住宅ローン年齢・年収別パーフェクトランキング
最適な住宅ローンは金利だけで決まらない!年齢と世帯年収によるランキングロジックの解説
現状のほとんどの住宅ローンランキングは、単なる金利の比較に終始しています。
「変動金利で一番金利が安いのは〇〇だそうだね、じゃあ〇〇にしようか。」それだけで住宅ローンを決めていいのなら子どもでもできますよ。
変動金利は安いけど将来の金利上昇リスクがあります。
固定金利は高いけど金利はずっと固定されています。
住宅ローンでは金利変動リスクを取って安い金利で借りた方がいいのか?それとも固定にしておくべきなのか?
それは今現在の年齢、世帯収入が幾らで、幾らの物件価格の家を買おうとしているのか?によっても違います。ここでは、当ブログのランキングロジックを解説します。
ランキングに掲載する住宅ローンは各銀行の商品の中で最も実質金利が低い商品から年齢と世帯年収のリスクに適合した商品をピックアップしており、公認会計士 中村岳広事務所の監修のもと作成しています。
世帯年収(万円) | 年齢 | |||
---|---|---|---|---|
20代 | 30代 | 40代 | 50代以上 | |
400未満 | 20代800未満 | 30代600未満 | 40代600未満 | 50代1000未満 |
400~600 | ||||
600~800 | 30代600~1200 | 40代600~1200 | ||
800~1000 | 20代800以上 | |||
1000~1200 | 50代1000以上 | |||
1200~1500 | 30代1200以上 | 40代1200以上 | ||
1500~2000 | ||||
2000以上 |
年齢、世帯年収ごとの物件価格の平均と住宅ローン金額の平均
こちらは2021年3月時点の無料相談に寄せられた相談者の年齢・世帯年収ごとの、平均物件価格、平均住宅ローンの金額です。
(単位:百万円)
世帯年収(万円) | 年齢 | |||
---|---|---|---|---|
20代 | 30代 | 40代 | 50代以上 | |
400未満 | 物件39.1 ローン36.8 |
物件31.5 ローン28.8 |
物件27.0 ローン21.6 |
物件31.4 ローン21.1 |
400~600 | ||||
600~800 | 物件42.7 ローン37.8 |
物件41.1 ローン35.9 |
||
800~1000 | 物件56.7 ローン40.1 |
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1000~1200 | 物件49.5 ローン42.7 |
|||
1200~1500 | 物件74.1 ローン64.2 |
物件66.2 ローン58.9 |
||
1500~2000 | ||||
2000以上 |
こうしてグループに分けて分析することで、年齢と年収によって不思議と物件価格、住宅ローンの金額は上記の平均値に収束していることが分かりました。
ただ、注意していただきたいのは、この金額の物件価格、住宅ローンであれば安心ということではありません。中には赤信号や黄信号のケースもあっての平均値なのです。
20代に最適な住宅ローンは将来の流動性と期間の長さがポイント
年収に対する物件価格の倍率が高いのが20代の特徴です。ボリュームゾーンである世帯年収800万未満のグループでは世帯年収(平均624万円)のおよそ6.2倍の物件を購入し、5.9倍の住宅ローンを借りています。
社会に出てからまだ数年で収入はまだ少ない一方、不動産の価格はそれなりにするからですね。また、マイホームの購入にあたり親の援助なども受けやすい年齢だということもあります。
- 今後の収入については流動的でリスクが大きい。
- 完済までの期間も長く期間的なリスクも大きい。
なので金利面についてはリスクを取らない住宅ローンが適合する人が多く、そうした20代特有の共通条件を反映したランキングとなっています。
30代に最適な住宅ローンは50:50共働き夫婦のリスクに注意!
30代から徐々に年収のバラツキが大きくなります。ボリュームゾーンである世帯年収600万以上1200万未満のグループでは概ね世帯年収(平均836万円)の4.5倍くらいの住宅ローンを組む人が多いですね。
30代は妻もフルタイムの正社員として働く、50:50の共働き夫婦で、かつ世帯年収が1000万円を超えるケースが多いのが特徴です。
このケースは一人の年収で1000万円を超えるケースと同じには扱うことが出来ません。
リスクの総質量としては同じでも、それに対する傾向と対策が異なります。なので、30代に最適な住宅ローンは、夫婦の働き方について以下の二つの形態に分けてランキングを行いました。
- 単独での世帯年収の場合のランキング
- 50:50の共働きでの世帯年収の場合のランキング
30代世帯年収600万以上1200万未満の最適住宅ローンランキング
40代に最低な住宅ローンは定年時残高のテールヘビーをどう捌くかがポイント!
40代は30代と似通った結果になっています。ボリュームゾーンである世帯年収600万以上1200万未満のグループでは30代と同じくらい、概ね世帯年収(平均818万円)の4.4倍くらいの住宅ローンを組む人が多いです。
しかし、年収が同じで年は10歳取っているのに、同じで良いのでしょうか?
否です。つまり、40代の人は相対的に30代よりもチャレンジングで危険な住宅ローンを組んでいる人の割合が多いのです。そのリスクの特徴はテールヘビー(後半が重い)です。
- 毎月の返済はそれほど問題ないが、
- 定年時の残高が許容範囲を超えている。
こういう状況になってしまう人が多いのが特徴です。そこで、40代に最適な住宅ローンは60歳残高(定年時残高)を計画的に繰上げ返済するのに適したランキングを行いました。
40代世帯年収600万以上1200万未満の最適住宅ローンランキング
50代に最適な住宅ローンは自己資金の多寡によって2つの道がある
50代からは年収に対する住宅ローンの倍率は下がります。年収1000万以上の人で世帯年収(平均1589万円)の2.7倍、年収1000万未満の人も世帯年収(平均695万円)の3.0倍という結果となりました。30代、40代の約半分ですね。
定年までの残り年数が短く、目視可能な期間のレンジになっているので、堅実な判断をされる方が多いです。
50歳代の年齢層に適した住宅ローンは2つの両極端の方法となります。
- 自己資金に余裕のある人:定年までの約10年での利息の負担を減らし、住宅ローン控除は満額受けて、最も有利かつ確実に完済する住宅ローン。
- 自己資金に余裕のない人:虎の子の老後資金にはできるだけ手を付けず、定年後のローン残高を年金で返済可能な金額に調整する。細く長く持続可能な住宅ローン。
この二つのケースに分けて、最適な住宅ローンをランキングしました。
ワイド団信または団信に加入しない場合の最適住宅ローンランキング
健康上の理由から一般の団信に加入できないケースではどんな住宅ローンがベストなのか?こういうランキングって今まで一度も見たことが無いです。
これについてはワイド団信に入るのか?そもそも団信に入らないことを選択するのか?という決断が必要になります。いままで、その理論的な決定方法については無かったですし、リスクに応じて現実の金融機関に当てはめることをしている人も居なかったです。
ワイド団信の保険会社の一覧表も各ページに参考資料として付けました。もちろんこれも、年齢ごとに解説とランキングを行っていますので是非参考にしてください。
必ず読んでください!ランキング使用上の注意点
「ランキング」というネーミングですが、誰にとっても同じ順位になるわけでは無いです、当然ですよね。このランキングの順位は、その年齢層、年収の中で典型的なモデルを想定して便宜上つけた順位付けです。
各ランキングには、その年齢層と年収に特有の注意点も書いていますので、ご自身の状況と照らし合わせて、最も適合した住宅ローンを見つけてください。
住宅ローンは早い段階で一つに決めるのではなく、複数の金融機関、金利タイプで本審査を通しておき、ギリギリまで引っ張って一番有利なものに決定するのがセオリーです。
金融機関、金利タイプを変えて、ランキングから2つ以上の住宅ローンで審査を出すことをお勧めします。
不動産の営業マンの中には「審査に出しすぎると履歴が残って良くない」などと言う人がいますが、住宅ローンを早く決めて欲しいだけの方便です。3つ4つ位なら全く影響はありませんし、複数出すのが普通です。
各行の住宅ローンの適用金利は毎月の初めに発表されます。その発表に合わせてランキングの金利や順位を更新しますので、念のため、引き渡しの前月までは毎月チェックしてください。
各目的別の住宅ローンランキングへのリンク
ランキング | 年齢 | |||
---|---|---|---|---|
20代 | 30代 | 40代 | 50代以上 | |
新規借入 | 20代800未満 | 30代600未満 | 40代600未満 | 50代1000未満 |
30代600~1200 | 40代600~1200 | 50代1000以上 | ||
20代800以上 | 30代1200以上 | 40代1200以上 | ||
借り換え | 20代借換 | 30代借換 | 40代借換 | 50代借換 |
団信 | 20代団信 | 30代団信 | 40代団信 | 50代団信 |