三菱東京UFJの10年固定0.5%で借りても大丈夫?その返済方法は?

2017年10月26日

10年固定最安の三菱東京UFJ銀行は選んで大丈夫か?

2017年3月の住宅ローンのピークを前に10年固定金利で三井住友信託銀行と三菱東京UFJが凌ぎを削っています。

10年固定金利の安さでは、それまでは三井住友銀行がダントツのトップを走っていたのですが、2017年2月に三菱東京UFJが急浮上して当初の10年は0.5%という条件で並びました。

さらに言うと、当初の固定期間では同じ0.5%ですけど、固定期間終了後の優遇金利で三菱東京UFJが有利なんですよね。あくまで今の店頭金利が前提ですけど。

  • 三井住友信託銀行:店頭金利(変動金利)2.475%-1.4%=1.075%
  • 三菱東京UFJ銀行:店頭金利(変動金利毎月型)2.475%-1.6%=0.875%

並んだというより、クビ一つ抜けた感じです。

注意しないといけないのは、変動金利を選ぶ場合は、普通の変動金利ではなく、変動金利毎月型ってことですね。毎月金利の見直しを行う変動金利です。一般的な変動金利は6カ月毎に見直しです。

それにしても安いと思います。

ただし、安いといっても35年最後まで借りると、トータルでは普通の変動金利の方が安くなります。

変動との比較では、ずっとそのまま借りた場合は当初固定の方が利息払いが高くなるように、10年後の優遇幅を下げる調整をしているからなんです。

厳密には最後まで完済してから、振り返って計算しないと損か得かは確定はしませんが、一定の予想の元に銀行で金利設定が行われるという事です。

ですから、幾ら安いといっても、なるたけ当初固定期間が終わった後は繰上げ返済しないとトータルで損になってしまうのが10年固定だとおぼえておきましょう。

昨日の記事の一部訂正

昨日の記事でこの10年固定について、『なお繰上げ返済か借換をしないのであれば、初めから固定で借りておいた方が良かったという事です。』

と書いていたのですが、これは『変動』のあやまりです。申し訳ございませんでした。最近アメリカではフェイクニュースというのが流行していて、何が本当のニュースか分からなくなってきているそうですね。

悪いヤツがいるもんだな…

なーんて思ってテレビのニュースを見てたんですが、まさか自分がフェイクニュースを出してしまっていたとは思いもしませんでした。

では、今日は昨日から引き続いて同じご相談者です。

今朝この件を教えて下さったのと、追加でご相談を頂きました。なお、ご指摘の部分については、重複しますので以下では割愛しています。

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相談:10年固定はなぜこんなに安いのか?10年後のリスクをどう減らすか?

お世話になっております。

まずはこちらの質問に対して非常に丁寧且つ貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。心より感謝申し上げます。

まず、早速分かりやすい記事にしていただき感謝致します。

特にライフスタイルが変化する可能性、という点は考慮できておりませんでした。

ご指摘の通り、住宅購入時の環境に対して、家族が増えてきた現状を考えると住み替え、という選択肢も全く無いとはいえない状況にあります。

このあたりも考慮して(10年後のイメージを明確にして)、金利プランを検討したいと思います。

千日様の記事を色々拝見させていただいて、単に金利、で見るのではなく返済金額(元利均等返済金額)で考えなければと気付かされました。少しシミュレーションの数値を振ってリスクを検証したいと思います。

追加でお尋ねしても宜しいでしょうか。

なぜ10年固定がこんなに安いのか?

なぜ10年固定が各金融機関の目玉商品になっているのでしょうか?

日銀のマイナス金利政策とも関係しているのでしょうか?

10年後の金利の想定として今の金利を軸に考えて良いか?

当初質問した自分の選択プランの内、固定10年0.5%、特約期間終了後0.875%でシミュレーションするならば非常にメリットが大きいプランであると考えています。(数値上は全期間固定よりも圧倒的に)

このままでは10年後の金利変動リスクを全く考慮していないので、10年後は+0.5%(1.375%、この数字には全く根拠無し)するプランをシミュレーションしております。この予想では甘いのでしょうか?

繰上げ返済するなら期間短縮型か返済額軽減型か?

住宅ローン減税の期間終了あたりから、子供たちの教育にかかる金額が少しずつ増加すると考えております。(中学での私立受験なども検討しております)

そのため繰り上げ返済は、期間短縮型ではなく返済額軽減型を考えていたのですが、単純に毎月の手取りを増やす意味でのこの考え方は間違っているのでしょうか。

追加でのご質問が多くなり大変申し訳ありません。ご都合の良い時間に簡単なアドバイスでも構いませんので、ご意見いただけますと助かります。

以上宜しくお願い致します。

回答:10年固定が特に安い理由はマイナス金利政策にある

ではお答えしますね。

なぜ10年固定が特にこんなに安いのか?ご賢察のとおり、マイナス金利政策です。

日銀は民間金融機関が日銀に預ける預金の一部にマイナス金利を適用したんです。お金を預けていると逆に利息を取られてしまうという政策です。

当然、金融機関は日銀から預金を引き出しますよね。

そして、そのお金は安い金利で市中に出ていき、一般事業会社の投資に使われて景気を良くするだろう。というのが日銀の描いた絵です。

しかし、実際はどうなったかというと、まず、民間金融機関は国債を買いに走ったんです。貸そうにも借りたい会社が急に出てくるわけではありません。

少しでも金利が付きますし、すぐに投資できる安全な資産ということで日銀への預金の代替になったんですね。

それで国債の価格が高騰し、長期金利がマイナスになってしまったのが去年の2月ごろのことでした。

住宅ローンは国債に次ぐ安全投資と位置付けられた

国債の値段が上がり過ぎると、今度は安全投資として国債を買えなくなってしまいました。(自分達で招いたことなんですけどね)だって、利回りがマイナスということは買った時点で損が確定してしまうということですから。

そうなると特に困るのが信託銀行です。

信託銀行とは、銀行法に基づく免許を受けた銀行のうち、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(兼営法)によって信託業務の兼営の認可を受けたものを言います。

通常は銀行業務と信託業務の両方を営んでおり、信託銀行という商号をつかいます。

信託とは、委託者が信託契約や遺言によって、信頼できる人(受託者)に対し金銭や土地などの財産を移転し、受託者は委託者が設定した信託目的に従って受益者のために信託財産の管理・処分などをすることです。

つまり、託されたお金を安全な投資で運用する必要があるんですよ。普通であれば『国債』です。

その国債の利回りがマイナスになってしまったんです。

困りますよね。

そこで信託銀行が目をつけたのが住宅ローンなんです。

住宅ローンは債務者にとってまさに生活の基盤になるマイホームに第一順位の抵当権を設定します。返さなかったら家を取り上げられるんですから、それこそ死に物狂いで返済にコミットすることが分かっています。

また、返済できなかったとしても物件を処分すればほとんど回収できます。というか、回収出来ると見込んだ額までしか貸さないんです。

ですから、特に長期の投資としてメジャーな10年国債と同じ期間の10年固定金利については『少々儲けが少なくても』一定額を確保したいという考えがあるんですね。

既に持っている国債は月日が経てば満期になって償還されます。現金で持っていても利益がないです。そういった余剰資金を投資する、国債の代替投資として住宅ローンが位置付けられているんです。

普通は安いものには理由があるのが常ですが、今の10年固定が特に安いという理由は、利用者にとってのデメリットを意味しないのです。こういうことは珍しいです。

なので千日は、10年固定についてだけは、最安の金利を出している金融機関を名指しでお勧めするのです。

10年固定は10年後の金利ではなく10年後の残高で考える

10年後の金利の予想として甘いですか?というご質問ですが、甘くも辛くもありません。

甘いか辛いか答えるということは、そもそも予測している金利があって、それより高いとか低いとかで判断しないとできませんよね。

千日の方法論では、そもそも10年後の金利は予測しません。

将来の金利を予測出来る人間はいない。

もし予測できる人がいたら、タイムマシーンで未来に行ったことのある人だけです。もし予測できたら、それだけで大金持ちになれますよ。バック・トゥ・ザ・フューチャーのビフみたいなもんです。

それはそうとビフのモデルは、かのトランプ氏らしいですね!アハハ

話をもとに戻しましょう。そこで、私がお勧めするのは金利を予測することではなく、残高を予測することです。

10年固定ならば、10年後にならないと条件(金利と残高)が決まらない住宅ローンなのだと考えるんです。

  • 10年後の金利は決まっていませんが、10年後に市場が決めます。
  • 10年後の残高は決まっていませんが、残高を幾らにするかは…自分で決められますよね?

金銭消費貸借契約の重要な要素である金利と残高のうち、残高は自分で予測した通りに出来るのです。みんな金利の事ばかり見て、残高を顧みないのですよ。残高だって金利と同じくらい重要です。

極端な話ですが、トイチの金利だって元本が100円ならちっとも恐くありません。

ですから、10年後の金利については決断の軸にせず、残高を幾らまで下げる能力(収入)が自分にあるか?という観点から考えてください。

期間短縮型と返済額軽減型の違い

繰上げ返済の方法として2種類ありますね。期間短縮型と返済額軽減型です。

  • 期間短縮型は繰り上げ返済によって返済期間を短縮するタイプで、毎月の元利均等返済額はそのままです。
  • 返済額軽減型は繰り上げ返済によって毎月の元利均等返済額を減らすタイプで、返済期間はそのままです。

どちらが得とか損とか、ということはありません。タイプが違う感じですね。

  • 期間短縮型は利息で得、貯金は減る。
  • 返済額軽減型は利息で損、貯金は増える。

こんな感じです。ですからお見込みのとおり、手取りを増やしたいということであれば返済額軽減型で行くのがセオリーです。

もともと完済年齢は定年前ですので、期間短縮型をとる必要性は低いと思います。

老後破産するリスクに特化した繰上げ返済シミュレーション-千日のブログも参考になると思います。

以上、参考になれば幸いです。