アルヒスーパーフラット「8」と京都銀行35年固定1.2%どっち?

京都銀行はフラット35よりも長期固定金利が低金利

フラット35は国内で最も長い期間の固定金利で住宅ローンを借りられます。『35年間の金利を固定する』実はこれって民間銀行にとって簡単なことではありません。35年間なんて期間は、誰にとっても未知の期間です。

なので仕組みとして国(住宅金融支援機構)が取り扱っているフラット35が最も低金利を出せるはず、なのですがまれに民間金融機関がそれを凌ぐ低金利を出しています。メガバンクではみずほ銀行、地銀では今回の京都銀行などです。

ほぼ、金利の上では同じなのであればどちらが得なのか?比較してみましょう。

では今日のご相談者です。

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相談:アルヒスーパーフラット8と京都銀行の35年固定のどちらを選ぶべきか?その決め手は?

こんにちは。楽しくブログ拝見しています。このたび建売住宅を購入することになりました。住宅ローンは全期間固定35年で組みます。( 安定志向の私は変動は怖いです)

年齢・年収・自己資金・物件価格など

主要な条件 内容
居住予定の家族の年齢と年収 世帯主42歳 年収家族構成不詳
自己資金の額 1000万円
物件価格 4000万円から4200万円(手数料など込み)
物件のタイプ 建売戸建て住宅(引き渡しは来年2月末~3月頭)設計の段階でかなり色々と注文を付けているので注文住宅みたいになっていますが…
借入予定額 3000万円
住宅ローン 京都銀行35年固定 1.2%|アルヒスーパーフラット8 1.27%|京都中央信用金庫35年固定 1.2%
相談内容 フラット35は賃貸に出せるので魅力を感じているが、不動産屋さんは何かと理由をつけてお勧めしてくれない。中立の立場からアドバイスをいただきたい。

相談:スーパーフラット8か京都銀行か?悩み中

千日さんが書かれている通り、 不動産屋さんはフラット35はお勧めしてくれません。??( 検査手数料15万ほどかかるとか、なんとか言ってます)
しかし今、 私が一番気になっているのがアルヒスーパーフラット35なのです 。

計算してみると地銀の1.20% とアルヒさんのフラット35ではそんなに変わりがないように思えます。どこかに落とし穴的なものがあるのでしょうか?

こちらの記事を読んで、フラット35はローン残高があるのに賃貸に出せるっていう部分に魅力を感じています。

フラット35の知られざるメリットと銀行や営業マンがなぜお勧めしないのか?プロが答えます-千日のブログ

地銀でも交渉次第では賃貸に用途変更出来るのでしょうが。。。??千日さんならどちらで借りますか?アドバイスお待ちしています。

回答①:返済総額では京都銀行が有利

私の方でも比較をしました。シミュレーションの前提は以下のようなものです。

《前提条件》

  • 35年元利均等返済、ボーナス払いなし
  • 定年時(60歳)の18年後に一括返済

毎月の返済額と60歳残高の比較

(単位:円)

京都銀行1.2% アルヒスーパーフラット「8」1.27% 差異
毎月返済 87,510 88,512 -1,002
60歳残高 16,141,787 16,232,866 -91,079

両者に大した変わりは無い印象ですね。60歳の残高は1千万円以下にすることが千日メソッドです。

オーバーしていますので、定年時に向けて繰り上げ返済資金を計画的に貯蓄していかなければ、人生の後半のリスクが高い住宅ローンとなるでしょう。

総支払額での比較

本当の総支払額ではなく、京都銀行とアルヒスーパーフラットで差異が生じる部分だけを抜き出して比較を行いますね。

《差異が生じるもの》

  • 京都銀行では保証料がかかる、全額繰り上げ返済で払い戻しもある。フラット35では保証料はゼロ円。
  • 京都銀行の融資手数料は54,000円(税込み)、アルヒスーパーフラットの手数料は融資額×2.16%(税込み)。
  • フラット35には建物の技術基準を審査する物件検査手数料がかかる。京都銀行では不要。

(単位:円)

京都銀行 アルヒスーパーフラット8 差異
返済額計 35,043,947 35,351,458 -307,511
保証料 618,600 0 618,600
保証料払戻 -81,930 0 -81,930
融資手数料 54,000 648,000 -594,000
フラット35物件検査手数料 0 150,000 -150,000
合計 35,634,617 36,149,458 -514,841

(注)保証料の払い戻し額は公表されていません。以下の借り換えと金利交渉のセオリーのページの一覧表を参考にしています。

借換と金利交渉のセオリー

総支払額で比較すると、京都銀行の方が50万円ほど少なくなるという計算ですね。フラット35物件検査手数料はご相談者の不動産会社の営業マンの言い値で、これは少し高めになっていると思いますけど、結果がひっくり返ることは無さそうです。

つまり、総支払額では京都銀行の方が安くつくということです。

両方審査に通しておいて直前に決める

千日のブログで書いているように、フラット35は支払額だけで測れないメリットがあります。

  • 賃貸に出せる唯一の住宅ローン。
  • 絶対に金利が上がらない唯一のローン。(民間銀行は固定でも上がる可能性はゼロではない)

特に、賃貸に出せるというのは私の知る限り、民間金融機関ではありえません(交渉の余地なし)。転勤族でやむを得ず転居する可能性が高く、賃貸の需要が高い立地であるならば、ある程度考えておく感じですね。

私ならば、それよりも民間金融機関とフラット35では金利の決まり方が違うという点に注目します。

民間金融機関の住宅ローン金利の決まり方

民間金融機関は、金融市場から資金を調達してます。そして自分の利益を乗せて我々に住宅ローンを貸しているので、金利の変動リスクを負っています。

しかし、金融市場の長期金利というのは、なかなか読みにくいんですよ。

銀行自身も金融市場に参加していますが、市場総体としてどんな動きになるのか?ある程度の法則や理論はあるものの、センセーショナルな事件に対してヒステリックに反応することもあり、一筋縄ではいかないのです。

つまり、その銀行がどんな予想をするのか?によって変わってきます。

また、営業戦略として赤字覚悟で金利を下げることもあれば、黒字化のために金利を上げてくることもありますので、市場の金利動向とは違う動きをすることだってあります。

フラット35の金利の決まり方

フラット35は住宅金融支援機構という国が運営する団体が債権を買い取る又は返済を保証するという形になっています。銀行は融資事務を代行して右から左に資金を流すだけですから、固定の手数料を取るだけです。そして住宅金融支援機構は国の出先機関ですから、これも固定的な経費を取るだけです。

つまり、債券市場の金利がダイレクトに反映しやすい仕組みになっています。

しかも、翌月の金利の元になる機構債の表面利率が発表されるのは20日前後ですから、まえもってかなり正確に金利を予想することができます。

千日のブログでは毎月20日前後に翌月のフラット35の金利を予測していますので、たまにのぞいてみてください。

フラット35金利予想-千日のブログ

引き渡しが来年の2月から3月の頭であれば、まだ金利が動く可能性もあり、完全にひっくり返る可能性もあると思います。今の時点でどちらかを決めるよりは両方審査を通しておいて、柔軟に変更できるようにしておくことをおすすめします。

引き渡しは2月か3月かどちらかを選べるようにしておくこともおすすめします。2月の20日前後で3月に金利が下がることが分かれば、3月のはじめに延期することも可能になりますので。

回答②:フラット35Sの適用があれば返済額の面でスーパーフラットがお得

省エネルギー性、耐震性、バリアフリーなどに優れた住宅を取得してフラット35を借りると、当初の10年又は5年間、0.25%引き下げになるのがフラット35Sです。満たすべき性能基準の厳しさで引下げの期間が変わってきます。

この技術基準に達していれば、現時点の金利水準であってもアルヒスーパーフラット8の方が有利となります。実際に比較してみましょう。

毎月の返済額と60歳残高の比較

アルヒスーパーフラット8でフラット35Sの金利プランA(当初10年の金利が0.25%引き下げ)となったケースで比較します。

(単位:円)

京都銀行 1.2% アルヒスーパーフラット8S 1.02%→1.27% 差異
毎月返済 87,510 84,965 2,545
87,539 -29
60歳残高 16,141,787 16,054,107 87,680

当初の10年間の金利は京都銀行より低くなるので、毎月の返済額も少なくなります。60歳残高については、あまり違いは出てきませんね。

総支払額で比較

先ほどと同じ前提で総支払額での比較を行いました。

(単位:円)

京都銀行 アルヒスーパーフラット8S 差異
返済額計 35,043,947 34,653,651 390,296
保証料 618,600 0 618,600
保証料払戻 -81,930 0 -81,930
融資手数料 54,000 648,000 -594,000
フラット35物件検査手数料 0 150,000 -150,000
合計 35,634,617 35,451,651 182,966

スーパーフラット8Sとなることで、総支払額では京都銀行の場合よりも18万円ほど安くなりました。

建売であっても、ある程度仕様変更することで「S」の条件を満たすのであれば、順位が逆転することもあるということです。不動産屋としては、フラット35を勧めたくないということもあり、こうした助言を行っていないのかもしれませんね。

仕様を変更している部分で、バリアフリーや省エネなどがあればひょっとしたら今でも「S」の要件を満たしているかもしれません。確認してみてはどうでしょうか。

以上、参考になれば幸いです。