30歳年収400万で買うこの家の値段は適正ですか?

年収、年齢、自己資金から30代で借りられる住宅ローンは計算できる

借りる住宅ローンは少ないに越したことはありませんが、だからといって購入する家に妥協する部分は少ないに越したことはありません。不動産の価値は値段に反映されています。安物買いの銭失いになってしまっては元も子も無いのです。

ですから、今ある自己資金、今の年収、年齢(定年退職までの年数)から幾らの家までなら無理なく購入できるか?という物差しを持つことは大事です。

幾らまでなら返せるか?

こういう判定は、住宅ローンを貸す銀行も行いますよね。

だから、銀行が融資してくれるということはちゃんと返せるということだ。

確かに一理あります。でも、借りられるということと返せるということは、必ずしも一致しないこともあります。

例えば公務員の収入は安定してますので、住宅ローンの審査上の属性はかなり高いですけど、老齢年金は65歳から支給開始される一方で、公務員の定年は60歳です。再雇用制度も原則として1年刻みですよね。つまり、60歳以降は最長5年間にわたり無収入の期間があるということです。

にも拘わらず、30代の公務員が住宅ローンを組んだらかなり高い金額で最長35年の住宅ローンが組めます。私は銀行が「無収入になる5年間」に目をつぶっているように思えてなりません。

では、今日のご相談者です。

相談:欲しい住宅がありますが借入額が適正か教えてください

はじめまして。ブログを最近見つけて参考にしていますいつもありがとうございます。今回思い切って相談させていただきます。

現在3300万円程度の建売を考えています。

家族構成と年収、FPに相談

  • 夫 公務員30歳 年収390万円(家賃補助が無くなる分を引いています)
  • 妻 会社員28歳 年収400万円

子供はいませんが二人欲しいです。子供が生まれるとパートになる可能性があります。保育園に入れたら時短で働きますがどうなるかわかりません。車は二台ありますが、パートなら一台手放します。

現在夫婦二人の生活費では家賃5万円(半分家賃補助あり)ほか25万円で生活していますが、削れるところは削っていきたいと思っています。

ファイナンシャルプランナーに見てもらうと月20万で生活でき、かつ主人の年収が年10万ずつ上昇、私が60まで年100万円パートで稼げば3千万老後に残る計算になりました。退職金は見込んでいません。

自己資金

現在は貯蓄を年300万円してます。

現在貯蓄は現金1000万、保険250万あります。

貯蓄は私の独身時代の貯金が半分程度です。現金すべて入れて2300万円の30-35年の固定金利で借りる予定で、親の援助はなしです。

住宅ローンで破産しないか?借入額は適正か?

しかし年収が低めなので住宅ローン破産をしないか心配です。この生活だと借入額は適正でしょうか。無理しないと返せない額でしょうか。

自分でたくさん計算をし、考えていましたが行き詰まってしまいました。。

10月引渡しの住宅ローンの金利タイプは?

35年と借入期間も長いので、ローンを長期固定にする予定です。今考えているのは10年まで0.8%、11年目から1.3%の35年固定にしようかと思っています。引き渡しは10月中には可能とのことでした。

ファイナンシャルプランナーさんは、人によって意見が分かれています。

オリンピック時は金利が上がるけどそれから上がることはないから、10年固定で安全をとり、10年間貯めたお金を繰上げ返済すればよいという人もいれば、変動がいいと言われることも多く迷ってきています。

千日様はこの場合、やはり長期固定にするべきだと思われますでしょうか?

どうぞよろしくお願いします。

 

回答➀:無理なく返せる住宅ローンの金額の計算方法

無理なく返せる住宅ローンの金額は、年収と定年までの年数で計算します。

30代の住宅ローン=現時点の税込み年収×0.17×退職までの年数+1000万円

ご主人の現時点の税込み年収390万をこの式にあてはめると、390×0.17×30+1000=2,989万円ですね。ですから、これから組もうとされている2300万円の住宅ローンについては一般的に返済可能なレンジ内に入っていると思いますよ。

この計算式は以下の4つの千日メソッドを適用した場合に、概ねレンジ内に入る借入額です。

  1. 毎月の返済は手取り月収の4割以下でボーナス払いなし
  2. 返済額が一定になる元利均等返済方式
  3. シミュレーションの金利は固定金利
  4. 定年時のローン残高は1000万円以下

こちらに詳しく書いてますので、ご一読くださいませ。

30代でいくらの家が買えるのか?年齢と年収から計算する方法-いえーるすみかる

 

回答②:現金を全額家に突っ込んでしまうのは危険!

ただ、今の資金計画ですと、今持っている貯金を全て頭金や手数料にしてしまうというのが、危ないと思います。それに家を買った直後は色々と物入りになります。計画段階で全て入れると、逆にマイナスになってしまう危険もありますよ。

不測のアクシデントに備えてある程度の貯蓄を残しておくべきでしょう。千日は家を買った直後に最低限残しておきたい金額として以下の式を提案しています。

最低限残す貯蓄=(家族の人数ー1)×200万~300万円

こちらの詳しく書いていますので、ご一読くださいませ。

家を買うときに残すべき貯金の最低額はいくら?

 

回答③:家の価格以外に必要な費用の目安とザックリ資金計画

また、家の価格以外で必要な費用について、ざっくりご説明しておきましょう。

住宅ローン返済以外に必要なコストは大きく分けて3つです。

  1. 家の購入にかかるコスト
  2. 住宅ローンを組むコスト
  3. その後家を維持するコスト

家の購入と住宅ローンを組むコストは、新築マンションで概ね物件価格の3%~5%、それ以外(中古マンション、戸建て、新築戸建てなど)で6%~13%ほどです。だいたい1割位のお金は家の価格以外に必要なんですよね。購入したい家の値段を考えると、だいたい高級車が1台買えるくらいの金額になると思います。

それだけのお金を「現金」で用意できなければ、家を買うことは出来ません。つまりスタートラインにすら立てないのです。これらの費用を融資してくれる銀行もありますが、金利は高くなります。ネットや広告に出ているような低金利で借りることは出来ません。ぎりぎりこれを用意できたとしても頭金ゼロのフルローンになります。

家の購入にかかるコストの一覧

上記は純然たる費用だけを列挙したものです。家を購入する場合は「申込証拠金」「手付金」が必要になります。

申込証拠金は新築マンション等の「購入申し込み」時に不動産会社に支払うお金で、申し込みを撤回する場合は返金され、契約に至る場合は手付金の一部となります。だいたい2万円くらいが目安です。中古物件など仲介会社が入る物件は必要ないケースがほとんどです。

手付金は売買契約時に売主に支払うお金で、契約を破棄する場合は返金されない解約手付です。購入代金の5%~10%程度が一般的ですが、売主と買主の合意によって決めます。最終的に代金の一部に充てられます。頭金ゼロのフルローンの場合は一旦返金してもらい、銀行の融資で代金を支払います。

住宅ローンを組むコストの一覧

ですので、3300万の戸建てであれば、200万~430万円位が住宅ローンとは別にかかると考えておいた方が良いと思います。

現在の貯蓄が1000万円であれば、ざっくりと以下のような振り分けになるでしょう。

最低限残す貯金:200万(保険にも入っているので少なめ)

家の購入手数料と住宅ローン手数料:300万

家の頭金:500万

つまり、3300万の家の代金のうち、頭金に入れられるのは500万ですから、2800万の住宅ローンを借りるという計算ですね。最初の式で無理なく返せる住宅ローンが2989万円でしたから、一応そのレンジ内に入っていると言えます。

これは保守的に旦那様の収入のみで試算したものです。ですから奥様の収入も加われば、より余裕が生まれるということになります。

 

回答④:ライフプランニングキャッシュフローは絵にかいた餅だと思っています

老後資金として幾ら貯められるのか?ということも気になるとは思いますが、この点に関しては『絵にかいた餅』となりますので、あえてやりません。

何一つ予想通りに行くわけがないのが人生ですし、前提として置く仮定も多すぎますし、仮定そのものにも合理的な根拠に欠けます。もともとは企業が中期計画などを立案したり、投資意思決定するのに利用している理論をそのまま家計にコピーした代物なんです。

企業財務の専門家が作る中期計画はせいぜい5年です。それ以上の長期の計画は実行性に欠けるので一般にはあまり作られることはありません。それを、なぜか個人の家計については何十年という長期で作って、有難がっている。

ハッキリ言って使えない計画です。「絵に描いた餅」とはどんなに上手に描かれていても、絵に描かれた餅は見るだけで食べられない。 転じて、実際の役には立たないものや、実現する見込みのないものの意味ですから、的確な表現だと思います。

こちらの記事が、老後まで考えた住宅ローンの考え方です。ご一読いただければ幸いです。

老後破産で後悔しないために。定年までに住宅ローンを完済するためのコツ教えます。-いえーるすみかる

 

回答⑤:北朝鮮情勢が不安定な時は金利の決まり方の異なる複数の金利タイプで審査を通しておく

こちらの『ザイオンライン』と『いえーる すみかる』で千日が公開した記事が参考になると思います。

北朝鮮リスクで長期金利は再びマイナス!今後の住宅ローンの金利動向はどうなる?|ザイオンライン

北朝鮮2発目のミサイル発射で再び下がる長期金利。今後の住宅ローン金利はどうなる?家を買う人が行うべき対策は?|いえーる すみかる

北朝鮮リスクで長期金利が去年の11月ぶりにマイナスとなっていますね。週が明けてから挑発行動が止まったことで長期金利は戻していますが、根本的なリスクが去ったわけではありません

北朝鮮の情勢に変化が無ければ金融市場の長期金利は10月にかけて下がる予想をしていますが、10年固定金利については銀行の資金運用政策を考えると去年ほどは下がらないでしょう。固定金利ならば、市場の債券相場がダイレクトに反映するフラット35がお勧めです。

武力衝突となった場合は専門家の間でも見解が分かれています。長期金利は上がる場合も下がる場合も考えられます。そういう時に変動しにくいのは、むしろ変動金利です。北朝鮮情勢の急展開で市場がヒステリックに反応した場合の保険として変動金利も通しておくことをお勧めします。

家の購入という人生の一大事に不安定な情勢が重なってしまったのですが、2重3重に打つ手を用意しておく必要があります。以下のように金利が決まる仕組みの異なる商品でそれぞれ審査を通しておき、情勢の変化に応じて有利な方を選べるようにしておくことを強くお勧めします。

  • 民間融資と公的融資(フラット35を含む)
  • 固定金利と変動金利

なお、このブログに書いたことは、あくまで現時点で公表されている情報に基づいて、千日個人が予想したものです。ですから、実際の金利の動きと異なってくることも大いにあり得ます。最終的な判断はあくまでご自身に委ねられています。用法用量を守ってご利用ください。

以上、参考になれば幸いです。

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