新生銀行に乗換えて借換費用がゼロ円以下になった
手数料の安い新生銀行ならば借換費用がゼロ円以下になることもある
新生銀行は手数料が安いことで有名ですね。また、保証料もゼロ円というのがウリです。もちろん、これにはちゃんとした理由があります。
- 後から金利が高くなる。
- 変動金利の金利変動リスクが高い。
このデメリットを最小化させて、手数料の安いところだけを享受することで、借換コストを安く上げることが出来ます。今回はその実例をご紹介しましょう。
前に公開した下記の方から続報として、実際の借換費用の情報のご提供を受けました。
借換前の状況
- 当初借入日:2009/3
- 当初借入金:4800万円
- 借入銀行:三井住友銀行
- 金種:変動
- 金利:1.075%
- 毎月返済額:約13.7万円
- 返済残年:27年3ヶ月
- 2016/12時点の借入残:約3900万円
- 住宅概要: 首都圏23区内マンション(2009/3築) 72平米 土地建物所有権
- 本人情報: 37歳 勤続14年 年収約720万
実際の借換費用の内訳~ホントに費用がマイナス!
千日様
こんばんは。
過日私の借り換えについてメールさせていただいたKです。
新サイトにほぼそのまま掲載されておりびっくりました。
1番最初の記事ではなかったことが残念です(冗談です)このメールの趣旨は手数料等の借換コストの内訳のご連絡です。
最終的な借入額は3380万円にしました。
そのため、新生銀行との契約内容は以下のようになりました。
- 固定20年:1%(その後、基準-0.2%(残債500万未満の場合))
- 借入額:3380万円
- 返済期間:23年
- 毎月返済額:約13.7万円
- 借換に伴う諸費用:30.9万円
さて、本日契約を行い借換費用の内訳が判明しましたのでご連絡します。
恐らく不足は無いものと思いますが、もしこちらもサイトに載せるということになった場合に不足している情報を見つけられましたらご連絡ください。
分かる限りお答えします。
千日による補足(ダイジェスト):
情報に全く不足はございません!今回もほぼほぼ原文のままご紹介いたします。下記のように、借換のコストは約31万円、保証料の戻りが44万円で差引13万円のプラスになっています。
これは新生銀行は保証料がゼロ円であるためです。
前の銀行で保証料を前払いしている場合は、一括返済によって将来の債務保証に対する保証料が返金されます。返金されるときに手数料分だけ減るので、次の新しい銀行で借りるときに、返金された保証料プラスαを払うことになるんですが、新生銀行は保証料不要なのでこうなるんですね。
- コスト計:-309,007円
- 保証料返戻額:+約443,000円
現在借入をしている三井住友との契約時に保証料を一括支払いしており、その返戻が意外と多かったためにコスト以上のお金が戻る予定です。
借換費用309,007円の内訳
ただし、返戻は2月になるということなので、借換実施時には約31万円の用意が必要です。
- 抵当権抹消:14,000(報酬:12,000,登録免許税:2,000)
- 抵当権設定(3380万円):168,000(報酬:33,000,登録免許税:135,200)
- 登記事項証明書:2,200(報酬:1,000,その他:1,200)
- 事前調査・閲覧:1,670(報酬:1,000,その他:670)
- 文案書面:2,000(報酬:2,000)
- 日当:10,000
- 交通費・郵券:4,000
- 消費税:4,720
* 委任状を用意して融資実行時に司法書士(補助者?)に三井住友銀行に出向いてもらうための費用も含まれていると思います。
借換先の新生銀行へ払う手数料80,617円の内訳
- 事務手数料:58,000
- 振込手数料:617
- 印紙:22,000
* 提携企業優待時の費用です。
三井住友銀行への一括返済手数料21,600の内訳
- 全額繰上返済手数料:21,600
* 他に繰上返済手続依頼書と繰上返済通知書がありましたが、三井住友銀行のポイントで清算しました。 おそらく1通あたり1,000円弱の手数料です。
保証料返戻額は約443,000円
ここから、千日がバトンタッチしまして、補足説明します。
三井住友銀行を始めとする、一般的な保証料は金利にすると約0.1~0.2%です。Kさんの場合、借換直前の状態は以下のものでした。
- ローン残高:3,900万円
- 残り期間:27年3カ月
ですので、上記の条件で0.1%と0.2%の金利で元利均等返済で返済した場合の支払利息の合計を計算すると、だいたいの返戻額が計算できます。
- 0.1%の保証料率だった場合の保証料は約53万円
- 0.2%の保証料率だった場合の保証料は約107万円
ですので、Kさんのケースでは保証料率は概ね0.1%だったのでしょう。銀行によっても、人によっても保証料率には差がありますので、ご自身の保証料率は契約関係書類をひっくり返してみればわかるはずです。
意外と保証料の返戻は大きいですよね!
- 新しい銀行での保証料率を交渉で減らす。
- 新生銀行などの保証料の不要な銀行へ借換する。
こういう方法でも、借換コストを減らすことが出来るんですね。なお、手数料が安いというのには理由があります。
新生銀行の注意点
新生銀行が手数料が安いのには以下の理由があります。よく注意しない人、他人まかせにしている人から高めの金利を取っているんですよ。
変動金利(半年型)に注意
新生銀行の住宅ローンの変動金利は「半年型」と記載されています。借り入れからわずか半年後に0.2~0.3%上がるように設定されています。
しかも上がるとは書いていないんです。
『基準金利-○○%が適用される』
こんな回りくどい書き方です。計算してみたら、早い話が0.2%から0.3%上がることなんだということがやっとわかるような感じです。
変動金利の5年ルールがない
メガバンクなどの住宅ローン変動金利には、5年ルールと呼ばれるものがあります。5年ルールとは、仮に変動金利が上がったとしても5年間は毎月の返済額が上げないというルールです。
しかし、新生銀行にはこの5年ルールがありません。つまり、変動金利が上昇した場合、毎月の返済額もそれに連動した増えていくという事になります。
変動金利が短期プライムレートに連動しない
新生銀行の『当初借入金利』と『住宅ローン基準金利』は短期プライムレート等の市場金利に連動していないんです。毎月見直しを行います。
ローンの貸出資金を銀行が調達するために必要な資金コスト、住宅ローン商品の審査・販売に必要な営業コスト、収益および金融情勢等を勘案し、独自の判断で決定されるとホームページに書かれています。
普通の銀行の変動金利なら、半年ごとの見直しですけど、新生銀行は毎月、いつ上がってもおかしくないんですね。
また、他行が市場金利が低下に合わせて変動金利の引き下げを行ったとしても、新生銀行は引下げを行わないことが多くあります。
残高が500万円を切ると金利が高くなる
残高が500万円より少なくなると金利優遇が無くなってしまいます。500万円まで残高が減るとさすがに借り換えを行う気にはなりませんので、知らずに借りていると割高な金利を取られてしまいます。
借入当初からだいぶ時間が経過していますので、忘れてしまうんですよね。予防策として一括返済用に500万円まで定期に積立貯金しておけば積立の都度思い出せるでしょう。
そんな新生銀行ですが、固定金利など上手く利用すれば、融資手数料が安く、金利変動リスクも抑えられるというわけです。