年齢・年収別の平均と事例

2019年1月21日

年齢、年収(世帯年収)ごとの物件価格、住宅ローンの平均と事例データベース

 

当サイトに寄せられたリアルな相談事例を相談者の年齢、年収、世帯年収、購入する物件価格ごとにデータベースとしました。

住宅ローンの金額、年数、金利タイプを決める主な要素は以下の3つです。

  1. 現時点の年齢
  2. 年収
  3. 自己資金

未来がどうなるかは、誰にも分かりませんが、少なくとも現時点の自分を軸に考えるしかないですよね。そしてその際の基準となるのが上記の3要素です。

1.年齢によって決まる住宅ローンの年数

住宅ローンをスタートする時点で、ほぼ既定となる要素が年齢です。今から定年までの間に何年あるかというのは、今の時点で決まっています。

若ければ年数が多いです。しかし若けりゃいいというものでもありません。

若い場合は、年数は長いですけど、現時点の年収は低いことが多いです。そして、その後の不確実性も高いです。

ある程度の年齢になれば、年数は短くなりますが、現時点の年収は若いときより高くなっています。そして良くも悪くも、その後定年までの不確実性は低くなります。

2.年収と世帯年収によって決まる住宅ローンの金額

定年までの年数に年収を乗じたものが今から定年退職までに手にするマネーです。そこから住居費に回せる金額が幾らか?という考え方で毎月の返済額が決まります。

夫婦共働きである場合は、夫婦の収入を合算した世帯年収も参考となります。ただし単純に夫婦の収入を足したもので判断するのは危険です。

3.自己資金がいくらあるのか?は金利変動リスクへの対応能力

金利変動リスクの切り口から金利タイプを考えると変動金利と固定金利のどちらにするか?の選択です。

  • 変動金利:金利変動リスクを自分が負担する。
  • 固定金利:金利変動リスクを銀行が負担する。

金利変動リスクへの対応方法は、金利が上がったときに繰上げ返済するということです。つまり金利変動リスクへの対応能力は繰上げ返済できる資金力という事なんですよ。

なので頭金として入れるかどうかは横に置いておいて、自己資金がいくらあるのかということが金利タイプの選択に大きく関わってきます。

相談者の年齢、年収、世帯年収ごとの平均的な物件価格と住宅ローンの目安

 

当サイトでは、これまでに多くの相談事例を蓄積してきています。一つ一つの実例も参考になると思いますが、自分と同じ位の年齢、年収(世帯年収)の人が平均的にどのくらい価格の物件を購入していて、幾ら住宅ローンを借りているのか、興味は無いですか?

これから、実際のご相談者の年齢別、世帯年収別の物件価格と住宅ローン金額の平均値と、千日太郎の理論的にあるべき目安の金額についてお話します。

年齢、世帯年収ごとの物件価格の平均と住宅ローン金額の平均

こちらは2016年12月~2018年10月までの無料相談に寄せられた相談者の年齢・世帯年収ごとの、平均物件価格、平均住宅ローンの金額です。(2018年10月25日現在:119世帯)

(単位:百万円)

世帯年収(万円) 年齢
20代 30代 40代 50代以上
400未満 物件36.8
ローン33.3
物件28.4
ローン24.5
物件30.2
ローン22.6
物件20.6
ローン17.3
400~600
600~800 物件41.2
ローン37.8
物件41.2
ローン35.7
800~1000 物件47.6
ローン44.5
1000~1200 物件44.2
ローン35.0
1200~1500 物件69.5
ローン57.2
物件62.9
ローン59.3
1500~2000
2000以上

一つ一つのケースは千差万別なのですけど、年齢と年収によってグループに分けると不思議と物件価格、住宅ローンの金額は上記の平均値に収束してきています。

ただ、注意していただきたいのは、この金額の物件価格、住宅ローンであれば安心ということではありません。中には赤信号や黄信号のケースもあっての平均値なのですよ。

年齢、世帯年収ごとの適正な住宅ローン金額の目安

では各年齢と年収ごとに無理なく返済できる住宅ローン目安について解説します。
以下はわたしの著書の家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本でご紹介している、無理なく返済できる住宅ローンを見積もる4つのルールです。

  1. 毎月の返済は手取り月収の4割以下でボーナス払いなし
  2. 返済額が一定になる元利均等返済方式
  3. シミュレーションの金利は固定金利(1.38%)
  4. 定年(60歳)時のローン残高は1000万円以下

これをザックリ当てはめて無理なくへ完済できる住宅ローンの金額を表にすると以下のようになります。

20代、各年収ごとの住宅ローンの目安~ボーナス払いはダメ!絶対

20代で住宅ローンをスタートするということは、最長の35年で借りたとしても定年時にはほとんど完済できる年齢です。

なので、4.定年時の残高を1000万円以下にするということは考える必要は無いです。自然体で返済していけば、そうなります。

注意点として、社会に出てから間がなく、最初は年収が低いことが多いので「ボーナス払い」に手を出しがちです。

しかし、これからは低成長時代に突入します。どんな大企業であっても、公務員でも、ボーナスが今後35年にわたり、ずっと必ず出る保証はありません。

でも、年収の半分位がボーナスなんだけど…?と言われてもやはりダメです。

年収の4割超がボーナスでもボーナス払いはダメですか?

ボーナス払いで払えるということは、ボーナス払いにしなくても払えるということです。ボーナスを貯金しておけばいいのですから。
20代の住宅ローン相談事例の一覧へのリンク
(単位:万円)

年収 月収 25歳 30歳
300 15 1997 1997
400 20 2663 2663
600 25 3329 3339
700 30 3995 3995
900 35 4661 4661
1000 40 5327 5327
1200 50 8325 7996
1500 60 9989 9509
2000 80 13320 12449

注1:年収に対する月収は扶養家族やボーナスに配分される額によっても違ってきますのであくまで目安としてご利用ください。

注2:世帯年収1200万円からは「1.毎月の返済は手取り月収の5割以下でボーナス払いなし」という前提で計算しています。収入が多いので割合が高くなっても生活可能だからです。

30代、各年収ごとの住宅ローンの目安~50:50共働き夫婦の連帯保証(債務)のリスクに注意

年収が高くなってきていて、会社の中でも中堅の主力選手、仕事も充実する年齢層です。

最近増えてきたケースが、妻もフルタイムで働く共働きで世帯年収1000万円を超えるリッチなDINKS夫婦です。夫婦の収入格差が少ない50:50の共働き夫婦です。

実はこの50:50の共働き夫婦は旧タイプの80:20よりも判断が難しいんです。年収と世帯年収のギャップが大きいからです。

80:20の人が世帯年収で判断する場合。

50:50の人が世帯年収で判断する場合。

これは明らかに違います。リスクの質量としては同じですがその傾向と対策が異なるのです。

夫婦の片方が失業するかもしれません、また夫婦を解散(離婚)する可能性もあります。その場合に、ペアローンや収入合算で住宅ローンを組んでいると、もう片方が100%の責任を負うことになります。

運が悪ければ夫婦のどちらかが単独で住宅ローン全額の責任を負う、連帯保証(連帯債務)のリスクです。

ペアローン、連帯保証(連帯債務)のカテゴリー記事一覧

これは80:20のケースには無かった種類のリスクであり、それに対する保険は今のところ夫婦の貯金しかありません。
30代の住宅ローン相談事例の一覧へのリンク
(単位:万円)

年収 月収 30歳 35歳 40歳
300 15 1997 1997 1997
400 20 2663 2663 2440
600 25 3339 3250 2860
700 30 3995 3755 3248
900 35 4661 4255 3680
1000 40 5327 4714 4103
1200 50 7996 7031 5982
1500 60 9509 8317 7049
2000 80 12449 10860 9160

注1:年収に対する月収は扶養家族やボーナスに配分される額によっても違ってきますのであくまで目安としてご利用ください。

注2:世帯年収1200万円からは「1.毎月の返済は手取り月収の5割以下でボーナス払いなし」という前提で計算しています。収入が多いので割合が高くなっても生活可能だからです。

注3:表は60歳定年を前提にしています。65歳定年の人は自分の年齢より5歳若い年齢を当てはめてください。医師や自営業など決められた定年が無い人は70歳定年としますので自分の年齢より10歳若い年齢を当てはめてください。

40代、各年収ごとの住宅ローンの目安~定年時の残高が大きい場合はリスク大

これからもうすぐ40歳を迎えようとする人、すでにその年齢を迎えた人は、住宅ローンの金額として、幾らであれば安全確実に完済することができるのか?ということを数字として把握し、それを受け入れることが全てのスタートになります。

シミュレーションで出てきた数字に対して希望的観測を加えてはいけません。

それを事実として受け入れられないのであれば、家を買うということそのものが高リスクのギャンブルになってしまいます。

不景気でデフレ経済になっているからです。もちろん個人差というものは出てくるでしょうが、全体的なベースとして下がっているのですよ。

  • 住宅ローンの元利均等返済額は現時点で「固定」され、確定した債務を負うことになる。
  • 今後は経済が右肩上がりになる保証は無い。一方で少子高齢化によって社会保険料の負担は増えることが分かっている。

ですから、シミュレーション上では、あえて今の収入が変わらない前提とし、定年退職までの年数で計算します。少なくとも今確実なことだからです。

また、40代から35年の住宅ローンを組むと、完済年齢は70代に突入します。定年までに完済できないと、定年後に大きなリスクを負うことになります。完済も退職金をアテにしてはいけません。

  • 定年退職の直前期というのは、子どもの年齢的に大学進学などで出費がかさむ時期です。
  • また自分の年齢的にも健康上の問題などが表面化しやすい時期でもあります。

定年の数年前に何らかのアクシデントが発生して貯金が底を尽いた場合にそこからリカバーするための余裕はほとんど残されていないのです。

ですから、現役時代に稼ぐ給料を貯蓄して完済し、退職金には手を付けず、住宅ローンとは別に貯める老後資金にオンするような返済計画を立てましょう。

そのために4.定年時の残高を1000万円以下にすることを推奨しているのです。

自分が老後を生きるための繰上げ返済の計画をしっかり立てる必要があるのです。自分の老後は自分にしか守れません。老後破産の当事者は他でもない『自分』だからです。
40代の住宅ローン相談事例の一覧へのリンク
(単位:万円)

年収 月収 40歳 45歳 50歳
300 15 1997 1768 1550
400 20 2440 2110 1678
600 25 2860 2451 2001
700 30 3248 2780 2210
900 35 3680 3074 2433
1000 40 4103 3404 2650
1200 50 5982 4877 3674
1500 60 7049 5689 4234
2000 80 9160 7390 5370

注1:年収に対する月収は扶養家族やボーナスに配分される額によっても違ってきますのであくまで目安としてご利用ください。

注2:世帯年収1200万円からは「1.毎月の返済は手取り月収の5割以下でボーナス払いなし」という前提で計算しています。収入が多いので割合が高くなっても生活可能だからです。

注3:表は60歳定年を前提にしています。65歳定年の人は自分の年齢より5歳若い年齢を当てはめてください。医師や自営業など決められた定年が無い人は70歳定年としますので自分の年齢より10歳若い年齢を当てはめてください。

50代、各年収ごとの住宅ローンの目安~損得勘定よりも持続可能性を重視する住宅ローン

年金の支給開始時期はドンドン後ろ倒しになり、支給額も減っていくでしょう。

収入が少なくなる環境で、自己資金を全て完済にあててしまうと、定年後も長く続く人生のアクシデントに対応できなくなってしまいます。

なので千日は自己資金を温存しつつ、定年退職後の支払いを少なく抑えて、細く長く継続するという作戦をお勧めしています。

『細く長く』ということは、利息を長く払うということにもなりますので、いわゆる損得勘定の物差しで考えたら損な方法ということになるのですが、家の購入については、損得よりも持続可能性が優先されると考えています。

方針は2つです。

  • 今ある自己資金と退職金にはできるだけ手を付けない。
  • 定年後の支払いは長くなっても良いからとにかく少なくする。

年金は少なくなるとは言え、ゼロになるわけではありませんからね。確かに利息を払うのは費用ですが、ほぼ年金の収入で、家計の見直しによってねん出できるようなレベルであれば、生活に響くことはありません。

下記の表は、あくまで定年で完済するために、60歳定年時の残高を1000万円にした表ですが、細く長くという方針で行くならば、もう少し高い金額でもマイホームを維持することが出来るでしょう。
50代の住宅ローン相談事例の一覧へのリンク
(単位:万円)

年収 月収 50歳 55歳
300 15 1550 1260
400 20 1678 1378
600 25 2001 1520
700 30 2210 1619
900 35 2433 1722
1000 40 2650 1861
1200 50 3674 2361
1500 60 4234 2672
2000 80 5370 3250

注1:年収に対する月収は扶養家族やボーナスに配分される額によっても違ってきますのであくまで目安としてご利用ください。

注2:世帯年収1200万円からは「1.毎月の返済は手取り月収の5割以下でボーナス払いなし」という前提で計算しています。収入が多いので割合が高くなっても生活可能だからです。

注3:表は60歳定年を前提にしています。65歳定年の人は自分の年齢より5歳若い年齢を当てはめてください。医師や自営業など決められた定年が無い人は70歳定年としますので自分の年齢より10歳若い年齢を当てはめてください。

年齢、年収(世帯年収)別の物件価格と住宅ローンシミュレーション

 

では実際に家を買った人たちの実例を見ていきましょう。各年度によってどのような出来事(トピック)と金利情勢があるかも合わせてシミュレーションを見ることで、より理解が深まります。

世帯年収 物件価格 住宅ローン シミュレーション
年齢 年収 年齢 年収
百万円 百万円 百万円 百万円 百万円 記事のURL

上表のような並びとなっていますので、自分の条件に近いタイプの人の最新の事例を見つけることが出来るでしょう。

2019年のトピックとシミュレーションへのリンク

2019年1月:英国議会がEU離脱案を反対多数で否決、日本の長期金利はゼロ%前後で推移

2019年事例一覧データ

2018年のトピックとシミュレーションへのリンク

2018年4月:南北主脳会談

2018年7月:日銀金融政策の修正を発表

2018年9月:安倍首相3選

2018年事例一覧データ

2017年のトピックとシミュレーションへのリンク

2017年1月:トランプ政権スタート

2017年4月:北朝鮮ミサイル実験

2017年事例一覧データ

2016年のトピック

2016年1月:マイナス金利政策

2016年6月:英国EU離脱ショック

2016年11月:トランプ氏大統領選勝利

Posted by sennich