団信無料の大手銀行vs団信加入せずフラット35どっちが得?

団信は「無料」ではない

大手銀行のホームページには、大きな文字で「団体信用生命保険が無料」「団信無料キャンペーン」とか書いてます。でもその後で必ず「団信保険料は銀行が全額負担します。」とも書いていると思います。

なぜなら、団信はタダではないからです。

当たり前っちゃ当たり前なんですが、銀行が保険会社に保険料を払っています。

団信保険料としてはお客様に請求しませんが、ある程度、金利には乗っています(いくらかは言えません)。

これが、おそらく、最も正確な表現です。

では今日のご相談者です。

相談:団信を付ける?付けない?

はじめまして。

4月に入居を控えた初心者です。

自分なりに理解しようと色々と調べているのですが、調べるほど迷いが生じてしまい、このブログにたどり着き、丁寧なご回答をされているのを拝見し、メールさせていただいた次第です。

  • 男性 33歳(年収720万 正社員勤続9年転職予定なし)
  • 妻 30歳(年収100~150万 派遣社員 産休に入るため収入はあてにしない計算)
  • 子ども2人(2歳女+2017年7月誕生予定)
  • 購入物件 約5,800万円 3LDK 68㎡ 新築マンション(大手デベロッパー)
  • 引き渡し 2017年4月11日
  • ローン 5,000万で組む予定

検討しているのは以下です。いずれも不動産会社の提携ローンです。

金利はいずれも2月時点です。

①みずほ銀行 フラット35S
手数料率 0.54%
当初5年0.8%
6~35年1.1%
元金均等

みずほ銀行から出してもらった試算ではローン総額5,895万円+諸費用404万円=6,299万円

②みずほ銀行 35年固定
1~35年1.15%(1.55-全期間▲0.4)
元金均等

同じくみずほ銀行の試算では、ローン総額6,009万円+諸費用112万円=6,121万円

③三井住友信託銀行 30年固定+変動
1~30年1.05%(3.90-▲2.85 残り期間は▲1.4)
※NISA口座開設、投資信託口座開設、定期預金30万円以上で▲0.03)
元利均等or元金均等 どちらにするかはまだ決めていません

③´三井住友信託銀行 10年固定+変動
1~10年0.50%(2.80-▲2.30 残り期間は▲1.4)

迷っていること・わからないこと

マンション購入の手続きしたのが去年の2月。

以来ずっとフラット35でいくつもりでいましたが、いざ決定を前にすると、団信がもったいなく感じるようになり(30代前半にとっては無駄が多い気がする)、フラット35にして団信に加入せず、掛け捨て生命保険(10年 5000万?)にしようか迷いました。

しかし、不動産会社(ちなみに野村不動産です)からは②や③もあるということを教えられ、そちらに傾いている。

三井住友信託の固定30年+変動を見ると、当初は魅力的に思えなかった固定10年+変動も、やはり視野に入れた方が良いのではないかと思えてきた。

というのが現状です。

その他迷っていることとして、

住宅ローン控除を考慮すると5,180万円借入れした方がよいのか?5,000万円の借入れにするか?住宅ローン控除がいまいち頭に入らず、自分のケースだとどれが一番有効活用できるのかがわかりません。

元金均等の方が顧客本位に感じるのですが、いかがでしょうか。ある書籍を読んで、ローンをなるべく早く返す方が良いと思い、固定金利でリスクを回避しつつ早めに元本を返済していくことを考えた結果、元金均等を選ぼうと思っています。

もしくは、35年返済を34年とか33年とか、少し期間短く借りるべきなのか?

以上、相談にのっていただけますと、幸いです。

回答:団信は無料ではない、団信が要るか?要らないか?という考え方

ではお答えしていきます。

なかなか、悩ましい問題に当たりましたね!同じ悩みを持っておられる方は多いと思います。

大手銀行では団信加入が義務になっていて、団信に加入できなければ融資は受けられません。その代わりといっては何ですけど「団信は無料」なんですよね。

フラット35では団信加入は任意になっていて、団信に加入できなくても融資を受けられます。その代わり、任意に入る団信はご存知の通り「高い」です。だいたい、金利に引き直すと0.358%位の上乗せになる計算です。

なので、

団信を付ける?or付けない?

という悩みに発展するんですね。

当初フラット35を検討していて、後から任意に入る機構団信の値段を知った人は特に、ですね。詳細なシミュレーションをする前に、まず決めるべきことがあります。

それは、

団信は要る?or要らない?

という点なんです。

これは、同じ問いではありません。

要るものならば、高くても買うべきです。

要らないものには安くてもビタ一文払ってはいけません。

団信は無料ではない

「団信は無料」ではありません。銀行が保険会社に払う保険料を負担しているだけです。つまり、我々に貸す住宅ローンの金利にちゃっかり幾らかは乗っているのです(いくら乗せているかは教えてくれません)。

でないと、銀行は赤字になってしまいますよね?

  • 要るのならば、団信込みで比較をする。
  • 要らないならば、団信抜きで比較をする。

こういうことです。

団信に入る入らないは、損得で決めるものではありませんよ。妻と子供たちのこれからの人生に関わることなのですから。

大手銀行の団信のメリット=利用者と銀行双方のメリット

まず、団信のメリットについて書いておきます。

団信(団体信用生命保険)とは、返済中に主債務者が死亡または高度障害状態となった場合に債権者である金融機関に保険金が支払われ、ローンが完済になる保険です。

ですから、一家の大黒柱にもしものことがあった場合、それ以降の住宅ローンの債務が無くなり、家を手に入れられるというメリットがあります。

これは大きなメリットです。

銀行にとってもメリットがあります。もしも団信が無いと、主債務者が死亡などにより払えなくなったら、抵当権を実行し、家を売却処分してその代金で回収するんですが、これには時間とコストが掛かります。

しかも、そういう時に不動産を売るのって足もとを見られますので、回収しきれないことも多いのです。

保険でもって全額回収できる方が安全かつ効率的なんです。保険料というコストはかかりますけど、元はと言えば利息から回収しているのです。

保険料としては請求しない。

そういう方便を使っているのですね。

機構団信のデメリット=高いうえに節税のメリットもない

任意に入る機構団信のデメリットは、ずばり「高い」ということです。

保障の内容は全く同じです。

返済中に主債務者が死亡または高度障害状態となった場合に債権者である住宅金融支援機構に保険金が支払われ、ローンが完済になります。

なのに値段が高い理由は、もともとそれだけの値段の保険だからなのです。住宅金融支援機構は国の機関ですから、民間金融機関のように効率性や収益性を重視していません。

住宅ローンの利用者に対して団信加入を義務にして、利息に上乗せしてまで効率性を追求しないのです。

また、一般的な生命保険は所得控除として年末調整で申告すれば、税金が安くなりますけど、団信保険料はその対象ではありません。

節税のメリットも無いのです。

団信が要る場合と要らない場合でシミュレーション

団信の要不要が決まれば、極めてシンプルなシミュレーションになります。既に、団信込みでみずほ銀行がシミュレーションしていますよね。

  • フラット35S(金利Bプラン):6,299万円(うち団信保険料は338万円)
  • みずほ35年固定:6,212万円

団信が必要だと考えた場合の比較です。もう答えは出ているはずです。

ちなみに団信は要らないと考えた場合の比較は、以下のようになります。

  • フラット35S(金利Bプラン):5,961万円
  • みずほ35年固定:6,212万円

皆まで言う必要はありませんよね。

重要な部分が決まったら、それ以外の部分について参考になる記事をまとめおきます。

住宅ローンセオリー

現在33歳ですから定年65歳とすると、あと32年です。35年ローンを組んでも、32年までに退職金を使わず繰上げ返済して完済するプランを立ててください。

65歳定年としても、60歳からは収入が4割くらい減ってしまうらしいです。ですので、今からでしたら保守的に残り27年で完済するプランを立てておくことをお勧めします。十分な長さです。

月の返済額は少ない方が安全ですので、あくまで金銭消費貸借契約の期間は35年にしておきます。それまでに繰上げ返済資金を貯金するのです。

そう考えると、みずほの35年固定はちょっと長すぎますよね。三井住友信託の30年固定の方がジャストサイズです。

そうなると、フラット35の団信も繰上げ返済するぶん、安くなるのでは?

こういう疑問も出てきますので、以下の比較を行いました。

  • フラット35S(金利Bタイプ)で団信込みで27年後に一括返済
  • 三井住友信託銀行30年固定で27年後に一括返済

費用面の比較

(単位:円)

費用の比較 フラット35S
0.8%
1.1%
三井住友信託
1.05%
差額
27年利息 8,909,718 9,207,044 -297,326
27年団信保険料 3,186,700 0 3,186,700
住宅ローン控除 -3,959,610 -3,963,765 4,156
合計 8,136,808 5,243,278 2,893,530

支出面の比較

(単位:円)

返済額の比較 フラット35S
0.8%
1.1%
三井住友信託
1.05%
差額
27年返済額 45,817,966 46,108,748 -290,782
27年団信保険料 3,186,700 0 3,186,700
住宅ローン控除 -3,959,610 -3,963,765 4,156
27年後繰上げ返済 13,091,752 13,098,296 -6,544
合計 58,136,808 55,243,278 2,893,530

やはり、団信を銀行に負担してもらった方が、安いという結果になります。

ご自身の年収に対応する住宅ローン控除の上限については、 税金のセオリー をご一読ください。

上記のシミュレーションでは対象物件は、普通のマンションで住宅ローン控除の上限は40万円という前提です。

10年固定は10年後の残高に注意が必要です。【住宅ローン】借りられるだけ借りるvs頭金を増やして早期返済どっちが賢い?-千日のブログが参考になるかと思います。家と住宅ローンに関する根本的なところであり、団信と並んで、先に決めるべきことですね。

ただ、お見受けしたところ、元々は10年固定のポリシーではなく、金利の低さに目移りしたということかな?と思いました。

元利均等と元金均等はほぼ同じです。 金利ラボが参考になると思います。

ご紹介頂いた書籍は2015年出版ですので、まだ2016年のマイナス金利政策前の金利情勢に基づいています。

今はそのマイナス金利が終わりトランプ政権下で新たな局面に入ろうとしている過渡期です。

政治経済ラボ

形式通りに今の環境にあてはめられないと思いますよ。今ならどう思うかは、著者に聞いてみなければ分かりませんね。

以上、参考になれば幸いです。

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