新規借入れ都銀と地銀の競合は難しい

都銀と地銀のどちらにするか?変動か固定か?

新規借入の際には複数の金融機関や金利タイプで審査を通して競合させたり、状況に応じてどちらも選べるようにしておくことが大事ですね。

今回の相談者さまは、このサイトを経由しての初の記念すべき相談者さまです。私も力が入りすぎるあまり、ケアレスミスを犯してしまいました(汗)。反省しております。では、ご覧ください。

金利が安いがペアローンの都銀と金利は高いが単独の地銀

千日様

はじめまして。住宅ローン選びで悩むこと、かれこれ約2ヶ月。
「千日のブログ」に出会い、目から鱗の情報が多々あり、ほぼ毎日拝見しています。
さて、来月末に土地の決済を控え、いよいよ本審査の申込をしなければいけない段階なのですが、未だに固定か変動かを決めかねています。
迷える子羊の背中を押していただけるアドバイスを頂戴できればと思い、わらにもすがる思いでパソコンに向かっております。

○基本情報

  • 土地・建物……合計約4,300万円
  • 自己資金(保有資金のうち、住宅購入に充てられる分)……350万円~400万円
  • 土地決済が平成29年1月末~2月初旬。完成引渡しは順調にいけば平成29年7月中旬~末頃予定です。

○基本情報

  • 私:31歳 年収約440万円(手取り月収:約23万円)
  • 妻:30歳 年収約300万円(手取り月収:約15万円)
  • 子:3歳、1歳

※妻は現在育児休業中であり、平成29年4月に育児短時間勤務で職務復帰予定。
記載の年収は育児短時間勤務を考慮して推定したもの。

借入検討中の金融機関

【条件】借入額……4,000万円(返済期間:34年間)

※金利は平成28年12月1日現在のものであり、事前審査済。

【みずほ銀行】

  • 固定 1.11%(平成29年3月31日までの借入に対する適用分)
    1.41%(平成29年4月1日以降の借入に対する適用分)
    ◎平成29年4月1日以降も金利優遇キャンペーン継続の可能性あり
  • 変動 0.625%

土地と建物両方について審査を通過。

◇メリット◇

  • 固定金利や諸経費(保証料等:約120万円)が低い。
  • 加入している健康保険の特典により、保証会社事務手数料が無料。
  • 繰上返済手数料が無料。

◆デメリット◆

  • 私のみでは3,710万円までしか借入ができず、妻とペアローンを組む必要がある。⇒住宅ローン控除を2人で受けられるので、諸費用の面では元を取れるかもしれないが、手続きが煩雑になることや子の成長に伴う妻の勤務時間の変更等リスクがあり心配。
  • 支店やATMが近くになく、入出金の利便性が低い。

【静岡銀行】

  • 固定 1.30%
  • 変動 0.625%(交渉次第で0.60%の可能性あり)

土地と建物両方について審査を通過。

◇メリット◇

  • 私のみで借入可能。
  • 既に口座を保有。近くに支店やATMがたくさんあるので、入出金の利便性が非常に高い。
  • 工務店の提携金融機関であり、何かと融通が利きやすい。

◆デメリット◆

  • 固定金利や諸経費(保証料等:約190万円)が高い。
  • 繰上返済手数料が有料。

上記2行の他に三菱東京UJF銀行も事前審査を受けました。しかし、みずほ銀行同様、私のみでは3,500万円までしか借入ができず、ペアローンになります。さらに、みずほ銀行と比べて諸費用が割高であり、候補から除外しました。

  • 固定 1.21%
  • 変動 0.625%

◆デメリット◆

  • 希望額の借入にはペアローンが条件となる。
  • 諸費用が高い(土地決済、着工、中間、完成引渡の計4回の分割融資のたびに保証会社事務手数料等がかかるとのこと)
  • 支店やATMが近くになく、入出金の利便性が低い。

トランプ氏の大統領就任決定に伴う長期金利の上昇傾向はあるものの、34年間という超長期返済に対し、固定金利の歴史的な低水準には大きな魅力を感じております。

しかし一方で、金利が段階的に2.5%程度まで上昇しなければ、総返済額で変動金利が有利とのシミュレーション結果があり、変動金利の鉄則である「返済額の4分の1を貯蓄・返済額は収入の4割まで」を守り、繰上返済していくのも手であるとも考えており、決心がつきません。

何卒お知恵をお貸しくださるようお願い申し上げます。

千日の回答(ミス)~二つの銀行で審査を通せない場合もある

Kさま

では、ご質問について3つに分けてお答えしていきたいと思います。

  1. 本審査はどの銀行にするか?
  2. 変動か固定か?
  3. 本当にここから決めてしまって良いのか?

1.本審査は複数行通していい

まず今から1つに絞る必要はありませんよ。2つ通してしまいましょう。本審査なんて銀行が貸して良いか決めるだけです。こちらが決めた訳ではありません。

例えばデパートの店員さんがこの客に売って良いか品定めするような段階です。「どうぞご自由に」ですよね。

本審査を通しても状況が変われば「貸せません」と言ってくる事もあります。本審査を通すと「当然ウチで…」というプレッシャーがあるでしょうが、ドライに割り切りましょう。

本審査を通して「やめます他で借ります」というのは、デパートで色々試着して買わないのと同じです。店としてはそりゃ買ってほしいけど「アリ」です。

2.変動金利なら信用力の高いメガバンク

まずは土地のみの実行が控えていますので、土地については概ねの方向を定めておかねばなりません。

建物については、まだ先ですね。予測出来ませんし、今から気をもむと保ちません。

では土地をどうするか?土地と建物は金利タイプを分ける事も出来たと思いますが、一応それぞれの銀行に確認して下さい。つまり、以下を決めて、本審査の依頼をする事になります。

  • みずほ銀行で借りるなら変動にするか固定にするか?
  • 静岡銀行で借りるなら変動にするか固定にするか?

変動か固定かを決めるのはもう少しねばりたいですね、トランプさんの就任は1月20日予定です。そこでも動きがありそうじゃないですか。

なので、どっちかを変動にし、どっちかを固定にします。

変動なら資本の厚いメガバンクです。変動金利は短期プライムレート(略して短プラ)に連動します。これは銀行が他の銀行から資金の融通を受ける際の金利レートです。

金利の決まり方について詳しくはこちらをどうぞ。

詳しくは金利ラボへ

変動金利は、銀行の信用力が落ちると高くなります。ということは信用力の大きさがポイントなんですね。静岡銀行とりそな銀行のどちらが信用力が高いか?もちろんりそな銀行です。(もちろん金利を上げるとお客さんが逃げてさらにジリ貧になりますから、短プラが上がったら簡単に変動金利を上げるとは思いませんが。)

従って私ならば、りそな銀行は変動、静岡銀行は固定で本審査に進むでしょう。

3.地銀は地銀同士で競合させる

それは、地銀同士の競合です。静岡県には他にもスルガ、清水、静岡中央の3行があります。これらで審査すれば、より有利な条件を引き出せる可能性があります。

ちょっと古い情報ですが、各行の状況です。

静岡県内地銀4行、実質業務純益3行減 日本経済新聞

頑張って安い金利で貸しすぎて利益が圧迫されたり、それ以外の色んな要因で上がったり下がったりしてます。

また、上記の戦略で行くと静岡銀行は固定ですよね。固定金利は、銀行が変動リスクを負いますから、銀行ごとの運用利益も影響します。

運用がうまく行ってれば、固定を下げられます。運用に失敗してたら、固定は下げられません。それをリアルタイムに知ってるのは他でもない、その銀行だけです。

地銀とメガバンクの競合は、そもそも考え方が違うのであまり効果は期待出来ませんよね、りそな銀行は全額融資じゃないという事でベースも違います。

しかし、地銀ならば、そのベースは揃いますから、より比較しやすく、またこちらも具体的に要求しやすいんです。

以上、あくまで現在までの公開情報に基づいて私が考える方法です。実際の金利の動きと異なる事も大いにあり得ますが、参考になりましたら幸いです。

千日

ペアローンと単独融資では契約書が異なるので同時審査は出来ない

千日様

貴重なアドバイスをありがとうございます。

土地と建物で金利タイプを分ける方法は思いつきませんでした。また、本審査は複数通しておくべきということはブログ記事で拝見しておりましたが、
提出書類について問題が生じるため、現時点でどちらで借入するか決めなければならない状況です。
※事前情報でお伝えし忘れておりました。申し訳ありません。

●問題点

みずほ銀行で借入する場合、ペアローンが必須条件となり、提出書類として夫婦連名で署名した土地契約書の写しが必要となる。
※現状は私のみの署名となっており、みずほ銀行で借入する場合、住宅会社 に連絡して妻の署名を追記しなければならない。

千日による追記:Kさまは『書き忘れた』とおっしゃっていますが、ちゃんと『ペアローン』と書かれていましたので、完全に私が見落としたのです。反省しきりです(汗)

ペアローンと単独融資を一つの契約書で審査に通す方法

ただ、まったく無理ということはありません。Kさまは実行されませんでしたが、以下の方法であればペアローンと単独融資を同時に本審査に進めることが出来ます。

Kさま

いえいえ、確かにその点を見落としておりました。
そうですね。みずほ銀行で融資を実行する時は不動産登記するので契約書に連名が必要です。

本審査は、不動産の情報に加えて持分の点を契約書で確認する主旨があるのでしょう。

となると、おっしゃる通り、事実上銀行をどちらにするか?決める必要があります。

しかし、契約が最終どうなるか?は流動的なんですよね。

今の契約書をコピーして静岡銀行を通す。
その後、ペアローンにすることにして名前と持分を書き加えて、みずほを通す。
そして、静岡銀行にはペアローンにすることを通知する。(その際に、直前にまた単独に変わるかもしれない旨を伝える。)

こうすれば、法に抵触しない形で2つの銀行で審査を通せます。

みずほで借りる場合はそのままです。
静岡銀行で借りる場合は、奥様の持分のところを二重線で消して、単独に戻す。

もともと単独で本審査に通っているので、審査の決裁上は可能だと思います。

しかし…

ここまでやるか?と正直思ってしまうのも確かですね。

私個人の見方としては、ご存知かもしれませんが、ペアローンはお勧めしたくないのです。先ほどの地銀で競合というのはどう思われますか?

千日

ペアローン=連帯保証についての考え方

千日様

なるほど。その方法なら2つの銀行で本審査申込が可能なのですね。
しかし、確かに手続きは煩雑になりますね……。

地銀の競合についてですが、こちらもお伝えし忘れていた件がありました。

実は、職場でお付き合いのある遠州信用金庫(固定金利の取り扱いがなく、変動金利のみ)に事前審査をお願いしてあったのですが、やはり私のみでは借入ができず、妻との連帯債務というお返事でしたので、選択肢から外しました。

ですので、挙げていただいたスルガ銀行、清水銀行、静岡中央銀行でもみずほ銀行や遠州信用金庫と同様の結果になるのでは?ということと、土 地決済までに間に合うのかな?という不安が拭えないというのが率直な感想です。

静岡銀行が工務店の提携銀行であったから、私のみで融資を受けることができたのかなと思います。
資金計画に甘さがあった点は否めず、今さらながら少し後悔もしておりますが、前に進むしかありません。
千日様のブログに記載のとおり、最後まで諦めず頑張ろうと思います。

ペアローンをおすすめしない理由が書かれた記事も拝見しました。
タイムリーな内容でしたので、非常に印象に残っています。

そうなると静岡銀行ということになりますが、千日様でしたら、どうお考えになりますか?

連帯保証を要求する銀行の姿勢に対する個人的な拒否反応

Kさま

そうですね。まず、自分になぞらえてこの件を考えると、連帯保証を要求する相手から借りようとは思いません。

相談に対して答える立場からすると、あるまじきことなのかもしれませんが、この点について言うと、少し感情的になってしまう自分を感じます。

別に周囲に連帯保証で不幸になった人がいるわけではありませんけど、前世でしょうか(笑)。

実質的なリスクというより、連帯保証というシステムに邪悪なものを感じるんです。

夫婦間で連帯保証するときの実質的なリスクという点では以下のようなものですよね。

①自分が失業し破たんした場合、妻にも追及が行く。

②夫婦関係が破たんし、離婚する際の財産分与の際、財産を処分して分配する際に面倒が多い。

どちらも、今の自分としては今一つリアリティの無い話ですね。

それに、何の不都合もなく完済する人も沢山いることは確かです。

結論を申しますと、個人的には勧めないですけど、リスクを熟慮した上での、人の選択についてとやかく言いたいとは考えていません。

このリスクについては、統計的な確率はありますけど、『自分が』そうなるかどうかは別のことですし、保険などもありませんから、最終的にはやはりご自身の感覚に正直に従うのが唯一の正解なのだと思います。

千日

ご相談者さまの結論

千日様

お返事が遅くなり、申し訳ありません。

大変貴重なご意見ありがとうございます。

ブログに書かれることのない生の声を聞くことができたことを嬉しく思います。

おかげ様で、決心がつきました。心より御礼申し上げます。

まとめ

ご相談者とは、その相談内容によって、何度かやりとりをすることがありますが、今回のKさまとは特に多くのメールのやりとりを行いました。

Kさまとしては、肌感覚で何となく結論は出ていたのだと思いますが、最後本当にこれで良いのか?ということに対して確信めいたものが下りてこなかったことから、私にご相談を寄せてくださいました。

私としては、あくまで最終決定はご自身で、というスタンスで、自分の価値観を推すことはしないように気を付けています。

  • 決定までに『まだできること』がある場合については助言いたします。
  • 選択肢について、メリットとデメリットを解説します。

ただ、求められれば申し上げます。今回はたまたま同じ結論になりましたが、ご自身の考えと違う場合もあるかもしれません。

それも、無料のメリットかもしれませんね。基本的にご相談者はお客様ではありませんから、その顔色を窺う必要がありませんので。

以上、参考になりましたら幸いです。

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