年収1000万で7000万超の住宅ローンを変動金利で借りても大丈夫?

2018年4月27日

住宅ローンの残高が大きくなると、金利変動リスクにも注意!

 

年収と年齢によってある程度、無理なく返済できる住宅ローンを見積もることが出来ます。ルールは以下の4つです。

  1. 毎月の返済は手取り月収の4割以下でボーナス払いなし
  2. 返済額が一定になる元利均等返済方式
  3. シミュレーションの金利は固定金利
  4. 定年時のローン残高は1000万円以下

しかし、1と4については平均的な年収を念頭に入れた場合の目安なんですよね。

月収の4割、定年時残高1000万円、というのは、サラリーマンの平均的な収入をベースとしたときの一定のラインですが、平均的な収入を超えている人にそれを機械的に当てはめるべきではありません。

今日のご相談者は年収が約1000万円で、すこし金額の高い住宅ローンを変動金利で借りようと検討中の方です。

  1. 住宅ローンの金額が妥当か?
  2. 金利の変動リスクに対応できるか?

この2点がポイントになってきますね。ではどうぞ。

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相談:返せそうな住宅ローンですが、少し厳しいのでボーナス払いを検討しています

ローンに関するアドバイスを頂けますと幸甚です。

居住予定の家族の年齢と年収 夫32歳/妻32歳共働き
夫年収:約950万円/妻年収:約800万円
子どもはいないが今年含めて早めに欲しい。その場合、妻は産休休暇を取得。保育園が見つかり次第、時短勤務→フルタイム勤務で仕事は続ける予定。
自己資金の額 500万円
物件価格 7300万円
物件のタイプ 中古マンション(関東圏人気エリア)
借入予定額 7300万円
住宅ローン 住宅ローンは最も安い変動金利のネット銀行で、30年ローンを想定しています。
相談内容 ローンを組むにあたりいくつかの書籍を読み込みましたが、メリットデメリットあれど固定金利を推奨するものが多く迷い始めています。
また、できればボーナス払いにしたいと思っていますが、どうでしょうか?

今後のライフプランとしては夫婦ともに同じ職場ですが基本的には現在の年収は一定キープできるものの、定年まで勤める社員が少ない会社であり、どこかのタイミングでの転職可能性があると想定しています。

マンションは築10年ですが人気エリアのタワーマンション×駅徒歩2分であり、何かあれば売却できるでしょう、という軽い考えがあるのも事実です。

回答①:住宅ローンの借入額は妥当ですが借入期間と返済方法は再考の余地あり

住宅ローンの借入額が妥当かについては、資金繰りの面からシミュレーションして確認してみたいと思います。

冒頭に書いたように、手取り月収の4割、60歳定年残高1000万円という物差しは妥当ではありませんので、直接毎月の返済額と60歳残高を確認してみます。

借入期間は最長の35年にする

共通するセオリーとしては返済期間は最長の35年とします。これは毎月の返済額のハードルを低く抑えるためです。定年までに完済するために、繰り上げ返済を行うということが前提となります。

定年までの期間に対して、借り入れ期間が長すぎると、繰り上げ返済のノルマが大きくなるので、良くないのですが、ご相談者の場合はまだ若いので定年までの年数28年と借入期間35年との間にはそれほどの開きは無いものと思いました。

ボーナス払いはオススメしません

また、ボーナス払いはあくまで無しとします。

最長35年として420回の支払いをクリアすれば終わるのが住宅ローンです。

ボーナス払いを入れるということは、35年で合計420回の支払いに加えて、1年に夏冬2回で合計70回の支払いを加えることになります。ということは合計490回です…難易度がハネ上がるのです。

また、景気が悪くなって会社が赤字に転落しそうになったら、黒字を維持するためにまず真っ先にカットされるのがボーナスです。経営者の立場に立って考えてみたら、35年の住宅ローンの返済を、ボーナスが出る前提で計画するなんて『あり得ない』ことなのです。

ボーナス払いは少額に抑えれば大丈夫?という人もいます。しかし本当に『少額だ』であれば、毎月の返済額に均してしまえばもっと少額になります。ボーナス払いにしなければ…と思うのは、その金額が今の自分にとって少額ではないからです。

固定金利と変動金利の比較シミュレーション

では、返済期間35年、元利均等返済、ボーナス払いなしという前提条件で固定金利と変動金利でどう違ってくるのかを比較してみましょう。

  • 固定金利:みずほ銀行35年固定1.28%
  • 変動金利:住信SBIネット銀行0.457%

(単位:円)

7300万円 みずほ35年固定1.28% 住信SBI変動0.457% 差異
毎月返済 215,731 188,113 27,618
10年後残高 55,360,780 53,319,963 2,040,817
60歳残高 17,324,414 15,548,487 1,775,927
住宅ローン控除 2,000,000 2,000,000 0

毎月返済は許容範囲内

年収950万の手取り月収を40万から50万の間とすれば、毎月の返済は十分に許容範囲内と思われます。

固定金利の場合、半分以上が住居費になるのはバランスとしては偏っていると言えますが、奥様の収入も考えれば、十分なゆとりがあると思います。

60歳残高も許容範囲内

60歳の残高が1000万を超えていますが、1000万としているのは年収400万円~600万円のケースを中心としているためです。単純に現時点の年収との比率で考えれば無理のない60歳残高になっていると考えられます。

総支払額での比較

(単位:円)

7300万円 みずほ35年固定1.28% 住信SBI変動0.457% 差異
60歳まで返済額 72,485,616 63,205,968 9,279,648
60歳残高 17,324,414 15,548,487 1,775,927
住宅ローン控除 -2,000,000 -2,000,000 0
融資手数料/保証料 1,504,530 1,576,800 -72,270
保証料戻り -25,550 0 -25,550
合計 89,289,010 78,331,255 10,957,755

1095万円の差異がありますが、ただ変動金利には金利の上昇リスクがありますので、これ自体は絵にかいた餅です。

回答②:金利変動リスクに対応できるか?は繰り上げ返済できるか?による

金利の変動リスクに対応できるのか?

については、以下のように言い換えることができます。

繰り上げ返済によってどれだけローン残高を減らして毎月の元利均等返済額を現状のまま維持できるか?

千日のブログで、こちらの記事を公開しています。つまり、幾ら金利が上がったらいくら繰り上げ返済すれば、毎月の返済額を維持できるかの表です。合わせて確認してください。

変動金利で住宅ローン金利が上がったら繰り上げ返済すべき金額の一覧表-千日のブログ

本件に特化した形で一覧表を作りました。残期間ごとの残高を7300万円の借入から割り出しています。

(単位:万円)

7300万借入から金利上昇したら繰上返済すべき金額
残期間 30年 25年 20年 15年
残高 6333 5343 4327 3285
0.5%→1.0% 450 315 208 118
0.5%→1.5% 849 604 402 233
0.5%→2.0% 1216 871 584 342
0.5%→2.5% 1545 1117 753 443
0.5%→3.0% 1843 1346 913 542
0.5%→3.5% 2122 1555 1060 634
0.5%→4.0% 2369 1753 1203 723
0.5%→4.5% 2597 1934 1333 808
0.5%→5.0% 2812 2100 1458 890

可能性として想定しておかなければならないのは赤色の部分です。

当初の10年で1117万円から1545万円を繰り上げ返済できる貯蓄が作れるのであれば、

7300万円の住宅ローンを変動金利で借りた場合の金利変動リスクにもある程度対応できるでしょう。

まとめ

このまま金利が上がらなければ1095万円変動金利の方が有利になります。

10年後に2.5%に上がったら、1117万円繰り上げ返済してそれ以降、同じ支払を維持できます。

これはどういうことかというと、

10年後に2.5%に上がるのなら、1117万円と1095万円の差である約22万円、固定金利の方が有利ということです。

住宅ローン控除のある10年の間に相当の金額(11百万円から15百万円)の貯蓄を作れるというのであれば、金利変動リスクを取ってもよいですが、そこに不安がある、というのであれば大人しく固定金利で借りておくのが良いということになるでしょう。

今回シミュレーションに使用した住信SBIネット銀行はマネープラザという実店舗での案内もしていて、現在はキャンペーン中ですね。ネット銀行は基本的にメール、電話、郵送でのやりとりになるので、書類の不備があると、それがどんな些細なものであっても手戻りになるのがネックなんです。

それが実店舗で対応してもらえるのでこれは良いサービスだと思います。

以上、参考になれば幸いです。