円の土地を担保にして2,000万円の融資であれば、貸せますよね。実際には担保価値の100%貸すということはまれですが、明らかにつなぎ融資とは異なる状態になります。

  • 2,000万円の資産を持っている債務者に4,000万円貸すのが「つなぎ融資」です。
  • 2,000万円の資産を持っている債務者に2,000万円貸すのが「不動産担保ローン」です。

相談:自己資金で土地を買って注文住宅を建てる場合の住宅ローン

住宅ローンの借入先と、変動とフラットで悩んでおります。

下記、詳細を記載します。
【借入金額】2800〜3000万円
【借入年数】35年
【世帯収入】夫530万円+妻510万円
【土地】昨年8月に、2000万円現金にて決済済み
【現在貯蓄】二人合わせて、約700万円

上記にて、住宅ローンを選択する際のアドバイスをお願いします。

変動かフラットか。注文住宅のため、つなぎ融資が必要というのが前提です。

現在、設計打ち合わせ中にて、着工は8月頃で、完成は2〜3月頃となる予定です。

従いまして、借入時期はそこらあたりとなります。(つなぎ融資は、その前から必要となりますが。)

資金移動ができればと思っており、UFJをメインバンクにしているので楽天銀行での借入は、面倒な作業が多いように感じます。

私は42歳、妻は41歳です。

現在、子供はいませんが、妊活中です。

お互い、60歳までは勤務可能ですが、完全に約束されたわけではありません。

※私の希望は、50歳ぐらいで転職し、自分のスタンスで仕事したいのですが。。

よろしくお願いします。

回答:土地が自己所有なら『つなぎ融資』よりも有利に進めることが出来ます

では、お答えしていきます。

  1. 本件のつなぎ融資のポイント
  2. 最適な住宅ローンのシミュレーション
  3. 住宅ローン完済までのシナリオ

について、ご提案しますね。

注文住宅では必須となるつなぎ融資ですが、取扱いのある銀行と無い銀行がありますね。建築会社の提携ローンであればスムーズなのですが、そうでない場合は色々と頭の痛い問題です。

また、42歳からの住宅ローンは、確実な収入のある期間が限られていますので、スタート時点からいつ完済するかについて、計画する必要があります。

土地を現金で購入しているので土地を担保に融資を受けられます

いわゆる『つなぎ融資』というのは、土地の購入から着手金(3分の1)、中間金(3分の1)を『家』が完成するまでの間に借りるおカネで、完成までの間は利息だけを払います。

つまり、銀行は土地を担保に取りますけど、貸すお金は土地代プラス着手金と中間金なのでその間リスクが高いわけです。取扱いのある銀行と無い銀行があるのはそういう理由によるものです。

また利息は通常の住宅ローンの利息よりも高くなるのが普通です。

しかし、今回のケースでは通常のつなぎ融資よりも有利に事を進めることが出来るのです。

自己所有の土地があるからです。

つまり、土地を担保にして着手金(3分の1)と中間金(3分の1)を借りるという状況なのです。銀行はちゃんと担保が取れますからね。交渉すればネット銀行などで『つなぎ融資』を借りるよりも安い金利で融資を受けられる可能性が高いと思います。

また、つなぎ融資の取り扱いの無い銀行であっても、融資を受けられるはずです。これは、正確にはつなぎ融資ではなく不動産を担保とした融資(不動産担保ローン)だからです。

土地は2千万円ですよね。これを担保として注文住宅の建築の着手金と中間金を借りるということです。

家が完成したら、土地と建物の両方に抵当権を設定するんですから、銀行にとっては同じことです。あとは手数料がいくらになるかですが、これは実際に複数の銀行で相談して事例を集める必要があるでしょう。

60歳までに完済して利息が最安となる住宅ローンのシミュレーション

住宅ローンを借りる時点でいつ完済するかを決めます。40歳を過ぎて転職を前向きに考えておられる点から、何かの分野のスペシャリストではないかと推察しました。だとすると、必ずしも60歳までという縛りは無いのかもしれませんが、ここは保守的に60歳とします。先のことは分かりませんからね。

そして、仮に収入合算となったとしても、妊活中の奥様の収入を100%アテには出来ないという前提も取りたいと思います。

そこから導き出されるベストな条件は以下のものです。

  • 住宅ローンを17年で完済し、17年後の残高は無理なく一括返済できる残高にする。
  • 毎月の元利均等返済額は夫の月収だけからでも支払える範囲とする。

このようにしておけば、産休中以外は奥様の収入もあるので、余裕をもって無理なく完済できるプランになるはずです。

融資の実行は来年の3月ですから、もちろんその時点の金利は分かりませんが、現時点の住宅ローンの商品からマッチするものを考えると、三菱UFJ信託と三井住友信託の20年固定金利ということになります。

  • 三菱UFJ信託銀行の20年固定1.02%
  • 三井住友信託銀行の20年固定1.05%

20年固定で20年で完済するのではありません。それだと毎月の返済がきつくなります。

あえて返済期間は長めにとって、税込み月収で無理なく返済可能な範囲に納めます。

また、返済期間を長くとりすぎると、完済する17年目に残るローン残高が大きくなりすぎてしまいます。その分貯金が出来ていればいいですが、この残高が大きいということは、リスクでもあるのですよね。

何か不幸なトラブルが起きたり、やむを得ない理由によって計画した貯蓄が出来ない可能性もあるからです。

なので、毎月の返済額を無理なく完遂できると同時に、定年時の残高が大きくなり過ぎないような絶妙なさじ加減が必要になってきます。

前置きが長くなりましたが、以下の条件です。

  • 借入額は3,000万円
  • 20年固定金利
  • 返済期間は24年
  • 元利均等返済、ボーナス払いなし

三菱UFJ信託銀行と三井住友信託銀行の場合でシミュレーションしました。

(単位:円)

20年固定
24年返済
三菱UFJ信託
1.02%
三井住友信託
1.05%
毎月返済 117,480 117,888
17年支払 23,966,000 24,049,083
17年後残高 9,520,387 9,543,376
住宅ローン控除 -2,354,324 -2,355,890
返済額合計 31,132,063 31,236,569

いかがでしょうか。

住宅ローンのセオリー では、毎月の返済額を手取月収の4割以下にすることとしています。年収530万円の手取月収は25万円ですのでその40%は10万円ですから、若干オーバーしていますね。

しかし、実際には奥様の収入がありますので、そちらを貯蓄に回せば十分に老後や生まれてくる子供の教育費の貯蓄をしながら返済をしていくことが出来ます。

奥様が産休に入ると月収からの返済は少し厳しくなりますが、ボーナスで挽回可能な範囲であり、今の貯蓄を減らさないように家計を回すようにします。

住宅ローン控除を加味すると、総返済額は3,113万円~3,123万円ですね。3,000万円も借りて利息の負担はわずか百万円代で済むということです。

あとは、17年後(60歳定年のとき)の住宅ローン残高、約9百万円をどうやって一括返済するか?ですね。

17年後一括返済のシナリオ~今の700万円があれば大丈夫

現時点で7百万円の貯金があります。少なくともこれを減らさず、これから老後資金と子供の教育費を貯めていけば可能です。

10年で230万円位になる住宅ローン控除に手を付けずに貯金しておくのです。そうすれば、9百万円になりますよね?

(単位:円)

貯蓄計画 三菱UFJ信託
1.02%
三井住友信託
1.05%
現時点貯蓄 7,000,000 7,000,000
住宅ローン控除 2,354,324 2,355,890
合計 9,354,324 9,355,890

いかがでしょうか、これにあと20万円ほどオンすれば、17年後(60歳定年)の残高を一括返済できるという仕組みです。

20年固定であれば、金利は固定されていますから、金利の変動リスクを負うことはありません。17年間の毎月の返済をクリアし、今ある7百万円の貯金を崩しさえしなければ、可能なミッションです。

あとは、両行で土地を担保に融資を受けられるか?という点と、来年3月時点の金利情勢ですね。

まとめ

ちなみにですが、三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行には『つなぎ融資』の取り扱いはありません。しかしこのケースは所謂『つなぎ融資』ではない、という前提で考えています。

  • 土地という不動産を担保に幾らまで融資できるか?
  • その場合の金利はいくらになるか?

これがポイントです。そして、完全に個別の判断となります。

いずれにしても、これだけは言えるのは、普通の『つなぎ融資』の条件(金利)で借りるのは明らかに損です。対面で話のできる大手銀行や地方銀行に相談に行き、確認されることをお勧めします。

以上、参考になれば幸いです。

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