将来売ることを考えたマンションの住宅ローンの返済計画とは?

2019年4月5日

買ってから変わっていく家族の人数とライフスタイル

結婚や第一子の誕生を機に住宅を購入する人は多いですね。民間の調査では結婚してから10年以内に家を買う人が半数以上だそうです。

…ということは、家を購入してからの35年で家族の人数やライフスタイルはかなり変化していくことになりますよね。

  • 最初は夫婦2人
  • 子どもの誕生で人数が増える
  • 子どもの成長で必要なスペースや部屋数が増える
  • 子どもの独立で再び夫婦2人になる

単純に人数だけで考えても最初の方で増えていき、後半に減っていくというカーブを描く感じでしょうか。

必要な面積や部屋数もまた同じようなカーブを描きます。マンションで一番売れる間取りは3LDKなのですが、リビングとは別に夫婦の寝室プラス2つの部屋があるということですね。

夫婦2人には持て余す部屋数です。つまり最も部屋数が多く必要になるタイミングを見越して購入する人が多いということです。子どもたちが独立すると、確実に一つないし二つの部屋が物置になります。

ということは、住宅ローンの支払いの3分の1は将来的に物置になるスペースに対して支払うものだということになりますね。

しょうがない、そういうものだ。

こういった割り切りも必要ですが、発想を転換して売却することを前提に購入するという考え方もあると思っています。

つまり、

売ってジャストサイズな家に住み替えればいい。

こういう割り切りです。では、今日のご相談者です。

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相談:永住するかどうか分かりませんが7千万円の住宅ローンを組みます

はじめまして。

結婚時に購入した家から、子供ができたので手狭になり引っ越すという流れで2017年8月に今の家を売却してマンションを購入します。

もともと転勤を想定して売る、貸すことを視野にいれて購入しましたが、状況が変わりまして売却して住み替えることとしました。

7,250万のローンを35年間元利均等返済で借りようとしています。

売却予定額とローン残高、貯蓄額

  • 売却予定額:6700万
  • 現在のローン額:5100万
  • 貯金額:400万

年齢、年収、家の価格、住宅ローン、頭金

夫年齢 33
夫の年収(万円) 1,050
妻年齢 28
妻の年収(万円) 専業主婦
共働き世帯年収(万円)
家の価格(万円) 7,250
住宅ローン(万円) 7,250
頭金(万円) 0

子どもゼロ歳。定年は65歳になるかもしれませんが今のところ60歳です。

永住するか分からない場合の住宅ローンのプランは?

当時は長期での所有を想定していたので現在はネット銀行のソニー銀行の変動で借りています。今回のタイミングでどのような戦略でローンを組めばいいか模索しております。

大きい額なのでどのようなプランで借りるのがいいのか迷っています。

  • 長期金利が安いタイミングなので35年固定か?
  • 民間銀行が目玉商品として金利を引き下げている10年固定か?

ちなみに次のマンションにも永住するかどうかはわかりません。

現在の家にも3年ほどしか住まずに広い家に住み替えを行う形になります。

アドバイスいただけましたら幸いです。

回答:完済を目指すのではなく利息の支払を抑える考え方

ではお答えしていきます。過去の回答としてはこちらが参考になると思います。

https://jutakuloan-muryousoudan.com/2017/03/19/6%E5%8D%83%E4%B8%87%E8%B6%85%E3%81%AE%E4%B8%AD%E5%8F%A4%E5%84%84%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%81%AE%E4%BD%8F%E5%AE%85%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%81%AF%E5%AE%8C%E6%B8%88%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B/

私ならば、やはり基本的には完済しないという考え方で住宅ローンを組みます。なので、現在候補に挙げられているパターンはどちらも、それぞれ適合しない部分があるのです。

35年固定は完済までの35年間の金利変動リスクを無くすために金利が高い

「金利変動リスクを銀行に負ってもらうかわりにその分利息を高く払う。」

これが、固定金利を選択するときの利用者の経済的な判断となります。金利を固定する期間が長ければ長いほど、そのコストは高くなります。

35年固定ということは最長ですね。

「最長の固定コストを最初から払っていく。」

こうなります。

つまり、住宅ローンの最初については、今後35年の金利の固定コストを前払いしているような状態となります。なので早い段階で売却するということは、割高な金利の固定コストを払ったということになります。

初めから長くは住まないかもしれない、という前提で家を購入するときには、お勧めしない金利タイプです。もちろん全く意味が無いわけではありません。少々オーバースペックなコストであるということです。

10年固定は10年後に完済(住みかえ)か多額の繰上げ返済かという選択を行う

基本的に10年の固定期間を過ぎると、優遇幅が大幅に減ってしまいますので、10年後の残高をコントロールする必要があります。

10年固定をそのまま自然体で返していくとトータルの費用では最初から変動金利で借りた方がトクだった、ということになりがちなんですね。金利が低いのは最初だけなのです。

今回は多額の住宅ローンを借ります。

現在のマンションを売って住宅ローンを完済した後に残るお金があったとしても、さすがに10年後の残高を大幅に減らせるほどにはなっていないと思います。

折衷案としての変動金利

そこで出てくるのが変動金利という選択肢です。変動金利を選択する場合は、元利均等返済額の25%を貯蓄することをお勧めしています。

金利タイプ選びのセオリー

  • 低金利で支払を抑えることで貯蓄を増やす
  • 金利の上昇に備えるために貯蓄を増やす
  • ご主人に偏っている収入リスクを抑えるために貯蓄を増やす

これが理にかなっています。この後変動金利の例としてシミュレーションで使う住信SBIの「ミスター住宅ローンREAL」は全疾病保障の保険料が金利に含まれていますので、病気のリスクの面でも有利です。

3つのパターンをシミュレーション

  • 35年固定:フラット35 1.12%
  • 変動金利:住信SBI 0.568% 店頭金利▲2.207%
  • 10年固定:三井住友信託銀行 0.55% 10年後は店頭金利▲1.4%

(単位:円)

変動固定比較 フラット35
1.12%
住信SBI
変動
0.568%
三井住友信託
10年固定
0.55%
毎月返済額 208,737 190,386 189,806
10年後残高 54,596,030 53,234,242 53,189,046
33年後残高 19,158,666 17,863,910 18,598,022
33年利息 14,289,359 7,049,050 10,136,950
住宅ローン控除 -2,000,000 -2,000,000 -2,000,000
合計 12,289,359 5,049,050 8,136,950

毎月の返済額について

手取り月収の4割以内というのが、一応のセオリーですが大丈夫だと思います。また、年収1,000万円を超えている場合は5割くらいになっても問題ありません。普通の生活に困らないと思います。

10年後の残高について

10年固定金利の場合はこの欄に注目してください。この金額が10年後のリスクということです。固定期間が終わったあとの優遇が変動金利よりも少なくなります。

費用の合計で比較すると分かりやすいですね。変動なら504万円、10年固定なら813万円ですからトータルで309万円の差になってしまいます。ここは差にだけ注目してくださいね。今後の金利はどうなるか分かりません。

  • 変動の方は、今の店頭金利が継続するという前提
  • 10年固定は10年は固定、その後、今の店頭金利のまま優遇幅が減るという前提

こうなっています。なので、「差は確定している」んですが、店頭金利は未定ですからトータルで利息がどうなるかは確定していません。

定年時の残高について

定年時の残高については、定年までに退職金に手をつけずにこれを完済する必要がある。という金額です。金利ほどには大きな差にならないです。固定金利を選んだとしても、最後までその家に住むのであれば繰り上げ返済は必要ですね。

まとめ~物件の価格変動リスクはある

いかがでしたでしょうか。今はお子さんが小さく、これから大きく成長するなかで生活スペースが必要になってきますので大きな家が必要となってきますが、最後には独立し、スペースは余ります。

長く住まないというのは、合理的な判断だと思います。どちらかというと「家賃」という感覚に寄せて住宅ローンを考え、その分を貯金に回していくことをおすすめします。

もちろん、物件の価格変動リスクはありますので、物件選びは慎重に行う必要がありますが、それは考慮されていると思います。

そして物件の価格変動リスクは住宅ローンによっては変わらないリスクですよね。ならば、利息の支払いを減らしておくのが合理的な判断であると思いますよ。

以上、参考になれば幸いです。

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