フラット35で頭金1割あるか無いかで大きく違う!住宅財形は解約までに日数が必要
フラット35で低金利で借りるには最低1割の頭金が必要です
フラット35は金利動向が不安定な時期に住宅ローンを借りる人に、まずオススメしたい住宅ローンです。特にオススメする理由は、金融市場の金利変動の影響を政府が食い止めてくれるというものです。
例えば2018年においてはおおむね1.38%(団信込み21年以上35年以内)で推移すると予想しているのです。
日銀はイールドカーブ・コントロール政策で10年国債市場に介入して債券の利回りを0%程度で推移させるように操作していますが、住宅金融支援機構もまた、フラット35の金利が安定推移するよう操作をしているというのが千日の推理です。
千日のブログでもフラット35の金利予想をしていますが、2018年のフラット35の金利は今のところこの予想通りに推移している感じです。
そのほかにも、以下のようなメリットがあります。
- 借入後に何があっても金利が変動しない唯一の住宅ローン。
- 借入後に賃貸への転用もOKになっている唯一の住宅ローン。
フラット35の知られざるメリットと銀行や営業マンが何故オススメしないのか?に答えます-千日のブログ
ただ、このフラット35を適用するには1割の頭金が必要なんですよね。これが、意外と高いハードルとして立ちはだかっているのが実情なんですよ。
頭金が1割無い場合にもフラット35を借りることは出来るのですが、がくっと金額が上がってしまうのです。
2018年3月フラット35 | 頭金1割以上 | 頭金1割未満 |
---|---|---|
期間15年以上20年以内 | 年 1.290% | 年 1.730% |
期間21年以上35年以内 | 年 1.360% | 年 1.800% |
また、1割の頭金を別で借りるという方法もありますけど、その時の金利がまた高いんですよね…だいたい変動金利で優遇なしなので2.5%くらいからなんですよね。
なので、1割の頭金を用意できること。これが凄く大事なんですよね。では今日のご相談者です。
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相談:フラット35リノベで今のところ1割の頭金がありません
2018年4月からリノベの当初金利優遇が0.6%から0.5%
フラット35「リノベ」2018年4月から金利引き下げ幅0.5%になるが、適用範囲は拡大します! -千日のブログ
またリノベに3か月ほどと言われており、
居住予定の家族の年齢と年収 | 本人(40歳、公務員、年収1300万、手取60万/月、定年65歳) 妻(43歳、パート、年収100万、4月から0) 子(7歳、6歳、3歳) |
自己資金の額 | 貯金320万(住宅財形) |
物件価格 | 中古戸建て 2700万(値引き交渉中) リノベーション 1500〜2000万 |
物件のタイプ | 中古戸建てをリノベーションします |
借入予定額 | 約4130万円(フラット35の9割融資) |
住宅ローン | 財形住宅金融株式会社のフラット35リノベ(金利B、リノベ次第で金利A?) 4000万30年 融資手数料(1.1%)¥440,000アプラスローン(頭金1割入れるため) 450万15年 金利2.25% 融資手数料 ¥132,000財形住宅金融株式会社 4月から7月までのつなぎ融資 金利1.81% 手数料¥55,000 利息半年で¥362,000 |
相談内容 | 65歳(定年)時のローン残高が728万となりました。 35年でフラットを組むと定年時の残高が1000万をこえたので30年としましたが、月々の返済が高くなり、やや気になっています。 住宅財形は融通がきくと思い込んではじめてしまい、今になって後悔しています。 全額頭金に使わないと税優遇は受けられないのですね。そこは曖昧にして考えていました。中古戸建て購入にかかる諸費用(仲介手数料など)に現金が必要なのですが、それらに住宅財形をあてることは可能でしょうか。 上記の住宅ローンに関してコメントいただけると助かります。 よろしくお願いいたします。 |
回答:住宅財形貯蓄の解約には不動産売買契約書が必要になりそこから解約まで一定の日数が必要です
住宅財形貯蓄の金利には税金がかからないという優遇があるのですが、それを受けるには住宅財形で貯めたお金を家の購入代金に使わないとダメなんですよ。
それ以外の用途で使うことも出来るんですが、そのときにはさかのぼって利息から税金を取られることになります。
ですから、住宅財形貯蓄については、利息の税優遇がありますけど、家を買うときに使わなければ損ですね。
しかしこの住宅財形、解約にあたっては面倒なことに、不動産売買契約書のコピーが必要なんですよ。つまり、これによって家を買おうとしていることの証明ですよね。でもってそれを提出してからすぐ出してもらえるわけではなくて、銀行の締め日、支払日のルールに従うことになります。
つまり、これは場合によるわけです。「住宅財形」という言葉だけで見ると、家の購入のために使えば問題ないかのように思えますけど、実際の事務の取り扱いとしては、そうでは無いんです。
少なくとも手付金には使えません(契約書がまだ無いから)し、頭金でも間に合わないケースもあるんです。そういう場合は、いったん頭金を借りた後、解約した財形貯蓄でもって繰上げ返済するということになります。無駄ですよね。
今回の場合は、リノベ工事をしますし、引き渡しまでに数か月ありますから、まず間違いなく頭金に使うことは出来るでしょう。
ただ、住宅の引き渡しは来月ということになりますから、仲介手数料に使えるかどうか?というのは個別に確認してみてください。
回答:引き渡しまでにできるだけ貯蓄をしましょう
ザックリですが、2700万円の中古住宅の取得と住宅ローンにかかる費用は少なく見積もって10%ほどです。とすると、2700万×10%=270万円ですね。住宅財形として貯めていたお金は、ほぼこの手数料に消えるということになります。
家の購入、そしてリノベというと、表面的に見積もる以外にもこまごまとした支出がかさみます。
また、リノベについてはどうしても、当初の予算には収まらず、足が出てしまうものです。
なので、今のところ、アプラスで頭金450万と予定されていますが、よほど削減していかない限りはこれ以上になってしまう可能性が高いと思います。
また、毎月の返済が厳しい感じがするのは、やはりこの頭金の借り入れがあるためです。年収から推測しますと、ボーナスも合わせれば数年で完済できると思われます。
ただ、そういう計画とされていない理由として、別の支出が家計を圧迫しているのでしたら、一度この機会に見直しされることをお勧めします(保険でしょうか?勝手な推測ですが…団信がありますので思い切ってリストラされることをお勧めします)。
回答:無理のない住宅ローンの額を計算するためのセオリーは高額所得者には当てはまりません
年収と年齢によってある程度、無理なく返済できる住宅ローンを見積もることが出来ます。ルールは以下の4つです。
- 毎月の返済は手取り月収の4割以下でボーナス払いなし
- 返済額が一定になる元利均等返済方式
- シミュレーションの金利は固定金利
- 定年時のローン残高は1000万円以下
しかし、1と4については平均的な年収を念頭に入れた場合の目安なんですよね。
月収の4割、定年時残高1000万円、というのは、サラリーマンの平均的な収入をベースとしたときの一定のラインですが、平均的な収入を超えている人にそれを機械的に当てはめるべきではありません。
手取り月収の4割というのは、平均的なサラリーマンの月収を前提にした場合の目安です。
- 月収が少ない人にとってこの4割は高いハードルになるでしょう。
- 逆に月収が高い人にとっては比較的低いハードルです。
定年退職時のローン残高というのは、今の時点から無理なく現実的に貯蓄できそうな金額である必要があるんですよね。そういうところから、概ね1000万円と言う数字が導き出されるということです。
なので、一律に1000万ということではなく、自分の現時点の収入のレベルや定年までの年数によっても違ってくると思います。
なので、35年返済でも問題ないと思いますよ。
- 本体のフラット35リノベは当初10年は繰り上げ返済せず粛々と約定の返済をしていく。
- 頭金のアプラスは15年で借りるが、積極的に繰上げ返済して数年で完済を目指す。
私ならばこうしたプランで行くと思います。
ただ、現時点で小さなお子さんが3人いますので、今後の学費のことは別途考えておく必要があると思います。ここは、今からは読めない部分ですね…!
《追記2018年9月28日》
フラット35の頭金の裏ワザについて記事を書きました。こちらも良かったら読んでください。
フラット35の頭金の現金が無くても低金利で借りられる?裏ワザ教えます |千日のブログ