年収の4割超がボーナスでもボーナス払いはダメですか?
年収のうちボーナスの占める割合が高い人はボーナス払いにしても良いか?
千日の住宅ローン無料相談.comでは『絶対に』ボーナス払いはダメと書いています。
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別に良いじゃん、結局同じでしょ?と言われる方もおられますが、ダメです。同じじゃ無いんです。
でも、年収の半分位がボーナスなんだけど…?と言われてもやはりダメです。
今日のご相談は、そんな『年収の4割超がボーナス』という方のケースです。入社して間が無い間は月給が低く、ボーナスが高い傾向がありますけど、さすがに4割超というのは珍しいですね。
さすがに4割超ということになると、ボーナス払い無しに拘ることはないんじゃ…と思いますよね。
では始めます。
相談:年収の4割超がボーナスでもボーナス払いはダメですか?
最近、千日様のブログ等拝見させていただき、勉強不足だった自分を反省している次第です‥
今回、住宅ローンの支払い方法、特にボーナス払いについてご相談させていただきたく存じます。
年齢、年収、家の価格、住宅ローン、頭金
夫年齢 | 30 |
夫の年収(万円) | 700 |
妻年齢 | 不詳 |
妻の年収(万円) | 専業主婦 |
共働き世帯年収(万円) | |
家の価格(万円) | 3,500 |
住宅ローン(万円) | 3,500 |
頭金(万円) | 0 |
- 購入物件 :マンション(地方の県庁所在地、駅周辺)
- 借入額 :3,500万円(ソニー銀行、2017年3月融資実行)
- 金利タイプ :当初変動、4月の金利(ソニー銀行では3月中旬に発表)を見てから、3月か4月の金利で10年あるいは35年固定
- 年 収 :30歳会社員、年収700万円(手取500万円)のうち、ボーナス300万円(手取220万円)
- 家族構成 :夫婦2人(子供は2〜3人希望)
月々の返済額が約10万円なのに対して手取り収入は23万とやや心許ない状況です。また、上記の通り、収入のうちボーナスの占める割合がかなり高いため、返済額の4割程度はボーナス払いにて返済することを考えておりました。
しかし、千日様のブログ等でボーナス払いは危険との記述を拝見し、今更ながら不安になってきた次第です。
ただ、私の勤める企業は過去20年間ほど上記と同等のボーナスを支給していること、それなりに規模が大きい企業であることから、ある程度ボーナス払いの活用は可能と考えております。
もしよろしければ、千日様のお考えをご教示いただければ幸いです。
回答:それでもやっぱりボーナス払いにしない方が良いです
ご相談ありがとうございます。確かにボーナスの比率が高いですね!
普段の月が、住宅ローンが無くても少し辛いですよね。
ご相談承りました。検討させて頂きます。
千日による追記:
さすがに今回のケースは心が揺れました。年収としては十分なんですから、ボーナス払いにしたところでどうってことは無さそうですよね。
しかし、ゆっくり考えてみると、やはりボーナス払いは『否』という結論になりました。
ではお答えしていきます。回答としては、『それでもやっぱりボーナス払いにしない方が良い』です。
これから理由をご説明していきます。
年収での返済負担率に問題無し
年収700万という事で手取り年収としては約500万円との事です。
ボーナス払い無しで3,500万円の住宅ローンを35年で払う場合の元利均等返済額は月10万円ということで、年間120万円です。
返済負担率は24%ですから、普通なら十分に返済可能なんですよね。
返済負担率とは1年間の住宅ローンの返済額の負担が、年収に対して何%かという割合です。
しかしボーナスの比率が高いので月の手取りは23万円となると月の返済額は手取り月収の43%超です。
返済負担率で40%を超えると、融資しないという銀行もそこそこ出てくるラインです。金融機関の審査基準と最近のトレンドについては、こちらをご一読ください。
https://jutakuloan-muryousoudan.com/words/shinsa/
しかし金融機関が見るのはあくまで年収に対する割合ですので、問題ありません。
金融機関の審査基準的には余裕なのですから、別にボーナス払いにした所で何の問題も無い…?
支払額の違う月を入れるリスクを甘く見てはいけない
- 毎月同額の返済である。
- 年2回返済額が高くなる。
このリスクは同じじゃありません。
35年420回ノーミスでやり遂げるタスクにアクセントを入れるのは、それだけで危険なんです。
- 収入に変動があっても返済は一定にする。
- 最も収入の少ない月に合わせて住宅ローンの支払いを決める。
これが収支の構造的に一番安全なのですよ。例として
- 年収240万円
- 年間返済120万円
で3つのパターンを見れば一目瞭然なのです。
パターン❶:収入変動で返済は一定
年間の収入は240万で最も低い時よりも返済が上回らないようにシミュレーションしました。5月はかなり厳しいですけど、1月~3月に余った資金をプールしておけば大丈夫ですよね。
パターン❷:収入変動で返済は収入に連動
これは毎月の収入と返済の差がぴったり10万円になるように返済を設定したケースです。年収も返済もさっきと合計では同じ額ですが、こちらの方がゆとりを感じます。
必ず毎月10万円の余剰がありますので、そこから計画的に生活費を考え、貯蓄も一定に積み立てられますね。
所謂ボーナス払いに近似したモデルです。
しかし、収入のペースはずっと同じとは限りません。
パターン❸:その後収入の変動ペースが変化したら…?
こちらも年収240万、返済は120万です。返済はさっきと同じペースで上下してますが、収入を3カ月ずらしました。
収入の谷と返済の山がぶつかる所が出来てしまいましたね。
ずっと、10万円の余剰で慣れてしまったところに、こういう事態が起きたら?
たまたま臨時的な支出で貯蓄が少ない時にこれが起こったら?
たちまちピンチになりますね。もしもパターン❶のモデルのように、返済を一定にしていたら、収入のペースがどうなろうと、余裕で対応できたのです。
何も無い時に楽が出来るモデルよりも、『イレギュラーな出来事やアクシデントに強い資金計画が望ましい』ということがお分かり頂けたら幸いです。
給与は変わっていくが住宅ローンの約定は最後まで変わらない
今のボーナスは極端な配分ですよね。これが過去20年以上続いたからといって、今後35年続く保証はありません。
給与規程は結構変わります。年俸制になってボーナスではなく毎月均等額になることもあり得ます。そういう会社もあります。
また、昇進によってボーナスが無くなり月収のみになるというケースもあります。
出向や転籍、転職などによって変わることだってあり得ます。
しかし、一度決めた住宅ローンの約定返済額というのは、最後まで変わらないんですよ。
- 今の自分に最適な返済額の変動が10年後、20年後の自分にとっても最適なのか?
そういう視点で、再度考えてみてください。
まとめ~今はしんどくても後が楽になる
確かに今はしんどいかもしれません。しかし、ボーナスが高いですから、トータルでは余裕のはずです。ボーナスを残しておいて、住宅ローンを払えばいいだけだと思うんですよね。
そんなの面倒だナ…
ボーナスはしばらく貯蓄に回したい
このように考えているのでしたら、尚いいと思いますよ。それだけ家計の引き締めが出来るということです。
普段の月給の中で返済を賄うという、高い目標でやれば、その分だけ一括返済用の貯蓄が進むということですよね。
こ…こんな重りを着けてあの動きを…!
確かに月の負担としては重いですが、ただ辛いのではなく、リスクは少ない上に、ちゃんと後でご褒美があるんですよね。
しんどいとは思いますが、ボーナス払いにしないことをお勧めしますよ。