借換(銀行の乗換)と金利交渉の3か条

以下は当サイトに寄せられた様々な借り換えの事例から導き出された3か条です。

  1. 平日に銀行まで行かなくても電話だけで交渉を進められる。
  2. 明確な数字を示さないと、銀行に有利な条件しか出して来ない。
  3. 借り換えが面倒でも、安くなるなら借り換える明確な意思を示す。

金融機関の乗り換えと金利交渉は表裏一体です。乗り換えるという意思を明確にしないと、先方も本気にはなりません。先方を本気にすれば、簡単に話は進みます。

ここではどうすれば、金融機関の担当者から利下げを引き出せるか?という一点に絞ってお話ししましょう。当サイトに寄せられた借換交渉の実例についてはブログ 住宅ローンの借換をご参照ください。

基本的にこちらの意思を伝えるだけですから電話で十分なんです。特に一回目の電話はこちらの要件を伝え、本人確認するだけの時間ですから、長くても15分程度でしょう。

  • 他行の方が安いことは融資担当者も十分承知しています。

メールなどは証拠が拡散するので、銀行側も全て口頭のやり取りを望んでいます。電子データで利率の引き下げ例が拡散すると収拾がつかなくなるからです。

銀行のホームページにあるシミュレーションで、実際に幾ら元利均等返済が減るかを把握しておき、その総額が借り換え費用を上回る事が条件です。

  • 借り換えた方が具体的に幾ら得かいうことを確認しておきましょう。

実際に借り換えを検討している銀行で仮審査を通しておき、新旧両方の銀行から借り換えにかかる費用の実費見積りを聞いておくと間違いないです。

  • 借り換える金融機関の仮審査を通しておく。
  • 借り換えにかかる費用の見積もり(手数料や返還される保証料)を問い合わせる。

仮審査を通したからといって必ず本審査にしなければならないという事はありません。 また本審査に通ったからと言って必ず借換えなければならないという事もありません。違約金もありません。

いつでもストップがきくのに、やってないと相手も甘く見ます。経済的に合理的な決断をしないと見られると、相手からギリギリの条件を引き出せません。 信用情報を照会すれば、実際に他行で審査を受けているか、他行の照会履歴で分かるようになってます。

借換で得する借入残高と残期間と金利引き下げ幅の関係

ある相談者からこんな質問を受けました。

借り換えについてですが
①残り期間10年以上
②残り残高1000万以上
③現状の金利と借り換え後の金利差が1%以上
この3つの条件に当てはまらなければ得することができないのでしょうか?

誰かが言い始めたんでしょうけど、間違った情報です。特に金利差が1%以上というところがほとんど間違いです。間違った情報で、借換の機会を奪われている人が実に多いです。

金利が下がれば下がるほど借換費用を取り返しやすい。というのは誰でも想像できますよね。

それだけではありません。

  • 借入残高が多いほど、利息の節約効果が高くなるので借換に有利
  • 残り期間が長いほど、利息の節約効果が高くなるので借換に有利

こういうことです。

実際に借換費用を取り返すために必要な金利の引き下げ幅を、借入残高と残り期間で表にしてみました。

借換費用を取り戻すのに必要な金利引き下げ幅の表

借換費用を取り戻すのに必要な金利差をマトリックス状の表にまとめました。縦の列が借入残高、横の列は残り期間です。

借入残高が多いほど、借換費用を取り戻すのに必要な金利の引き下げ幅は少なくて済むということが分かりますよね。

また、残り期間が多いほど、借換費用を取り戻すのに必要な金利の引下げ幅は少なくて済みますよね。

  • 借換費用10万円を取り戻すのに必要な金利引き下げ幅
百万円 5年 10年 15年 20年 25年 30年
5 0.79 0.40 0.27 0.20 0.16 0.14
10 0.40 0.20 0.14 0.10 0.08 0.07
15 0.27 0.13 0.09 0.07 0.05 0.05
20 0.20 0.10 0.06 0.05 0.04 0.04
25 0.16 0.08 0.06 0.04 0.03 0.03
30 0.14 0.07 0.05 0.04 0.03 0.03
35 0.12 0.06 0.04 0.03 0.03 0.02
  • 借換費用20万円を取り戻すのに必要な金利引き下げ幅
百万円 5年 10年 15年 20年 25年 30年
5 1.56 0.79 0.53 0.40 0.32 0.27
10 0.79 0.40 0.27 0.20 0.16 0.14
15 0.53 0.27 0.18 0.14 0.11 0.09
20 0.40 0.20 0.14 0.10 0.08 0.07
25 0.31 0.16 0.11 0.08 0.07 0.06
30 0.27 0.13 0.09 0.07 0.05 0.05
35 0.23 0.12 0.08 0.06 0.05 0.04
40 0.20 0.10 0.06 0.05 0.04 0.04
  • 借換費用30万円を取り戻すのに必要な金利引き下げ幅
百万円 5年 10年 15年 20年 25年 30年
5 2.32 1.17 0.79 0.59 0.47 0.40
10 1.17 0.59 0.40 0.30 0.24 0.20
15 0.79 0.40 0.27 0.20 0.16 0.14
20 0.59 0.30 0.20 0.15 0.12 0.10
25 0.48 0.24 0.16 0.12 0.10 0.08
30 0.40 0.20 0.14 0.10 0.08 0.07
35 0.34 0.17 0.12 0.09 0.07 0.06
40 0.30 0.15 0.10 0.08 0.06 0.05
  • 借換費用40万円を取り戻すのに必要な金利引き下げ幅
百万円 5年 10年 15年 20年 25年 30年
5 3.07 1.55 1.04 0.78 0.63 0.52
10 1.56 0.79 0.53 0.40 0.32 0.27
15 1.05 0.53 0.36 0.27 0.22 0.18
20 0.79 0.40 0.27 0.20 0.16 0.14
25 0.63 0.32 0.22 0.16 0.13 0.11
30 0.53 0.27 0.18 0.14 0.11 0.09
35 0.45 0.23 0.16 0.12 0.10 0.08
40 0.40 0.20 0.14 0.10 0.08 0.07
  • 借換費用50万円を取り戻すのに必要な金利引き下げ幅
百万円 5年 10年 15年 20年 25年 30年
5 3.82 1.93 1.29 0.97 0.78 0.65
10 1.94 0.98 0.66 0.49 0.40 0.33
15 1.30 0.66 0.44 0.33 0.27 0.22
20 0.98 0.50 0.33 0.25 0.20 0.17
25 0.79 0.40 0.27 0.20 0.16 0.14
30 0.66 0.33 0.22 0.17 0.14 0.12
35 0.56 0.29 0.19 0.15 0.12 0.10
40 0.49 0.25 0.17 0.13 0.10 0.09
  • 借換費用60万円を取り戻すのに必要な金利引き下げ幅
百万円 5年 10年 15年 20年 25年 30年
5 4.56 2.30 1.54 1.16 0.93 0.77
10 2.32 1.17 0.79 0.59 0.47 0.40
15 1.56 0.79 0.53 0.40 0.32 0.27
20 1.17 0.59 0.40 0.30 0.24 0.20
25 0.94 0.48 0.32 0.24 0.19 0.16
30 0.79 0.40 0.27 0.20 0.16 0.14
35 0.68 0.34 0.23 0.17 0.14 0.12
40 0.59 0.30 0.20 0.15 0.12 0.10
  • 借換費用70万円を取り戻すのに必要な金利引き下げ幅
百万円 5年 10年 15年 20年 25年 30年
5 5.29 2.67 1.79 1.34 1.07 0.90
10 2.70 1.36 0.91 0.69 0.55 0.46
15 1.81 0.92 0.61 0.46 0.37 0.31
20 1.37 0.69 0.46 0.35 0.28 0.24
25 1.10 0.56 0.37 0.28 0.22 0.19
30 0.92 0.46 0.31 0.24 0.18 0.16
35 0.79 0.40 0.27 0.20 0.16 0.14
40 0.69 0.35 0.24 0.18 0.14 0.12
50 0.55 0.28 0.19 0.14 0.12 0.10
  • 借換費用80万円を取り戻すのに必要な金利引き下げ幅
百万円 5年 10年 15年 20年 25年 30年
5 6.01 3.03 2.03 1.52 1.22 1.02
10 3.08 1.55 1.04 0.78 0.63 0.52
15 2.07 1.04 0.70 0.53 0.42 0.35
20 1.56 0.79 0.53 0.40 0.32 0.27
25 1.25 0.63 0.42 0.32 0.26 0.22
30 1.05 0.53 0.36 0.27 0.22 0.18
35 0.90 0.46 0.31 0.23 0.19 0.16
40 0.79 0.40 0.27 0.20 0.16 0.14
50 0.63 0.32 0.22 0.16 0.13 0.11

いかがですか?少なくとも1%は下がらないと損だというのは全く何の根拠も無い、間違った情報であることがお分かり頂けたら幸いです。

実際に借換費用を見積ってみよう

借換費用の内訳についても、ご相談者の実例によって当サイトに蓄積されています。随時ブログにアップしています。読めば概ねこちらの早見表と近似していることがお分かりいただけると思います。

一般的な借換費用の内訳と見積もり方法

借換とは、元の銀行に対するローンを一括返済して次の銀行で新しくローンを借りることです。その時にかかる費用とは2つに分類できます

元の銀行に対しては、元の金銭消費貸借契約で規定していた借入期間よりも短い期間で完済することになります。 銀行(債権者)としては、受け取れたはずの利息が、債務者の都合で受け取れなくなる訳ですから、一定の手数料を取る訳です。 手数料の金額は銀行によって微妙に違いますがだいたい10,000円くらいです。

  • 融資手数料は3万円
  • 印紙税は1万円から2万円
  • 登録免許税は一律0.4%
  • 司法書士報酬は5万円~10万円
  • 住宅ローン保証料は返ってきて払って差引3万円

利息の清算や住宅ローン保証料の清算があります。これらはその時に払ったり返ってきたりするのでお金が動いている感じがありますけど借換の損益に影響しません。もともと払うものだからです。ただし保証料については、完全に返金されず『敷引き』のような感じで取られる部分がありますので差引3万円としています。

これは最も一般的な都銀の住宅ローンでの借換費用の例です。例外もあります。

例えばネット銀行など金利や手数料の安さを売りしている金融機関だと、住宅ローン保証料は無しというところもありますね。

その場合は融資手数料という形でほぼ住宅ローン保証料に相当する金額を取られます。少し割安にはなりますが融資手数料ですから借換時に返ってこないというカラクリです。

もしも元の銀行で保証料が無かったという場合は、乗り換え先の銀行で借りるときの保証料が上乗せとなります。乗り換え先の銀行で保証料が無い場合は、おそらくその分融資手数料が保証料並になっているでしょう。保証料の相場はおよそ借入額の2%前後です。

フラット35への借換費用の内訳と見積もり方法

フラット35への借換も、基本的には同じですけど、フラット35特有のポイントがあります。確認しておきましょう。

元の銀行に対しては、元の金銭消費貸借契約で規定していた借入期間よりも短い期間で完済することになります。 銀行(債権者)としては、受け取れたはずの利息が、債務者の都合で受け取れなくなる訳ですから、一定の手数料を取る訳です。 手数料の金額は銀行によって微妙に違いますがだいたい10,000円くらいです。

  • 融資手数料は3万円
  • 印紙税は1万円から2万円
  • フラット35検査手数料は一律5万円
  • 登録免許税は一律0.4%
  • 司法書士報酬は一律5万円~10万円
  • 不要となる住宅ローン保証料は一律2%でマイナス
  • 別途料金になる団信保険料は払う前提で計算(だいたい保証料と同じ)

フラット35に特有の借換費用のポイント

フラット35に特有の借換費用のポイントは、住宅ローン保証料が不要になるかわりに団信保険が有料のオプションになるという点です。

  • 住宅ローン保証料
  • 団信保険料

どちらも、金融機関が債権の保全を得るためのコストです。しかし、それを債務者である住宅ローンの利用者が負担するという商慣行が浸透しているんです。

利息以外の住宅ローンの費用で特に大きいのが、銀行の系列の保証会社に払う住宅ローン保証料です。住宅ローン保証料とは、債務者が返済不能となったときに保証会社が銀行に代位弁済することを保証してもらうための手数料です。

保証料は債務者の条件によっても異なりますが、おおむね元本の2%くらいを考えておけば、当たらずとも遠からずと言われます。

フラット35に借り換える場合は、住宅金融支援機構がローンを保証又はローンを買い取りますので、この保証料が不要となるんです。

万が一、返済の途中で加入者が死亡または高度障害状態になった場合に、保険金で住宅ローンの残額が返済される保険で、普通の住宅ローンは加入が義務でその保険料は金融機関が負担してます。フラット35では、もともと加入が融資の条件になってません。

都銀の取り扱うフラット35では、加入が融資の条件となっている場合が大半で、住宅ローン利用者が費用を負担することになります。これに対してネット銀行では加入は任意としている銀行が多いです。

フラット35で任意に団信保険に入ると、概ね住宅ローン保証料の1.5倍位の費用が必要になります。

つまり、住宅ローン保証料は要らなくなるので、その代わりに団信保険に加入すれば、相殺されて普通の借換と少し高いくらいの借換費用になります。

これに対して、団信保険が任意加入のネット銀行でフラット35を借りて団信保険に入らなければ、住宅ローン保証料が要らなくなる分だけ安く借換が出来ます。

ただし、ネット銀行の多くは「融資手数料」を借入金額の1%から2%設定しています。これは手数料ですので将来借換えした時には返ってきません。

なかなか複雑ですが、これらのソロバンを弾いて借換先を考える必要があるんですね。


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