年収2000万勤務医の住宅ローンは変動か固定か?元利均等か元金均等か?

定年が無く高額所得の医師の住宅ローンの考え方

 

医師の場合、住宅ローンを借りるにあたっては通常よりも有利です。特に住宅ローンの審査上の属性としてはS級です。

  • 手に職があり、国家資格によって独占業務として保護されている。
  • 高額所得者である。
  • 勤務医であればサラリーマンでもあり安定性もある。

さらに「定年」というものが実質的にありません。なので、よほどの大豪邸を建てようとしない限りは、リスクは低めであると言えます。

年収1千万超の勤務医の開業も考えた住宅ローンシミュレーション

とは言っても、購入する家の価格、住宅ローンをスタートする時点の年齢によって、購入できる家の価格には限度というものがありますし、銀行が融資してくれるからと言って、ノープランで住宅ローンを組むのは危ないですよね。

では、今日のご相談者です。

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相談:年収2000万勤務医の住宅ローンは変動か固定か?元利均等か元金均等か?

はじめまして、いつもブログ参考にさせていただいております。

以前高収入、高額物件の場合でのケースの相談がブログに載っていたため、自分の場合はどうなのかと思い相談致します。

主要な条件 内容
居住予定の家族の年齢と年収 私の年齢は現在41歳・年収2200万円、妻(専業主婦)と犬5匹の勤務医です。職業上定年はなく、基本的に何歳まででも働けます。
自己資金の額 1000万円ほどありますが諸費用以外は全額ローンで検討
物件価格 8000万円(土地2000万、建物6000万)
物件のタイプ 注文住宅(将来的に売却は考えない)
借入予定額 8000万円
住宅ローン 未定
相談内容 ①固定にすべきか変動にすべきか?
勤務医も意外と支出が多く(学会関連、医学書の購入など)、犬にかかる費用も年間100万弱かかります。
②返済方式は?
なるべく早く返したいという思いから元金均等返済で借りてローン控除が終わる10年後から繰り上げ返済を開始しようかと考えていましたが、ブログでは元利均等返済をおすすめされていたので、その辺も自分の場合はどうなのかな?と思っています。

月々の支払い額を抑えた方が良いかと思って変動で借りようかと考えていました。ただ金利自体は今が底値に近い、また北朝鮮情勢の不安から固定(フラット35)の方が安心かなとも思ったりで迷います。

何かご助言ありましたら教えてください。よろしくお願いいたします。

回答①:実質的に定年の無い医師の住宅ローンシミュレーション(変動か固定か)

自分がいくらの住宅ローンであれば無理なく返済できるのか?千日メソッドでは、以下の4つをセオリーとしています。

  1. 毎月の返済は手取り月収の4割以下でボーナス払いなし
  2. 返済額が一定になる元利均等返済方式
  3. シミュレーションの金利は固定金利
  4. 定年時のローン残高は1000万円以下

しかし、高額所得で、定年が実質的に無い医師の場合はこれを以下のように修正するのが良いと思っています。

  1. 毎月の返済は個別に判断でボーナス払いなし
  2. 返済額が一定になる元利均等返済方式
  3. シミュレーションの金利は固定金利
  4. 70歳のローン残高は現在の年収以下

月収の4割、定年時残高1000万円、というのは、サラリーマンの平均的な収入をベースとしたときの一定のラインですが、平均的な収入を超えている人にそれを機械的に当てはめるべきではありません。

また、定年が無いので「定年時の残高」というものは「70歳の残高」としました。これも個人差があると思いますが、老齢年金の受給開始時期を最も後ろ倒しにした場合に70歳という現制度をベースに考えました。

これをベースにして、フラット35と変動金利で比較をしてみました。

《前提条件》

  • 借入8000万円、35年、元利均等返済、ボーナス払いなし。
  • 固定金利:フラット35S(当初10年0.25%引き下げ)1.15%/1.4%
  • 変動金利:みずほ銀行0.625%

資金繰り面の比較

(単位:円)

8000万円 フラット35S1.15%/1.4% みずほ変動0.625% 差異
前半毎月返済 231,464 212,117 19,347
後半毎月返済 238,433 212,117 26,316
10年後残高 60,323,988 58,898,847 1,425,141
70歳残高 16,456,779 14,985,979 1,470,800

毎月の返済額では、フラット35の方が変動金利よりも約2万円ほど返済額が多くなります。しかし、フラット35だと家計が苦しいというような返済額ではないように思います。

変動金利の場合は返済額の25%を貯蓄していくことを推奨しています。これは5年ルールと125%ルールによって導き出したセオリーです。

金利タイプ選びのセオリー

このように考えると、固定金利を選択した方が、よりゆとりのある住宅ローンになると思います。

10年後の残高を出しているのは住宅ローン控除の金額を確認するためです。10年間は住宅ン控除の上限額を超える残高となります。住宅ローン控除という面では借入額が多すぎるのですが…

  • 控除が無駄になっているわけではない。
  • 自己資金を全て入れてもさほど変わらない。

これらのことから、あえてフルローンにするのはアリだと思います。

70歳残高はどちらも、現在の年収未満に収まっています。

総支払額の比較

(単位:円)

8000万円 フラット35S1.15%/1.4% みずほ変動0.625% 差異
70歳まで返済額 82,138,404 73,816,716 8,321,688
70歳残高 16,456,779 14,985,979 1,470,800
住宅ローン控除 -5,000,000 -5,000,000 0
融資手数料/保証料 1,728,000 1,648,800 79,200
保証料戻り 0 -2,064 2,064
合計 95,323,183 85,449,431 9,873,752

70歳で全額繰り上げ返済したら?という前提で比較を行いました。

  • 70歳までの返済額で832万円
  • 70歳の残高で147万円

この二つが固定と変動の主な差です。特に大きな部分を占める832万円は、29年間金利が上がらなかった場合の金額ですので「絵にかいた餅」です。

変動金利が上がった場合の対処は「繰り上げ返済」もしくは「売却」です。現時点で売却は想定されておらず、勤務医としての必要支出とペットにかかる費用を鑑みると、あえて変動金利にすべき必要性は無いように思います。

  • 基本的には固定金利が適する。
  • 但し、8000万円の借り入れの金利上昇に対応できる貯蓄またはその見込みがあれば変動金利も可。

というのが、私の考えです。

回答②:固定金利なら元金均等返済でもOK、しかし変動金利なら元利均等返済一択

元利均等返済と元金均等返済の考え方については、こちらをご一読ください。

金利ラボ

住宅ローン控除も含めて考えると、元利均等返済の方が元本の減りが遅いので住宅ローン控除の恩恵を多く得られます。なので、元利均等返済と元金均等返済の差はかなり相殺されるのです。

しかし、今回のケースでは住宅ローン控除の上限を超えた借入ですので、住宅ローン控除による恩恵に差はありません。

つまり、元金均等返済の方が支払は明らかに少なくなるでしょう。

現在41歳で最も脂の乗った時期です。元金均等返済にすることで、この時期にできるだけ多く返済し、後の返済を少なくするというのは、理にかなった考え方だと思います。

但し、元金均等返済にしても良いのは固定金利を選択する場合のみです。変動金利では元金均等返済を選択することはお勧めしません。

なぜなら、変動金利の5年ルールと125%ルールは「元利均等返済」の場合にしか適用されないからです。元金均等返済では、変動金利の基準金利が上がったらその月から毎月の返済額が増加することになります。

変動金利で元金均等返済を選択して良いのは、いつでも現金で全額返済できる人だけです。

以上、参考になれば幸いです。