50代からパートと年金収入だけで完済を目指す住宅ローン

2018年10月11日

今後増えるであろう50代からの住宅ローンのセオリー

 

50代から住宅ローンを組もうという人は、今後増えてくるのではないかと思っています。というのも人口分布としては第2のボリュームゾーンである団塊ジュニア世代が、あと3、4年すれば50代になります。

そろそろ定年が見えてきたころに、まだ、今のような低金利が続いていたとしたら?「100歳まで生きる時代」です。終の棲家としてあと50年なら、賃貸よりも買った方がキャッシュの総額はまだ小さくなるかも…ということになるんですよね。

もちろん個人レベルで寿命は読めませんが。

今日のご相談者は、団塊ジュニア世代より5歳年上の世代の方です。ご主人に先立たれたあと、パート収入と遺族年金で3人のお子さんとお母さまを扶養されています。この人口減少社会で50代から住宅ローンを借りてマイホームを維持し、完済していくヒントになればと思います。

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相談:50代からの住宅ローンは変動か固定か?早期返済か長く借りるか?

居住予定の家族の年齢と年収 私(51歳)パート収入145万、遺族年金(国から)170万円、遺族年金(亡夫の会社から)60万円。
長男(25歳)正社員300~350万円
長女(23歳)パート収入145万円
次男(15歳)高校1年生
実母(73歳)国民年金のみ 年額50万円くらい
自己資金の額 私(1000万円)実母(500万円)
物件価格 家本体 2000万円
その他(諸費用・解体費用・地盤改良他)500万円
合計 2500万円
物件のタイプ 老朽化による建て替え
借入予定額 1000万円
住宅ローン 地元の地銀でローンは通っています。
変動金利 0.975%(団信込み)28年の返済予定です。
相談内容 変動金利で大丈夫なのかな?という思いもあります。
アルヒのスーパーフラットとかの方がいいのかと思ったりもしております。ちなみにアルヒなら、別途保険に入ってまして団信なしでもOKだと思います。
三年後、次男が高校を卒業したら、年金が80~100万円くらい減る予定です。今は最長年数で返済予定ですが、繰り上げ返済をして早く返した方がいいのか、期間短縮でない減額にして、細く長くのほうがいいのか考え中です。

ちなみに、私自身は非課税なので住宅ローン減税は使えません。長男が契約者なら使えるかもしれませんが、就職して2年目であること、奨学金を返済していること、今後10年ずっと住むかどうかわからない等で、私のみで借りる予定です。

私の条件では、メガバンクやネット銀行は審査で不可のようです。住信SBIもじぶん銀行も口座はもっているのですが、勤務形態(パート)のところでひっかかります。

地銀も、本当はパートは無理だけど、勤め先のグループ企業のメインバンクであり、社会保険に加入、勤続年数も10年超なので、嘱託という形態で審査に通りました。

一般的には、住宅ローン減税が終わってから繰り上げ返済をするのがいいですが、私の場合は、なるべく早く元本を減らした方がいいように思いました。

アルヒがだめなら、地銀で変動金利ではなく、当初固定金利のあるプランの方がいいかもしれません。いろいろシュミレーションをして、考えたいと思います。

回答①:子どもが独立し、保険でもカバーできるなら団信は不要

まずは検討されているとおりに、借入1000万円、期間28年、元利均等返済という前提で以下の二つを比較しました。

このうち、アルヒのスーパーフラット8で団信なしにするというのは、とても理にかなった選択だと思います。

  • 変動金利:地銀0.975%(団信込み)
  • 固定金利:アルヒスーパーフラット8(団信なし)0.99%

普通のフラット35は団信が金利に込みとなっています。そして、団信を無しにする場合は団信込みの金利から0.2%引き下げになります。

しかしアルヒのスーパーフラット8の場合は頭金を2割以上準備することで0.1%金利が引き下げとなる上に、団信を無しにすると団信込みの金利から0.28%引き下げとなります。つまり、普通のフラット35よりも0.18%も低金利となるんですね。

また、フラット35は国がバックについており国民の住宅金融の円滑を目的に行っている事業ですから、メガバンクやネット銀行よりも審査が通りやすいのも魅力です。

金利の確認や仮審査の申込はこちらからどうぞ。

アルヒ株式会社ホームぺージへのリンク

3人のお子さんのうち2人はもう成人されてますし、生命保険でカバーできているのであれば団信は不要です。つまり地銀の変動金利は団信込みとなっていますが、これはオーバースペックです。頼んでもないのに地銀が勝手に生命保険を掛けてるようなものです、度外視して比較します。

回答②:変動か固定か?はリスクの大きさを金額に換算して把握する

では以下の2つをシミュレーションで比較してみましょう。千日は住宅ローンを検討するときに、資金繰り面と支払総額の二つの面から比較をします。

そして、変動金利か固定金利かということは、金利変動リスクを実際に金額に換算してみて決定してもらうようにしています。やってみましょう。

資金繰り面の比較シミュレーション

借入1000万円、期間28年、元利均等返済という前提で以下の二つを比較しました。

  • 変動金利:地銀0.975%(団信込み)
  • 固定金利:アルヒスーパーフラット8(団信なし)0.99%

(単位:円)

1000万円借入 ①スーパーフラット8 0.99% ②地銀変動金利0.975% 差異
毎月返済 34,089 34,021 68
10年後残高 6,741,997 6,737,260 4,737

毎月返済額では68円しか変わらないですよね。それで、地銀の変動金利の方は金利変動リスクがあるんですから、ずっと固定のアルヒスーパーフラット8の方が有利だと思います。どちらも毎月の返済が3万4千円位です。これくらいなら問題なく返済していけますね。

10年後残高は折り返しとして、10年後にはだいたいこれくらいの残高に減っているという目安として見てください。

総支払額の比較シミュレーション

まず総支払額を比較するために、アルヒのスーパーフラットと地銀での借入費用を比較します。

(単位:円)

住宅ローン経費 ①スーパーフラット8 0.99% ②地銀変動金利0.975% 差異
印紙 20,000 20,000 0
登録免許税 10,000 10,000 0
保証料 0 191,370 -191,370
事務手数料 216,000 32,400 183,600
フラット35物件検査手数料 64,800 0 64,800
合計 310,800 253,770 57,030

実際には上記に加えて5万から10万の司法書士報酬がかかります。金融機関の指定する司法書士を使います。全く同じになることは無いですが、そんなに大きくは変わらないはずなので、表からはあえて外しています。

次は支払総額で比較しましょう。

(単位:円)

1000万円借入 ①スーパーフラット8 0.99% ②地銀変動金利0.975% 差異
借入費用 310,800 253,770 57,030
合計返済額 11,453,904 11,431,056 22,848
合計 11,764,704 11,684,826 79,878

28年間の総額で8万円弱しか変わりません。ならば、固定金利(アルヒスーパーフラット8)の方がオトクということになりますね。

変動金利で金利が上がったらいくら繰上げ返済すべきか?シミュレーション

ほぼこれで答えは出たようなものですが、もしも変動金利で借りた場合、どれくらいの金利変動リスクを考えておけばよいのかを確認しておきましょう。

変動金利には5年ルールと125%ルールがあります。

つまり、金利が上がったとしても5年は毎月の返済を変えない。そして一度に上がる毎月の返済額の上限は直前の125%までというルールです。元利均等返済方式にしていれば、このルールの適用がある金融機関が多いです。(これが無い金融機関もあるので注意!)

金利が上がっても返済額が上がらないということは、もし金利が上がったら、底だまりで元本が残ってしまうということです。それは最終回に一括で払うということになります(金融機関によっては応相談というのもあり)。

なので、金利が上がったら、底だまりにならないように繰上げ返済して、そのまま今の返済額のまま完済できるなら安心ですよね。

このシミュレーションは金利が上がったら、毎月の元利均等返済額を今のままで維持しててもちゃんと完済できる繰上げ返済額の表です。

(単位:円)

1000万借入から金利上昇したら繰上返済すべき金額
残期間 23年 18年 13年
残高 841 674 498
0.99%→1.5% 46 29 15
0.99%→2% 88 56 30
0.99%→2.5% 126 82 45
0.99%→3% 162 106 58
0.99%→3.5% 196 129 72
0.99%→4% 227 150 84

1000万円を変動金利0.99%で28年借りたらという前提でしたね。赤色にした162万円というのが何を意味するのか?ということで解説します。

5年後は残期間23年です。その時のローン残高は841万円です。そのときに金利が0.99%から3%に上がったとしたら、162万円を繰上げ返済すれば今まで通りの返済額(毎月3万4千円)で完済できるということです。

変動金利が何パーセントまで上がるか?いつ上がるか?分かりません。それはあえて予想しないんですけど、今の時点でアメリカの長期金利は3%前後です。つまり現実的に3%程度までは金利が上がってもおかしくは無いと考えておく必要があるのです。

もちろん上がらないかもしれません。逆にもっと上がるかもしれません。そこを予測しようとしないことです。

いざというときに162万位は払う覚悟が無ければ変動金利はやめておいた方がいい。

このような把握方法です。

回答➂:返済は貯蓄を温存しつつ「持続可能性」を第一に

50代から住宅ローンをスタートする場合、年金収入で住宅ローンの利息を払い続けるのは恐いということで、何が何でも早期完済しようとするのは、かえって危険だと思っています。

親の介護費用が必要になることもありますし、民間の老人ホームに入るのにも最初にまとまった現金を保証金として納める必要があります。支給される年金が減ることが分かっている状況では、支払う利息の節約よりもまとまった貯蓄を残しておくことの方がより重要だと思っています。

つまり、毎月の返済をある程度低く抑えられているのであれば、住宅ローンの金利で借りておいたほうがお得なんですよね。その住宅ローンの利息はいってみれば、いざというときの貯蓄を確保するために払う保険料です。金利が低い今というのは、その保険料がすごく安いタイミングなのです。

返済期間は長くとり、毎月返済を超安全圏にして細く長くです。

『細く長く』ということは、利息を長く払うということにもなりますので、いわゆる損得勘定の物差しで考えたら損な方法ということになるのですが、家の購入については、損得よりも持続可能性が優先されると考えています。

親からの生前贈与をマックス利用して自分の貯蓄は温存

こうしたポリシーでいくと、今の方法がベストなように見えます。しかし、私としてはすこし懸念が無いでもありません。

自己資金としては、自分1000万円、母500万円としていますよね。自分が1000万円出したことで、貯蓄が減ってしまい、いざという時にノンバンクなどから高い金利で借りなければならなくなったとしたら、本末転倒です。

貯蓄が総額で幾らあるかお聞きしていませんが、親からの生前贈与をメインとして頭金とするべきと思います。

贈与税の軽減措置を上手に利用すべし

消費税率(国・地方)の10%への引き上げ時期が2年半延期され、2019年10月1日に変更されました。これに伴って関連する減税措置を見直し親から住宅資金の贈与を受けた人の贈与税を非課税とする措置も2年半延長し、2021年12月まで続くことになりました。

これによる具体的な非課税の限度額は下表の金額に基礎控除額110万円を足したき金額です。

2016年1月~2020年3月までに住宅の売買契約をして、8%の消費税の適用を受けて住宅を購入した人及び個人間売買で中古住宅を購入した人

良質な住宅用家屋 左記以外の住宅用家屋
1200万円 700万円

2019年4月~2020年3月までに住宅の売買契約をした場合で住宅の引渡が2019年10月1日以降で10%の消費税の適用を受けて住宅を購入した人

良質な住宅用家屋 左記以外の住宅用家屋
3000万円 2500万円

表中の「良質な住宅用家屋」とは次のいずれかを満たすものをいいます。

  • 省エネルギー性の高い住宅(断熱等性能等級4又は一次エネルギー消費量等級4)
  • 耐震性の高い住宅(耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上又は免振建築物)
  • バリアフリー性の高い住宅(高齢者等配慮対策等級3以上)のいずれかの性能を満たす住宅。

ご相談者の場合ならば母親の出すを810万円まで増やし、自分の出す分をそれだけ減らして、相続税と贈与税を節税することが可能なのです。

また、そこまで蓄えが無いというのであれば、あえて自分の出す頭金を減らして借入を増やすというのも合理的な判断です。

賃貸アパートの家賃と同じくらいの支払額になるような借入金に調整

確かに借入が1000万であれば、毎月の返済は3万円台です。四畳半一間のアパートを借りる家賃位の支払いで家族5人住める新築一軒家です。

超安全な老後というイメージですけど、もしこれによって一時的に貯蓄が底を突くのであれば、少しリスクがあります。親の介護が必要となり、民間の介護付き有料老人ホームの平均的な費用(30日換算、要介護3の場合)は28万6千円かかります。内訳は以下のとおりです。

  • 居住費      120,000円
  • 食費       73,500円
  • その他費用    69,000円
  • 介護サービス費  22,701円
  • サービス加算   1,567円

平均的な金額ですので、具体的な費用は老人ホームのホームページで確認して下さいね。そして上記に加え別途、入居一時金として300万円程度のお金が必要です。

持続可能な支払であるうちは、預金を温存しておくことをお勧めします。そうなるともう少し借入を増やして毎月の返済は増やしても良いと思うのですよね。

例えば借入を1500万とすれば、自分の出す頭金を500万円へらして温存できますよね。実際どんなシミュレーションになるのか、やってみました。

資金繰り面の比較シミュレーション

(単位:円)

1500万円借入 ①スーパーフラット8 0.99% ②地銀変動金利0.975% 差異
毎月返済 51,134 51,031 103
10年後残高 10,112,953 10,105,996 6,957

支払総額の比較シミュレーション

(単位:円)

1500万円借入 ①スーパーフラット8 0.99% ②地銀変動金利0.975% 差異
借入費用 423,800 354,455 69,345
合計返済額 17,181,024 17,146,416 34,608
合計 17,604,824 17,500,871 103,953

アルヒのスーパーフラットについてはこちらからどうぞ。







いざというときに対応できる貯蓄を残せているかという側面からも検討してみてくださいね。

以上、参考になれば幸いです。

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