ソニー銀行の2年固定の満期の後はどうすべきですか?

2019年3月29日

金利が上がってきている…もう一度2年固定で様子見か長期固定か?

ソニー銀行の住宅ローンはいつでも金利タイプを変更できます。

  • 変動⇒固定:無料で24時間いつでも変更可能。
  • 固定⇒変動や異なるタイプの固定:固定金利適用期間中は所定の変更手数料がかかることがあるが24時間いつでも変更可能。

変動から固定は問題ないですね。問題は固定から変動や異なるタイプの固定に変更する場合です。

所定の変更手数料がかかることがあるのですが、場合によっては無料になります。

計算方法はHPで公表されてますが、これ普通の人は読んでもピンと来ないんですよね。そこで千日が研究し、重要な部分はソニー銀行に電話で聞いて、ほぼ全てを明らかにしました。

こちらです。

ソニー銀行の金利タイプ変更手数料の仕組みと裏技の全てを分かりやすく解説します-千日のブログ

これを読めば、ほぼソニー銀行の攻略法が分かるというものです。

ちょっとややこしいですので、手っ取り早く結論を言いますと、そんなに美味しい話は無いということです。基本的に銀行が絶対に損をしないようにできています。

  • 銀行に払う利息が増える借り換えは無料。
  • 銀行に払う利息が減る借り換えは減った分だけ有料。

要するにこういうことです。では、今日のご相談者です。じわじわと長期金利が上昇に転じてきている今、ソニー銀行の2年固定の満期が近くなってきました。


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相談:ソニー銀行の2年固定金利で借りています。これからの返済はどうすべき?

居住中の家族の年齢と年収 家族構成:夫 45歳(会社員) 年収 570万
妻 46歳(公務員)年収 700万←名義人
子 7歳、5歳
当初借入額 不詳
物件のタイプ 新築マンション
当初借入日 2012年
借入残高 3490万円(うち500万は独身時代に購入したマンションの残高なので住宅ローン控除の対象外)
現在の住宅ローン 35年元利均等返済
ソニー銀行2年固定0.708%
相談内容 来月12日に2年固定の満期を迎えますが、適用金利が少しずつ上昇する中で長期固定にするべきか、短期固定で様子を見るべきか悩んでいます。
残期間は約28年ですが、住宅ローン控除が終わる2022年から5年毎に繰り上げ返済を行い、定年を目標に完済したいと思っています。

2年前に三菱東京UFJ(35年固定、1.075%)からソニー銀行の住宅ローン(固定2年、0.708%)に借換したという経緯があります。

せっかく借換したのに以前の金利より上がるのも決断が難しいです。結果論にはなりますが、借換えをするなら、別の銀行で全期間固定を選ぶのがベストだったのかもしれません。

アドバイスお願いします。

回答①:40代からなら定年までの固定期間で考えます

そうですね、2年固定にしたのは間違いだったかもしれません。

銀行の住宅ローンの金利タイプには、確かに「当初固定金利」という商品があります。この中で10年固定よりも短い期間の当初固定金利は一般的に利用者側にとってのメリットが薄い商品であると思っています。

利用者にとっての固定期間の考え方

利用者にとって金利は固定するか固定しないか2つに1つです。その中間というものは有りません。

  • 固定するなら全期間固定金利。
  • 固定しないなら変動金利。

これが私の考え方です、シンプルなんです。その上で、当初固定金利を選ぶ人には2通りのケースがあるのです。

  • 固定期間の間に定年で完済してしまうから当初固定金利でよい。
  • 住宅ローン控除の10年だけ固定できれば良くて、その後は大量繰り上げ返済や借り換え、買い替えも考えている。

つまり、10年以内に定年退職になる人でない限りは10年よりも短い期間の当初固定金利を選ぶ合理性は無いのです(あくまで千日の私見ですが)。

銀行にとっての固定期間の考え方

これに対して銀行の方は小刻みに色んな年数の当初固定期間を用意します。

何故なら、銀行には住宅ローン控除なんて関係ないですし、そもそも定年という概念も無いですよね。

色んな固定期間の商品で利息を受け取れるようにして収益面の多様性を確保しておいた方が良いのです。

つまり、銀行が様々な年数の当初固定金利のラインナップを用意するのは、顧客のためではなくて、自分のためなんです(あくまで千日の私見ですが)。

回答②:定年までの年数(15年固定)か10年固定かどっちか?シミュレーションしてみる

では定年までの固定期間にするか10年固定にするかで、どう違ってくるのか?シミュレーションしてみましょう。

《前提》

残り28年元利均等返済ボーナス払いなし

資金繰りのシミュレーション

(単位:円)

3490万円 10年固定0.911% 15年固定1.181% 差異
毎月返済 117,718 122,038 -4,320
10年後残高 23,443,596 23,736,319 -292,723
60歳残高 18,560,821 18,888,556 -327,735
住宅ローン控除 1,100,900 1,104,200 -3,300

毎月の返済は4千円ほど違ってきます。それ以外は大きな違いではないように思います。ここでは10年固定と15年固定の違いというより60歳の残高が1000万円を大幅にオーバーしていることが問題ですね。

今から繰り上げ返済資金を計画的に貯めていかなければ、老後にしわ寄せがやって来ます。

総支払額のシミュレーション

(単位:円)

3490万円 10年固定0.911% 15年固定1.181% 差異
10年返済額 14,126,160 14,644,560 -518,400
10年後残高 23,443,596 23,736,319 -292,723
住宅ローン控除 -1,100,900 -1,104,200 3,300
合計 36,468,856 37,276,679 -807,823
14年返済額 20,502,384
60歳残高 18,888,556
住宅ローン控除 -1,104,200
合計 36,468,856 38,286,740 -1,817,884

10年固定と15年固定の比較は次のように考えます。

  • 10年で全額繰り上げ返済するなら、15年固定よりも10年固定が80万安くつく。
  • 10年固定を10年で繰り上げ返済する場合と、15年固定を60歳で繰り上げ返済する場合を比較すると10年固定の方が181万安くつく。

さすがに10年で2000万もの貯蓄となるとかなりハードルが高いかもしれません。二人のお子さんの学費もありますもんね。

しかし、旦那様の今後の年収の増加が期待できるのであれば、不可能な金額でも無いように思います。

金利に左右されない当初固定金利(変動金利)の考え方

どうしても金利の方に目が行きがちですが、金利は銀行に握られています。我々が握っているのは残高の方です。

こちらもご一読ください。

住宅ローン10年固定金利で10年後の金利に左右されない方法を教えます-千日のブログ

また、当初固定金利が終わった時点でどれだけ金利が上がっていたら、どれだけ繰り上げ返済すれば良いのか?という目安はこちらをご一読ください。

変動金利で住宅ローン金利が上がったら繰り上げ返済すべき金額の一覧表-千日のブログ

金利変動リスクを取らずに安全を取るのであれば、15年固定です。借り換えする前の三菱東京UFJ銀行の金利よりも高くなりますが、それまでの間安い金利(2年固定)で借りられているのでそこまで気に病む必要はありません。

これからも金利変動リスクを取るのであれば、10年固定がオススメです。当初の三菱東京UFJ銀行の金利よりも低いですし、しっかり定年で完済するための貯蓄をしていれば10年後の金利変動リスクにも繰り上げ返済で対応できるでしょう。

以上、参考になれば幸いです。

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