年の差共働き夫婦にお勧めのミックスローン

夫の定年退職後に半減する収入に合わせた住宅ローンの返済方法

住宅ローンを組む人の約9割が元利均等返済を選択するそうです。残りの1割が元金均等返済。程度の差はありますが、住宅ローンは『均等に』返済していくことがベースになっていますよね。

しかし、ライフプランの中で特定の時期に多額の支出がある(子供の大学進学)や、世帯主の定年退職で収入が減ることが、ほぼ確定しているものです。

今回は夫の定年退職が近く、後半は妻の収入によって返済することが予測されるケースです。特に10歳以上の年の差の夫婦で現時点で共働きという場合は、自然とそういう流れになると思います。

老齢年金の支給の開始は65歳からとなったことに伴って民間企業には65歳定年制が義務付けられましたが、これをちゃんと守れるのは一部の大企業だけでしょう。その大企業であっても収入は6割位に減ってしまうそうです。

また、公務員の場合は60歳定年制です。65歳定年制にするには税収が足りないんですよ。

つまり、夫が定年退職した後、年金が支給されるまでの間は無収入もしくは妻の収入だけの状態で住宅ローンの返済を続けるのです。

相談:年の差夫婦にお勧めの住宅ローンは?

はじめまして。この度はお世話になります。

家族構成と年収

  • 夫:40代後半:高校教師:年収800万:貯金300万
  • 妻(私):30代前半:会社員:年収500万:貯金800万

今年中に第一子出産予定で、新築計画中です。

夫は3,000万の住宅ローン(仮審査通過)を30年借りる予定でいるのですが、私は夫の定年後の家計が心配でなりません。

いろいろネットで調べてはみましたが、若いうちに住宅ローンを組む方が多く、こちらで相談させていただきました。

質問

  • 我が家の状態でフラット35と銀行ローンではどちらが良いでしょうか?銀行の仮審査には通ってます。
  • 3000万のローンで夫の定年後、家計は大丈夫でしょうか。。コツコツ貯めるのは好きな方です。
  • 繰り上げ返済は考えない方がよいでしょうか。死亡、三大疾病保障付の団信に通ったので長期で払い続けると夫は言ってますが、私はここも心配です。。

質問が分かりにくければ訂正しますのでご指摘お願いします。

お忙しいところお手数お掛けしますが、どうぞよろしくお願い致します。

回答:ミックスローンor多額の繰上げ返済で返済額を段階的にコントールするのがお勧めです

ではお答えしていきます。確かにあと10数年で定年退職となる状態で3,000万円の住宅ローンは心配になりますよね。旦那様が60歳でリタイアしたとすると年金が支給開始されるまでの5年間は奥様の収入だけになります。

この5年間を無理なく乗り切れる住宅ローンの借り方、返し方というのがポイントです。

そこでお勧めしたいのがミックスローンです。

ミックスローンとは一つの家に対して2本の住宅ローンを組むこと

重要なポイントは旦那様が定年退職した後、5年間は収入が半分以下になることが確定しているということです。10年経過した後の支払いを半分にする住宅ローンを組めばよいということになります。

つまり、ミックスローンを使って返済額を段階的に減らす方法です。

ミックスローンのカテゴリー記事

ミックスローンとは、一つの家に対して借入契約を2本締結するということです。これがポイントです。

例えば3,000万円の住宅ローンを以下のような2つの金利タイプで借りることが出来ます。例として三井住友信託銀行の5月適用金利でシミュレーションしてみました。

  • 1,500万円を10年固定(金利0.6%)返済期間35年
  • 1,500万円を30年固定(金利1.05%)返済期間35年

10年後に10年固定を一括繰上げ返済し、その後は30年固定の方だけを返済するんです。そうすればその後は毎月の返済を半減させられるということです。

毎月の返済額と固定期間終了後の残高は以下のようになります。

(単位:円)

ミックス 10年固定 30年固定
毎月返済 39,604 42,693
10年後残高 11,030,580
30年後残高 2,494,454

当初の10年間は10年固定(39,604円)と30年固定(42,693円)の両方の返済を行いますので、毎月8万円の返済です。これは主に旦那様の月収によって支払います。

奥様は今年中に出産を予定されていますので、奥様の年収は加味しません。それでも毎月8万円の返済ならば問題なく返済できるものと思います(手取り月収の4割以下)。

そして、旦那様の定年前にやってくる10年後の残高11百万円を一括返済します。これは10年間の貯蓄によって賄います。年間で110万円の貯蓄を行えば可能ですね。なお、当初の10年間については合計約258万円の住宅ローン控除がありますのでこれも貯蓄の足しにしても良いと思います。

住宅ローン控除は12月31日時点の住宅ローン残高の1%を所得税等から控除する減税制度ですので、当初の10年は繰上げ返済せず10年経過してから一括返済するんです。こうすることで、住宅ローン控除の恩恵を無駄なく受けられます。

こうすれば、その後の支払いは30年固定(42,693円)だけになりますね。5年間の支払いは256万円ほどです。今ある旦那様の方の貯蓄で十分に支払える額となります。

ミックスローンにしなくても、似た効果を出す方法がある

ただ、ミックスローンは2本の住宅ローンを組むことですので、印紙代(4万円)と登録免許税(物件価格の0.4%弱)が2倍かかるというのがデメリットです。

三井住友信託銀行のワンライティングミックスローンという商品を使えば、ローン契約書を1枚にまとめることが出来るので、これら2回分の費用を1回分にまとめることが出来ますが、他の銀行では無理です。

そこで、一つの契約で10年目に多額の繰上げ返済をして、その後の元利均等返済を減らす方法でも同じような効果を上げることが出来ます。

例としてみずほ銀行の5月適用金利でシミュレーションしてみました。

  • 3,000万円を35年固定(金利1.13%)返済期間35年
  • そして10年後の残高の半分を一括返済する

そうすると当初10年の返済額と11年以降の返済額は概ねミックスと似通った数字になりますね。

(単位:円)

35年固定 当初10年 11年以降
毎月返済 86,515 43,258
10年後返済 11,300,742
30年後残高 2,317,550

ただ、少しずつミックスローンの場合よりも支払いが大きくなっていることにお気づきかと思います。

差額だけを表にすると以下のようになります。

(単位:円)

差額 当初10年 11年以降
毎月返済 4,218 564
10年後返済 270,162
30年後残高 -176,904

トータルの返済額と住宅ローン控除では以下のようになります。

(単位:円)

総返済額比較 10年30年ミックス 35年固定繰上げ返済
総返済額 33,647,137 34,381,992
住宅ローン控除 -2,581,214 -2,599,974
差引合計 31,065,923 31,782,018

10年と30年のミックスローンにした方が72万円ほど支払いが少なくなりました。

ミックスローンの方が総返済額が少ないのは当初の10年の金利が安いというのが大きいです。住宅ローン控除はほとんど変わらないですね。

10年と30年のミックスローンは10年後に繰上げ返済をしなければ、その後の金利変動リスクを負うという支払い面のリスクを負っている分だけ金利が安くなるんです。

その点、35年固定の方は、条件を近づけるために同じ位の繰上げ返済をする前提にしましたが、必ずこの金額でなければならないということはありません。少なくしても多くしても金利は同じです。

まとめ

では最後にこのご提案を踏まえて、個々のご質問に答えていきます。

✓フラット35と銀行ローンではどちらが良いか?

お見受けしたところ、団信への加入を前提に考えられています。フラット35で機構団信に加入すると毎年の残高の0.358%を払うことになり、割高になってしまいます。

それならば、みずほの35年固定の方が有利でしょう。ただ、フラット35Sや子育て支援の条件に当てはまるならば、その差は縮まってくると思います。

✓3000万のローンで夫の定年後、家計は大丈夫か?

ご提案した通りです。奥様が出産後に職場に復帰されれば、さらに安全度が増すと思います。

✓繰り上げ返済は考えない方がよいか?死亡、三大疾病の団信に通ったので長期で払い続けるのがよいか?

住宅ローン控除があるうちは繰上げ返済しないのがセオリーです。旦那様の定年後にやってくる収入の半減期の返済を低く抑えるという戦略的な考え方で繰上げ返済することをお勧めします。

繰上げ返済の考え方についてはこちらもご一読ください。主に変動金利の場合で書いてますが、固定金利にも通じるところがあると思います。

繰上げ返済貧乏にならないための繰上げ返済のコツ-千日のブログ

以上、参考になれば幸いです。

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