住宅ローン借換はみずほ銀行35年固定か?大手銀行10年固定か?
金利を下げたみずほ銀行35年か上がっても安いりそなor池田泉州10年固定か?
- 金利を上げた銀行、下げた銀行。
- 金利が上がった金利タイプ、下がった金利タイプ。
それぞれあります。
なかでも大きな動きがあったのがみずほ銀行の35年固定金利ですね。2月の1.15%から0.04%下がりました。
そして、10年固定金利については、大手銀行をはじめとして地銀も0.05%上げてきましたね。
10年固定金利については、特に安く、銀行間で競争していた金利タイプですからこれが上がったことは、利用者にとって大きなショックでした。
その代わり、みずほ銀行が35年固定を0.04%下げて1.11%となったのは良いニュースです。フラット35の金利は1.12%ですから、団信込みでフラット35よりも安い金利ということですね。
なので、2017年3月の借換は上がったといえどもまだまだ低い大手銀行等の10年固定か、大きく下がったみずほの35年固定かというところだと思います。
今日のご相談者です。
相談:フラット35からの借換はみずほ35年固定か?大手銀行の10年固定か?
初めまして。借り換えを検討しており、どちらにするか悩んでいます。アドバイスいただけると助かります。
- 家族構成:夫30、妻30
- 年収:夫 420万、妻400万
- 現在のローン:2,990万円。フラット35、35年ローン。残り33年7ヶ月。
- 利率:0.99%、3年7ヶ月後に1.59%
借り換えを以下で検討中です。
- みずほ銀行35年固定1.11%
- りそな10年固定:0.55%終了後優遇金利−1.906%
- 池田泉州銀行10年固定:0.65%、終了後優遇金利-2.05%(キャンペーンで団信八大疾病0円で追加)
の三つでどうしようか悩んでいます。
10年固定は2月から3月で0.05%上がったとはいえまだまだ安くて魅力的です。
10年後の残高についてですが、貯蓄型の生命保険をかけており、ちょうど10年度に満期を迎えます。当初、主人のほうでローンを借りる予定のため、私の生命保険をすでにかけしまいました。
いろいろあり私のほうで全額ローンを組むことになったので、金利が上昇していれば、この保険を10年後に解約し繰り上げ返済にあてようと思っております。
(住宅ローンは団信があるので、生命保険は解約してもよいので)
金額は約450万ほどになります。
また、10年後までに1,000万円の貯蓄の目標を立てており、毎月約10~12万ほどは貯蓄に回せております。
保険を合わせると 貯蓄も550万できれば、問題ないかと思います。
また、みずほの35年固定で1.11%であれば、不安もなく過ごせます。
諸費用等も合わせてご教示いただければと思います。よろしくお願いいたします。
回答:35年固定、10年固定どちらもメリットがあります、10年後の残高をどう見るか?
では、2017年3月の住宅ローン金利を前提として、お答えしていきます。
現状のフラット35は当初5年の金利が0.99%という、有利な金利プランです。その後1.59%になるとしても、借入元本の多い初期の金利が安いということは、アドバンテージです。
- 少ない金利負担で、
- 多くの元本を減らすことができる。
こういうことですね。ですから、後から金利が上がるとしても、それによるコストは当初5年の金利が低いことでかなり軽減されています。
また、5年経過後も少し高めになるとはいえ、金利は固定されていますので、金利変動リスクを負わないというメリットがあります。
逆に、デメリットとしてはフラット35が民間金融機関の商品ではなく住宅金融支援機構の半民半官の組織による融資であるため、金利引き下げ交渉ができないということですね。
『金利を下げてくれないと、乗り換えるよ。』
と言っても。
『どうぞ、ご自由に。』
となるのがフラット35ということですね。
ですから、金利の負担を減らそうと思った場合、とれる選択は2択です。
- 繰上げ返済か。
- 借り換えか。
ということです。今回は借り換えにフォーカスしているのですね。
2017年3月のみずほ銀行35年固定金利1.11%に借り換えた場合のメリット
2月までは長期の固定金利としては、三井住友信託銀行の30年固定(2月適用金利1.05%)が最有力候補として挙げられていましたが、3月に1.10%に金利が上がりました。
これに対して2017年3月のみずほ銀行の35年固定金利が1.11%となりました。期間が30年を超えてくると、みずほ銀行の方が有利な商品となりますね。
みずほ銀行の35年固定金利との比較を行うにあたり、今のフラット35の残りの期間は33年7カ月ですが、借入は年単位ということで34年で借り換えるという前提をとります。
- 現在フラット35:3年7カ月0.99%、30年1.59%
- みずほ35年固定:34年1.11%(2017年3月適用金利)
(単位:円)
返済額比較 | 現状 | みずほ1.11% | 差額 |
---|---|---|---|
毎月返済 | 87,240 | 88,014 | -775 |
94,920 | 6,906 | ||
返済総額 | 37,922,481 | 35,909,844 | 2,012,637 |
みずほ銀行への借換によって借入期間は5カ月延びますけど、それでも201万円位の返済額を節約することが出来るという結果です。
どちらも固定金利ですから、これは確定したメリットです。あとは、借換費用がいくらか?ということです。
(単位:円)
- 一括返済手数料:10,800
- 融資手数料:10,800
- 保証料(前払):600,000~1,000,000(下限はみずほHPより、上限は0.2%金利上乗せとして幾らかで概算)
- 印紙代:20,000
- 登録免許税:119,600(借入額の0.4%)
- 司法書士報酬:70,000
合計で83万円から123万円位であるということですね。それぞれの詳しい見積もり方はこちらをご一読ください。
https://jutakuloan-muryousoudan.com/theory-jutakuloan/karikae-kousyou/
ということは、2017年3月に借り換えることで、費用を節約できるということになります。借換のメリットはあります。
10年固定への方針転換のポイントは10年後の残高の考え方
10年固定は10年後の金利変動リスクを取る資金計画を取るということです。10年後の金利がいきなり適用されますので、その時に金利が上がっていたら、いきなりその時の金利で元利均等返済額が上がることになります。
ですから、
- もともとキャッシュで購入できるが、住宅ローン控除のためにあえて住宅ローンを借りる。
- 10年後には大きく繰上げ返済して、金利が上がっていても問題ない位に残高を減らせる。
こういった目論見のもとに選択する金利タイプです。
10年後の金利がどうなるか?
そんなことを(保守的にも)予測したり、上がらないと決めつけて選択する金利プランではありません。
10年より先のシミュレーションは真っ白、それで問題ない。
こういう金利タイプです。
ですから、千日が10年固定のシミュレーションをする場合は、10年間の元利均等返済額と10年後の残高を出すだけです。
11年以降は敢えてやりません。それが気になる人は『10年固定に向いていない』というのが千日の考え方です。
- 現在フラット35:3年7カ月0.99%、その後1.59%
- りそな(借換専用)10年固定:10年固定金利0.55%(2017年3月適用金利)
(単位:円)
返済額比較 | 現状 | りそな0.55% | 差額 |
---|---|---|---|
毎月返済 | 87,240 | 80,367 | 6,873 |
94,920 | 14,553 | ||
10年返済総額 | 11,060,145 | 9,643,989 | 1,416,156 |
10年後残高 | 22,388,415 | 21,678,372 | 710,043 |
10年の返済総額を比較すると141万円のメリットがあります。みずほ銀行の35年固定では34年で201万円でしたから、総額では35年固定の方が有利ですが、1年あたりの費用節約額では10年固定が有利ということです。
また、10年後の残高は10年固定に借り換えた方が71万円少なくなりました。
つまり、こういうことです。
10年固定に方針転換すれば、当初の10年で141万円支払いが減る上に10年後の残高を71万円減らせるのでトータル212万円のメリットがある。
10年固定の方が35年固定よりもメリットが大きいということになります。
但し、
- かわりに10年後に金利変動リスクが発生するというデメリットがある。
これをどう考えるか?というのが、決断のポイントです。
りそな銀行10年固定と池田泉州銀行10年固定疾病保障団信0円キャンペーンを比較
ちなみに、りそな銀行と池田泉州銀行を比較してみました。
- りそな(借換専用)10年固定:0.55%(2017年3月適用金利)
- 池田泉州10年固定(疾病保障団信付き):0.65%(2017年2月適用金利から0.05%上がったと仮定)
(単位:円)
返済額比較 | りそな0.55% | 池田泉州0.65% | りそな- 池田泉州 |
---|---|---|---|
毎月返済 | 80,367 | 81,700 | -1,333 |
10年返済総額 | 9,643,989 | 9,804,003 | -160,014 |
10年後残高 | 21,678,372 | 21,780,675 | -102,303 |
池田泉州銀行は借換専用のホームページがまだ更新しきっていませんが、新規借り入れと同じように0.05%上がる前提を置いています。
りそな銀行と池田泉州銀行の差額は疾病保障付き団信の料金だということですね。
住宅ローン残高が高い10年の間でこの料金で疾病保障が付くのであれば、池田泉州銀行の方がかなりお得だと思います。
なお、
- りそな銀行は固定期間後は1.906%の優遇
- 池田泉州銀行は固定期間後は2.05%の優遇
ですが、もともとの基準金利が池田泉州銀行の方が0.2%高いので、りそな銀行の方が若干有利です(いずれにしても、10年後は白紙です)。