住宅ローン控除を最大限利用する賢い繰り上げ返済の方法(ミックスローン)

住宅ローン控除の所得上限を超えた借入なら早期の繰り上げ返済も可

 

お久しぶりの千日です。住宅ローン控除は当初の10年間住宅ローンの利息を国が肩代わりしてくれる減税制度です。年末調整で返ってくるお金が増えます。その金額は最大で12月末時点の住宅ローン残高の1%です。

  • 家を購入した年の年末から数えて10回
  • 年末の住宅ローン残高の1%を上限として税金を安くする(キャッシュバック)

借入額の1%が10回キャッシュバックですね。つまり、12月末のローン残高が3000万円なら30万が現金でキャッシュバックされる。それが10回ですから何百万にもなるわけです。

ですから、当初の10年間については繰り上げ返済しない方がおトクなんですけど、住宅ローン控除には所得による上限があります。

つまり、納めた税金以上には返ってこないということです。税込年収と住宅ローン控除の上限については、以下のようになっています。

税込年収⇒控除上限(年末借入残高)

  • 200万円⇒9万円(900万円)
  • 300万円⇒17.3万円(1,730万円)
  • 400万円⇒22.3万円(2,230万円)
  • 500万円⇒27.9万円(2,790万円)
  • 600万円⇒34.3万円(3,430万円)
  • 700万円⇒40.0又は45.8万円(4,000万円又は4,580万円)
  • 800万円⇒40.0又は50.0万円(4,000万円又は5,000万円)

詳しくはこちらの税金のセオリーに書いていますのでご一読ください。

税金のセオリー

住宅ローン控除を受けるなら繰り上げ返済しない方が良いのですが、所得の上限を超えているのなら、随時繰り上げ返済しても良いということですね。

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相談:ミックスローンで賢く繰り上げ返済する方法とは?

いつもブログを参考にさせていただいております。ありがとうございます。

主要な条件 内容
居住予定の家族の年齢と年収 世帯年収420万
物件価格 不詳
物件のタイプ 新築マンション
当初借入日 2017年
現在の住宅ローン 35年元利均等返済ミックスローン
10年固定0.5%1000万
30年固定1.05%2900万
相談内容 毎年100万ずつ先ずは当初固定10年から繰上げ返済をしていこうと考えておりますが、住宅ローン控除のこともあり本当に正しい判断なのか迷っています。

本やネットで調べても意見は様々で余計に迷います。

住宅ローン控除と繰り上げ返済のどちらを優先すべきか、また今後の返済の仕方があれば参考までにご教示ください。

回答:住宅ローン控除の上限を超えた部分は繰り上げ返済しても良い

現在の借り入れ残高は3900万円です。これの1%は39万円ですが、住宅ローン控除によって39万円がキャッシュバックされるわけではありません。冒頭に書いた「所得による上限」があるためです。

だいたいの目安ですが、年収400万の上限は22万3千円です。つまり借入残高がいくらでもキャッシュバックの上限は22万3千円で頭打ちになっているのです。

こういうことです。

  • 借入残高3900万の場合のキャッシュバックは22万3千円
  • 借入残高2230万の場合のキャッシュバックは22万3千円
  • 借入残高2000万の場合のキャッシュバックは20万円

つまり、今後の年収の上がり方にもよりますが、現在の年収をベースとして考えると2230万円を超えた部分については、10年間の住宅ローン控除の期間でも繰り上げ返済しても良いのですね。

  • 繰上げ返済することで、利息の負担を減らせる。
  • 繰上げ返済しても、住宅ローン控除の恩恵は変わらない。

こういうことになります。

金利の高い方から繰り上げ返済するのがセオリー

まず10年間の年末残高の推移を確認します。

(単位:円)

残高 10年固定 30年固定
1年目 39,000,000 10,000,000 29,000,000
2年目 38,048,602 9,737,897 28,310,705
3年目 37,088,619 9,474,481 27,614,137
4年目 36,119,965 9,209,745 26,910,220
5年目 35,142,559 8,943,682 26,198,876
6年目 34,156,314 8,676,286 25,480,028
7年目 33,161,144 8,407,550 24,753,594
8年目 32,156,963 8,137,467 24,019,497
9年目 31,143,684 7,866,030 23,277,654
10年目 30,121,217 7,593,233 22,527,984

2230万円を超えた部分ということですから、1年目では3900-2230=1670万円ですね。

これを目指して繰り上げ返済していくのか?というと、それほど単純ではありません。なぜなら、10年固定の方は0.5%という、とてもおトクな金利です。これを繰り上げ返済してしまうと、かえって損をしてしまいます。

  • 1000万円の0.5%利息の5万円を払い、1000万円の1%の控除で10万円キャッシュバックだから差し引きで5万円儲かる。

これが無くなってしまうのです。ぜったいに10年固定は繰り上げ返済してはいけません。

ということは…繰り上げ返済するのは30年固定の方からということになります。

  • 1000万円の1.05%の利息10.5万円を払い、1000万円の1%の控除で10万円キャッシュバックだから差し引きで0.5万円払っている。

つまり、金利の高い方から繰り上げ返済するのがセオリーです。

ミックスローンは10年後の資金繰りを考える

それから、ミックスローンの場合は10年後に10年固定の方を全額繰り上げ返済するという資金計画となっているはずです。

10年固定と30年固定を半分ずつ、ミックスさせて住宅ローンを借りて、10年固定を10年後に全額一括返済すれば、リスクを抑えつつ利息を低く抑えられるというものです。ご相談者のケースは半分ずつではありませんが、基本は同じです。

千日のミックスローンの考え方については、こちらをご一読ください。

10年固定と20年固定のミックスローンのポイントとは?

千日のブログでは2018年の金利水準でのミックスローンについてアップデートしています。こちらです。

2018年三井住友信託10年20年ミックスローンと住信SBI20年固定で10年後繰上げ返済を比較|千日のブログ

つまり、10年固定の10年後の残高を全額繰り上げ返済するというリスクを取ることによって利息の負担を減らしつつ、住宅ローン控除の恩恵を最大限に得るのがこのミックスローンの考え方です。

ですから、30年固定の方をせっせと繰り上げ返済したことで、手許の現金が無くなり、10年後に10年固定を繰り上げ返済できなくなってしまったら、元も子も無いのですね。

今回のケースでは10年固定の10年後の残高は759万円です。何等かのアクシデントで急にお金が必要になってこの繰り上げ返済が出来なくなると、そこから先は高い金利を払わなくてはならなくなります。

ですから、まず前半はこの繰り上げ返済資金の貯蓄を作ることを最優先として繰り上げ返済はせず、この貯蓄を確保してから、随時30年固定の方から繰り上げ返済していくことをお勧めします。

業務連絡~ご相談mailが届かないアクシデントが発生しました(復旧済み)

お久しぶりの更新となった原因なのですが、利用しているGmailが当該サイトから千日に送るメールを「迷惑メール」に振り分けていたため、2017年12月中旬からのご相談メールが千日に届かなかったというアクシデントが発生しておりました。

大事なメールを勝手に迷惑メール認定するGmailの迷惑メールフィルタを無効化しました|千日のブログ

現在は復旧しており、確認できたご相談者にはお詫びと、今からでも大丈夫ですか?とお尋ねするメールをお送りしています。

千日にメールを送ったのにナシのつぶてだ…とお嘆きの方、申し訳ございませんでした。

また、一番先にご相談メールを送って頂いた方から優先して回答しておりますので、通常よりも回答に時間がかかっております。しばらくの間は、その点をご了承くださいませ。

以上、参考になれば幸いです。