住み替え住宅ローンの金利タイプは?繰上げ返済は?

2018年10月9日

住み替えで住宅ローンを借りる人の借り方と返し方

トランプ大統領の誕生から色んなルールが変わろうとしつつありますね。

TPPしかり

外交しかり

住宅ローンの考え方も然りです。市場の金利動向によって金融機関の考え方も変わっていくでしょうし、それによってこちらも考え方を変えていかなければならないでしょう。

まだ金融機関が出す住宅ローンの金利には出てきていませんが、確実に、水面下で方針の変更は進んでいるものと考えています。

さしあたっては3月の実行を予定している人が多いですが、フラット35の金利については2月とほぼ横ばいで行きそうなムードですね。

では今日のご相談者です。

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相談:住み替えの住宅ローンの方針はどうする?

千日さんのブログで日々、勉強させていただいております。

今年の夏にマンション購入が決まっており、変動金利で組むか20年固定などの長期で組むかを悩んでおります。

私の状況ですが

年齢;37歳

家族;妻(専業主婦)子供2歳(もう一人子供は欲しいと考えております。)

年収;1100万(今後も大きく下がることが無いような安定的な仕事をしています)

購入マンション価格;5700万

頭金;1200万

その他;現在住んでいるマンションからの買い替えです。現在のマンションで売却益が出ましたので特別控除を受ける予定です。ですので新たに購入したマンションの住宅ローン控除は受けれない予定です。

現在、住んでいるマンションは前倒しでローン返済をしていたので変動金利を選択していました。4,600万で購入してローンは4,400万で組みました。3年住んでローン残は約3,800万です。

今後のライフプラン(子供2人予定)などを考えると新たに購入するマンションも今までのように前倒しでローン返済が出来るかは不安に感じております。

今後の情勢と私の生活スタイルと考えると変動と固定のどちらが優れているのかアドバイスをいただけないでしょうか。
宜しくお願いいたします。

回答:ローン残高を重視するか、毎月の元利均等返済を重視するか、2つの方針があります

ではお答えしていきますね。

まずは2017年夏までの金利動向からです。

超低金利から金利の潮目は既に変わっている

長いスパンでの金利動向については、誰にも分からないのですが、今から融資実行までの短いスパンで金利動向から固定金利を考えてみました。

固定金利は借りた時点の金利がずっと適用されますので、そのタイミングで有利かどうかは重要なポイントだと思います。

期待先行のトランプ景気から長期金利は上がり、昨年までの住宅ローンの超低金利は既に終わったと千日は考えています。

明らかに潮目が変わった事は確かなので、千日のブログでもこちらのような記事を公開しています。

3月以降で金利が上がりそうなのは三井住友信託銀行10年固定-千日のブログ

3月は年度決算という要素で下がる可能性はありますが、これを越えると本来の金利動向を反映した金利けにシフトしていくでしょう。

残高に注目する住宅ローンの考え方(住みかえの可能性)

おそらく前に購入された家は売却を前提とされていたのではないかな?と思います。

金利の負担を減らす為に低い金利(変動)で繰上げ返済するのは理にかなった方法ですよね。

ローン残高に焦点を当てたんですね。

次に購入される家についての考え方によって方向性は変わってくるのでは無いかと思います。

現在、37歳で2歳のお子さんが一人、今後もう一人をと考えておられるなら…

  • 今回購入される家が手狭になる。
  • 子育て環境や校区などを鑑みた引っ越しを考える。

こういった可能性がありますよね。

ならば、前回と同じく利息負担を減らす方向でのやり方が適合します。

ただ、2017年2月の金利情勢で見ると、変動金利よりは当初固定金利の方がおすすめです。ただ、前の節で述べたように、潮目が変わっているとすれば融資の実行時点の金利に左右される事になります。

地方銀行であれば、申し込み時点と融資実行時点の低い方の金利が適用されます。

こちらの記事が参考になると思います。

都銀を凌ぐ低金利の伊予銀行の住宅ローンはどうか?

お近くの地銀のみでなく、かなり離れていても支店がある場合は融資の可能性がありますので、トライしてみて下さい。ただ、それが使えるのは数カ月だったと記憶しています。銀行によっても違いがあると思いますので、直接確認してみてください。

千日による追記:

伊予銀行については、『前に四国地方に住んでいた方でないと…』とか『既に口座を持っている方でないと…』とか『四国地方か近畿の一部に住んでいる方でないと…』など色々と理由を付けて断られたという情報が入っています。

基本的に、今後も太い顧客になるか?という面でも選定しているのではないかと思います。あくまで推定の域を出ませんが、伊予銀行に限らず、地銀が営業エリア外に貸すか貸さないかという判断は決まった基準があるのではなく、ケースバイケースということだと思います。

10年固定は、10年間は低金利で固定されるので、住宅ローン控除が無くてもお得ですよ。

こちらの記事が参考になると思います。10年固定の金利変動リスクに囚われない、リスク対策についてです。

住宅ローン10年固定金利で10年後の金利に左右されない方法を教えます-千日のブログ

10年固定金利は10年後の残高がポイントになります。つまり、残高にフォーカスして住宅ローンの返済を行うスタイルに適合した金利タイプなんです。

毎月の返済額に注目する住宅ローンの考え方(終の棲家)

もちろん、今回の住み替えが今後のライフスタイルの変化を見越したものであるかもしれません。終の棲家としても…と考えて家を選ぶのも合理的です。

そういった場合は、残高ではなく毎月の元利均等返済額に注目して住宅ローンを選びます。

残高が意味を持つのは、売却の時と当初固定金利を選んだ場合の固定金利終了時だけです。売却しないのであれば、また当初固定金利を選ばないのであれば、基本的には残高はそれほど重要ではなくなります。

また、住宅ローン控除を利用されないということであれば、なおさら残高は関係なくなります。

そうなると、重要なポイントは以下のようになります。

  • 毎月の返済額に余裕があり、返済しながら貯蓄を行えること。
  • 長くとも定年までに完済すれば良い。

つまり、住宅ローンの安い金利を最大限利用しようという考え方です。この場合、2017年2月の金利動向では、全期間固定金利がおすすめです。

10年固定や変動金利よりは高い金利ですが、それでも過去最低レベルの安さです。問題は夏まで今くらいの安さがもつかどうか?ですね。

こればっかりは、私にも分かりません。フラット35の35年の超長期固定金利が1%前後の今の水準ならば、迷わず固定ですね。

固定金利が今の倍の2%くらいまで上がってしまうのであれば、変動金利にします。もしよろしければ、そのころの当ブログや千日のブログを読みに来ていただければ、と思います。

こちらもご一読ください。固定か変動かを決める基本的なセオリーです。

金利タイプ選びのセオリー

ただ、変動金利にした場合でも、金利が上がらない限り繰り上げ返済はせず、その分は貯蓄に回します。住宅ローンの金利は「激安」なんです。

他の目的で借りてこの金利で借りれるようなことはありませんよね。試しに銀行のホームページで住宅ローン以外の金利を調べてみれば一目瞭然だと思います。桁が一つ違ってきます。

老後の資金の貯金に心配がなくなれば繰上げ返済してもいいかな…というくらいの感覚ですね。

以上、参考になれば幸いです。

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