北朝鮮リスクの渦中での住宅ローンは固定か変動か?元金均等か元利均等か?どっち?

2017年10月26日

北朝鮮リスクで金利はどうなる?最適な住宅ローンの組み方は?

北朝鮮による弾道ミサイルの発射に加え6度目となる核実験そして2度目のミサイル発射により、アメリカとの武力衝突のリスクが高まっています。

アメリカが北朝鮮への制裁案として提出していた原油の全面禁輸や資産凍結などは中国ロシアの反対にあって行われず、かなりの妥協案を含んだ制裁措置になりました。それもあって北朝鮮とアメリカの武力衝突のリスクは弱まったと言われていた矢先、2発目のミサイルが発射されました。

このまま行くと北朝鮮は核ミサイルを完成させ『核保有国』になるのは時間の問題です。そうなると、さらに状況は深刻さを増すでしょう。

しかし、市場は冷静に受け止め、というか馴れでしょうか、長期金利はそれほど下がらないという状況になっていますね。0.02%で下げ止まりです。

しかし、これはあくまで北朝鮮からのミサイルに対して馴れたというだけのことであり、アメリカが軍事的な動きに出るということになれば、またヒステリックに下げるでしょう。つまり、10月の金利は上がるか下がるか、全く予想がつかないということです。

なお、フラット35の金利については機構債の表面利率から予測できます。こちらをどうぞ。

【金利予想】10月のフラット35の金利は新団信制度で1.36%と予測しました-千日のブログ

そんな不安定な情勢で9月か10月かを選べる状況になったら?では今日のご相談者です。

 

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相談:北朝鮮リスクで金利は下がる?9月か10月か?変動か固定か?

初めまして。今回、今月に住宅ローンを契約するのですが今頃になり、金利タイプをどうしようかと悩んでいる次第でございます。千日様のアドバイスをお聞きしたくメールいたしました。

家族構成と年収

主人37歳 年収530万円

妻 40歳年収300万円

子 3歳

築9年中古マンションを購入し、借入額は3450万円頭金700万円返済期間は35年です。みずほ銀行から借りる予定です。

みずほ銀行35年固定か変動か?ミックスもありか?

固定35年1.19%元金均等で借りようと思っていたのですが、ここにきて

変動0.675%を入れたミックス(半分づつ)はどうか…と考えてしまいました。

将来の変動リスクを考えると固定、と思うのですが、少しでも減らせたらいいなと感じてしまい今日に至ります。

予定通りに9月引渡しか?いや10月は下がるか?

売主様、みずほ銀行のアポを確認し9月下旬に引き渡しとなりました。

来月頭に変更は可能かもしれませんが、売主様等お願いするのも恐縮し、でも来現の固定金利が0.1%でも変わるのなら…10月でも…と悩む次第です。

毎日金利のことを考えてしまい、整理をしたくご連絡いたしました。

何卒宜しくお願いいたします。

 

回答➀:迷って変動と固定のミックスにするのはお勧めしません

取り急ぎ、すぐにお答えできることからお答えしていきますね。

まず、固定金利と変動金利のミックスは、一般的にはお勧めしません。その考え方については、こちらのいえーるすみかるに寄稿しました記事で詳しく書いています。

固定金利と変動金利のミックスローンとは何か?をあなたは知らないby 千日太郎|住宅ローンの選び方【中級編】vol.5 (前編)

 

回答②:今のところは9月末引渡しに設定しておき、確実に下がることが予測できるなら10月に延期してもらう

今後の金利の動向については、なかなか読みにくい状況です。9月でも10月でも選べるという状態であれば固定ならば10月の方が下がりそうです。

しかし、ちゃんと読めるのはフラット35だけであり、民間融資であるみずほ銀行の場合は、本当に10月になるまでは、どうなるか分かりません。フラット35は前の月の機構債で決まるのですが、民間の金利は本当にギリギリまで決めないからです。

こちら参考にご一読ください。

金利ラボ

ということは、9月に引渡しが可能なのであれば、9月末でスケジュールを組んでおき、いよいよ大きく下がる、ということになれば頭を下げて来月に延期してもらうのが良いでしょうね。確かにリスケジュールはちょっと迷惑をかけるということになりますから、気が引けますけど、住宅ローンは今後何十年、この引渡しはこの一回だけです。

どちらを優先すべきかは自ずと明らかです。ここは腹をくくりましょう。先方も何十万も金利が変わるならしょうがないと思うでしょう。

引渡し日の交渉の実態についてはこちらの記事が参考になると思います。

北朝鮮問題で長期金利が下がっているので引渡しを来月に延期できる?

融資実行日の交渉と実例について教えてください

 

回答③:固定か変動か?元金均等か元利均等か?への答え

今のところ元金均等で35年固定金利を検討されています。そこで、元金均等での35年固定金利と変動金利を比較します。

《共通の条件》

  • 借入額:3450万円
  • 借入期間:35年
  • 定年退職までの年数:23年
  • 住宅ローン控除は中古住宅なので上限は20万円

元金均等では変動金利の5年ルールと125%ルールが無いので注意!

(単位:円)

元金均等返済 固定1.19% 変動0.625%
毎月返済 116,355 100,112
保証料 564,834 564,834
定年まで返済額 29,022,735 26,007,199
住宅ローン控除 -2,000,000 -2,000,000
定年時残高 11,828,571 11,828,571
支払い合計 39,416,140 36,400,604

(注)毎月返済のところは第一回目の返済額を記載しています。ここから少しずつ少なくなります。

住宅ローンのセオリー

千日メソッドでは、毎月の返済は手取り月収の4割以下にすることをお勧めしています。旦那様の年収530万の手取り月収を26万とすると、その4割は10万4千円ですね。固定金利では少しオーバーしています。ただ、奥様との2馬力であれば余裕をもって返済できます。毎月の返済額は徐々に減っていきますので、すこしずつ楽になるでしょう。

変動金利では25%を貯蓄した上で4割以下にすることをお勧めしています。これも奥様との2馬力ではクリアできそうに見えますが、これは5年ルールと125%ルールがあることを前提にした基準なのです。5年ルールと125%ルールは元利均等返済でなければ適用はありません。ですので、元金均等返済で変動金利を選択することはリスクが高すぎるのでお勧めしません。

なお千日メソッドでは、定年時の残高は1千万円以下にすることを推奨しています。このまま自然体で返済していくと、定年時の残高が1千万円を超えますので、当初の10年は中古住宅の住宅ローン控除の上限(2000万円)を下回らない範囲で繰上げ返済していくことをお勧めします。

 

元利均等返済ならば変動金利でもOK

(単位:円)

元利均等返済 固定1.19% 変動0.625%
毎月返済 100,473 91,476
保証料 711,080 711,080
定年まで返済額 27,730,627 25,247,329
住宅ローン控除 -2,000,000 -2,000,000
定年時残高 13,476,377 12,687,490
支払い合計 39,918,084 36,645,899

元利均等返済ならば毎月の返済はずっと一定になります。

固定金利は今の旦那様の手取り月収の4割以下になっており、ずっとこの金額に固定されます。資金繰りという点においては、やはり元利均等返済がお勧めです。もちろん、総支払額の面では元金均等返済がお得になります。支払い合計の差は約50万円ほどですね。

元利均等返済ですので変動金利の5年ルールと125%ルールがあります。返済額の25%の貯蓄を加味すると、手取り月収の4割を超えますが奥様との2馬力であれば、問題ないでしょう。

ただ、定年時の残高は元金均等返済よりも大きくなってしまいます。その分、繰上げ返済をしっかりやらねばならないということですね。

 

繰上げ返済手数料はネットで手続きすれば無料になるので元金均等返済にさほどメリットなし

みずほ銀行の場合は、みずほダイレクト(インターネットバンキング)で手続きすれば、一部繰上げ返済の手数料は無料です。つまり、元金均等返済は元本の減りが早いのが一番のメリットなのですが、元利均等返済でも自分に余裕のあるときにマメに繰上げ返済していけば、ほぼ同じことだということです。

逆に資金繰りが苦しい時は繰上げ返済しなければいいだけのことです。

あとは、前払いの保証料で15万円ほど元金均等返済の方が安いですね。これは元本の減りが初めから早いという前提だからです。みずほ銀行の場合は一部繰上げ返済でも保証料の返金がありますので、最終的な差はそれほど開かないと思われます。保証料の返金額の算定は保証会社でないとできませんので、シミュレーションには入れていません。

以上、参考になれば幸いです。