40代からの住宅ローンなら20年固定をお勧めする理由

2017年10月26日

今40代で定年の60歳までに完済するなら固定期間は20年で足りるから

千日の同年代の方からのご相談が増えてきました。つまり、昭和40代生まれの方でこれから住宅ローンを組んで家を購入しようとする方です。

40代っていうと、社会でのポジションが良くも悪くもフィックスされる年代です。会社員であれば職場での位置づけであったり、会社の評価などもほぼ固まってきます。自分の感じだったら今後収入はここくらいまでかな…なんていうことが自分で見えてくるんですよね。

逆の見方をすれば、よっぽどの失敗をしない限りは、真面目にやっていれば、少なくとも今の収入を維持できるだろうということでもあります。

住宅ローンで言えば固定金利が一般的にお勧めなんですよね。

固定金利は、借入期間の全期間にわたり、当初決めた金利が固定される住宅ローンの金利タイプです。

元利均等返済であれば、毎月の返済は一定になります。収入が一定とすれば、資金計画が立てやすいのです。

なので、公務員については一般的にどの年齢でも固定金利がお勧めなのですが、40代となると民間企業に勤めていても比較的固定金利がお勧めと言えるんです。もちろん個人差はあると思います。

さらに40代だと、定年退職までに20年を切る人がほとんどなんですよね。定年までに住宅ローンを完済するのが千日メソッドです。

ということは、金利を固定する期間は20年もあれば十分ということになります。

では、今日のご相談者です。

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相談:40代公務員に最適の住宅ローンとは?

はじめまして。

新築マンション購入、ローンを組むにあたり、千日様のブログを知り、解りやすい内容、相談に対する丁寧な回答等、納得のいく説明に共感し、日々参考にさせていただいております。

私もこの悩ましい住宅ローンについて千日様に相談したく、メールさせていただきました。

家族構成と年収

  • 私 43歳 公務員 年収700万円(手取32万円) 預金等(1,500万円)
  • 妻 41歳(専業主婦、パート希望)
  • 子供 6歳、3歳

物件価格

  • 物件価格 4,130万円
  • 諸経費 180万円 合計4,310万円
  • 手付金等(210万円 支払済み)

住宅ローン

地銀、三菱東京UFJ、三井住友信託

上記の銀行で、4,310万円の融資可能との回答を得ています。

35年固定でローンを支払うのが最良と思い、比較したところ

  • 三菱東京UFJ 1,31%(35年固定)
  • 三井住友信託 1,02% ( 30年固定、残2,5%)
  • 地銀 1,2%(35年固定、頭金10%)

という結果となり、年齢的なこともあり、5年以上の繰り上げ短縮が必須であると思い、三井住友信託の30年固定、35年支払いが適当であると考えておりました。

しかしながら、ブログを拝見するなかで、定年退職までの勤務年数が少なく、子供もまだ小さいことから、上記の決定が最良であるかどうか不安に思い始めました。

  1.  30年、35年固定で頭金を入れる、又は、控除終了後に繰り上げ返済をすることに備える
  2.  返済額は上がるが、20~30年固定のローンを組み、返済期間を短縮する
  3.  金利の安い変動にし、繰り上げ返済に備える

色々なパターンを考えては悩み、調べているうちに、混乱してしまい、方針も定まらず、ローンを組まなければならない期日も迫り、焦るばかりです。

ちなみに、マンションの管理費等は月額23,000円程度となる予定です。月々の返済に管理費等を含めると、返済額も抑えていきたいというところです。

私の場合に合うローンの組み方を指南いただければ、幸いです。どうかよろしくお願いします。

回答:40歳代公務員なら20年固定がお勧めです

ではさっそくお答えしていきます。

結論としては三井住友信託銀行の20年固定がお勧めです。これを順を追ってご説明していきますね。

 

公務員なら60歳定年がデッドライン

現時点での公務員の定年は60歳であり、年金の支給開始は65歳からです。過去の相談ケースのこちらもお読み頂いたのだと思います。

公務員の住宅ローンは60歳定年に注意!空白の5年間への備え

一応、60歳から先は、再任用制度があります。

しかし、そもそも公務員については65歳定年とならなかった理由は税収による財源が確保出来ないと見込んでいるからだと思われます。

65歳まで再任用を継続させるには高いハードルがありますので、今の時点から保守的に考えるなら60歳から65歳までの5年間の生活を維持する為の最低限の貯蓄をしておく必要があります。

ご主人が60歳の時点でのお子さんの年齢は23歳と20歳ですね。ということは、お子さんの大学入学が定年退職の直前の55歳から58歳の時期に集中します。

その時の高等教育の学費の相場がどうなっているかは、その時になってみないと分からない部分もありますが、5年間の大黒柱の収入が中断する直前に大きな支出を伴うイベントが連続するのは、要注意ポイントだと思います。

ココのポイントでミスしたり、どんぶり勘定してしまうと、無収入となる5年間を乗りきれず家を手放すことになるかもしれません。

 

60歳完済までの固定期間で十分

絶対に60歳までに完済するのであれば、30年や35年の固定期間はオーバースペックなんです。住宅ローンは固定期間が長いほど金利が高くなります。

40代であれば60歳までの期間は20年を切りますので、20年以下の固定金利がジャストサイズなんですよ。

借入年数は最長の35年にして毎月の元利均等返済額を低く抑えてハードルを下げ、繰上げ返済資金を貯めながら60歳での完済を目指す。

これが千日がお勧めする住宅ローンの借り方、返し方です。

 

基本的な繰上げ返済のポリシー

金利タイプも大事ですが、リタイアの時期とお子さんの大学入学が近接しているので、貯蓄の計画が優先されるだろうと思います。

現在の貯蓄が1,500万円ありますが、銀行から投資信託などの金融商品の売り込みを受けるのではないでしょうか?

今の低金利時代に定期預金なんて勿体ないですよ。とても運用成績のよいお勧め商品なのですが、いかがですか?

今後貯蓄を増やしていくと、さらに営業攻勢を受けることになるでしょう。

確かに、一般的な定期預金の利率は0.01%位ですから間違ったことは言ってません。しかし、投資信託には元本割れのリスクがあります。それに銀行の売る投資信託にはもれなく「販売手数料」「信託報酬」「解約手数料」というものが必要になります。

投資信託が全てダメというわけではありませんが「何となく」「お任せ」で投資信託を選ぶのは危険です。また「人気商品ですよ」という言葉にも注意が必要です。銀行の利益(わたしたち消費者の不利益)が大きい商品を熱心に売っているから、結果的に人気になっているだけかもしれません。

もしも、あまりに貯蓄が増えてきたなと感じたなら、その余剰資金を繰上げ返済に回す位が良いと思います。繰上げ返済によって、本来払う利息を節約できるわけですから「元本リスクなし」の確実な金融商品なんです。

但し、繰り上げ返済したお金は返ってきませんので、あくまで、余剰資金を繰上げ返済するというポリシーです。

  • 年数は最長の35年にしておく。
  • 繰上げ返済は「投信でも買おうかな」と思うほどにお金が余った時だけ。

このような感じです。

 

変動と20年固定の比較

では、変動金利か20年固定 かという検討に入ります。

《前提条件》

  • 借入元本:4,310万円
  • 借入期間:35年

三井住友信託20年固定なら1.0%、変動金利なら0.6%(一般的な都銀の金利)です。60歳になる17年で完済を目指しますので17年間の返済額と17年後(60歳)での残高を計算してみました。

(単位:円)

20年固定と変動の比較 20年固定1.0% 変動
0.6%
差額
毎月返済額 121,665 113,796 7,869
17年返済額 24,819,688 23,214,477 1,605,211
60歳残高 24,040,868 23,293,498 747,371
住宅ローン控除 3,693,073 3,659,694 33,380

毎月の返済額は手取り月収の4割以下にします。ただし、変動金利の場合は金利の上昇に備えるため、毎月の返済額の25%を繰上げ返済用に貯蓄するとしてこれを合わせて4割以下にします。

住宅ローンのセオリー

月収32万円の4割は12万8千円ですね。20年固定ならばレンジに入っていますが変動金利ならばレンジを超えてしまいます。

毎月の返済については、20年固定金利ならば無理なく返済できるが、変動金利の場合は少しリスクがあるという分析結果となります。

もちろん、20年固定に全く金利変動リスクが無い訳ではありません。あくまで固定期間内に完済することが条件なんですよね。

確かに、定年退職までの勤務期間が20年を切っているということは、住宅ローンの返済においてハンデを負っていることになります。

しかし、20年固定金利は30年固定金利よりも低金利ですから「ゼッタイに20年以内に完済する」という条件で行けば、ハンデをメリットに変えることが出来ます。

20年固定

20年は金利が固定されるので目標とする17年の完済ができれば問題なし。予定が狂って完済出来ないと21年目から金利変動リスクを負う。

変動金利

始めから金利変動リスクを負うが20年固定より低金利。金利が上がらないうちは、貯蓄の増加スピードを上げることが出来る(月8千円)。

 

60歳で完済するための計画

そして本命の60歳残高です。固定でも変動でも大して変わらないですね。これを完済するのが目標となります。今の時点で1,500万円の貯蓄がありますが、これはむしろお子さんの学費と老後資金として考えておく方が良いと思います。

とすると、17年住宅ローンを払いながら、約24百万円の貯蓄を作ることを目標とすることになります。3.6百万円の住宅ローン控除はそのまま貯蓄にまわすとすると、約20.4百万円の貯蓄を行うことになります。17年で割ると年間平均120万円の貯蓄です。

奥様がパート希望と言われていますが、まさに、パートによる年収に相当する金額を毎年貯蓄していけば、可能となるミッションです。

以上、参考になれば幸いです。