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住宅ローンのリスクを具体的に正しくつかむ

多額の住宅ローンを組むことに漠然とした不安を感じる人は多いです。人生最大の買い物ですからそれは当然であり、健全な感覚を持っている証拠です。

ただ、それに対して何となくストレスを感じているだけでは、正しい選択を出来ません。破れかぶれに、リスクの高い選択をしてしまったりする人もいれば、考え過ぎて何が何だか分からなくなったりする人もいます。

ここでは、マイホームの購入、住宅ローンの選択を誤らないために、何がリスクなのか?ということを正しくグリップすることを目的としています。

不安の元を見える化することがすべての始まりです。

住宅ローンのリスクは財務面と人生面で捉える

住宅ローンは長期間にわたる多額の借金⇒だから不安。

これをもっと具体的なところに落とし込みます。財務面と人生面です。

  • 財務面のリスクとは資産と負債のバランスが崩れる債務超過のリスク。
  • 人生面のリスクとは資産と負債のバランス自体がどうでもよくなってしまうリスク。

財務面のリスクは資産と負債のバランス

まず財務面のリスクから把握していきます。これは誰もが把握しやすいリスクで貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)の考え方です。これは会社の財政状態を表す書類です。英語ではバランス・シート(Balance Sheet)、略してB/Sと呼ばれます。

家を買った人の貸借対照表は上の図のようになりますよね。

  • 家は資産
  • 住宅ローンは負債
  • 差額が純資産

家(資産)>住宅ローン(負債)

この状態を維持しておけば、必要以上に不安を感じる事はありません。ちなみにこれが逆になると、債務超過といって、会社ならば倒産してしまいます。

つまり、財務面のリスクとは以下の二つのリスクに分解できます。

  • 家(資産)の価値が下がって住宅ローン(負債)未満になってしまう。
  • 住宅ローン(負債)の負担が大きくなって払えなくなってしまう。

ですからそれぞれに対して、どんなケースがあり得るか、それに対処するにはどうしたらいいか、というセオリーを知り、準備しておくことになりますね。それぞれについて、これから詳しく説明します。

家の市場価値が住宅ローン未満になってしまうリスクに対応する

家の価値は使用や時間の経過とともに下がっていきます。例えば、新築マンションを例にすると以下のようなプロセスで価値は下がっていきます。

  • 売り出し価格をスタート
  • 完成引き渡し時点で30パーセント下がる
  • その先は経年劣化で少しずつ下がる

これは何となく皆んなが頭に描くグラフですが、消費財としての住宅の価値には2種類の価値があるんです。

使用価値と市場価値です。

  • 使用価値は住むことによって所有者が享受する価値です。
  • 市場価値はその住宅が住宅市場でいくらで売れるかという価値です。

使用価値と市場価値のそれぞれの推移は下のグラフのようになります。

使用価値の推移は、経年劣化と修繕費増によって完成から徐々に下がり、最後は取り壊しコストの分だけマイナスとなります。

市場価値の推移は、始めに3割ダウンし(新築マンション一般に言われます)、あとはなだらかに下がり、途中で使用価値を上回ります。これは買手視点からの立地の価値が残るためです。

購入の時は使用価値だけ見ていれば良いのですが、収入が減って住宅ローンが払えなくなるリスクを考えると、市場価値にも十分目を配る必要があります。

  • 頭金30%と仮定
  • 元利均等払いだと最初の頃は元金が減らず、後の方で元金が減る

上記のようなグラフにすると、購入から住宅ローンの完済まで住宅ローンの残高が住宅の市場価値を上回ることはありませんね。

住宅ローンの頭金として2割が目安として言われるのは、新築住宅の場合、初めに3割は市場価値が下がると言われるからです。

とは言え、住宅ローン控除の恩恵を享受するには、当初の10年間は住宅ローンの残高は高く維持しておきたいですよね。

住宅ローン控除の正式名称は住宅等借入金特別控除といい、各年の12月31日のローン残高×1%をその年の所得税からマイナスする減税措置です。

新築、中古住宅の購入又は要件を満たすリノベーションやリフォームをして、6カ月以内に住み始め、住宅又はリフォームローンを借りている人は、以後10年間の各年分の所得税から年度末の借入金残高の1%の額を控除することが出来ます。

ということは、始めの10年間は住宅ローン残高は高めに維持しておいた方がオトクなんです。

住宅ローン控除の繰り上げ返済用の資金はあえて返済せずに温存しておけばいいです。貸借対照表で考えると、以下の図のようになります。

いざという時はローンの残高をいつでも減らせますし、住宅ローン残高は高い金額を維持できるので、早い話がいいとこ取りになるんですね。

地震保険には入るべき

火災保険と違って地震保険の保険金で家を再築することは出来ません。補償の額が少ないからです。なので、火災保険のオプションのように考えている人もいます。そういう人はそんな保険に入るなら貯金した方が良いなどと言います。

これ、大きな間違いです。地震保険より貯金の方が良いのは『住宅をキャッシュで買う』ような極めてレアな人のケースです。

地震保険は保険商品ではなく社会インフラ

地震保険とは、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没または流失する損害を補償する地震災害専用の保険です。

火災保険に付帯する方式での契約となりますので、火災保険への加入が前提となります。そして住宅ローンを借りるには火災保険が必須です。

だからか、多くの人が地震保険を『保険商品』のように考えているんです。しかしそれは誤解です。地震保険はそもそも商品としては成り立たない保険なんですよ。

震災と火災の根本的な違いってわかります?

  • 震災は天変地異でありエリア災害、被害の範囲はどこまでも広範囲になる。
  • 火災は人災であり個別災害、延焼があったとしても範囲は限られる。

大規模な地震が発生した場合に対応できる保険を、民間の保険会社はつくることが出来ません。ビジネスとして成立しないんです。

例えば東日本大震災で支払われた地震保険の保険金は東北、関東、北信越などで75万件以上、1兆2,000億円を超える金額となりました。

1兆円というと、スーダン、シリアなどの小さな国の国家予算レベルです。どんな大企業だろうが民間企業が補償できる規模をはるかに超えているんです。

火災保険の保険約款で通常、地震・噴火・津波によって生じた火災による損害を免責事由としている理由は、そうしないと保険商品として成立しないからです。

1923年9月1日の関東大震災や1964年6月16日の新潟地震で、火災保険は罹災者救済策として役立ちませんでした。

そこで地震保険に対する社会的要望が高まり、新潟地震から2年後の1966年(昭和41年)から地震保険に関する法律と地震再保険特別会計法が施行され、地震保険が実現したんです。

つまり、地震保険は損害保険会社の保険商品ではなく、セイフティネット=社会インフラだということです。

地震保険より安い保険はない

地震保険で保険会社に儲けはなく、地震保険以上に安い保険料はありません。これは、社会インフラとして政府が行う地震保険の事務の代行をしているという位置づけだからです。

地震保険の保険料は損害保険料率算出機構が算出した料率をそのまま適用する仕組みになっています。保険料率は保険金の支払に充てられる『純保険料率』と事業経費に充てられる『付加保険料率』で成り立っています。

そして『付加保険料率』は契約の事務処理や損害の調査などに充てられる『社費』と契約の募集を行う代理店に支払う『代理店手数料』に分けられます。

その保険料に保険会社の利益は全く乗っていないんですね。

マンションなどの区分所有であっても入るべき

マンションの管理組合では建て替えの意思決定に時間がかかるので地震保険に入ってもしょうがない?

建物時価の30%〜50%ぽっちの補償では家を再建できないから意味ない?

それは誤解です。住宅の再建よりもクリティカルな問題があります。家が壊れても住宅ローンは減らないというごく当たり前の厳しい現実です。

もはや住めない家の住宅ローンを払い切らなければなりません。賃貸物件に住むにしても家賃が必要ですから住居費はダブルですよ。

そんな局面で私的整理や自己破産にならないように、地震保険は生活を再建させる助けになるのです。

貯蓄を増やしておくこと、借入額を抑えることも重要ですが、あわせて自助努力の手立てとなるのが、地震保険なんです。


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