即金で買える現金があっても住宅ローンを借りるべき理由 東京スター銀行

2017年10月26日

借金は悪か?ならば住宅ローンも悪か?

借金はダメだ。

確かに借金は「金銭消費貸借契約」というもので、お金を借りるために利息というお金の使用料を払う必要があります。「他人の褌で相撲を取るな」「利息なんてカネを捨てるようなもんだ」こういう考え方は至極まともであると思います。

ただ、私は住宅ローンに関しては「例外的に良い借金だ」と思っています。

まず、単純にお金を借りるのではなく、その一方に家という資産の存在があります。この負債は他人の褌ではなく、自分の家の見合いとして負う責任です。このバランスシートを維持することが出来る人は、家を建てるために多くの人に仕事を与え、そこに定着することで地域の活性化にも寄与するようになります。

住宅ローン控除という制度は家を購入する資金の借入金に対してその人の税金を軽減する制度ですね。詳しくはコチラの千日メソッドをどうぞ。

税金のセオリー

なぜ借金をして家を買う人の税金を軽減するのか?

負債を負ってでも住居を建て、その地域に定着してもらうことの方が、その人から税金を取るよりも国や地域社会にとってプラスになるからです。この制度によって、当初の10年は住宅ローンを借りておくことでかえってお金が儲かってしまうような状況になっていますね。

社会も自分も両方が潤う仕組みです。

イヤ、それでもわざわざ銀行に利息を儲けさせる理由はない。

借金を負うこと、そのもののリスクも見逃せない。

それでも色々な方法があります。では、今日のご相談者です。

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相談:資金を出す父と祖父から即金で買うべきと強く言われています

千日さん、はじめまして。

新築戸建てを設計しており、秋に着工が始まります。自分がサラリーマンであることを踏まえ、現金で支払うか、住宅ローンを組むべきか悩んでおります。

家族構成と年収

4人家族です。

  • 私33歳(年収500万)
  • 妻32歳(専業主婦)
  • 子ども 4歳、1歳

資金

貯金2000万円(自己資金+贈与済み分)に加えて住宅取得贈与1200万円、合計で3200万円の自己資金があります。即金で購入可能です。

2600万円(建築費用+付帯工事)の新築戸建てを建設予定。土地は今後相続のため、諸費用のみで取得予定。

住宅ローン控除のために借金してはならないという父と祖父

2600万円のうち、1200万は住宅取得による贈与支払いのため、1400万円の支払い方法について検討しています。自己資金で一括で払うか、住宅ローンを組むかです。

箇条書きでまとめると下記のとおりです。

  • 私は低金利で住宅ローン控除もあることから、住宅ローンを借り、自己資金を投資信託などで無理なく運用していきたいと考えている。
  • 私の年収が低く、収入源が私のみであることが不安。様々なリスクがあると思いますが、一括で払い、利息不安をなくすべきか?8大疾病など保障を重視するべきか?
  • 贈与ですでに受け取っている資金は祖父・父が住宅購入に充てるために準備してくれた資金で、住宅ローンを組む場合、説得する裏付けが必要。お金は借りてはいけない!という考えの持ち主です。
  • 1400万円の住宅ローンは、抵当権や事務手数料を考えると割高になるのではないか?
  • ローンを組む場合、どんなローンを組むべきか?

実は今週の土曜日に父と相談することになっております。お忙しいと思いますが、質問に回答していただければ幸いです。宜しくお願いします。

回答:東京スター銀行の預金連動型住宅ローンという選択

お答えします。冒頭に述べた考え方が、お金があっても住宅ローンを借りるべきと考える「道理」です。しかし、それでも借金そのものを毛嫌いする人はいると思います。そこで、今回ご提案するのが東京スター銀行の預金連動型住宅ローンというものです。

預金連動型住宅ローンの商品のメリットは3つあります。

  • 預けた預金が繰り上げ返済と同じ利息の節約効果がある。
  • ローン残高が減らないので住宅ローン控除の恩恵も得られる。
  • 預金はいつでも引き出し可能。(仕組み預金など特殊なものを除く)

つまり、リスクの面で「借金」という要素は皆無なんですよね。だって、利息は払わないですし、ローン残高はありますから住宅ローン控除は受けられます。預金は拘束されることなく、いつでも引き出し可能です。

とても魅力的な住宅ローンなんですけど、適用金利が少しお高めというデメリットがあります

《2017年7月東京スター銀行適用金利》

金利タイプ 固定期間 基準金利 引き下げ後の金利
変動金利型 6カ月 2.4% 0.8%
固定金利型 3年 2.8% 0.8%
5年 2.85% 0.85%
10年 2.95% 0.95%

※スターワン住宅ローン契約月までにスターワン口座を開設すれば、当初固定期間中は『引き下げ後の金利』が適用され、その後は『基準金利』-1.60%となります。

少しお高めな金利は、預金残高を増やすことによってゼロにしてしまえば関係ありません。何しろ即金で購入できる現金があるのですから。

ただし、これだけじゃありません。東京スター銀行には借入残高の0.3%から0.702%の料率となるメンテナンスパックというサービスがあり、必ずどれかを利用しなければならないという『縛り』が存在します。

《メンテナンスパック一覧表》

メンテナンス

パック1

メンテナンス

パック2

メンテナンス

パック3

メンテナンス

パック料率

0.504% 0.702% 0.3%
返済休暇
入院時の保証 ×
死亡・高度障害時

の保証(団信)

×
ガン団信 × ×

※返済休暇とは…返済開始2年目からいつでも、最長36ヵ月間まで、元本返済額を1円まで減額することができる。
※入院時の保証とは…病気やケガで入院すると、入院費用保険金10万円が支払われる(日帰り入院も対象)。入院期間がローンの返済日を含む場合は、当月の返済額相当額も支払われる。
※死亡・高度障害時の保証(団信)とは…死亡・所定の高度障害になったとき、または余命6ヵ月以内と判断されたときに、住宅ローン残高に相当する保険金が支払われる。
※ガン団信とは…医師によりガンと診断された場合、住宅ローン残高に相当する保険金が支払われる。

このメンテナンスパックは預金によって減るということがありません。借入残高満額に対してかかってきます。利息だけでなく、これも加味してシミュレーションする必要があるのです。なお、シミュレーションでは、基本的に「メンテナンスパック1」を選択します。通常の団信が含まれており、民間の銀行の住宅ローンを比較する場合は、これが一番近い保障を提供してくれます。

当初固定の10年で完済するシミュレーションでは即金より23万円も得

借入期間は35年で借りますが、実際には10年後に住宅ローン残高を一括繰上返済するというシミュレーションを行いました。

  • 10年固定でトップクラスに金利が低い住信SBIネット銀行の当初10年固定0.66%
  • 東京スター銀行の預金連動型の10年固定0.95%(メンテナンスパック1(団信)0.504%に加入)
  • 借りずに1400万円支払う

(単位:円)

預金連動型の方は、常に利息がゼロ円になるということですね。元利均等返済するペースで元本が減っていき、その元本に対して「メンテナンスパック1」の料率0.504%が発生します。なので、毎月の返済は元利均等でも一定にはなりません。

虎の子の貯金を温存しつつ、10年固定最安の住信SBIネット銀行よりも少ない支払いで住宅ローンを完済できました。しかも、1400万円を借りたはずなのにトータルの支払いは1377万円で済むということです。リアルに23万円のキャッシュが増えます

なお、両行とも、契約時に支払う事務手数料は借入額×2.16%です。これに抵当権の登録免許税0.1%と印紙税の2万円、抵当権を設定するために追加でかかる司法書士報酬3万円を支払って初回支払額は366,400円という計算です。

これを加味しても、借りた方が少なくなります。つまり、1400万という住宅ローンとしては少額のローンであっても現金で住宅を購入するよりも、住宅ローンを借りたほうが、返済額が少なくなるということです。

東京スター銀行の真のメリットは貯蓄を残せるというオールマイティな「保険」にある

旦那様だけの収入であるため、病気にかかった場合の保障についてもご心配があるようですね。しかし、わたしは一番オールマイティな保険は預貯金だと思っています。

住信SBIの全疾病保障というのは確かに画期的な商品です。しかし、保障の対象は病気やケガの場合に限られます。また、日本国民であれば全ての人が加入している健康保険にある「高額医療費制度」と「傷病手当金」でほぼ想定されているリスクはカバーできるようになっているんです。

家を買うときに残すべき貯金の最低額はいくら?

また、団信の疾病保障ではトラブルに巻き込まれて多額の賠償を命じられるとか、リストラにあって収入が下がるとか、そういったリスクはカバーしていませんが、その点預貯金はオールマイティですよね。

  • 健康保険制度のセイフティーネットを利用しつつ、1400万の貯金を確保できる。
  • 団信生命保険で死亡時最大1400万円の保険に加入できる。

このように、健康上のリスクだけでなく、より広範囲なリスクに対して自分と家族の人生を守る方法が与えられているんです。これはひとえにご両親とご祖父母に作っていただいた住宅取得資金のおかげだと思います。感謝ですよね。

住宅ローンを借りる金融機関で預金を持っておけば、金融機関が破たんした場合に相殺可能

万が一、金融機関が破たんした場合に、預金保険で保護される預金の額は一般預金では合算して1千万円までですね。つまり、1千万を超える預金は預金保険で保護されないということになります。

しかし、保護の範囲を超える預金等に関する具体的な対応策として、預金者からの相殺という方法があります。

例えば今回のように東京スター銀行に対して1400万円の預金がある場合でご説明しましょう。相殺しないと、預金のうち1000万円までは保護されますが、これを超える400万円については一部カットされた上に住宅ローンだけが残ることになります。

しかし、400万円と住宅ローンのうち400万円を相殺すれば、預金と借入金がともに消滅し、住宅ローンの繰上げ返済のようになります。つまり、預金保険の保護対象外になっている400万円の一部カットを免れたのと同じ効果が得られるんですね。

この相殺は預金者が金融機関の破たん後に手続きをすることが必要で、自動的に行われるわけではありません。その手続きの方法は破たん発生時の広報活動を通じて預金者に通知されることになっています。

参考:万が一金融機関が破綻した場合-預金保険機構

まとめ

確かに「借金そのものがリスクである」という考え方はあると思います。しかし、資産を持つこともまた、リスクなんですよね。住宅ローンを借りて家を持つには、疑似的な貸借対照表(冒頭の図)を自分でグリップしていくことが必要です。

お金を出してくれるご両親の意見は、最大限、尊重すべきであると思います。しかし、この選択の責任を名実ともに負うのは自分自身ですよね。

今回は、東京スター銀行という特定の金融機関についてお勧めしておりますが、メールという限られた範囲で知り得た内容から私が最適と考えたものであり、これが絶対的に最適であることを保証するものではありません。あくまで、ご自身の判断によるべきものである点をご了承ください。

今回ご提案させていただいたことが、その助けになることを祈っています。

以上、参考になれば幸いです。