住宅ローンの金利タイプ固定or変動と団信ガン保障の決め方

2020年2月17日

住宅ローンの金利タイプと同様に悩ましい団信とその費用の関係

住宅ローンの金利タイプを固定にするか変動にするか?とても悩ましいです。そして同時に考えなければならないのが団信を筆頭とする保険ですね。

民間銀行の住宅ローンでは団信(団体信用生命保険)は必須の条件になっていて、その保険料は銀行が負担します。

悩ましいのは住宅金融支援機構の提供するフラット35です。フラット35の場合は団信は任意ですが、加入が任意であるが故に、加入する場合は住宅ローンの利用者である我々が保険料を負担することになっています。

この保険料(特約料といいます)はローン残高の0.358%です。金利として考えると、0.358%上乗せになるようなものですよね。今の低金利からすると、結構な負担感です。

かと思うと、ネット銀行を中心として団信に疾病保障が付いて、追加の負担が無いという商品もあります。

  • auじぶん銀行はガン30%保障が無料で付帯
  • 住信SBIネット銀行は8疾病保障が無料で付帯

フラット35で普通の団信に0.358%払うことを考えると、めちゃめちゃオトクに見えてきますよね。

では、今日のご相談者です。

広告

相談:近畿大阪銀行で無料付帯のガン団信かフラット35か?

はじめまして。

自分なりに理解しようと色々と調べているのですが、調べるほど迷いが生じてしまい、このブログにたどり着き、丁寧なご回答をされているのを拝見し、メールさせていただいた次第です。

年齢、年収、家の価格、住宅ローン、頭金

夫年齢 32
夫の年収(万円) 600
妻年齢 32
妻の年収(万円) 専業主婦
共働き世帯年収(万円)
家の価格(万円) 3,900
住宅ローン(万円) 3,300
頭金(万円) 600
  • 子ども2人(2歳女+2017年10月誕生予定)
  • 4LDK 新築戸建て(東証一部上場の地域密着型ハウスメーカー。)
  • 引き渡し 2017年8月11日

検討しているのは以下です。いずれも不動産会社の提携ローンです。金利はいずれも5月時点です。

りそな銀行 フラット35S

  • 手数料率 0.54%
  • 当初10年0.76%
  • 10~35年1.06

団信は収入保障保険で対応10万円65歳まで健康非喫煙者で月額3230円。

私の住む予定の自治体ではフラット35子育て支援の適用はないですので、最も有利なのはフラット35Sだと思います。

近畿大阪銀行 変動 ガン団信無料付与

  • 0.545%(全期間優遇金利)
  • 元利均等

迷っていること・わからないこと

元々はフラット35で検討していましたが、どうにもガン団信付きが魅力的で決めきれません。

似たような相談内容のブログも拝見させていただきました。

金利変動リスクと病気のリスクどっちを優先するべきですか?

ガン家系でもないですし、セオリーではフラット35だと思っているのですがやはり決めきれず相談させていただければと思います。

回答①:団信込みのシミュレーション

ではお答えしていきます。

まず、大手銀行のフラット35は団信加入が必須になっています。フラット35自体は加入は任意なのですが、事務を代行する金融機関によって取扱いが様々なんです。

フラット35の団信が必須か任意かは銀行によるが費用は全てこちら持ちになる

傾向としては、大手銀行とネット銀行及びモーゲージバンクで違ってきます。

  • 大手銀行については団信加入が必須でその費用は加入者が負担します。
  • ネット銀行及びモーゲージバンクについては団信加入が任意で、加入する場合はその費用を加入者が負担します。

ですから、フラット35で団信に加入する場合は漏れなく、団信保険料の負担があると考えてください。保険料は年に1回、12月末のローン残高の0.358%を支払います。

ですから、費用面では概ね金利プラス0.358%と考えてよいと思います。しかし、資金計画面ではちょっと違ってきます。

  • 団信保険料は年に1回の支払い
  • 途中でやめることもできる(ただし再び入ることはできない)

つまり、毎月の返済負担が増えるのではなく、年に1回、毎年10月に支払います。

なので、毎月の家計とは分けて考えることが出来るのですね。10年間は住宅ローン控除(12月31日の住宅ローン残高の1%が納めた税金から返金される)がありますので、残高が多い時期の資金面での負担は軽減されると言えます。

また、『金利』の形で表現されることが多いので、住宅ローンの返済と同じように考える人が多いですが、加入は任意ですから、途中でやめることもできます。

ローンの返済ではない。

これは大きな違いです。

しかし、ここでの疑問が生じますね。大手銀行では『必須』となっている団信ですが、最初は加入していて、後から脱退した場合はどうなるのか?です。良かったら聞いてみてください。

不動産業者の提携ローンよりも有利な固定金利と変動金利の商品があります

8月の引渡しまでまだ時間がありますね。『ガン保障付団信』のみならず、固定と変動で迷われている部分もあると思います。

団信に加入するという前提で、いまの提携ローンよりも有利な商品をご紹介します。

35年固定で団信に入るならみずほ銀行

35年の超長期での最安は実はアルヒのスーパーフラットです。団信に加入しても最安になりますが、頭金を2割入れる必要があります。なので、その次ということでみずほ銀行です。

シミュレーション結果が以下です。

《前提条件》

  • 借入金額3,000万円
  • 返済期間35年
  • 元利均等返済
  • 団信に加入する

(単位:円)

毎月の返済面ではフラット35Sが158万円有利住宅ローン控除も加味した上での支払い合計で68万円有利な結果となりました。但し、前の節で説明しましたように、月の返済という点ではフラット35Sが少なく済みます。

  • 年に1回の団信が224万円必要

これが大きいですね。

私ならば、残高が大きいうちは団信に入り、残高が小さくなり、子供が独立すれば、団信から脱退します。いつでも完済できるような残高になってくれば、入っている有難みがありませんからね。

変動金利でガン団信が無料で付くauじぶん銀行

ガン団信が無料で付くのはのは他にもありますね。auじぶん銀行です。金利は近畿大阪銀行よりも安いです。

シミュレーション結果が以下です。

《前提条件》

  • 借入金額3,000万円
  • 返済期間35年
  • 元利均等返済
  • ガン団信(50%)が無料で付帯する

(単位:円)

約29万円安くなります。

ただしネット銀行ということで、保証料はゼロ円で融資手数料2.2%で保証料相当を取る形になっています。どういうことかというと、期限前の全額繰上げ返済をした場合に差がつくんです。

  • 近畿大阪銀行は期限前に全額繰上げ返済したら、前払いした保証料が一部返金されます。
  • auじぶん銀行で期限前に全額繰上げ返済しても、融資手数料は返金されません。だって手数料ですから。

もしも今後住み替えにともなって住宅ローンを期限前に完済する可能性が高いというのであれば、auじぶん銀行ではなく近畿大阪銀行にしておくべきだということになるでしょう。

回答②:ガン50%団信のメリットは夫婦共働きでこそ光る

ガン50%団信は、ガンと診断されたらすぐにその時点の住宅ローンの残高が半分になるというものですね。これが無料で付くのは確かに魅力です。しかし、なぜ無料なのか?

統計的な話になりますが、ガンに罹患する年齢の統計なんですよ。60歳以降にかかる可能性が上がるんです。つまり30代の時に借りた住宅ローンがほぼ完済に近くなった時です。

なので、金融機関としては負担を最小限におさえつつ、『ガンになったときの安心』をアピールできる良い宣伝になるんですよね。

『だから、あまり意味ない?』

とは思いません。これはあくまで統計的な話です。若くしてガンにかかる人もいますし、自分がそうでないという保障なんてありませんからね。

住宅ローンは変動か固定か?団信も込みで考える-千日のブログ

変動か固定かの考え方に加えて疾病保障つきの団信についての考え方を書いていますので、ご一読ください。

夫婦の収入が同じ位で継続する場合はガン50%団信にメリットあり

夫婦の収入がほぼ同じくらいで、妻も定年までフルタイムで働くというライフスタイルであれば、ガンと診断された時点の早い段階で保障が受けられるガン50%団信がマッチしますよね。

つまり、今後は収入の割合に応じた元利均等返済に軽減されるので、奥様が今の家に住みながら旦那様の看病を続けることが出来ます。

旦那様がが復活すれば、その後の住宅ローンの負担は大きく軽減されるでしょう。

奥様が専業主婦という場合にはガン50%団信は中途半端な保障であると私は思います。

収入が夫婦の片方に偏っている場合は8疾病団信にメリットあり

収入が住宅ローンの名義人である大黒柱に偏っていて、もう一人はパート収入や臨時雇用収入である場合は、住信SBIの8疾病団信の方がマッチします。

病気になったら高額医療保険制度で医療費を払います。長期間就業できず勤め先からの収入が途絶えた場合でも最長1年6カ月までは傷病手当金が貰えます。

つまり、住信SBIの8疾病保障団信の保障対象の病気であれば、住宅ローンの支払いは免除され、傷病手当金で12か月の就業不能状態の生活を乗り切れます。

そして、この期間が12カ月を超えればローン残高はゼロ円になります。

以上、参考になれば幸いです。

30代世帯年収600万以上1200万未満の最適住宅ローンランキングを見る

年収600万円台の相談事例とシミュレーションを見る