預金連動型住宅ローンとは?金利が上がっても利息ゼロ!2行の損得をプロが判定

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相談者のデータ(年齢、年収、所有資金の総額、物件価格、借入金額など)

家族の年齢と年収 夫38歳700万円
妻46歳650~700万円
子9歳と2歳
所有資金の総額 夫2,000万円妻5,000万円
物件価格 2,000万円
物件のタイプ 中古マンション
借入予定額 2.350万円
検討している住宅ローン 預金連動型
①auじぶん(5年だけ預金連動)変動(4大疾病ガン50%)
②山陰合同銀(50%まで預金連動)
普通の住宅ローン
③住信SBI変動(ガン50%)
④住信SBIフラット35(ガン50%)
⑤SBI新生⑥中国銀行変動か固定

 

千日太郎先生、初めまして。いつもわかりやすいご説明と金利の比較情報ありがとうございます。

住宅ローンを調べるのに、色々調べたりYouTubeを見て回っていますが、結局、千日太郎さんの動画が、一番具体的かつ、わかりやすくタイムリーな役立つ情報が整理されているため、何度も見に戻っています。普段あまりしたことのない、youtubeのチャンネル登録もさせて頂きました。今後ともよろしくお願いします。

この度、築35年を超えた中古マンションの購入を予定しており、住宅ローンについて、色々と自分でも調べて、整理しようとしているのですが、逆にどんどん混乱してしまっているので、是非、ご相談させてください。

気になっている点としては、

・auじぶん銀行で、5年間、借入額100%分の預金連動型キャッシュバックを受けるのと、山陰合同銀行で全期間中借入額50%分のキャッシュバックを受けるのとどちらがよいか。(団信は、auじぶん銀行が充実している。)

・住信SBIフラット35(子育てプラスや中古プラスなどおそらく3ポイントとれるがフルローンが組みたい)、中古プラスが使えるか不明、保証型・買取型どちらがよいか?ポイントで金利引き上げされるなら、フラット35で借りたいが、頭金は入れたくない、その場合、どうなるのか、よくわからない。

・中国銀行の固定金利1.4%(手数料定率ご融資額×2.20%+33,000円)か、1.625%(手数料55000円)、変動の場合、期間金利変動(6か月固定)0.60%(ご融資額×2.20%+33,000円)か、0.825%(手数料55000円)、手数料を加味してどちらがよいか。

基本的に預金連動型の方が総支払額(手数料込み)が少なくなると思うのですが、今のところ、預金連動型キャッシュバックもあり、充実した団信があるauじぶん銀行が第一候補で考えています。

しかしながら、auじぶん銀行は、審査が厳しいというところと、最終的には、金利だけでなく、保証料や手数料込みでの総支払額と団信のバランスを考慮して決めたいと思っているため、(団信の上乗せ金利も考慮したうえで、同じ金利で比較するべきなのかもしれないですが、)今、検討している銀行の優先順位ランキングが正しいかどうか、千日太郎先生の比較検討した優先順位のアドバイスをいただけますでしょうか。
しかしながら、先生も大変お忙しいかと思いますので、上位3つまでの順位でお答えいただくのでも大変ありがたいです。

千日太郎の住宅ローン無料相談とは

「千日太郎の住宅ローン無料相談ドットコム」は、一般の方が匿名で住宅ローンの質問を投稿し、専門家である千日太郎が実例をもとに回答する人気企画です。今回は「預金連動型住宅ローン」をテーマに、共働きで高収入・高資産の家庭がどのように住宅ローンを選ぶべきかを解説しています。

預金連動型住宅ローンとは?

住宅ローンを借りながら同じ銀行に預金を置くと、その預金額に応じてローン利息が“実質ゼロ”になる仕組み。たとえば3,000万円の借入に対して同額の預金があれば、金利がいくら上がってもその部分には利息がかかりません。つまり「預けたお金が自分のローンの金利を打ち消してくれる」非常にユニークな商品です。

金利上昇局面でも安心できるのがこのタイプの強み。住宅ローン控除の恩恵も受けつつ、預金部分ではキャッシュバックのように金利負担が減る──まさに“金利リスクを中和するローン”と言えます。

相談者のプロフィールと相談内容

相談者は38歳の夫と46歳の妻、9歳と2歳の子を持つ共働き家庭。夫婦合わせて年収約1,400万円、金融資産は7,000万円と非常に堅実な家計です。物件は2,000万円の中古マンションで、諸費用込みの借入額は2,350万円。

選択肢は主に2つ。
au自分銀行: 5年間だけ預金連動(100%)が適用され、金利0.879%。ガン50%保障付き。
山陰合同銀行: 預金連動は全期間50%、金利0.8%。疾病保障なし。
さらに、SBI新生銀行や中国銀行の変動・固定金利型、フラット35も候補に入れて比較を検討しています。

5年100%連動VS全期間50%連動、どっちが得?

結論から言えば、12年目が分かれ目です。 シミュレーションでは、au自分銀行の5年100%連動では5年間で約96万円分の利息キャッシュバック。一方、山陰合同銀行は全期間50%連動で、35年間の合計キャッシュバック額は約172万円。つまり、12年目で両者が同額になり、それ以降は山陰合同銀行が上回る結果となります。

したがって「10年以内に住み替え・完済予定」ならau自分銀行、「長期保有」なら山陰合同銀行が有利です。 この判断を左右するのは、家に何年住むか・ローンを何年続けるかという人生設計そのものです。

ローン期間で損得が変わる理由

住宅ローンは「長く借りるほど利息が増える」単純な構造ですが、預金連動では時間の経過がメリットにもなり得ます。長期で借りるほど、預金残高が利息を相殺する期間が長くなり、総支払額での優位性が出てくるのです。

逆に、早期完済を前提とするなら、初期5年間の全額キャッシュバックが効くau自分銀行の方が効率的。つまり「借りる金額」より「借り続ける期間」が損得のカギを握ります。

預金連動におすすめの金利タイプ

預金連動ローンは変動金利と相性が良いです。 理由は明快で、金利が上昇しても預金で相殺できるため、上昇リスクが事実上ゼロになるからです。固定金利は現状すでに高めの水準であり、預金でカバーできる分が減るため、相対的に割高になります。

「変動=危険」という固定観念を持つ人が多いですが、預金連動型ではむしろ変動を選ぶ方が合理的です。

団信(団体信用生命保険)の優先順位を下げるべきケース

この相談者のように、共働きかつ資産が潤沢な家庭では、団信の優先順位は下げて構いません。 住宅ローン残高が2,350万円に対して夫婦の年収は1,400万円。どちらか一方の収入でも返済が十分に可能な水準です。つまり、どちらかが病気・死亡してもローン破綻のリスクが小さい。

団信は本来、遺族が住まいを守るための保険。しかし、共働きかつ金融資産7,000万円の世帯では、「団信で守る家」より「資産で守る家」の方が現実的です。保険は“必要だから入る”ものであり、“お得だから付ける”ものではありません。

優先順位が明確になると判断がブレない

住宅ローンの検討でよくある失敗は、「金利・団信・期間・保証」など複数の軸を一度に比較して迷うこと。 しかし、本質はシンプルです。 1. 何年住むか(期間)
2. どのくらい預金を残すか(余力)
3. どこまでリスクを取れるか(性格)
この3点の優先順位を明確にすると、自ずと選ぶべきローンが見えてきます。

10年後の正解は分からない

未来の金利や経済状況は誰にも読めません。 したがって「どっちが最終的に得か」を今決めることは不可能です。 むしろ、どちらの道でも大きく損しないように、柔軟に構えられる設計が理想。 例えば12年以内に完済できるならau自分銀行、それ以上保有なら山陰合同銀行。どちらを選んでも破綻しない構成こそが、最適解と言えます。

40代後半から組む場合、団信の重要性が上がる

妻がローン契約者となる場合、46歳という年齢は「疾病保障の加入適齢期」とも言えます。多くの団信が49歳までにしか加入できないため、がん50%保障などのメリットが最も大きくなるのがこのタイミング。 60歳前後で病気のリスクが高まる時期に、ローン残高がまだ多ければ「万一の際にローン残高がゼロになる」効果は非常に大きいです。

つまり、若い世代では団信の効果は薄く、40代後半からの借入では逆に「保険としてのコスパ」が上がります。 このように、年齢によって団信の価値は変化するのです。

まとめ

預金連動型住宅ローンは、金利上昇リスクを預金で相殺できる“理論上最も安定した変動型”です。 短期ならau自分銀行、長期なら山陰合同銀行──その分かれ目は「12年」。 共働き・高資産層では団信の優先順位を下げても構いませんが、40代後半からの借入では再び重視すべきです。

結局のところ、住宅ローンは「金利の低さ」ではなく「人生の設計」との整合性で決まります。 どんな金利でも、ブレない優先順位を持てば迷いはなくなります。 預金がある人ほど、ローンは“借り方次第で味方にも敵にもなる”それを実感できるのが、預金連動型住宅ローンです。

以上、参考になりましたら幸いです。

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