住み替えまでの全費用で有利な住宅ローンは大手銀行かネット銀行か?

金利だけで選ぶと損をする?住み替え繰上げ返済まで考えた住宅ローンの選び方

色んな金融機関が色んな住宅ローンの商品を出しています。金利も様々ですが、金利以外の条件も様々です。

そして、各金融機関のホームページでは、最も彼らがアピールしたいポイントだけが大きな目立つ文字で強調され、あまり知られたくない条件はホントに小さな文字でひっそり書かれています。

保証料無料でも融資手数料は2.16%なのはネット銀行です。

団信保険料ゼロ円でも保証料は金利上乗せ0.2%なのは大手銀行です。

この小さな文字にこそ、注目しなければならないのですが住宅ローンを組むのは一生で1度か2度です。そのインターバルも長いです。

じっくり比較しないで、サッと選んでほしい。

これが彼らの考えていることです。

今日は、大手銀行とネット銀行の費用の違いについて、10年以内に住み替えを考えているご相談者のケースでご紹介したいと思います。

相談:10年で買い替える可能性がある場合に有利な住宅ローンは何ですか?

ブログを拝見させていただいております。大変参考になります。ありがとうございます。

住宅ローンのことでご相談させていただきたくお願い申し上げます。

この夏に引き渡し予定のマンションを都内で購入しました。

  • 購入価格7,000万円
  • 頭金1,000万円
  • 夫婦共働き(夫40歳年収900万円、妻35歳年収600万円、三歳の子供あり)
  • 夫のみでの住宅ローンを検討しております。

マンション購入手続き時に、不動産会社から三井住友銀行とりそな銀行を勧められ、二行ではローンの審査はとおっておりますが、この銀行にしてよいか迷っております。

また、今は中古マンションに住んでおり、先日売却が成立しました。引き渡しは、新築マンション引越し時の夏で、こちらの売却金が2,000万円程入ってくる予定です。(こちらの中古マンションのローンは完済済みです)

ゆくゆくは、一戸建てに住みたいとも考えており、引越し後の新築マンションに住むのは10年ほどかなと思っておりますが、まだわかりません。

千日による追記:

追加で①審査に通った住宅ローンの金利、②今後家族が増える可能性、③住宅ローンで気にかけているポイントをお伺いしました。

①三井住友銀行とりそな銀行は、野村不動産の提携ローンで、適用される金利などはまだわかってない状況です。ローン審査通過の書類にも、提携ローンと35年ローンとしか記載がありませんでした。

②二人目はまだ悩み中ですが、できれば早いうちに授かりたいと考えております。

③現在住んでいる家は、主人の会社の優待があったため三菱UFJ信託銀行で借りましたが、ローンの諸経費がかかった印象でした。今回は金額も大きいので、ペアローンも良いかなと思いましたが、ペアだと諸経費も二倍かかってくることを考え、単独でと検討しております。

私たちの場合、どのような住宅ローンがよろしいでしょうか?

お忙しい中に申し訳ございませんが、アドバイスいただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。

回答:買い替えまでの全費用を考えた住宅ローンの選び方

ではお答えしていきます。

これから書く、住宅ローンの選び方については、【住宅ローン】借りられるだけ借りるvs頭金を増やして早期返済どっちが賢い?-千日のブログをご一読いただけるとこれから書くことがよりわかりやすくなると思います。

  • 前の住宅ローンは諸経費が高かった印象
  • ゆくゆくは一戸建てに住み替えたいという希望
  • これから購入する物件は10年くらいという見込み
  • 3歳のお子さんの成長に加えて家族が増える可能性あり

ということですので、利息だけでなく将来の売却に伴う繰上げ一括返済までにかかる費用についても有利な住宅ローンの決め方を解説します。

整理すると、以下の4段階です。

  1. 住宅ローンにかかる費用を把握する
  2. 大手銀行とネット銀行の費用の特徴
  3. 10年で売却する場合に有利な金利タイプは10年固定
  4. 10年後住み替えで一括返済する場合のシミュレーション

住宅ローンでかかる費用とは

住宅ローンを組むのにかかる費用は大きく2つに分かれます。

税金などの銀行によって差の出ない費用と、融資事務手数料や保証料などの銀行によって差が出る費用です。

まずは銀行によって差の出ない費用を整理しておきましょうか。

  • 所有権移転登記費用:物件の固定資産税評価額の0.4%(平成29年3月31日までは軽減税率0.15%)
  • 抵当権設定費用:借入金額の0.4%(平成29年3月31日までは軽減税率0.1%)
  • 印紙税:住宅ローン契約書に貼る印紙6万円(借入金額5千万円から1億円)
  • 司法書士報酬ほか:5万円から10万円

今回のケースですと以下のような計算になります。

(単位:円)

  • 所有権移転登記費用:196,000=70,000,000×0.7×0.4%
  • 抵当権設定費用:240,000=60,000,000×0.4%
  • 印紙税:60,000
  • 司法書士報酬ほか:100,000

ザックリ計算ですが、合計で596,000円ですね。ほかにも火災保険料などこまごました費用を足すと60万くらいと考えておいたらよいかと思います。

大手銀行かネット銀行かによって差が出る費用

  • 保証料:銀行に対して保証する保証会社に払う手数料で、前払いと金利上乗せ(0.2%)があるが前払いの方が割安。ネット銀行は無料が多い。
  • 融資手数料:融資を行うための事務手数料で、大手銀行は3万+消費税が多く、ネット銀行は2%+消費税が多い。

これが一般の大手銀行とネット銀行でかなり違ってきます。トータルでは同じくらいなのですが内訳が全然違うのです。

  • 大手銀行は保証料が高いが融資手数料が安い。
  • ネット銀行は保証料が無料だが融資手数料が高い。

具体的に今回のケースで一般的な大手銀行とネット銀行の費用を計算して比較するとこんな感じです。大手銀行は割安な保証料前払い形式にしました。

(単位:円)

大手銀行とネット銀行 大手銀行 ネット銀行 差額
保証料(前払い) 1,236,720 0 1,236,720
融資手数料 32,400 1,296,000 -1,263,600
合計 1,269,120 1,296,000 -26,880

大手銀行とネット銀行でトータルはそんなに変わらないですよね。『じゃあ金利の安いネット銀行がお得?』というと、そうでも無いのです。

その差は住み替えなどのために、期限前に全額繰上げ返済した時に出てきます。

保証料は銀行に対して支払いを保証するための費用です。期限前に全額繰上げ返済したら、前払いした保証料のうち、繰り上げ返済後の期間と元本に相当する保証料が払い戻されるのですよ!

もちろん、若干の手数料(8千円+消費税)は取られますが、微々たるものです。しかし、35年ローンで半分以下の10年で完済するわけですから、多くの部分が返金されます。

これに対して、ネット銀行の場合は『融資手数料』です。そんなに費用はかからないはずですけど、融資のために必要な事務手数料であるという建前です。

てことは?

期限前に全額繰上げ返済しても1円も返ってこないということです。

なので、10年程度で住み替えようと思っているのであれば、断然、大手銀行がおすすめです。ネット銀行は検討する必要はありません。

10年で売却する場合に有利な金利タイプは10年固定

高い確率で10年で住み替えを考えているのであれば、10年固定が適合します。詳しくは冒頭にもある千日のブログをご一読ください。

  • 金利が1%未満で安いので、借り入れ元本の分だけ儲かる。
  • しかも、住宅ローン控除の10年間その金利で固定される。
  • 金利そのものが安いので、10年以内のいつ売却しても利払いのロスが少なくすむ(むしろ儲かっている)。

住宅ローン控除によって当初の10年は(1%-10年固定金利)の利率で『儲け』が発生します。つまり、一切利息の負担が無いどころか、儲かったうえで転売できるということです。

10年で売るがどうかわからない?

こういう場合は変動金利ですね。折衷案で高収入の方に適合する金利タイプです。

そこで、変動金利と10年固定金利について、現時点で仮審査を通している銀行とそれぞれ最低金利の住宅ローンを出している金融機関を並べてみました。

金利は2017年2月時点に融資実行の場合に適用される金利です。(ですから実際は違ってくるとは思います)

折衷案の変動金利にするのであれば三菱UFJ信託が大手銀行の中で最低金利0.575%です(ネット銀行は外しました)。

10年住み替えに決めるのであれば三菱東京UFJが大手銀行の中で最低金利0.5%です。

ネット銀行としてはカブドットコム証券の10年固定が最安0.45%です。今回、ネット銀行は選ばないのですが、比較のためにあえて挙げました。

では、10年固定を選ひ、10年後に全額繰上げ返済するとして三菱東京UFJ銀行とカブドットコム証券で融資費用を含めた全費用でどれだけ差が出るのかをシミュレーションしてみましょう。

10年後住み替えで一括返済する場合のシミュレーション

(単位:円)

10年固定一括返済 三菱東京UFJ
0.5%
カブドットコム
0.45%
差額
保証料(前払い) 1,236,720 0 1,236,720
融資手数料 32,400 1,296,000 -1,263,600
小計 1,269,120 1,296,000 -26,880
10年利息-控除 -1,395,438 -1,658,508 263,070
一括返済手数料 10,800 10,800 0
保証料戻り -750,668 0 -750,668
差引費用 -866,186 -351,708 -514,478

上段の方は、前の節で出した融資時点の手数料です。ほぼ同じですね。

下段の方は、10年後に全額繰上げ返済した場合の比較です。

10年で払う利息よりも住宅ローン控除の方が大きいので費用はマイナスになりますね。カブドットコム証券の方が住宅ローン控除による恩恵は大きいです。金利が安いメリットが出ています。

手数料は同じ10,800円ですが、三菱東京UFJ銀行では75万円の保証料の戻りがある計算です。カブドットコム証券では戻りはありません。

結果として全額繰上げ返済したら51万円も三菱東京UFJ銀行の費用が少ないという計算になりました。

念のため補足しますと、この表には最初に挙げた税金が含まれていませんので、トータルではこれも足さないとダメですよ。

また、ザックリした見積もりですので数万円の差異はあるものと考えて見て下さいね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。結論としておすすめは、融資の実行時点で最も安い10年固定金利を出している銀行ということになります。たまたま今は三菱東京UFJが最安ですが、今年の夏も同じように安いとは限りません。

この銀行も含めていくつか、仮審査を通し、最終的には最も有利な金融機関で選ばれるのが良いと思います。

それにしても…

なぜ、この営業マンは三井住友銀行とりそな銀行を進めたのでしょうか?

こちらが参考になると思います。合わせてご一読ください。

大手デベの提携ローンのメリットとデメリット

良い提携ローンと悪い提携ローンの見分け方

以上、参考になれば幸いです。

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