フラット35から民間住宅ローンへの借換で考えるべきことは?

団信保険料と保証料では保証料の方が安い

2年ほど前にフラット35で借りた人は、手数料や保証料を加味しても、借り換えによってほぼ確実に金利負担を減らせます。(2017年2月執筆時点)

どの金利タイプでもよりどりみどりなんですよね。

またフラット35は保証料が無料ですが、団信が任意加入になっていて、この任意加入の団信保証料がお高めなんです。

団信保険料を金利に換算すると0.36%から0.37%くらいが上乗せされる感じです。

これに対して民間金融機関では保証料がかかる代わりに団信保険料を金融機関が負担します。

保証料を金利に上乗せすると0.2%くらいです。一括前払いも選べて、前払いすると半額くらいになります。

借換のシミュレーションをするとき、この保証料が入ると借換コストが高く感じるのです。

しかし、フラット35から民間金融機関の住宅ローンに借り換えるケースでは、保証料は団信保険料よりも安いので、プラスマイナスすると実際はお得になります。

もちろん『団信なんて別に要らない』という人で加入していない人にとってはコストの純増になりすます。

借換費用と金利の関係について、詳しくはこちらをどうぞ。

借換と金利交渉のセオリー

では今日のご相談者です。

2年ほど前からフラット35で借りていたのですが、当時は団信に加入出来ませんでした。

今回借換を機に再度団信の審査をしたら受かったので民間金融機関に視野を広げて検討したいというご相談です。

相談:団信加入を機に民間金融機関の住宅ローンへの借換を検討しています

最近住宅ローンの借り換えを検討しており、千日様のブログを拝見しております、宜しくお願いします。

さて早速ですが、2月から3月にかけ住宅ローンの借り換えを検討しており、

以下のプランで悩んでいるため、アドバイスをいただけないかとメールさせていただきました。

定年までの年数と家族構成

通常通り60歳定年までの期間になりますと、定年まで約25年になります。元々65歳完済予定でローンを契約しました。

子供は2人になります。一人は2歳、もう一人は0歳になりますので、大学入学を18歳?とすると、約16年と18年ほどです。

まずは現状のプランは以下になっております。

現状の残高とプラン

  • フラット35 約3770万 32年4ヶ月
  • 金利1.43%(フラット35Sで残り2年+α)
  • 固定特約期間終了後は1.73%
  • 利息額合計目安 1130万円

住宅購入時は特別な事情で、団信に加入できなかったため、フラット35を契約し、住宅購入に至っております。

(個別で収入保証保険で代用する形を取っております、月額1万円ほどになります)

検討プラン①三菱東京UFJ10年固定0.5%

  • 大手銀行系(三菱東京UFJ)で勤務先の優遇プラン
  • 金利タイプ 10年固定 当初0.5%
  • 固定期間終了後の金利 0.875%(店頭表示金利より-1.6%)
  • 諸費用合計 約100万(内保証料76万円)
  • 利息額+諸費用合計目安 540万円

検討プラン②みずほ銀行32年全期間固定1.15%

  • 大手銀行系(みずほ銀行)で勤務先の優遇プラン
  • 金利タイプ 32年全期間固定 1.15%(店頭表示1.55%から-0.4%)
  • 諸費用合計 約100万円(①より少し割安)
  • 利息額合計目安 740万円前後?

検討プラン③住信SBI変動金利0.447%

  • ネットバンク系(住信SBI) ※優遇プランは無し
  • 金利タイプ 変動金利 通期0.447%(当初10年は0.54%)
  • 当初の場合の固定期間終了後は、-0.7%
  • 諸費用は借り入れ額の2%と記載されているので、こちらも約100万円程度

現状のフラット35もそれなりに低い金利プランで借り入れできているのでは?と別の銀行担当からは言われたのですが、やはり団信に加入していない状況を考慮するならば、団信に加入できるチャンスが生まれた今、低金利なことも含めここで借り換えをするのが最良なのではと、考えております。

千日による補足:

ひょっとしたら、諸費用100万円という数字を見て『こんなに費用がかかるなら借換しない方がいいんじゃ…』と思われる人がいるかもしれません。

しかし、それでも今回のケースではトータルコストの削減になるんですよ。金利と借換費用の関係についてはマトリックス表を作っていますので、こちらをご一読ください。

借換と金利交渉のセオリー

さらにポイントは団信保険料です。この方が今後団信に加入して保険料を払い続けると32年で233万円の保険料を支払う計算になります。

民間金融機関では、この団信が無料となり、代わりに保証料ということで、その保証料込で100万円というのは約133万円のプラスということですね。

『それなりに低い金利プランで借り入れできているのでは?』と言った銀行の担当者は、イマイチそこが分かっていないか、気づいていないのです。

結局上記①~③も、10年後の金利動向が読めないからこそ、悩んでいるのだと思います。

もちろんこのまま低金利時代が続くのであれば①以外の選択肢は無いのかもしれませんが、10年後に【現状】のプランより上がる可能性も捨てきれません。

とすると②で全期間固定で、そこそこ低金利で続けるのも悪くはないのかと考えます。

③については、特約期間終了後の引き上げ額が-0.7%とあまりに低いので、あまり検討に入れていない状況です。

(ネットバンク系なので、対面フォローがないのと、諸費用が完全な手数料なのがマイナスかと)

金利に対するスタンス

やはり住宅ローン金利は今はほぼ最低の時代にあるのではと考えています。

さらに昨年の日銀のイールドカーブコントロール政策を受けてこれ以上下がる(去年の9月ピークまで再び下がる)ことは無いのかと思っています。

そのため今回借り換えを決めたとしても、変動金利で全期間、というのは少し不安です。

よって当初引き下げで10年固定を選ぶのが良いかと考えましたが、当初引き下げは10年後以降の引き下げが弱く、10年後に金利が今より上がっていた場合にデメリットが大きいのではと思っています。

(特に住信SBIでは当初引き下げだと特約期間後の金利が高い気がします、しかし通勤だと②に対するメリットが薄いのでは)

さらにネットバンク系ですと、いざ10年後に他社のプランとの比較を提示した時の金利変更といった手も使いにくいのではと推測しています。

千日による補足:まったく同感です。

お聞きしたい点は以下になります。

・考え方次第、と言われてしまえばそれまでなのですが、上記どのプランが最良なのか?があれば教えていただけますと幸いです。または自分の把握していないメリット、デメリットなどあれば。

・他に千日様のおすすめのプランや、銀行がありましたらアドバイスをいただけると助かります。

お忙しいところ御手数をお掛けして申し訳ありませんが、

上記ご検討いただけますと助かります。

宜しくお願い申し上げます。

回答:借換でどのプランでも量的に得になる⇒あとは質的な判断

ありがとうございます。では早速お答えしていきますね。

借換方針の軸は3つ

以下の三つがポイントであると思います。

  • 開始からまだ2年であり残り期間が30年近くあること。
  • お子さん2人かまだ乳幼児と新生児であること。
  • 固定金利が安く、なかでも特に10年固定が安い今の環境。

借換のタイミングとして残高が高く、残り期間が長いケースですので、少しでも金利が安くなるのであれば借換によって収支プラスになりやすいタイミングです。

参考としてこちらもお読み頂いたと思います。

借換と金利交渉のセオリー

概ね、0.3%金利が下がれば、収支プラスになりますよね。

従って検討されているどのケースであっても一定のメリットがあります。

ですから、量の側面からは単純に答えが出ませんよね。質の側面からの価値判断が不可欠な局面です。

固定金利が歴史的に低く、10年固定を戦略的に下げる銀行の傾向

ご相談メールに書かれているように、今が史上稀に見る低金利時代であることに疑いの余地は無いでしょう。

つまり長期の資金を必要とする人が少ないので長期の利息は安く買い叩ける状況です。手放しに喜べないのは退職金の財源も目減りしてしまう事ですね。

どうせならば、低金利のメリットを享受したいです。従って変動金利よりは固定金利を選択するのが定石だと思います。

なのでネットバンクの変動金利は消去法で検討から外して良いと思います。

残るは全期間固定か10年固定ですね。

そこでご提案するのが『今後住まいを替える可能性』の判断です。

まだ先が長くライフスタイルの変化の途上にある

お子さんの年齢と住宅ローンの経過年数から察するに、結婚して間も無く家を買われたのだと思います。

買われた時は2人、そして3人、今4人ですね。そしてお子さん二人はまだ新生児と乳幼児であまり自己スペースを必要としない年齢です。

  • 今後家族が増える可能性
  • 成長したお子さんにプライベートスペースを与える可能性

これらの事から新たに住まいを変えたいというニーズが起こる可能性は否定出来ません。もちろん先立つものが必要ですので、その時にそれがあるかどうかも重要な要素になります。

もしも、収入が今よりも上がり、住み替えも可能となった時は売却してローンを清算し、新しい家に移ることも可能でしょう。

そういったケースでロスが少ないのは、買い替えが想定される時期までの利息の支払いが少ない金利タイプです。

買い替えの可能性を考えるのであれば、10年固定が有力な候補となります。

特に10年固定は金融機関が『目玉商品』として各行で競争している金利タイプです。

10年後はその時の金利水準で、さらに優遇金利が減りますので、もしもそのまま住まいを変えないのであれば、繰上げ返済か借換の二択となります。

10年後ならばまだ上のお子さんも義務教育ですからそれほど教育費にお金がかかる時期ではないですね。

なお繰上げ返済か借換をしないのであれば、初めから変動で借りておいた方が良かったという事になるように、銀行で一定の予想を踏まえた金利設定が行われています。

逆に固定にした場合、そのまま借りている分にはロスはありません。

しかし、住まいを買い替えて一括返済という状況では、残り期間の金利も固定する為に約10年払った高めの利息がロスという事になります。

マンションか戸建か?というのも要素になりうる

ライフスタイルの変化の可能性もありますが、そもそも家が売れるかという要素も重要です。

また、ライフスタイルに合わせて住まい自体を増改築で変化させられる、自由度もありますよね。

あくまで一般論ですが下記のように考えられます。

  • マンションは売りやすいがリフォームに制限あり。
  • 戸建は売りにくいがリフォームに(ほぼ)制限なし。

マンションは立地や性能の面である程度のレベルが保証されている分、一般的に戸建よりも流通性が高いと考えられます。

買う時もある程度、売却時の市場価値を鑑みて選ぶ人が多いのも確かです。

その反面、既存の間取りに対するリフォームの制限は多いですね。躯体に手は入れられませんし、水周りも移動しにくいです。工事には管理組合の承認が必要な場合もあります。

これに対して戸建については一つ一つが違いますので、購入側も性能に関して慎重になりますから流通性はマンションよりも劣ります。

住まいへのこだわりも戸建を建てる人の方が高いですから、売却価値を前提に建てる人は少ないと思います。

また、間取りの変更や増改築も建築基準法の枠内で自由です。ライフスタイルの変化に合わせて変更しやすいタイプの住まいだと思います。

今後の住まいの買い替えにはタイムリミットと回数制限がある

基本的に買い替えはコストがかかります。従来は土地の価値が右肩上がりでしたから、子供の成長やライフスタイルの変化に合わせて家をレベルアップさせるというのが一つのロールモデルでした。

でも今後という事になると、必ずしも土地の価値が上がるという前提は取れないのですよね。

だからこその長期金利の低下という面もあると思います。

なので、買い替えできるかどうかというのは、自ずとタイムリミット又は回数制限があると考えるのが良いと思います。

最終的に子どもたちは独立して家を出て行きます。成長に合わせて広く部屋数の多い家は、人生の後半で持て余すものになるでしょう。

家に何を求めるか?子供の独立後は?ということを踏まえて、今打つ手を考えるのが検討の軸として重要だと思います。

  • 固定を選べば金利変動リスクは考える必要はありません。
  • 10年固定でも、10年後の残高を安全圏(年収の2倍程度まで)に減らせる貯蓄を計画すれば大したリスクにはなりませんが、そのまま借り続けると損になります。

もう一回くらいは住まいを変える可能性があると考えるならば、10年後くらいがそのタイミングに重なりそうです。

まとめと補足

ご相談のポイントとしては、10年後の金利状況に不安があり10年固定か全期間固定かというお悩みを書かれています。

回答の冒頭に書くべきでしたが、金利変動リスクについては予測するものではなく、備えるものだというのが大前提にあります。

住宅ローンのセオリー

金利が上がれば、返してしまえばいい。という貯蓄を貯めることが備えです。だからそこの当初10年の安さなんですよね。

もう一つが買い替えです。

まだ2年ですから、とても買い替えるという考えにはいかないでしょう。しかし、購入当初とは人数が2倍になっていて、さらに子供の成長によって必要なスペースが増加するのも確かです。

マンションであれば建築から10年というのはまだまだ築浅ですので転売の可能性が高いと考えられます。

また、住宅ローン控除が終わるタイミングにも重なります。

今の住宅ローン控除は2021年12月31日までの入居が期限となっていますので、それが延長されるかどうか?という点がありますが、買い替えによって再度その減税の恩恵を得つつ広い新居に移るという可能性もあるんです。

ただ、広い家は最後には持て余す。これは頭に入れておいた方がよいでしょう。

以上、参考になれば幸いです。

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