老後を生きられる住宅ローンか?頭金・金利タイプ・繰上げ返済の方法

身の丈に合った住宅ローンかを見極め、老後を生きる可能性を高める千日メソッド

この住宅ローンは、果たして自分に返せるのか?

誰もが不安に思うことですね。身もふたもないかもしれませんが、一つの目安としては銀行が融資するかどうかです。銀行は融資のプロですから、回収できない(返済できない)可能性が高いと判断したら絶対に融資しません。

それでも0.34%~0.61%位の確立で返済が滞る人が居ます。

この割合を高いと見るか低いと見るかは人それぞれでしょうが、今のところ銀行の審査の方法で銀行業が成り立ってきたということは、それなりに銀行の判断をアテにしても良いと思いますよ。

さりながら、

住宅ローンを完済して『めでたし』ではありません。その後も人生は続いていきます。

例えば、60歳の退職金を全部使って住宅ローンを完済したとします。

銀行にとってはそれで『めでたし、めでたし』です。利息と元本を回収したのですからね。

でも、我々はどうでしょうか?

老齢年金の支給開始は65歳からです。年金が支給されるのは、それから5年後です。また支給されたとして、その年金だけで生活していくのは困難であると言われています。

完済したうえで老後を生きられる住宅ローンなのか?

ここまで考えて住宅ローンを組むのが千日メソッドです。

では、今日のご相談者です。

相談:年齢的にも住宅ローンを完済できるのか不安です

初めまして、ブログ興味深く拝読させて頂いております。

中古マンションの購入を検討しており相談させて頂きたいです。初めての住宅購入で、今後に対して元々心配性なこともあり漠然とした不安があります。

住宅ローンをそもそも返すことができるのか(自身の年齢から考えて)など、様々な疑問があります。

下記が条件等になります。アドバイス頂けますと助かります。なお、中古マンションの住宅ローン控除の条件は満たしていると思います。

家族構成と年収

  • 本人: 41歳(会社員) 年収620万円(額面)
  • 妻: 35歳(専業主婦)
  • 子: 4歳(幼稚園)

妻は子供が小学校低学年~中学年になったら、パート(扶養内)で働く予定。また、子供は増える予定なしです。

借入金に対する自己資金と頭金

  • 必要資金: 3,150万円(物件価格、手数用、諸経費、リフォーム、引越し代等全て含む)
  • 頭金: 700万円(頭金支払い後の貯蓄等は1,100万円、)
  • 借入:2,450万円(35年ボーナス払い無しを予定)

住宅ローンの実行(物件の引渡し)は2017年8月を予定しております。頭金は最大1,000万円することも可能です。

ローン開始以降の月々の支払イメージ

  • 住宅ローン: 7万円(仮に1%、35年として)
  • 管理費、修繕積立、駐車場: 3万円(合計)
  • 固定資産税等: 1万円(月当たり予測)
  • 総計: 11万円

上記を支払い、生活費が仮に現在と同等だとしたら月に6~7万円程度は貯蓄(今後の教育費、繰上げ返済、老後資金など)にまわせる予定です。

簡単ではありますが、ここまでが現在の情報です。

頭金、金利タイプ、借入年数、繰上げ返済と貯蓄のさじ加減は?

いろいろとありますが、中でも

  • 頭金をどれくらい入れる?
  • 金利タイプは固定金利か変動金利か?
  • 自分の年齢からして何年の借入がいいか?
  • 繰上げ返済と、教育費や老後資金(貯蓄)のバランスは?

が難しくどのように考えたらよいか困っております。

以上、宜しくお願い致します。

回答:千日メソッドでお答えします

ではお答えして行きますね。とても良いテーマだと思います。住宅ローンについて調べれば調べるほど、考える要素が多すぎて、何から決めていったらいいのか呆然としてしまうんですよね。

私も住宅ローンを借りた時は考えすぎで知恵熱を出しました。本当に熱が出るんですよね!

では、住宅ローンの千日メソッドに沿ってお答えしていきます。

住宅ローンが払えるか?

誰にとっても住宅ローンの残高、その期間は未知の領域です。不安の無い人なんて居ないと思いますよ。大なり小なり、皆がそれぞれに一抹の不安を抱えて契約します。

そして、住宅ローンを借りている人の約0.34%から0.61%の人が払えなくなったり、返済を待って貰ったりしています。

賃貸か持家か?欠陥住宅、住宅ローン、離婚の3つのリスク-千日のブログ

この割合を高いと思うか低いと思うかは人によると思いますが、その人達の多くは『家さえ買わなければ…』と思っているのでしょうか。

そう思ったのだとしたら、家を買ったことは失敗だったのだと思います。

家を買うにせよ、賃貸住宅に住むにせよお金は必要です。払うお金の質が違うんです。

  • 賃貸の場合は来月もその家に住むための賃料を払う。
  • 持ち家の場合は先に借りた家の代金を分割払いする。

つまり賃貸住宅に住む場合は来月払えるか?という短期の資金計画の繰り返しです。これに対して持ち家の場合は長期にわたる資金の計画が必須になります。

この長期の計画を無理なく立てられるか?

これが住宅ローンを払えるか?という問いを噛み砕いた問いなんです。

千日が手助けするのは、その長期の計画の立て方です。

この先にどんな事が待ち受けているか分かりませんが、その『分からない』ことを織り込んで、不測の事態が起こった時に出来るだけ多くの選択肢が取れるようにしておくためのセオリーです。

『長期の計画を無理なく立てられるか?』という問いをさらに分解すると2つの問いになります。

  • 毎月の元利均等返済が無理なく払えるか?
  • 定年退職時の残高は無理なく完済出来るか?

 

毎月の元利均等返済額に余裕のある頭金と金利タイプ

まず、今から組もうとしている住宅ローンの返済は無理なく継続可能かを判定します。すでに計算されていますが、少し修正が必要な部分があります。

ローン開始以降の月々の支払イメージ

  • 住宅ローン: 7万円(仮に1%、35年として)
  • 管理費、修繕積立、駐車場: 3万円(合計)
  • 固定資産税等: 1万円(月当たり予測)
  • 総計: 11万円

(単位:円)

1%固定金利 35年
毎月返済 69,160
10年支払 8,299,200
住宅ローン控除 -1,969,748
10年支払額 6,329,451
19年後残高 12,265,928

毎月の返済で考える場合は住宅ローンと管理費、修繕積立金までです。9万円くらいでしょうか?

年収620万円の手取り月収を30万円とすると、充分に4割以下に収まってます。大丈夫です、余裕ありです。ではなぜこういう判断になるのかを説明していきます。

まず、駐車場は住居費ではありません。駐車場代が払えなくなっても家を取り上げられることはありません。車を手放すだけでゼロに出来る費用です。

確かに生活上の必要経費ではあると思いますが、本当に妥協の無い意思決定をする上ではノイズになります。

ちなみに管理費、修繕積立金もそういう意味(家を取り上げられない)では同じなんですけど家の価値を維持するのに必要な費用です。入れるのは可です。

固定資産税を入れないのはもう1つの理由があります。これは毎月の費用ではないからです。

月収の4割以内にするというセオリーは、不測のアクシデントで貯金がゼロになった月に毎月必ず払わなければならないお金(=住宅ローン)が払えなくなるリスクに耐えられるか?というポイントです。

固定資産税は待ってもらえますが、住宅ローンは原則として、待った無しです。同じ支出に並べるべきではありません。

また、10年間は住宅ローン控除があります。固定資産税分はこれで賄う事が出来るでしょう。

頭金を1千万円にすればさらに余裕が出来ますが、そこまで入れなくても毎月の返済は安全圏にできると思われます。

また、変動金利では毎月の返済額の25%を貯蓄した上で、手取り月収の4割以下にすることをお勧めしています

金利タイプ選びのセオリー

この場合、『返済額の25%』には管理費と修繕積立金は入れません。変動金利でもレンジ内に収まりますね。

毎月の返済額という側面から考えると、変動金利でも固定金利でも、どちらでも可能ということです。

 

定年退職時までに一括返済資金と老後資金を貯める

現在41歳で定年が60歳とすると、あと19年ですね。民間企業にら65歳定年が義務付けられましたが、これを守れるのは一部の経営の安定した大企業だけだと言われます。

また年金の支給開始は65歳からですので、目標としては60歳での完済です。

では19年後の残高がどうなるかを見てみましょう。再度表を見てください。金利変動の無い固定金利を前提にします。

(単位:円)

1%固定金利 35年
毎月返済 69,160
10年支払 8,299,200
住宅ローン控除 -1,969,748
10年支払額 6,329,451
19年後残高 12,265,928

12百万円ですね、額面年収の2倍です。これはリスクがあります。何らかのアクシデントで貯金が一度ゼロになってしまった場合に、リカバリーが困難なんです。

退職金で払えばいい。

このように思われるかもしれませんが、それは最後の手段です。60歳時点の退職金で払わなければならない状態だと、その後の生活で困窮します。

つまり、毎月の返済で余裕を持ちすぎると、最後にリスクのしわ寄せがやってくるわけです。このリスクの振り分けを行います。

すこしずつ返済期間を短くします。

(単位:円)

25年まで返済期間を短くすれば、19年後の残高を年収程度に減らせますね。その分毎月の返済は高くなります。管理費と修繕積立金を足すと11万円です。奇しくも、当初考えておられた毎月の返済額に近似することになりました。

そして、11万円であれば手取り月収30万円の4割以内に収まっていますね。

だとすると、25年でもよいということになります。ただ、住宅ローン控除の金額を見てください。少し減ってしまっています。これは残高の減少ペースが速くなって、住宅ローン控除による恩恵が減っていることを意味します。

10年間はローン残高が多い方がトクなんです。

税金のセオリー

だとすると、バランスが取れているのは30年ということですね。10年後に一度まとまった金額を繰上げ返済をすれば良いということになります。

 

幾ら繰上げ返済すればいいか?

19年後の残高に注目してください。984万円ですね。これを例えば600万円にしたいのであれば、ざっくりですが以下のような計算ではじきだせます。

  • 984万円-600万円=384万円を繰上げ返済する。

実際には、利息がありますので厳密な計算ではありませんが、目安としては十分に機能する概算方法です。

今から10年後であればお子さんは中学生ですね。まだ大学入学までには時間がありますし、おぼろげながらですが、その後にかかる教育費のボリュームが見えてくる時期でもあるでしょう。

その後に必要な資金を勘案して繰上げ返済額を調節することが出来ると思います。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?まだお子さんは小さいですし、大学生になるころの教育費の水準は分かりません。それに今後どういうことが起こるかも分かりません。

しかし、その中である程度の選択肢を取れるような資金計画を立てる、という千日メソッドです。

あえて、奥様のパート収入は勘案していないので、実際に奥様が働きに出れば、さらに安全な資金計画になるでしょう。

以上、参考になれば幸いです。

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