自己資金ゼロで住宅ローンを組むならフラット35より10年固定?

2017年10月26日

住宅ローンを開始してから住宅資金を貯めるって?

家を買うのに必要なのは十分な自己資金と冷静な判断です。フルローンで住宅ローンを借りるのは構いませんが、自己資金ゼロで住宅ローンを借りるのはお勧めできません。

まず、自己資金が少ないと審査が厳しくなりますし、金利の高い不利な条件での住宅ローンしか選べなくなってしまうことが多いからです。

最近は北朝鮮問題で長期金利が再び大きく下がって、フラット35の金利が下がっています。2017年5月の金利は1.06%~1.08%に下がるでしょう。

しかしフラット35は頭金を10%入れないと金利が高くなってしまい、この低金利のメリットを享受できないんです。

住宅ローンは35年の長い船旅のようなものです。一度スタートしたら、売却するか、完済するまで終わらせることは出来ません。

十分な準備が必要なのです。

自己資金が少ない状態で家を買うのは極めて危険です。しかし、全く方法が無いわけでもありません。

では、今日のご相談者です。

広告

相談:フルローンでフラット35を借りようと思いますが有利な方法はありますか?

こんにちは。千日さんのブログで色々勉強させていただいてます。

先週自分の希望にあった中古住宅がみつかり、購入を考えています。

住宅ローン関係の過去ブログを読みあさりました。だいたいの住宅ローンの組み方のイメージはついたのですが、色んな銀行のHPをみていくと混乱してきてしまい、どの商品がいいのか分からなくなってきました。

そこで千日さんにアドバイスをして頂きたく、ご連絡差し上げました。どうぞ、よろしくお願いします。

  • 物件金額:2,850万円
  • 貯金:200万円(頭金50万円)
  • 夫:28歳 会社員
  • 妻:専業主婦
  • 子供:未就学児1人

住宅ローンは固定金利で組もうと思っています。できればフラット35がいいのですが、諸費用(火災保険や仲介手数料他)の手持ちがないのでこちらも借りなくてはいけないのです。

一応、不動産屋さんが付き合いのある金融機関に仮審査をしてくれるそうなのですが、特に特別金利などでもないので、できれば少しでも金利や手数料が安くすむ所で借りたいのです。

不動産会社の提携ローンを借りる場合の手数料は以下のとおりです。

  • 登録免許税40万
  • 火災保険30万
  • 固定資産税10.8万
  • 印紙代2万
  • 仲介手数料99万
  • 銀行保証料80万
  • 銀行手数料5万
  • 中古住宅瑕疵検査料と保険8万
  • その他シロアリ駆除と検査で修理が必要な場合の費用で18万

合計約300万円ほどです。幸い千日さんのこちらの記事にあるような高額な住宅ローン代行手数料などは無いようです。

運悪く悪い不動産屋に当たってしまったらどうする?

私は個人的に中古住宅保険に加入やシロアリ駆除など必要はあまりないと思うのですが、、、そもそもが中古住宅だし、、、主人は入居してから何かあったら嫌だから保険には入りたいということでした。修理費の見積もり次第で加入しようかと思います。

不動産会社の提携ローンは滑り止めと考えています。本命としては、アルヒのフラットαを使用して10割融資を受けるのがいいのか、フラット35の10割融資を受けるのがいいのかで悩んでいます。

私達に合った商品を勧めていただきたいく存じます。お忙しい中お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願いします。

 

回答:自己資金が少ない状態でのスタートはお勧めしません、強いて言えばフラット35よりも10年固定です

ではお答えしていきますね。フラット35を第一候補に考えておられるのは良いと思います。今は北朝鮮問題で不安定な時期ですが、長期金利が低いのでフラット35の超長期の住宅ローン金利が安いタイミングです。

しかし、既にご存知通りフラット35は物件価格の10%の頭金を入れないと金利が高くなってしまうのですよね。

フラット35はとても有利な選択ですが以下の場合には、民間金融機関の方が有利となります。

  • 団信に加入する場合
  • フルローンの場合

今回は後者に該当します。

 

自己資金ゼロでフラット35を借りるならばアルヒのフラット35アルファですがお勧めしません

ごく一部の例外を除き、住宅ローンは同じ銀行でなければ借りられません。住宅ローンの金利が安いのは対象の不動産に第一順位の抵当権の設定を受けるからです。

別々にすると、どちらかが第二順位になりますからね。

フラット35アルファはアルヒが第二順位で住宅ローンを貸すという仕組みです。

フラット35のお金は住宅金融支援機構が貸しますのでそこに第一順位の抵当権を設定します。10%と手数料込みで借りると高くなるのは、アルヒが第二順位で貸すからです。

その代わり、金利が高い方のフラット35アルファの方を繰上げ返済していけば、高い金利の利息を抑える事が出来ます。

しかしお勧めしません。

手持ちの貯金が少ないからです。できるだけ残そうとしても家を買うと、引越し費用だけでなく、色々と想定外のお金が出て行きます。

思いのほか貯金を減らしてしまう、又は必要な資金が足りなくなるということが考えられます。そんな時に病気など想定外のアクシデントが起きると、初めから躓いてしまうリスクがあるのです。

金利変動リスクよりも大きなリスク

フラット35にしたいという理由には、今後金利が上がったらこわいな、という危機感があるからだと思います。

しかし、金利変動リスクよりも、手持ちの資金が少ない状態で少ない選択肢から高い金利を払って住宅ローンを組む方が遥かに高リスクですよ。

薄々お気づきかもしれません。本来の準備が不足している状態で35年の長い船旅に出航しようとしている状態なんですね。

ですから、まずは貯金を貯めることが先決です。

リスクを負いたくないという心の声に従うなら、手付金の50万円は捨てて家計を見直し、貯金を貯めることをお勧めします。

 

金利変動リスクを取るという選択

今ある貯金を減らさず、どうしてもこの家が欲しいのであれば、10年固定です。

10年間は金利が固定されていますので、その間は金利が上がることで支払いが増えることはありません。

そのかわりに10年経過したら、その時の金利になります。上がっている可能性もあります。しかも、優遇幅は当初よりも少なくなってしまいます。

なので、10年後に金利が上がった場合に備えて「多額の繰上げ返済資金」を貯蓄しておく必要があります。

つまり、この「多額の繰上げ返済資金」というのは今まで貯蓄できないでいた、マイホーム購入の自己資金に相当する貯蓄です。

今は、準備は出来ていません。ですから、10年後に向けて準備を開始するんですよ。

 

10年固定とフラット35の比較

借入金額は3,000万円とし、二つのパターンを比較します。

  • 三井住友信託10年固定:当初10年0.55%
  • フラット35で頭金なし:1.56%

10年固定の考え方については10年後に金利がどうなっても問題ないという貯蓄を行うことが条件です。

(単位:円)

支払額で比較 10年固定
0.55%
フラット35
1.56%
差額
毎月返済額 78,540 92,740 -14,199
10年支払額 9,424,839 11,128,752 -1,703,913
住宅ローン控除 -2,000,000 -2,000,000 0
差引支払 7,424,839 9,128,752 -1,703,913
10年後残高 22,009,260 23,025,931 -1,016,671

シミュレーションの大前提として、毎月の返済を手取り月収の4割以内にすることをお勧めしています。

住宅ローンのセオリー

年収550万円の手取りを27万円ほどとすると、どちらも可能ですよね。

しかし、毎月の返済が1万4千円も違ってきます。当初の10年での合計は170万円も違ってくるんですね。さらに10年後の残高は10年固定の方が101万円少ないです。

少ない支払いで多くの借入を減らせるということです。合計で270万円の差が生じるんですね。

これと引き換えに10年から先は、その時の金利が適用されることになります。つまり10年後の残高を十分に減らせる貯金を貯めておく必要があるということです。

もしも、この残高を半分にできる貯金があればどうでしょうか?年間110万円の貯金です。今の収入であってもボーナスに手を付けなければ可能な貯金額です。

「金利が上がったら心配」であれば、金利が上がっても心配の無い貯蓄をこの10年で作れば問題ありません。

金利の変動リスクはどうしようもありませんが、自分が貯蓄をするというのは、自分のことですから自分でコントロールできる要素です。

まとめ

緊迫した北朝鮮情勢の不安から長期金利がかなり下がっていますので、金利という面では良いタイミングなのですが、この10年固定金利を選ぶにしても、前払いの保証料が必要となります。

親からの援助又は借りることはできませんでしょうか?

住宅資金を直系尊属から援助してもらう場合は、省エネ住宅では1,200万円、それ以外でも700万円まで非課税枠が拡大されています。

ただ、頭金が無いから貸してほしいというのではなく、家計を見直した上で、ちゃんとした返済計画を示せば可能性はあると思いますよ。

以上、参考になれば幸いです。