30代からの住宅ローンは三井住友信託の長期固定かフラット35か

2017年10月26日

フラット35よりも金利の安い信託銀行の長期固定金利の選び方

2016年12月から2017年1月にかけて、主要3行が10年固定金利を0.05%上げてきました。しかし、フラット35の金利は20年までは0.01%下がり、21年~35年は0.02%の上昇に抑えられましたね。

そこで、来月の2017年2月にどうするか?変動?固定?という状況でのご相談です。ただ、このポイントに達するまでに色々とやりとりを行いました。

やはり質問をしようとすると構えてしまって、ピンポイントで聞きたいところまで詰めてから…という感覚になるのは分かります。しかしこの相談者の方のように、かなりフワッとした質問であっても、それなりにお答えはします。

そういった観点でも読んでいただけたらナと思います。

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質問:住宅ローンの相談にのってください

2月に中古マンション3LDKを購入します。

物件価格2,900万プラスリフォーム500万ほどを予定。

資金は1,500万ほどあります。

調べて行くと、中古物件は住宅ローン減税が2,000万、すまい給付金が不可。など色々新築の購入よりお得な条件ではないようです。

また、住んでいる自治体の新婚融資制度がありますが、検討していたネット銀行は適用不可でした。適用可能な三井住友信託も検討にいれました。

制度をうまく利用して、ローンを組むにはいくら借りて、どこでかを悩んでいます。

是非相談にのってください。

 

回答:フラット35ならいろいろおトクな制度がありますよ

Fさま

ご質問ありがとうございます。早速お答えします。

①中古物件の住宅ローン控除とリフォームの住宅ローン控除について

中古物件だからという理由で上限が低くなることはありませんよ。また、リフォームの融資についてもこれから購入する中古物件で住宅ローン控除が受けられます。

メールの相談で私がジャッジする事は出来ませんが、条件についてはこちらをご一読下さい。

税金ラボ

②制度をうまく利用してどこでいくら借りるか?

住宅ローン控除については、所得により上限があります。

上記のリンク先にも書いてますので、借入額がその範囲内になるようにすれば、無駄なく減税の恩恵を得られます。

また、中古住宅を購入してリフォームする方については、フラット35リノベという制度がオススメです。

条件に当てはまれば最大10年0.6%がフラット35の金利から引き下げとなります。仮に借入額3,000万円で普通のフラット35と比較すると、166万円の節約になるようです。

フラット35ならば、お住まいの自治体の新婚融資制度との相性も良さそうです。選べる金融機関の範囲が広いですね。

少し上がったとはいえ、フラット35はまだまだ歴史的な安さです。これらの制度と合わせて利用する事でかなりお得になると思いますよ。

以上、参考になりましたら幸いです。

千日

質問:住信SBIの変動金利はどうでしょう?

千日太郎様

さっそくのご返信ありがとうございます。

HPの問い合わせに対してこんなに素早い返信に驚き、感謝です。固定金利が少し上がっていますので、2月か3月に実行ですのでかなり心配です。。。(笑)
(三井住友信託30年)

フラット35にリノベがあるのですね!!!適用できませんでしたが、友人にこのサイトと一緒に教えておきます^^

ひとつ教えていただければ嬉しいのですが、

変動金利の場合は、現在の優遇金利がかなり大きく、店頭金利はここ何年も変わっていないと思います。

変動金利があがると心配するのは、店頭金利が上がるとき。と考えればよろしいでしょうか?

よく実質の金利でみていますが、契約後は店頭金利の推移をチェックするということでしたら、さほど上がるリスクは少ないのかな???であれば住信SBIのような0.5%の低金利がお得?

と単純におもいまして。。。

もしお時間ありましたら、教えてください。

回答:住信SBIの変動金利は当初引下げプランに注意が必要です

Fさま

いえいえ、私一人でやってるサイトですから、メールが来たら返している感覚です(笑)。地下の知る人ぞ知るカウンター5席のバーみたいな感じです。

長期金利は上がっていますが、フラット35の方は逆に下がるようです。(下がるのは短い期間の方ですが)丁度いま、ブログを更新したところですので、よかったら読んでみてください。

【速報】2017年1月のフラット35は下がり10年固定金利は上がる 今後の動向は?

金利動向の読み方の参考になるのでは?と思います。

また金利ラボもおすすめです。

金利ラボ

変動金利については、店頭金利が上がるときに上がります。その店頭金利は日銀の政策金利の影響を強く受けます。日銀が守ってくれると考えるか、日銀任せなんて怖すぎると考えるかはその人によるでしょうね。

個人的には、少し前の超低金利時代に全然店頭金利が下がらなかったことに不信感があります。住信SBIはホームページをよく読まないと結構リスキーですよ。住信SBIの住宅ローン変動金利の当初引下げプランは「当初の特約期間」を過ぎると1.1%以上金利が上がりますをご一読ください。

ではでは、良いお年を!

千日

質問:三井住友信託銀行の長期固定金利か変動金利か

千日様

あけましておめでとうございます。

年始でヤフーメールを開かず、問い合わせしているにも関わらず返信が遅くなり申し訳ございません。

見ず知らずの私なんかに親切に相談にのっていただきありがとうございます。不動産会社の担当の方に聞いただけでは分からないことも多く、誰に相談したらいいのか困っており、本当に千日さんのブログに救われます!!!

千日様の過去のブログを読みまくりました!!

勉強になります!

住信SBIの件、ありがとうございます!!

かなりびっくりしました。

ただ、新規借り入れで

  • 〖通期引き下げプラン〗であれば、借入期間金利引き下げ。
  • 〖当初引き下げプラン〗であれば、60カ月引き下げ後が引き下げ幅が減る。

といことでうよね?

HPみていても、当初引き下げプラン(0.497)のほうが通期引き下げプラン(0.975)よりお得だと思うので、あまり理解できていないので詳細をSBIに問い合わせてみます。

また、もしよろしかったら、千日さんならどのローンを選びますか?

住宅ローンの条件

  • 旦那のみでローン
  • 旦那30歳 年収480(上場) 妻32歳 第1子産休中 昨年年収400万
  • 借入金額2200万を予定
  • 三井住友信託:30年固定1.0%35年ローン(固定終了後に積極的に繰り上げ返済)
  • 三井住友信託:20年固定0.95%35年ローン
  • 住信SBI:変動0.497%30年ローン(住宅ローン減税後に積極的に繰り上げ返済)

三井住友信託・住信SBIともに仮審査を通しています。

ご紹介いただいたフラットリノベは適用外でした(泣)フラット35は適用ですが、団信を込みで考えると、民間のほうがお得かな?と判断しました。

もちろん、身内のアドバイス程度の回答で結構です。失礼を承知で、申し訳ございません。

私なんかの内容でよければブログで乗せてもらっても大丈夫です。(活用できればですが。。。)

よろしくお願いします。

追加確認:それだと貯蓄が少なくなりませんか?

Fさま

あけましておめでとうございます。逆に私などに人生最大の買い物についての意見を聞いて頂けることに感謝してます。

2月に購入されるマンションですよね。2,900万プラスリフォーム500万円。

それで借入が2,200万ということは、資金の1,500万円のうち、1,200万円を頭金に入れる計画ということでよろしいでしょうか?

残る貯金は300万円ですが、融資手数料などで結構減ってしまうと思います。また、リフォームってやってるウチにどんどん直したいところが増えて費用が増えるものなんですよ。

つまり、借入を2,200万円にしている理由について、お考えを教えて頂けるとありがたいです。

そのご回答を踏まえまして、検討し、回答いたします。

千日

回答:確かに少なくなりますねちょっと見直します

千日様

お世話になっております。

本当に親身になっていただきありがとうございます!!感謝しきれません!!

先日の資金1,500万は、契約時に200万の契約時の頭金と仲介手数料半分の50万を支払い済みの1,500万円でした。

内訳ですが、援助などで1700万ほど資金がありましたので、以下のようになります。

  • リフォームと家具、家電、引越し費用 500万(現金)
  • 貯蓄200万
  • 諸費用こみで頭金1,500万円(契約時の支払い分を含む)

7月に私の産休、育休の手当金とボーナスが合計100万ほど出る予定です。

千日様の助言通り、リフォームや家具のためにもう少し残しておいたほうがいいかもしれませんね。

少し生活がカツカツしてしまうので、(今後私の収入が手当と、仕事復帰後も時短や保育園料がかかるので)借り入れはもう少し多くてもいいのかもしれませんね。

本当に親身になっていただきありがとうございます!

回答:三井住友信託の長期固定とフラット35のシミュレーション

Fさま

ではお答えしていきます。

まずは、三井住友信託銀行の固定金利か住信SBIの変動か?という観点ですね。

固定か変動かというところが大きな分かれ目です。まずはこの部分について、整理した方がよさそうです。

①固定金利か変動金利か?

既にお読みいただいているとは思いますが、こちらがヒントです。

金利タイプ選びのセオリー

これにすこし補足をいたしましょう。

どうしても、変動金利の安さというのが気になりますよね。このまま上がらなければ、変動が得です。

しかし、住宅ローンは丁半バクチではありません。上がるか、上がらないかで決定することではありません。

これが定石=セオリーです。

  • 変動金利は上がるリスクに自分で対応する。
  • 固定金利は上がるリスクに銀行で対応する。

どちらも、お金が必要です。上がるリスクはお金で防止できるのです。

変動金利の場合は自分の貯蓄で対応しますので、当サイトでは返済額の4分の1を老後資金や子供の教育費とは別に、繰上げ返済専用資金として貯蓄していくことをお勧めしています。つまり、固定金利よりも多くの資金が住宅関連支出として拘束することが前提になります。

金利は安いですけど、多くの収入が必要です。

つまり、今の金利情勢では、銀行に対応させた方が安いコストで対応できるというのが、セオリーです。しかし変動金利を選ぶ人が半数います。

大きく二つのタイプに分かれます。

  • 金利が上がらないという丁半バクチをしている人。
  • 収入が多い又は貯金が多いので、変動リスクがさほどリスクではない人。

これを踏まえてゆっくり検討してみてください。

②三井住友信託銀行の固定かフラット35か

固定の場合、2017年1月現在では三井住友信託銀行の方が金利が安いですね。また、フラット35は団信保険料が有料のオプションになりますので、現時点では三井住友信託銀行の固定金利の方がおトクです。

しかし、2016年12月から2017年1月にかけて主要銀行の固定金利は上昇傾向にあります。それに対してフラット35は上がっていません(正確には20年以下は下がり、21年~35年は上がりました)来月の2月にはどうなるか?というところがポイントですね。

【速報】2017年1月のフラット35は下がり10年固定金利は上がる 今後の動向は?

  • 三井住友信託銀行の場合は団信が無料ですけど、かわりに保証料が必要です。
  • フラット35は保証料が無料ですけど、かわりに団信が有料です。

ちょっとこれを比べてみたいと思います。

下記の表は1千万円借りた場合の団信保険料と保証料(三井住友信託銀行HP)の比較表です。

(単位:円)

1千万円 団信保険料 保証料 差額 差額金利
15年 294,900 119,820 175,080 0.231%
20年 400,900 148,350 252,550 0.249%
25年 511,400 172,590 338,810 0.267%
30年 626,500 191,350 435,150 0.285%
35年 745,400 206,110 539,290 0.302%

団信保険料は分割払いです。

保証料は分割払いと一括払いがありますが、上記のは一括払いです。通常は融資手数料という考え方で見積もっている金額だと思います。しかし、期限前に一括返済したら、そこから将来の部分は計算されて返金されますので、感覚的には利息の前払いみたいなものです。

トータルでは保証料の方が断然安いですね。

ちなみに、その差額を金利にも引き直してみました。だいたい0.2%~0.3%位高くなる感じです。

ですので、単純に支出だけを比較するなら、2017年の1月から2月にかけてこの差額金利がひっくり返るくらいに三井住友信託銀行の金利が上がらなければ、三井住友信託銀行の方がオトクということになります。

③三井住友信託銀行の20年固定か30年固定か?

2017年1月の金利で比較するとこうなりますね。

  • 20年固定0.95%
  • 30年固定1.0%

10年間余分に固定するのに必要な費用をお金に換算します。20年後にどうなるかわかりませんので、20年経過したところでまだ10年固定できるか、その時点で借換なり一括返済しなければならないか?というところで考えてみましょう。もう少し借入を増やすかもしれませんが、ご提示いただいている2,200万円を前提にします。

(単位:円)

当初20年の毎月返済額 当初20年の返済合計 20年後の残高
30年固定 62,103 14,904,685 10,376,512
20年固定 61,592 14,781,967 10,328,981
差額 511 122,718 47,531

ちなみに20年後に1千万円一括返済すれば、完全にチャラに出来ますね。しかし、20年後にどれだけ貯金できているか?というのは個人差があるでしょう。20年間で12万円位を余分に払っておくと(月に換算すると511円)20年後さらに10年間の金利を固定できるということになります。これをどう見るか?という考え方で検討してみてください。

以上、参考になれば幸いです。

千日

まとめ~そんなに構えなくて大丈夫です

いかがでしたでしょうか。

始めの質問のメールってかなりざっくりした話でしたよね?そんなんでいいんですよ。全然オッケーです。

住宅ローンって人生の半分近くにわたる長期の契約ですが、それに関しては皆はじめは初心者です。そんなすぐにピンポイントで質問項目を絞るなんて難しいですよ。

Fさんすみません。そういう例として紹介しましてm(- -)mでも情報自体はとても良いケースだと思います。かなりタイムリーな話題を盛り込むことが出来ました。

今のところは、相談件数もそんなに多くないので、ほぼすぐに回答を返せます。まだ知られていない今がチャンスです(笑)。

皆さまのご質問をお待ちしております。

以上、参考になりましたら幸いです。