フラット35S子育て支援型と民間大手銀行の30年固定はどっちが有利ですか?

2017年10月26日

フラット35Sと子育て支援型の組み合わせで35年で最低金利

政府は少子化対策の一環として、若い子育て世帯が住宅ローンをを借りやすくして住宅の取得を後押ししようと、新たな優遇措置を導入しました。

「子育て支援」、「UIJターン」及び「コンパクトシティ形成」に係る施策を実施している地方公共団体による補助金交付などの財政的支援とあわせて、フラット35の借入金利を当初5年間 年0.25%引き下げるフラット35子育て支援型及びフラット35地域活性化型です。

フラット35子育て支援型の対象は、若い子育て世帯が親との同居、または親元の近くで暮らすため住宅を取得する場合や、中古住宅を購入する場合で、「フラット35」の金利を当初の5年間、通常より0.25%引き下げます。

フラット35地域活性化型の対象は、UIJターンによる移住やコンパクトシティの形成のための居住誘導区域内に移住するために新築住宅や中古住宅を購入する場合で、「フラット35」の金利を当初の5年間、通常より0.25%引き下げます。

この補助金制度はフラット35Sとも組み合わせもできます。ただ取扱いが異なることがあるので、注意が必要です。

今日はこの新しい制度のうち、子育て支援型と民間大手銀行の三井住友信託銀行30年固定とどっちがいいか?というご相談です。

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相談:フラット35Sと子育て支援型は組み合わせ可能です 民間金融機関の住宅ローンとどっちがお勧めですか?

いつも勉強させていただきながら、夢のマイホーム購入計画を立てております。

現在、HMと最終の打ち合わせにはいっており、来年の1月には引き渡しができるよう計画をしているところです。

私の基本情報は以下の通りです。

  • 私32歳 年収(額面475万)(公務員勤続9年再任用含む定年65歳)
  • 妻29歳 年収0万(専業主婦)
  • 子1歳、数年後にもう一人授かれればと考えています。
  • 現在貯蓄額830万
  • 購入物件は3,500万円です。

購入の理由は、とても良い条件の土地が見つかったことと、金利が安いことから、このタイミングで購入に踏み切ったところです。

アルヒのフラット35Sは子育て支援型と組み合わせ可能

先日アルヒのHPを見ていると国交省予算にて新たな支援策があることを知りました。

要は、機構と協定を結んだ自治体にて

  1. 若年子育て世帯による既存住宅の取得
  2. 若年子育て世帯、親世帯等による同居のための住宅取得
  3. 若年子育て世帯、親世帯等による近居のための住宅取得
  4.  UIJターンによる住宅取得
  5. 居住誘導区域内における住宅取得

いずれかに該当すれば当初5年間を△0.25%金利引き下げを行うというものです。

私は、上記3.に該当し、かつフラット35SのAプランにも該当するとのことなので、㈱優良住宅ローンにてこの制度を活用したフラット35を視野に入れています。

早速、建築予定の自治体へ確認したところ、申請中で間違いなく協定を結ぶだろうとのことでした。

整理すると条件は下記になります。

フラット35S子育て支援型(㈱優良住宅ローン)

  • 当初5年0.57%
  • 6年目~10年目0.82%
  • 11年目以降1.12%

このデメリットは、頭金を1割以上入れないといけないため、350万は頭金を入れる必要があること。団信が任意加入で高いことです。

そのため、フラットにするならば団信ではなく、チューリッヒ生命の収入保障保険を検討しています。

  • 補償額:保険年金額月額10万、65歳満期、保険料年払36,940円。

当初は以下の2つでフルローンにて借入を検討していました。条件はいずれも元利均等35年払いです。
①三井住友信託銀行30年固定1.08%(別に保証料65万程度)
②じぶん銀行変動金利0.497%(auじぶん割として携帯電話使用料5年間月500円引き)(別に手数料2.16%)

以上が住宅ローンの検討先です。

フラットは頭金が必要で保険が団信ではないのがネックです

まだ実行まで先なので、いずれの選択肢も残しておくつもりですが、仮に現在の金利条件でいった場合、やはりフラットがよいのでしょうか?私個人としては頭金で350万入れないといけないことと、団信ではないので、そこが不安です。

私の年齢や収入、職種、貯蓄額や将来の家族計画から鑑みて、千日様はいかが考えられますでしょうか?

ちなみに、妻は2人目が生まれ、その子が小学校入学前にパートとして元職に復職する予定です(年収見込80万)。

最終打ち合わせ中ですが、千日様が「やめるべき」と思われる契約条件であればまだ間に合います。
第三者の客観的な指摘がいただけたほうが、歯止めがきくこともありますので。。

ぜひ、率直なご意見をいただければと思います。

長くなりましたが、どうぞよろしくお願いします。

 

回答:フラット35Sと子育て支援の組み合わせで最安の住宅ローンです

ではお答えします。

当初考えておられた候補は30年固定か変動金利かですね。そこにフラット35Sの子育て支援が入ってきた感じです。まずは、固定金利か変動金利か?という問題があるのですが、その基本的な考え方としては

金利タイプ選びのセオリー

をご一読ください。

また、公務員というご職業であれば、収入のタイプとしては固定金利が適合するケースが多いです。もちろん変動金利を選ぶことがダメということではありませんので、参考程度に考えてください。

3つの選択肢のうち、2つが固定金利タイプですので、三井住友信託の30年固定か、フラット35Sと子育て支援の重ね掛けの二つに絞って考えたいと思います。

フラット35S子育て支援と三井住友信託30年固定を比較します

そうですね、私ならパッと見てフラット35S子育て支援が有利に見えました。まずは普通に比較してみましょうか。

  • 三井住友信託30年、頭金0円借入3,500万円、1.08%
  • フラット35S子育て支援、頭金350万円借入3,150万円、当初5年0.57%、6年目~10年目0.82%、11年目以降1.12%

本当は最長の35年で借りるのが、毎月の返済額を減らせるので安全なのでお勧めなのですが、あえて三井住友信託の30年固定の期間に合わせて比較しやすくするのが狙いです。

フラット35S子育て支援の方が103万円お得です

(単位:円)

支払比較 三井住友信託 フラット35S子育て
当初5年 113,865 95,215 18,650
5~10年 113,865 98,157 15,707
10年~ 113,865 101,059 12,806
頭金 0 3,500,000 -3,500,000
保証料 650,000 0 650,000
収入保障保険 0 1,108,200 -1,108,200
30年支払額 40,991,256 35,856,471 5,134,786
住宅ローン控除 -2,694,753 -2,550,923 -143,831
支払額合計 38,946,503 37,913,748 1,032,755

毎月の返済額に余裕はあるか?

まずは月の支払い額を手取り月収の4割以下にすることが条件となります。詳しくは

住宅ローンのセオリー

をご一読ください。

三井住友信託は毎月11万3千円、フラット35S子育て支援は9万5千円~10万円です。フラット35S子育て支援の方が少ない支払いになりますね。これは、全期間を通じで金利が低いからです。

三井住友信託は少し苦しいですが、フラット35S子育て支援ならば全期間を通じて4割以下に抑えられそうですね。

支払い総額で103万円の差がある

三井住友信託は保証料が必要です。フラット35は10%の頭金を払い、収入保障保険に加入します。保険料は住宅ローンの期間だけを入れています。

これに30年の元利均等返済額を足し、住宅ローン控除を引きます。すると、三井住友信託銀行の総支払い額は3,894万円でフラット35S子育て支援は3,791万円ですので、フラット35S子育て支援が103万円少ない支払いで完済できるという計算になりました。

なお、この支払い総額は全ての費用は入っていません。比較することが目的ですので、両者で差が出る主な費用だけを加味しています。

 

回答:頭金のメリットとフラット35での団信の考え方

1割の頭金がデメリットであると考えておられますが、頭金はデメリットではありませんよ。同じフラット35S子育て支援をフルローンと頭金1割でくらべてみましょうか。

(単位:円)

支払比較 フルローン 頭金10%
当初5年 105,795 95,215 10,579
5~10年 109,064 98,157 10,906
10年~ 112,288 101,059 11,229
頭金 0 3,500,000 -3,500,000
保証料 0 0 0
収入保障保険 1,108,200 1,108,200 0
30年支払額 39,840,523 35,856,471 3,984,052
住宅ローン控除 -2,681,356 -2,550,923 -130,433
支払額合計 38,267,367 37,913,748 353,619
  • コスト面のメリット:頭金で350万円払う代わりに、支払いの総額は35万円少なくなります。
  • 支払いの余裕メリット:頭金で350万円払うことで、毎月の支払いが約1万円少なくなります。

デメリットとしては、最初の貯金を減らすことですが、まだ引渡しまでに夏のボーナスと冬のボーナスがありますので、これを貯蓄すれば、その影響を減らすことが出来ます。

家を買った時に最低限残しておきたい貯蓄額については、こちらが参考になると思います。

家を買うときに残すべき貯金の最低額はいくら?

団信か収入保障か?の決断のヒント

団信も収入保障も生命保険ですが、以下のような違いがありますね。

  • 団信:住宅ローンの名義人である大黒柱が死亡したら、保険金が金融機関に支払われて、住宅ローンがゼロになる。
  • 収入保障:契約者が死亡したら保険金が遺族に月々定額で支払われる。住宅ローンはゼロにならない。

どっちが得か?という尺度からは比較できませんよ。

住宅ローンを借りた当初は、住宅ローンの残高が多いですから、明らかに団信が有利ですが後半になると、住宅ローンの残高が少なくなりますので、あまり有利ではありません。

そして、死亡のリスクは後半の方が高くなりますよね、一般論ですが。

民間金融機関では団信加入が義務となっているので、何となく住宅ローンに団信を付けないと不安になる気持ちは分かります。

しかし、私は団信については「団信に加入するのは悪くないが必須ではない」と考えています。

大黒柱にもしものことがあって返せないならば「売ればいい」と思っています。売った後にローンを残さず、貯蓄が残り、収入保障で月々保険金が入れば家族の生活と人生は守られます。

団信で住宅ローンがゼロになっても、十分な貯金が無ければその後に残された家族の生活は困窮するでしょう。

つまり、どちらの保険を選ぶか?ではなく、選んだ保険に合わせた貯蓄の計画を立てて、粛々と実行していくことが大事なんですね。

貯蓄こそが、オールマイティな保険です。

以上、参考になれば幸いです。