40代夫婦で夫に持病ありペアローンで3770万の住宅ローンは無謀か?

2018年10月31日

40代からスタートする住宅ローンで健康面と完済可能性にリスクがある場合

 

この住宅ローンは大丈夫でしょうか(無謀ではないですか)?というご相談を頂くことがあります。住宅ローンはどうしても未知の長い期間になりますし、その金額も大きくなるので、それは当然の不安要素だと思います。

特に、直近で大病を患うなどして、通常の団信への加入が出来ないとなると、グッと選択肢が狭くなりますよね。民間金融機関の住宅ローンではほぼ例外なく団信への加入が義務となっていて、加入できない場合は住宅ローンを借りられないからです。

また、ワイド団信という、加入の際の健康条件を緩和した団信を利用できる金融機関もありますけど、金利が0.3%ほど上乗せとなります。リスクが高い上にワイド団信の保険料が家計に重くのしかかるんです。

加えて、年齢が40代を過ぎてくると、おぼろげながら60歳の定年退職が目視できる年代となってきます。あと約20年、働く期間としては長いですけど、住宅ローンの完済までの期間と考えると短いのです。

では、今日のご相談者です。
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相談:もうすぐ42歳でマイホームを買い替え、しかし夫が団信に通らない

お知恵を拝借いたしたく、宜しくお願いいたします。

 

居住予定の家族の年齢と年収 夫:41歳(8月に42歳):正社員:前年年収630万:定年60歳(65歳まで更新交渉予定)
妻:39歳(3月で40歳):正社員:前年年収230万(5月に産休明けの為6月〜12月の7ヶ月の時短給与その後フルで復帰した際は年収360万程):定年60歳
長男:小学校1年
長女:2歳(3月の早生まれ)
自己資金の額 1,000万+今の住宅を売却しローン完済して残るお金
物件価格 4180万円
物件のタイプ 注文建築ではあるが土地と建物同時引き渡しの為つなぎ融資は不要。新居の完成引き渡しは2019年2月以降3月末迄の間
借入予定額 3770万円(頭金1割)妻1000万、夫2770万で連帯債務
住宅ローン 夫が去年末深部血栓症(エコノミー症候群1歩手前)を患ったため団信を先に通している状況で2社引受不可、1社ワイド団信にて引受可。団信はとりあえず、本審査でと言う事になり、aruhiにて仮審査を通しました(収入合算)。
相談内容 質問①繰上げ返済をしていく予定ではあるが年齢的に、この物件の購入自体がそもそも滅茶苦茶なのではないか…?
質問②単純なペアローンで組める銀行orフラット35引受銀行があるのか?妻の分を住宅ローン控除期間終了後可能な限り早々に繰上げ返済で終わらせて夫のローンだけ残す作戦です。しかし、夫はワイド団信、妻は一般団信というペアローンが出来ないそうです。
質問③主人の病気は医師が想定していたよりも治りがよく、9月末に完治する可能性があるとの事です。ならば完治してから3ヶ月間待ってもう一度団信の審査を受ければ良いのでは?(「3ヶ月の間に通院があるか?→no」になるので通常の団信が通る)と考えます。一度落ちてしまった取扱銀行の保険会社は過去の団信審査の情報を基に断ってくることがあるのでしょうか?

なお、みずほ銀行は私の前年年収が300万以下のため審査で不可となりました。

伊予銀行はワイド団信の取扱がなく夫が審査を受けられません。

アルヒはワイド団信の取扱はあるが連生(夫と妻が連帯債務となる団信生命保険)となる場合はワイド団信では不可とのことです。

回答①ご主人は身の丈を超えてるものの無謀ではないけど奥様の方は無謀です

では、まずこの住宅ローンが無理なく返済できるのか?というところから検討します。千日は「無理なく完済できる住宅ローン」をシミュレーションするために、4つのルールを提唱しています。

  1. 毎月の返済は手取り月収の4割以下でボーナス払いなし
  2. 返済額が一定になる元利均等返済方式
  3. シミュレーションの金利は固定金利
  4. 定年時のローン残高は1000万円以下

これをざっくりあてはめて無理なく返済できる住宅ローンの金額をマトリックス表にすると以下のようになります。
(単位:万円)

 年齢/月収 15万 20万 25万 30万 35万 40万
25歳 1997 2663 3329 3995 4661 5327
30歳 1997 2663 3329 3995 4661 5327
35歳 1997 2663 2972 3535 4125 4714
40歳 1997 2357 2630 3043 3550 4057
45歳 1768 2029 2263 2515 2934 3354

夫婦共働きのペアローンを前提にするのであれば、以下のようになります。

  • 夫:借入2770万円(上記の表では2515万円から3043万円)
  • 妻:借入1000万円(上記の表では1997万円から2357万円)

それぞれがレンジ内にになります。

しかし、それぞれ単独で考えるとレンジを超えてしまいますね。ペアローン(連帯債務、連帯保証)での住宅ローンを考える際、ベストなのはお互いが全額の住宅ローンを返済できるという状態です。

従って、私としてはあまりお勧めしない感じです。夫の方は少し身の丈を超えていますが、定年を延長するとか妻の収入で繰上げ返済するなどすれば、完済は不可能じゃありません。無謀とまでは言えないです。

しかし、妻の場合は単独での完済するのは「無謀」です。

ご質問の主旨としては「夫婦としてどうか?」ということだと思いますが、夫婦はしょせん他人です。今後、夫婦を続けられないと判断する可能性はゼロではありません。

ご主人は身の丈を少し超えているが無謀とまでは言えないです。しかし奥様の方は無謀です。

あくまでそれぞれが独立した個人であるという前提でお答えするとこうなります。ご主人の単独での住宅ローンに出来るのであれば、そうしておいた方がリスクは少なく済むでしょう。

共働きの場合は夫婦それぞれの月収を合算したくなりますが、本当にそれを合算して良いのか?一度立ち止まって考える必要がありますよ。あくまで夫婦はそれぞれ別の人間です。

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ペアローン、連帯保証については千日のブログで一般的な考え方を書いておりますのでご一読ください。

ペアローン連帯保証(債務)の記事一覧|千日のブログ

回答②:フラット35で団信無しなら夫の単独債務がお勧め

ご主人がワイド団信で奥様が一般団信で、ペアローンが組める住宅ローンは?というご質問ですが、私の知る範囲ではお答えできません。あるかもしれませんが、そこまでの条件を一般にHPなどで公開してないためです。個々の金融機関に直接相談されることをお勧めします。

もし、このまま団信なしでフラット35で借りるのであれば、夫の方にリスクを集中させておくことをお勧めします。夫に万が一があったとき以下の2つから選択できるからです。

  • 夫に万が一の場合、残債を奥様単独で返済できるなら相続する。
  • 夫に万が一の場合、残債を奥様単独で返済できないなら相続放棄する。

単なる収入合算ということであれば、連帯して債務を負うことになります。夫に万が一があった場合、自動的に妻の方に債務がやってくることになります。

もし、ご主人の病気が年内に完治して一般の団信に通過するのであれば、連生団信ということになりますので、夫婦どちらかに万が一があった場合には全額の住宅ローンがゼロとなります。

なので今のところは、ご主人が早期に完治して、来年にはフラット35の一般の団信に加入できることを見越した策になっているということです。

回答③:保険会社はあくまでその時点の告知に基づいて審査を行います

告知書で問われる内容は、おもに以下の3つですね。

1.最近3ヵ月以内の通院歴の有無
2.過去3年以内の手術、または2週間以上の治療歴の有無
3.障害の有無

引受保険会社では、申込の都度、その告知書に書いた情報をもとに審査を行います。もしも年内に持病が完治し、保険会社の定める告知書で告知する必要が無くなれば、その項目はクリアとなります。

そもそもこんな簡素な告知書で健康リスクを網羅的に把握できるとは、彼らも考えてはいません。

なので、一般的に保険会社は“疑わしきは罰する”という方針で審査します。つまり、書かれていない情報からは推定できないリスクを最大限重めに設定して、審査結果を出すのです。

過去の結果のような、書かれていない情報まで引っ張りだせば、よりきめ細かい判断が出来るのでしょうが、そこまでは費用対効果でやっていないと思われます。

また、他のご相談者の中には過去に大病を患い一般団信に入れずにワイド団信で住宅ローンを借りていたが、借り換えを機に一般団信でトライしたところ、晴れて受かったというケースもあります。

こちらの方はその後、一般団信の住宅ローンに借り換えられました。

https://jutakuloan-muryousoudan.com/2017/11/02/wide-danshin-karikae-jutaku-loan/

なので、これが最後と思わずに、その後の借り換えも考えて住宅ローンを決めることをお勧めします。

団信については千日のブログでも一般的な考え方を書いておりますのでご一読ください。

団信についての記事一覧-千日のブログ

特にフラット35で最初に連帯債務、連帯保証で住宅ローンを組むと、フラット35からフラット35への借り換えをするときには、簡単に連帯債務、連帯保証をはずすことが出来ません。

前半でも書きましたが、単独で借りられるのであれば、出来るだけ単独にしておくことをお勧めします。

以上、参考になれば幸いです。

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