2018年以降の住宅ローンは変動か固定かどっち?

2018年5月11日

変動、固定どっちにするか?の答えの出し方

 

北朝鮮情勢の緊迫化によって住宅ローンを取り巻く経済環境は複雑になってきています。

  • 金利を上げる銀行
  • 金利を下げる銀行

この差が大きくなっていく可能性があります。住宅ローン事業から撤退を検討しているメガバンクもあるくらいです。(みずほ銀行、三菱UFJ信託銀行など)

2017年の前半にかけて10年固定は大きな動きがあったのですが、フラット35と変動金利については、あまり動きがありませんでした。これから住宅ローンを組まれる場合は、変動金利とフラット35を両方通しておき、ギリギリまで粘ることをおすすめしています。

2018年の住宅ローンの金利タイプをどうするか?についてはこちらもあわせて是非ご一読ください。最近の金利情勢についてもアップデートしています。

【金利予想】変動金利が上がるXデーは銀行の営業戦略から2023年~2028年が濃厚-千日のブログ

2018年下半期の金利動向に翻弄されない住宅ローンはフラット35+メガ/ネット変動+地銀信金当初固定-千日のブログ

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相談:変動か固定かどっちにすべき?

こんにちは。いつも参考にさせていただいています。今度新築を考えているのですが、固定か変動かで悩んでいます。御指南いただけると幸いです。

年収と家族構成、貯金、車のローン

主要な条件 内容
居住予定の家族の年齢と年収 夫44歳 650万 定年60歳(公務員)
妻33歳 300万 定年60歳(公務員)
子供7歳、3歳、近くもう一人誕生予定
自己資金の額 1200万円(車のローン200万残っている)
物件価格 5000万円(長期優良住宅)
物件のタイプ 戸建て注文住宅
借入予定額 約4000万円
住宅ローン アルヒスーパーフラット8S(金利Aプラン)
当初10年1.01% その後1.26%
住信SBIネット銀行の変動金利0.457%
相談内容 今後は金利が上がると予想される中変動で大丈夫か?
  • 10年間の住宅ローン控除はフルに活用予定。
  • 物件価格の2割は頭金用意可能。(ローン控除との兼ね合いで決定する予定)
  • 変動/固定どちらでも可。もっとも安い費用で済む形で借り入れ予定。

ちなみに繰り上げ返済で実際には25年(妻の定年退職。このときの退職金は住宅ローンにはあてない)で完済する予定としております。

生命保険には既に加入済みだがガン団信の付帯する変動金利に魅力あり

FP(ファイナンシャルプランナー)に相談したところ、夫婦で入っている割安の共済生命保険により、どちらか片方が死亡した場合でも住宅ローン全額を返せるだけの生命保険がかけてあるので、団信はいらないとのことでした。

なので当初フラットでと考えていたのですが、最近は金利の安さに変動にも心動いています。特に、がんにかかるだけで住宅ローンが免除になるという団信の付帯する地銀の変動金利に魅力を感じてしまい、現在フラットと変動で悩んでいるところです。

今後は金利が上がると予想されるのが変動で大丈夫か?

これから先は金利は上昇局面が予想されるなか、フラットを選択するのがセオリーだと思うのです。こちらの記事も拝見しました。この考え方なら公務員ですから固定金利が合っているのだと思います。

変動金利か固定金利かを決める考え方-千日のブログ

一方で日本の国債の状況をみると、今後急激な金利上昇はないはずだから、変動でもと思ってしまいます。

しかし先のことは分からない…

かといって、十年前には変動でも2%でも安いと言われていた時代があったと聞き、これから長い先、2%ぐらいまで金利が上昇することは、ありえるよなーなんても考えてしまいます。

  • 手持ちの現金をスーパーフラット8の頭金で減らすよりも、変動で初期投資を押さえたほうがいいのか?
  • いやでも払えるのであれば払って、月々の返済を押さえるほうがいいのか?

もはや神様にしかわからない領域なのかも知れませんが、もう最近はずっと頭をぐるぐる回ってます。千日さまであれば、この状況で何を選択されますでしょうか。

こうなったら、ずばり選択いただけると助かります。忌憚のないご意見をよろしくお願いします。

回答:変動か固定かを決めるセオリー

変動か固定か?悩ましいですよね。千日のセオリーでは必ず元利均等返済額に引き直して判断を行います。

住宅ローンのセオリー

基本的にこのセオリーに乗せて回答していきます。

ご主人の定年時に繰り上げ返済が必須

また公務員は定年が60歳ですので、ご主人の定年までは16年、奥様の定年までは25年とのことです。定年までに完済する計画を立てるのがセオリーですが、今回はそれが2段階ということです。

そして収入の格差があるのがポイントです。つまり、旦那様が60歳で定年を迎えると老齢年金の支給される65歳までは、奥様一人の収入(現在の年収300万円)で生活することになります。

この期間(5年間)が一番収入が減る時期で、同時にそのころには2番目のお子さんの大学入学が重なりますね。

ダブルパンチの5年間です。

ですので、ご主人の定年以降に月の支払いを少なくするための繰上げ返済が必要ということになります。

では、固定と変動で比較してみましょう。

金利変動リスクと定年による収入減のリスク

住宅ローンの金利が上がるリスクについては、以下の2つの選択肢から選びます。

  • 固定金利にする。
  • 変動金利にして金利が上がったら繰上げ返済する。

これに対して、定年による収入減によるリスクについては、1つの選択肢しかありません。

  • 繰上げ返済資金を貯蓄する。

それぞれに対応した返済方針を表にまとめると以下のようになりますね。

支払方針 固定金利 変動金利
毎月の返済額 手取月収の4割以下に抑える。 月返済額の25%を貯蓄した上で手取月収の4割以下に抑える。
ご主人の定年時 その時のローン残高の半分を繰上げ返済してその後の毎月の返済額を半分に軽減する。それまでにその繰上げ返済資金を貯蓄する。
奥様の定年時 全額繰上げ返済する。それまでにその繰上げ返済資金を貯蓄する。

固定金利ではご主人の定年時までにローン残高を半分にするための繰上げ返済資金を貯蓄するというミッションがあります。また、奥様の定年時には全額繰上げ返済するので、その資金を貯めておく必要があります。

変動金利では、固定金利のミッションに加えて、金利の上昇に備えるために月返済額の25%を貯蓄していくミッションが加わります。

これを実際の住宅ローンの残高に当てはめてみましょうか。

固定金利と変動金利のシミュレーション

【頭金と借入元本】スーパーフラット8Sは頭金1000万円借入4000万円、変動金利は頭金0借入5000万円

【金利】スーパーフラット8Sは当初10年1.01%その後1.26%、変動金利は0.457%

【期間】35年(毎月の返済を低くするため)

【返済方法】元利均等返済、ボーナス払いなし

(単位:円)

シミュレーション スーパーフラット8S 住信SBI変動金利
月返済額 113,100 128,844
116,527
頭金 10,000,000 0
10年間の住宅ローン控除 -3,396,158 -3,489,539
16年支払額 21,963,144 24,738,048
16年後残高の約半分を繰上返済 11,806,498 14,072,267
月返済額 58,272 64,394
16年~25年支払額 6,293,376 6,954,552
25年後残高を繰上返済 5,946,807 6,812,233
支払い合計 52,603,667 49,087,561

いかがでしょうか。支払い方針に合致するかを見ていきましょう。

月返済額に余裕はあるか?

ご主人の年収が650万円、手取り月収を40万円とするとその4割は16万円ですね。固定金利でも変動金利でもレンジに入ってきます。

奥様の年収が300万円、手取り月収を21万円とするとその4割は8.4万円ですね。固定金利でも変動金利でもレンジに入ってきます。

繰上げ返済資金を貯蓄できる?

16年後の繰上げ返済額が一つ目の関門ですね。固定金利だと1,180万円、変動金利だと1,407万円です。1年に88万円の貯金をしていけば16年でこの貯蓄を達成することが出来ます。

ボーナスを充てることで、ご主人の年収のみでも可能です。奥様が職場に復帰されればさらに余裕をもって貯蓄することが出来るでしょう。

最後の関門は25年後の繰上げ返済ですね。固定金利だと594万円、変動金利だと681万円です。25年で平均すると1年に27万円の貯金をしていけば可能です。当初の16年間にはこの貯蓄が上乗せになります。

あえて年金を計算に入れないのは、3人目のお子さんの学費がご主人の定年後も続くためです。

金利変動リスクは幾らのお金で回避できるか?

支払い合計を見てください。固定金利では5,260万円、変動金利では4,908万円ですね。この差額352万円は何を意味するのでしょうか?

  • 固定金利のシミュレーションは今の水準で金利が固定されるので、リアルな数字です。
  • 変動金利のシミュレーションは金利が今の水準のままだったら、という仮定です。

つまり、現時点で金利を固定させるのに必要なお金が352万円ということです。25年=300カ月で割ると1カ月11,733円の保険料ということになります。

これをどう見るか?という判断をしてください。

また、金利が上がったときに繰上げ返済して残高を減らすことで対応できますね。それぞれ幾ら繰上げ返済すればいいか?という目安はこちらを参考にしてください。

下の表は5000万円を0.5%変動金利で35年元利均等返済で借りたときに、金利が上がった時点で幾ら繰上げ返済すれば、毎月の返済を維持したまま完済できるか?の目安です。

例えば5年後(残期間30年)の残高は4338万円になっていて、そのときに金利が0.5%から2.5%に上がったとしたら、1058万円繰上げ返済すれば、毎月12.9万円のまま完済できるということを意味します。

(単位:万円)

金利上昇したら繰上返済すべき金額12.9万円を維持する繰上げ返済額
残期間 30年 25年 20年 15年
残高 4338 3659 2964 2250
0.5%→1.0% 308 216 142 81
0.5%→1.5% 581 413 276 160
0.5%→2.0% 833 596 400 234
0.5%→2.5% 1058 765 516 304
0.5%→3.0% 1262 922 625 371
0.5%→3.5% 1453 1065 726 434
0.5%→4.0% 1622 1200 824 495
0.5%→4.5% 1779 1325 913 554
0.5%→5.0% 1926 1438 999 610

変動金利で住宅ローン金利が上がったら繰り上げ返済すべき金額の一覧表 -千日のブログ

個人的に、変動金利が上がるとすれば2023年~2028年が濃厚であると予想しています。家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本の第4章でもそのように書いています。

【金利予想】変動金利が上がるXデーは銀行の営業戦略から2023年~2028年が濃厚 -千日のブログ

でも詳しく書いてますのでご一読ください。ただし、この決断は家長の義務です。

たとえ、他人である私がこのサイトで「こうするべき」と断言したところで、実質的にその決断の効果が及ぶのは自分自身と家族です。

あくまで決めるのはご自身なんですよ。

回答:公務員の共働きなら住信SBIネット銀行の全疾病保障団信はあくまでオプション

住信SBIネット銀行の団信には全疾病保障が無料で付帯するのが魅力ですよね。それに、今回のケースだと病気のリスクが上がる50代から60代でもかなりのローン残高が残っています。

低金利が売りのネット銀行の住宅ローンの中でも、疾病保障が無料で付帯する付加価値で差別化しているのが「住信SBIネット銀行」と「じぶん銀行」です。ネット銀行の中でも低金利で、さらに病気になったらその後の住宅ローンがチャラ(又は50%)になる保険付きです。

住信SBIネット銀行全疾病保障 じぶん銀行がん50%保障
精神障害等を除く全ての病気やケガで働けなくなったらローン返済がゼロ円になる。 6カ月の余命宣告をされたら住宅ローン残高がゼロ円になる。
8疾病で12カ月継続して働けなくなったらローン残高がゼロ円になる。 医師にガンと正式診断されたらその時点のローン残高が50%になる。
8疾病以外の病気やケガの場合でも入院により12カ月継続して働けなかったら、ローン残高がゼロ円になる。 入院などの条件なし。
住信SBIネット銀行の審査へのリンク(マネープラザの実店舗) じぶん銀行はauユーザならさらにポイントバックあり(サイトへのリンク)
8疾病から全疾病へ保障範囲が拡大された住信SBIネット銀行

収入が住宅ローンの名義人である大黒柱に偏っていて、もう一人はパート収入や臨時雇用収入である場合は、住信SBIの方がマッチします。

病気になって入院費が高額になっても、高額医療保険制度で自己負担の上限は数万円です。長期間就業できず勤め先からの収入が途絶えた場合でも最長1年6カ月までは傷病手当金で生活を維持できます。

そして、この入院期間が12カ月を超えればローン残高はゼロ円になります。

夫婦の収入が同じ位で継続する場合はじぶん銀行

夫婦の収入がほぼ同じくらいで、妻も定年までフルタイムで働くというライフスタイルであれば、早い段階で保障が受けられるじぶん銀行がマッチします。

6カ月の余命宣告を受けたらローン残高はゼロ円になります。

また、がんと診断された時点でローン残高が50%になります。つまり、今後は返済が半分に軽減されるので、今の家に住みながらパートナーの看病を続けることが出来ます。その後の住宅ローンの負担は大きく軽減されるでしょう。

実店舗での相談サービスもある

また、SBIマネープラザが販売する「MR.住宅ローンREAL」は、住信SBIネット銀行の商品です。ネット銀行の商品でありながら、実店舗での相談を受け付けており、実店舗から申込を受け付ける商品です。金利も全疾病保障も手数料も全く同じです。

ネット銀行には書類の記入に不備があるとその都度手戻りとなるなど、ネットならではのデメリットがありますが、そのデメリットが無くなるという点だけでも魅力的です。

auユーザーならキャッシュバック

auユーザーならKDDIが代理店として販売しているau住宅ローンなんてどうでしょうか。60ヶ月(5年)にわたり月500円のキャッシュバックがあります。

通信料の他にも保険契約のまとめ割、au電気料金のまとめ割などでキャッシュバックが受けられますので、金利以外の部分でもメリットがあります。もちろん先ほどのガン50%保障も無料で付帯します。

 

ただ、団信は「無料」という表現を取られているかもしれませんが、実質的には金利にオンされています。

住宅ローンの団信をどう選ぶ?団信の本質と病気のリスクに向き合う-千日のブログ

千日のスタンスとしては、保険はあくまでセイフティーネットであり、危険性の高いリスクから家族の人生と生活を守るものです。

つまり病気になってもその後回復して働ける状態になれば…運が良かった。住宅ローンがゼロにならなくても良い、返済を継続すればいい、と考えます。

ご主人がガン罹患し、入院した場合は健康保険制度の傷病手当金と奥様の収入によって住宅ローンの返済と家族の生活は維持可能とお見受けします。

また、公務員の場合は病気による休暇の期間は一般的な民間企業よりも長く認められますし、回復後の復帰の可能性も高く見積もることが可能です。

今回のケースでは、あくまでオプションであるという見方で捉えるのが、良いと思いますよ。

スーパーフラット8Sは35年の固定金利では最安の住宅ローンで新規借入の時しか使えない!

全期間固定住宅ローンのフラット35は、金利が上昇しないので安心して借りられ、また融資基準が比較的緩やかというメリットがあります。頭金が2割準備できるのであればアルヒのスーパーフラット8Sは全ての住宅ローン(35年固定)の中で最安となります。

従来は、頭金が2割以上必要な「スーパーフラット8」だけでしたが、2017年10月に、頭金が1割以上必要な「スーパーフラット9」も投入しました。

概要は以下の通りです。

商品名 (通常のフラット35との金利差) 頭金(手持金) 返済負担率
スーパーフラット8 (金利▼0.10%) 2割以上 30%以内(年収400万円未満) 35%以内(年収400万円以上)
スーパーフラット9 (金利▼0.05%) 1割以上 20%以内


 

このスーパーフラットは新規借入の人向けの住宅ローンであり、借り換えでは選択できません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。住宅ローンとの付き合いは長くなります。何十年もの金利動向を読むというのは、ほぼ不可能です。

金利の動向を軸に考えると、決められることも決められなくなります。こちらの記事も参考になるかと思います。

住宅ローン10年固定金利で10年後の金利に左右されない方法を教えます-千日のブログ

金利を軸に置くのではなく「金額」に軸を置いて考えましょう。

つまり、

  • 毎月の返済額に余裕があるか?
  • 定年時に繰上げ返済できる残高か?

この二つが重要なポイントです。

千日のブログのオススメ記事

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以上、参考になれば幸いです。