共働きで住宅ローン控除を最大限に受けるには?住信SBI変動VS東京スター

2018年10月28日

住宅ローン控除で最も得をするのは東京スター銀行の預金連動型住宅ローン

まず、結論から言いましょう、以下の2つの条件を満たす住宅ローンです。

  1. 当初の10年間の金利が低い
  2. 当初の10年間のローン残高の減りが遅い

住宅ローン控除とは、当初10年間の年末のローン残高の1%をその年の所得税と翌年の住民税からマイナスする減税措置です。今の住宅ローンの金利は1%を下回るものが多いですから、当初の10年間については払う利息よりも減税の方が大きくなり、逆に儲かってしまうのです。

金利が低いということは、それだけ将来の景気上昇への期待が低いということでもあります。家を買って景気に貢献する分、減税の恩恵は最大限受けたいですよね。

また、各年末のローン残高は大きい方が得ですよね、その分減税されるわけですから。

税金のセオリー

…ちょっと待ってくださいね。1.と2.は両立しないですよね?

だって、

  1. 金利が低いということは、元本の減りが速いということです。
  2. ローン残高の減りが遅いということは、金利が高いということです。

しかし、両方を満たす住宅ローンがあるのです。それは東京スター銀行の預金連動型の住宅ローンです。

では、今日のご相談者です。

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相談:共働き夫婦で住宅ローン控除の恩恵を最大限に受けるにはどういう選択をすればいいでしょうか?

初めまして、今年の3月から注文住宅を立てる計画をしており、やっと住宅ローンのことを考えるに至りましたが、
悩みは増すばかりです…。千日様のブログを読ませて頂き、藁にもすがる気持ちでメールさせていただきました。

どうぞアドバイスをよろしくお願いいたします。

住宅ローン控除等を最有効活用するためのローンの組み方について教えて下さい。まだ銀行などに仮審査、申込みはしていません。

以下が前提条件となります。

年齢、年収、共働き世帯年収、家の価格、住宅ローン、頭金

夫年齢 47
夫の年収(万円) 550
妻年齢 40
妻の年収(万円) 350
共働きの世帯年収(万円) 900
家の価格(万円) 3,800
住宅ローン(万円) 3,800
頭金(万円) 0

◯夫:年収550万円 正社員・役員(工場長) 47歳

◯妻:年収350万円 契約社員 40歳

○子供:7歳と11歳

○同居家族:妻の父(70歳)

物件価格と自己資金

◯現在貯蓄:夫婦合算で4500万円、借金なし。
建て替えにより両親から300万、300万贈与

◯購入物件:新築住宅 2世帯(建て替え)

◯購入時期:年内

◯物件価格:3800万(諸費用込み・全額で)

○土地:主人と主人父で半分ずつ。今回建て替えで権利を主人に一本化の予定

◯購入時諸費用:460万円(ハウスメーカー請負外金額、引越、各種手数料、税金等)

検討中の住宅ローンは最安金利の住信SBIネット銀行

◯検討中のローン:住信SBIネット銀行変動金利 11年ローン?

○借り入れ:2000万、自己資金1800万(夫600・妻600・夫父300・妻父300)

○返済:変動で行き、住宅ローン控除の恩恵がすんだ11年目に全額繰上返済

ペアローンではなく、妻も控除を受けられる連帯債務型で考えている。

返済期間が悩み。

元金均等返済を考えている。つなぎ融資はせず、自分の資金で払うつもりです。

自己資金は十分にあるので住宅ローン控除の恩恵を最大限に受けたい

貯金はあるので、一括購入で利子なしを考えていましたが、住宅ローン控除の恩恵を最大限に受けたいと思い、ローンを考えていますが、どのようなパターンにすべきか。

返済期間を長めに取るべきか短く取るべきか悩んでいます。シミュレーションは色々しまして、月々の支払いは問題なく、とにかく如何に損をしないで支払いができるかを考えています。

どうかアドバイスをお願い致します!

 

回答①:住宅ローン控除の恩恵を最大限受けられる返済期間と返済方法

ではお答えしていきます。まずは冒頭に書いているように2つの条件を満たすような返済期間と返済方法について解説します。

返済期間は最長にして当初10年のローン残高を高く維持する

まず返済期間は最長の35年をお勧めします。ローン残高を高く維持することが、住宅ローン控除の恩恵を最大限受けることにつながります。

払う金利よりも住宅ローン控除の率(1%)の方が高い場合は特にそうなります。試しに35年返済と11年返済(どちらも元利均等返済)で比較しました。

住宅ローン控除が終わる10年後に一括返済してしまうという前提でのシミュレーションです。

(単位:円)

融資手数料では差が出ません。これが保証料であれば安くなることもあります。35年返済にしておいたほうが約80万円も安くなりますね。

 

10年後に一括返済するなら元利均等返済と元金均等返済にほぼ差は無い

続いて返済方法です。元金均等返済を検討されていますが、住宅ローン控除の恩恵を最大限に受けて利息の支払いを節約するなら、ほぼ差は生じません。

元金均等返済の方が利息の支払いが少なくなるのですが、その反面、ローン残高の減りが早くなるので住宅ローン控除の恩恵が少なくなってしまうためです。

実際に比較してみましょう。先ほどと同じく10年後に一括繰上げ返済する前提でのシミュレーションです。

(単位:円)

ほぼ、同じですね。むしろ元利均等返済の方が少し安い位です。元々の金利が安いこともあって、返済方法によってそれほど差は出ません。私なら万が一のために毎月の返済が安く、つまりハードルが低く、一定額になる元利均等返済にします。

 

回答②:住宅ローン控除の恩恵をマックスに受けるなら東京スター銀行の預金連動型住宅ローン

冒頭に書いていますが、住宅ローン控除の恩恵をマックスに受けるなら、現時点では東京スター銀行の預金連動型住宅ローンが最適解となります。完成予定は来年の3月ですので、また状況は変わるかもしれません。

預金連動型住宅ローンの商品のメリットは3つあります。

  • 預けた預金が繰り上げ返済と同じ利息の節約効果がある。
  • 住宅ローン控除の恩恵は通常通り得られる。
  • 預金はいつでも引き出し可能。(仕組み預金など特殊なものを除く)

とても魅力的な住宅ローンなんですけど、適用金利が少しお高めなのです。
《2017年8月東京スター銀行適用金利》

  • 変動 0.8%
  • 3年固定 0.8%
  • 5年固定 0.85%
  • 10年固定 0.95%

少しお高めな金利…?いやいや、即金で購入できる預金があるのですから、この金利は実際には払うことが無いのです。一方で金利が高めであることから、元本の減りはその分遅くなります

つまり、

  1. 当初の10年間の金利が低い
  2. 当初の10年間のローン残高の減りが遅い

普通の住宅ローンでは両立するはずの無い、二つの条件が成立する住宅ローンなのです。

 

金利はタダになっても、メンテナンスパックは加入しないとダメ

ただし、東京スター銀行には借入残高の0.3%から0.702%の料率となるメンテナンスパックというサービスがあり、必ずどれかを利用しなければならないという『縛り』が存在します。

《メンテナンスパック一覧表》

メンテナンスパック1 メンテナンスパック2 メンテナンスパック3
メンテナンスパック料率 0.504% 0.702% 0.3%
返済休暇(料金に込み)
入院時の保証 ×
死亡・高度障害時の保証(団信) ×
ガン団信 × ×

このメンテナンスパックは預金によって減るということがありません。借入残高満額に対してかかってきます。利息だけでなく、これも加味してシミュレーションする必要があるのです。なお、シミュレーションでは、基本的に「メンテナンスパック1」を選択します。通常の団信が含まれており、民間の銀行の住宅ローンを比較する場合は、これが一番近い保障を提供してくれます。

前置きはこの辺りにしてシミュレーションしていきましょう。

 

住信SBIネット銀行のキャンペーン金利と東京スター銀行の比較

現在住信SBIネット銀行では0.444%というキャンペーン金利が適用されますね。これと東京スター銀行を比較してみましょう。東京スターの方は、金利が高い方が良いのですから、10年固定とします。

また、10年後には一括返済する前提でシミュレーションしました。

(単位:円)

いかがでしょうか、確かに単純な返済額の比較では住信SBIの方が17万6千円少なくなりましたけど、住信SBIは変動金利ですから金利の上昇リスクがあります。これに対して東京スター銀行は10年間は金利が固定されていますね。

そして、そもそも貯金があればその利息は発生しません。

 

通常の住信SBIの変動金利と東京スター銀行の比較

住信SBIのキャンペーンは2017年9月29日までです。来年の3月には終わっています。ですから、このキャンペーンの前の条件でも比較してみましょう。

住信SBIネット銀行の変動金利は.475%で、それも2割の頭金を入れた場合でした。頭金を入れるということはローン残高が減ってしまいますので、住宅ローン控除の恩恵も少なくなりますね。その代わり融資手数料も安くなります。

では比較してみましょう。

(単位:円)

ほぼ、返済額では並びました。

  • しかも東京スター銀行の方には金利の変動リスクはありません。
  • さらに預金を全額温存しておくことができます。

トータルで考えて東京スター銀行の方が有利な住宅ローンであると言えると思います。検討に入れる価値はあると思いますよ。

今回は、東京スター銀行という特定の金融機関についてお勧めしておりますが、メールという限られた範囲で知り得た内容から私が最適と考えたものであり、これが絶対的に最適であることを保証するものではありません。あくまで、ご自身の判断によるべきものである点をご了承ください。

今回ご提案させていただいたことが、その助けになることを祈っています。

《あとがき》

住信SBIネット銀行が変動金利をさらに下げています。なぜここまで下げるのか?今後はどうなるか?について千日のブログで書きましたので読んでみてくださいね。

変動金利トップの住信SBIネット銀行が変動金利を引き下げ!三井住友信託銀行の狙いは?今後は0.3%台もある? |千日のブログ

以上、参考になれば幸いです。

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