住宅ローン減税をフルに受けて完済する人の最適住宅ローンとは?

2020年2月17日

住宅ローン減税が終わった直後に完済する人のベストチョイスを徹底比較

年収と年齢でベストな住宅ローンは概ね決まります。当ブログでは、年収、年齢別のランキングを毎月更新していますね。しかしそれに当てはまらない人も居ます。それは即金でも買える貯蓄があるけど、あえて住宅ローンを借りる人です。

住宅ローン減税で当初の10年間は借入残高の1%が所得税等から還付(キャッシュバック)されるのです(消費税10%からは13年間)。

今の住宅ローンの金利は1%未満ですから払う利息よりも、住宅ローン減税で返ってくる税金の方が大きいということで、逆に儲かっちゃうんですよね。

そこで、以下の方法で完済するのが最もトクする方法ということになります。

  1. 住宅ローン減税のある間はできるだけローン残高を減らさないよう、繰上げ返済はせずに貯蓄を温存する。
  2. 住宅ローン減税が終わったら期限前に全額繰り上げ返済してしまう。


このような方法でベストな住宅ローンは?意外と誰も買いてないみたいなんで、千日のところにご相談が来ました。

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相談:10年固定の金利最安か、融資手数料の最安か、どっちが一番安く完済できるの?

お忙しい中大変失礼いたします。住宅ローンをどこにするか悩んでいる所で、こちらのサイトにたどり着きました。

様々な情報大変勉強になります。貴重な情報をありがとうございます。素人で大変申し訳ありませんが、どうか相談させてください。

家族の年齢と年収 夫44歳【3月で45歳になります】・妻44歳・長女13歳・長男9歳、年収は夫婦で1150万円(夫【正社員】1030万円・妻【パート】120万円)
自己資金の額 4300万円
物件価格 4300万円
物件のタイプ 中古戸建て
借入予定額 4000万円
住宅ローン 変動金利は今後の金利状況が心配なので、10年固定(35年返済)で検討中です。
現在、審査が通っているのは、auじぶん銀行(10年固定0.59%【1月金利】)、みずほ銀行(10年固定)、その他、三菱UFJ銀行【10年固定0.7%・3年固定0.39%】、住信SBIネットREAL、楽天銀行、新生銀行【各変動金利】の審査が通っています。
相談内容 住宅ローン控除フル活用、10年後一括返済で考えると、控除分・金利支払い分を含めてその場合、元利均等、元金均等どちらで申し込むのが良いでしょうか。
また、数日前に気がついたのですが、ソニー銀行、楽天銀行、新生銀行が手数料が安いです。金利は若干高いものの、こちらの方が10年後に一括返済を考えると最終的に良い(お得)のかも。。と 自分で細かくシュミレーションできなくて困っています。

かき集めれば即金で購入できる現預金があるので、預金連動型の東京スター銀行なども考慮に入れましたが、、自分にとってどこが一番良いのか結局わからなくなっております。

金額にしたら僅差かもしれませんが、どちらが良い(お得)か迷っています。自分で細かくシュミレーションできなくて困っています。どうか千日先生助けてください。ご教示ください。

回答①:手数料の安い銀行は、金利かリスクが高い仕様になっています

あまり表に出ないことですが、住宅ローンの手数料がすごく安い銀行は金利面で少し高いだけでなく、リスクも高い傾向があるのです。

ソニー銀行の「住宅ローン」は手数料が一律43,200円ですが、その代わりに金利が少し高いですね。さらにソニー銀行の変動金利には5年ルールと125%ルールの適用がありません。つまり、金利が毎月見直されて、金利が上がると毎月の返済もすぐに上がるのです。

ただし、ソニー銀行は変動から固定への金利タイプの切り替えがネットでリアルタイムにできます。自分でリスクをコントロールしてくださいね、という仕様なんですね。

楽天銀行の「住宅ローン(金利選択型)」は手数料が一律324,000円で少し割安ですが、その代わり金利はメガバンクなどよりも少し高い設定です。加えて変動金利には5年ルールと125%ルールがありません

新生銀行の「パワースマート住宅ローン」は手数料が108,000円でこれも割安ですが、金利はメガバンクよりも少し高い設定です。加えて変動金利には5年ルールと125%ルールが無く、さらに6か月後から金利が0.3%上がる仕様になっています。さらに借入元本が500万円未満になるとさらに金利が0.4%上がる仕組みになっています。

ただ、今回のご相談者は10年固定金利で、10年後には全額繰り上げ返済するので、上記の金利変動リスクは無いので、金利が少し高いという点だけ注目して比較すれば良いですね。

10年固定金利で、金利の安い銀行と手数料が安い銀行を比較してみましょうか。

(単位:円)

金融機関 金利 手数料or保証料 戻り 差引
auじぶん銀行 0.59% 864,000 0 864,000
三菱UFJ 0.70% 806,400 299,680 506,720
ソニー銀行 0.93% 43,200 0 43,200
楽天銀行 1.112% 324,000 0 324,000
新生銀行 1.00% 108,000 0 108,000
東京スター 0.85%(0.504%) 864,000 0 864,000

注:東京スター銀行の10年固定金利は0.85%ですが、ローン残高と同額の預金を預けておけば利息はキャッシュバックされます。その代わり「メンテナンスパック」という団信等の支払いが別途必要となります。この費用はローン残高の0.504%です。このメンテナンスパックが実質的に利息のようなものになります。

三菱UFJ銀行だけが「保証料」です。10年後に全額繰り上げ返済すれば、その時点の残高に相当する保証料が返金されることになります。なので差引で506,720円が正味の費用になります。

それ以外は全て「手数料」です。繰上げ返済しても返金されることはありません。

東京スター銀行は金利としては0.85%ですが、これはキャッシュバックされるので、実質的に費用となるのは、メンテナンスパックの料率0.504%ということになります。

  • 金利として一番低いのは、じぶん銀行か東京スター銀行ですけど、借入費用が多いですね。
  • 借入費用で一番安いのはソニー銀行ですが、金利は高めですよね。

では、どれが一番安くなるのか、実際にシミュレーションして、横ぐしで比較えみましょう。

回答②:10年後に全額繰り上げ返済する比較シミュレーション

共通の前提条件としては、35年元利均等返済ボーナス払いなしで、10年後に全額繰り上げ返済するというものです。

東京スター銀行については、ローン残高と同額を預金に預けておいて、発生する利息は全額キャッシュバックしてもらい、メンテナンスパックの0.504%だけを払うというプランです。

資金繰りの比較シミュレーション

(単位:万円)

4千万円35年 auじぶん 三菱UFJ ソニー 楽天 新生 東京スター
毎月返済 11 11 11 12 11 11
利息戻り 0 0 0 0 0 -3
メンテナンスパック 0 0 0 0 0 2
10年後残高 2,940 2,955 2,987 3,011 2,996 2,976
住宅ローン控除 342 343 345 347 346 344

資金繰り面ではそんなに有意な差は無いですね。

無理なく返済できると思います。ただし東京スター銀行については現在の手持ちの預金をほぼ全て東京スター銀行に集めなくてはなりません。

また、預金を引き出しは自由ですが、ローン残高を下回るとその部分に金利がかかるということになります(とは言っても十分に安い金利ですが)。

借入費用の比較シミュレーション

(単位:万円)

4千万円35年 auじぶん 三菱UFJ ソニー 楽天 新生 東京スター
印紙 0 0 2 2 2 2
登録免許税 4 4 4 4 4 4
保証料 0 81 0 0 0 0
事務手数料 86 3 4 32 11 86
司法書士報酬 10 10 10 10 10 10
全額繰り上げ返済 0 3 0 0 0 0
合計 100 101 20 48 27 102

上は100万円超、下は20万円と幅ひろいですね。これだけ見るとソニー銀行か新生銀行だろう、と思うでしょう…

こういう言い方をするということは、正解はそうじゃないってことです(笑)。では支払総額のシミュレーションを見てみましょう。

総支払額の比較シミュレーション

(単位:万円)

4千万円35年 auじぶん 三菱UFJ ソニー 楽天 新生 東京スター
借入費用 100 101 20 48 27 102
10年返済額 1,265 1,289 1,339 1,380 1,355 1,201
10年後残高 2,940 2,955 2,987 3,011 2,996 2,976
保証料戻り 0 -30 0 0 0 0
住宅ローン控除 -200 -200 -200 -200 -200 -200
合計 4,106 4,115 4,146 4,240 4,178 4,079
順位 2位 3位 4位 6位 5位 1位

そんなに大きな差が付いたわけではないですが、ソニー銀行と新生銀行は下位に甘んじる結果となりましたね。

むしろ手数料が高い東京スター銀行、auじぶん銀行が僅差で首位となり、三菱UFJ銀行は保証料の戻りがあるので、金利が少し高いですが3位につけるという結果になりました。

しかし、どれも僅差です。この上位3つでどれにするか?ポイントをまとめておきましょう。

auじぶん銀行はガン50%保障が無料で付帯

auじぶん銀行は三菱UFJ銀行とKDDIの共同出資による戦略子会社です。

ガンと正式診断された場合に住宅ローンの残高の50%を保険会社が銀行に払ってくれるという「ガン50%保障」が金利上乗せ無しで付いてきます。なのでガン50%団信を加味するとauじぶん銀行が一位になります。

三菱UFJ銀行の「ネット専用住宅ローン」は今後金利が下がる可能性大

三菱UFJ銀行のネット専用住宅ローンは国内初、ネットだけで住宅ローンの契約が完結する住宅ローンです。

ネット銀行は申込はネットでも、契約は紙に書いて押印して郵送するんですよ。三菱UFJ銀行は電子署名の認証を行うセコムトラストシステムズの技術を活用し、その電子証明書で個人認証ができるようにしています。

三菱UFJ銀行はこのIT投資を回収するためにネット専用住宅ローンの利用を増やさなければならないのですが、目下メガバンクの中では住宅ローンを他行に奪われてしまっているのです。

これから、巻き返しを図ってくることは明らかです。ネット専用住宅ローンの3年固定と10年固定については、今後さらに下がる可能性が高いと予想しています。

3年固定と10年固定はさらに下がる☟

あと0.01%でも三菱UFJ銀行の10年固定が下がると、一位は三菱UFJ銀行になります。現時点で3位だからといってパスすると後悔することになるでしょう。

東京スター銀行は金利が上がった方がトクする⁉

預金があるなら東京スター銀行ですが、ちょっと他とは違うポイントがあります。東京スター銀行は、金利が上がった方がトクするのです!

ローン残高と同額の預金があれば利息を払うことはありません。つまり金利は上がっても下がっても利息はゼロ円です。

違ってくるのはローン残高の減るスピードです。元利均等返済では金利が高いほど、支払額に占める利息が大きくなりますよね。つまり、前半はローン残高の減りは少なくなり、後半になると大きくなります。

ということは、住宅ローン控除の面で、金利は高い方がトクになりますよね。ローン残高が大きい方がトクなわけですから。

  • 利息は払わない。
  • 住宅ローン控除は受ける。

こういうことですので、東京スター銀行の場合は、金利が高い方がトクをするのです。なので、もし金利が上がったときの保険として東京スターでも審査を通しておくことをお勧めします。

ただし、ご相談者のケースでは中古住宅で1年ごとの上限が20万円で頭打ちとなっていますので、東京スター銀行のメリットを十分に享受できていないですね。新築で住宅ローン減税の上限が40万円であれば、よりメリットを得られます。

回答➂:10年固定にこだわらなければ、最適の住宅ローンは三菱UFJ銀行の3年固定

最後に千日太郎としてお勧めの住宅ローンを書いておきましょう。意外にも10年固定ではなく、3年固定です。

  • 10年のうち3年間の期間は固定されていて、しかも、変動金利よりも低金利です。
  • 4年目以降の金利は今と同じ基準金利ならば0.625%と低金利です。
  • もし上がったとしても、住宅ローン減税で1%はキャッシュバックがあり守られています。

当初固定金利というのは当初の期間が終わったら金利の引き下げ幅が減ってしまい、金利が上がるのが普通ですが、三菱UFJ銀行の3年固定は当初の3年後は基準金利から1.85%引き下げです。

今の変動金利の基準金利が2.475%なのでそこから1.85%引き下げということは、0.625% ということですね、十分に低金利です。さらに三菱UFJ銀行の変動金利には5年ルールと125%ルールがありますので、金利が上がって支払に窮するということはありません。

1位の東京スター銀行、2位のじぶん銀行と並べて三菱UFJ銀行の3年固定を比較してみました。

総支払額の比較シミュレーション(元利均等)

(単位:万円)

4千万円35年 auじぶん10年固定 東京スター10年固定 三菱UFJ3年固定
借入費用 100 102 101
10年返済額 1,265 1,201 1,255
10年後残高 2,940 2,976 2,935
保証料戻り 0 0 -30
住宅ローン控除 -200 -200 -200
合計 4,106 4,079 4,061
順位 3位 2位 1位

やはり、というか当然ですが、三菱UFJ銀行の3年固定が最も少なくなりますね。

10年で完済するベストチョイスは三菱UFJ3年固定
では元金均等返済ではどうなるか?やってみましょう。なお、東京スター銀行は元利均等返済のみですので、じぶん銀行と三菱UFJ銀行で比較を行います。

総支払額の比較シミュレーション(元利均等VS元金均等)

元利均等返済とは、元金返済額と利息の合計が均等になるように毎月の返済額を決める方式です。

元金均等返済とは、元金返済額が毎月均等になるように毎月の返済額を決める方式です。ですから最初は元本が大きく利息が高い分だけ、前半の返済額は多くなり、後半は少なくなります。

また、変動金利の5年ルール、125%ルールは元利均等返済の場合に適用となるルールです。元金均等返済の場合は、変動金利で金利が上がったら、その月から毎月の返済額も上がります。

元金均等返済の方が元本を早く減らすことが出来るので、利息の負担が少なくなるのは元金均等返済です。しかし、住宅ローン減税は元本が多い方がトクなので、住宅ローン減税があるという前提では、さほど両者に差はありません。

(単位:万円)

4千万円35年 auじぶん10年固定 三菱UFJ3年固定
借入費用 100 101
70歳まで返済額 1,345 1,330
70歳残高 2,857 2,857
保証料戻り 0 -30
住宅ローン控除 -200 -200
合計 4,103 4,058

スクロールして元利均等返済と比較してみてください。3万円ほど元金均等返済の方が少なくなりました。本当に僅差ですね。

これくらいの差ならば、毎月の返済額が一定になる元利均等返済にしておく方が良いと思います。10年後に絶対に完済するとは限りませんよね、変動金利でそのまま借り続けるかもしれません。

そのときに、5年ルールと125%ルールの適用ができないことになるので、元金均等返済を選ぶメリットは無いと思いますよ。

以上、参考になれば幸いです。