50歳から持病アリ団信なしで無理なく返せる住宅ローンとは?

2018年11月6日

団信加入必須の住宅ローンは借りられない場合どうすればいい?

 

団信(団体信用生命保険)とは、主債務者が死亡や高度障害を負って住宅ローンの返済継続ができなくなった場合に、保険会社がその時点の住宅ローンを銀行に払ってくれる、生命保険です。

民間の住宅ローンでは団信への加入が必須になります。その代わり保険料は銀行が負担します。これに対して公的融資のフラット35は必須ではありません。団信に加入しない場合は金利が0.2%引き下げとなります。

つまり、民間の住宅ローンで「団信ゼロ円」と謳っていますけど、実質的に保険料が住宅ローンの利息に含まれているということです。住宅ローンの利用者全体で平均的に負担しているんですね。

健康上の理由によって団信へ加入できない場合はその条件をいくぶん緩和した「ワイド団信」という商品もありますが、住宅ローンの金利に保険料が上乗せ(概ね0.3%)となります。

なので、健康上の理由から一般団信に加入できない場合は、以下の2択となります。

  • 民間住宅ローンでワイド団信に加入して0.3%上乗せか
  • フラット35で団信に加入せず0.2%引き下げか

千日の基本的なスタンスとしてはこうです。

「団信が必須」というのは民間銀行にとってその方が経済的に有利だからそう言ってるだけであって、住宅ローン利用者にとっては団信は必須とは限らない。

不要とまでは言いませんけど、何が何でも団信が無ければ住宅ローンを借りるべきじゃないなんて考えではないです。

では今日のご相談者です。

広告

相談:50歳、住宅購入について調べはじめた矢先に夫が病気になり、手術をしました

会社からの住宅手当がなくなるとわかり住宅購入について調べはじめた矢先に夫が病気になり、手術をしました。

定期検診も受け、今のところ以前とほとんど変わらない状態で仕事もしておりますが、薬は飲み続ける必要があります。

恐らくこの病気では団信加入必須の住宅ローンを借りることができないと思います。

居住予定の家族の年齢と年収 夫(50歳)1000万円(税込)、妻(47歳)10~70万円(パートタイム)、子供なし
自己資金の額 貯蓄は夫4500万円、妻2000万円。夫の保険が死亡時支払額1300万円あり、また妻の親から上限500万円の援助を受けられる可能性があります。
物件価格 予算4500万円くらいで現在、ネットでどのような相場なのか検索をしている段階です。新築は無理かなと思っている状況です。1年以内に入居を考えています。
物件のタイプ 中古マンション?
借入予定額 病気以前は、漠然と頭金は1500万円~2500万円ぐらいで残りはローンを借りようと考えておりました。2000~3000万円くらい。
住宅ローン 未定です。一応現金で購入できる貯金はありますが、住宅ローン減税の恩恵を得ながら貯蓄は温存し住宅ローンを借りた方が良いのかと考えています。
相談内容 住宅ローンを利用したい場合は、フラット35(団信なし)のみで、ローンの上限は手持ちの生命保険の金額という選択しかないのでしょうか?

また、万が一、夫がローン返済できない状況になっても無理なく返済できる物件金額の上限はどのぐらいでしょうか?

物件タイプは、中古マンションとしていますが、新築マンションであったり戸建となることで物件上限やローンが大きく変わるでしょうか?

転勤のある仕事なので、もし転勤になれば物件を賃貸に出したいと考えています。

いずれマイホームを持ちたいと思っていたのでできる範囲で貯金をしてきたつもりですが、想定外の事態になり戸惑っております。

ローン返済のシミュレーション等あれば非常に助かります。お手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします。

回答①:住宅ローンを借りるのに団信は必須ということは無い

冒頭に書きましたように、団信は別に必須ではないと思っています。フラット35があるという選択肢だけのことではなく、大黒柱にもしものことがあった場合の対処法として、団信だけということは無いからです。

団信=生命保険であり、比較的安価に加入できる保険です。ただ、この保険のポイントはあくまで銀行のために加入する保険だという点なんですね。

  • 加入する期間は住宅ローンを返済する期間だけ。
  • 支払われる保険金は住宅ローンの残高が上限。

大黒柱が倒れることによるリスクって、住宅ローンの返済期間だけじゃないですし、ローン残高は返済するにしたがって減っていきます。つまり死亡により保障されるお金は年齢が高くなるにつれて減るのです。

ご相談者の場合でしたら、以下のような感じですね。

  • 団信に加入する期間はローンを完済する定年時までの10年間。
  • ローンを完済した後に死亡したら保険金はゼロ円。

もしもの時の代替的な保険があるなら、団信にそれほど固執する必要は無いと考えました。

貯蓄もまた保険です

団信に代わる保険としては既に死亡時1300万の生命保険に加入されていますね。そして、忘れてはいけないのが、十分な貯蓄ができていることです。

夫婦合わせて6500万円です。この貯蓄もまた保険ですよね。そもそも現金で購入できる貯蓄があり、住宅ローンはむしろ住宅ローン減税の恩恵を得ることを目的にあえて借りるという考え方です。

なので、団信に加入できないということを、それほど大きく捉えることは無いと思います。もちろん健康については予断は禁物です。これはお金の面だけの話と捉えてくださいね。

回答②:団信に加入しない住宅ローンで有利な方法を模索する

ということで、団信に加入しない住宅ローンで最も有利な選択肢を採るというポリシーで考えてみましょうか。

  • 住宅ローン控除の恩恵を最大限受けられる
  • フラット35の金利が引き下げになる

この二つがポイントになります。

消費増税によって住宅ローン控除の拡充が予定されている

2019年10月に消費税の増税(8%から10%)が予定されています。中古住宅だとこの増税の影響は小さめです。

というのも、土地はそもそも消費税がかかりませんし、建物には消費税がかかりますが、中古住宅ということは売主が個人というケースが多いですよね。個人が売る場合はそもそも消費税がかかりません。

なので、中古住宅を購入する場合に影響があるのは、不動産会社に払う仲介手数料や銀行に払う事務手数料などです。多めに見積もって300万円くらいとしても増税の影響は2%で6万円です。

これが新築の建物代金3000万円とすると影響は2%で60万円ですから、桁が違いますよね。

そういうこともあって、住宅ローン控除も新築と中古では差が付けられています。

  • 通常の新築住宅の住宅ローン控除の上限は1年に40万円です。
  • 中古住宅(売主が個人で非課税)の上限は1年に20万円です。

税金ラボ

なので、現時点では新築の方がお得なんです。

年に40万と20万で10年ですから、最大10年で200万の違いになります。これは大きいですよね。

さっきの消費税増税の差は60万―6万で54万円でしたが、住宅ローン控除の恩恵を考えると、150万円くらい新築の方がお得だったということになります。

2018年12月ごろに住宅ローン控除の拡充の骨子が公表されるのでそれまで待ってみる?

消費増税で消費が冷え込むことを防止するように、消費を促進するように、増税よりオトクになるように、こうした減税をするのです。

ちなみに現在の住宅ローン控除は5%から8%に増税となったときの施策です。

次は8%から10%に増税ですから、さらにこの住宅ローン控除が拡充されることが予定されています。

その減税案の骨子は12月に公表される予定で今はまだ分かりません。

ということは、中古にするか新築にするか、ということについてはもう少し待って、12月にどんな住宅ローン減税の拡充があるか分かってから考えるというのも有りだなと思っています。

フラット35の金利引き下げ制度をうまく利用する

団信に加入しない場合という事は、フラット35となります。金利の引き下げとなる商品、制度を上手に使いましょう。

  • アルヒスーパーフラット
  • フラット35の金利引き下げ制度

アルヒスーパーフラット

フラット35で団信に加入しない場合は通常0.2%の金利引き下げとなるのですが、アルヒのスーパーフラットという商品では0.28%の引き下げとなります。なので、団信に加入しない場合はアルヒをお勧めしています。

スーパーフラットというのは一定の頭金と返済比率をクリアすることでフラット35の金利から0.1%又は0.05%引き下げになるアルヒ独自の商品です。

商品名 (通常のフラット35との金利差) 頭金(手持金) 返済負担率
スーパーフラット8 (金利▼0.10%) 2割以上 30%以内(年収400万円未満) 35%以内(年収400万円以上)
スーパーフラット9 (金利▼0.05%) 1割以上 20%以内

※返済負担率=年間返済額÷額面年収×100

貯蓄が十分にありますので、スーパーフラット8がオススメです。

フラット35Sやリノベなどの金利引き下げ制度と併用する

また、フラット35には「S」や「リノベ」など、一定の性能を備えた住宅を購入したり、又は購入してから性能向上リフォームを行うことで金利が引き下げになる制度があります。

フラット35を貸すのは住宅金融支援機構という国の出先機関ですので、政策的に少子高齢化対策や良質な住宅の流通のために金利を引き下げるということをしてます。

具体的には以下のようなものです。この金利を引き下げた分の利子は国や都道府県市町村がその予算から出しています。金利引下げという表現になってますが、これも補助金、給付金の類なのですよ。

タイプ 金利引下げの内容 予算
フラット35子育て支援型及び地域活性化型 当初5年間0.25%引き下げ 都道府県、市町村
フラット35S 当初10年(金利Aプラン)又は5年間(金利Bプラン)0.25%引き下げ
フラット35リノベ 当初10年(金利Aプラン)又は5年間(金利Bプラン)0.5%引き下げ(2018年3月までは0.6%引き下げ)

そして、これらの金利引き下げ制度はアルヒのスーパーフラットの引き下げとダブルで受けられます。

比較的条件の当てはまりやすい「S」とアルヒのスーパーフラット(団信なし)の組み合わせでどんな金利になるのか?

2018年9月の金利で比較してみましょうか。

タイプ 当初10年or5年 その後
普通のフラット35 1.39% 1.39%
アルヒスーパーフラット8S(団信有り) 1.04% 1.29%
アルヒスーパーフラット8S(団信無し) 0.76% 1.01%

特に当初10年or5年の金利が半分位になっていますよね。

住宅ローン控除はローン残高の1%が税金から返金されますので、その期間に金利が1%を下回っているということは、逆に儲かるということです。

しかも、フラット35ですから金利は固定なので、これは確実な儲け=確定利回りの投資みたいなものです。金利の確認、申込はこちらからどうぞ☟





回答➂:フラット35で団信に加入しないシミュレーション

では実際にどんな感じになるのかシミュレーションしてみましょう。

  • 現在50歳で60歳までに完済する。
  • 返済期間は最長の29年(79歳まで)で元利均等返済、ボーナス払いなし。
  • アルヒスーパーフラット8S(当初10年0.76%、その後1.01%)とする。

まる10年で完済するので実質的には0.76%の期間だけ住宅ローンを借りるということになります。

これで住宅ローンの金額を2000万円、3000万円、4000万円の3パターンで比較します。また、新築と中古で住宅ローン控除がどれだけ違ってくるかも比較しましょう。

資金繰りの比較シミュレーション

(単位:千円)

アルヒスーパーフラット8S 借入2000万 借入3000万 借入4000万
10年毎月返済 64 96 128
11年以降返済 66 98 131
60歳残高 13,595 20,393 27,190
住宅ローン控除中古 1,652 2,000 2,000
住宅ローン控除新築 1,652 2,478 3,303

毎月の返済額ということでは、どの借入額でも問題ないと思います。

また、転勤で賃貸に出す場合もあるということですので、賃貸収入でどれくらい見込めるか?という見方でも良いと思います。購入希望の金額と比較してみると、どれも余裕があると思います。

また60歳残高は定年時に一括返済することを想定しています。現時点の貯蓄で十分に賄えて、さらにその間に貯蓄もできますので、老後資金の心配は無さそうです。

住宅ローン控除では中古では上限20万円、新築では上限40万円という前提で計算しました。借入2000万では新築でも中古でも差はありませんが、それを超えると徐々に大きな差となっていることが見てとれると思います。

消費税が10%となると、さらにこの差が広がることも考えられます。

総支払額の比較シミュレーション

(単位:千円)

アルヒスーパーフラット8S 借入2000万 借入3000万 借入4000万
借入費用 637 863 1,089
60歳まで返済額 7,687 11,530 15,373
60歳残高 13,595 20,393 27,190
住宅ローン控除中古 -1,652 -2,000 -2,000
住宅ローン控除新築 -1,652 -2,478 -3,303
中古合計 20,267 30,785 41,652
新築合計 20,267 30,308 40,349

この借入費用は住宅ローンの費用だけですので、「購入費用」にあたる仲介手数料などは含まれていませんので、その点ご了承くださいね。

住宅ローン控除の金額だけ差が生じている感じですね。多く借りるのであれば、住宅ローン控除の上限が上がるので、新築にしておいた方がお得という結果になります。

フラット35は賃貸可というメリット

転勤で賃貸に出す可能性もあるとのことですね。購入後に賃貸へ出すことが出来るという点でフラット35は適合しています。

ただし最初から賃貸目的でフラット35を借りるのはNGです。あくまで最初は住居として使用することを条件として融資してもらうものです。

このようなルールになっている背景には、中小企業金融円滑化法があります。この法律の趣旨は、中小企業や住宅ローンの借り手が金融機関に返済負担の軽減を申し入れた際に、できる限り貸付条件の変更等を行うよう努めるよう義務付けるものです。

この法律自体は2013年3月末で終了しましたが、住宅金融支援機構では現在も継続しています。

なお、民間銀行でも転勤などやむを得ない事情があれば賃貸への転用が認められるのが普通です。しかしフラット35の場合は、住所変更届を出すだけで良いので民間銀行よりはるかにそのハードルが低いです。

金融円滑化への取組について|住宅金融支援機構

そのことはHPでも明記されています。

今回は、アルヒのスーパーフラット8Sをお勧めしましたがスーパーフラットに組み合わせる補助金制度には「S」以外にもリノベなど色々と選択肢があります。

アルヒではめぼしを付けた物件がこうした補助金の対象になるかを対面で相談できる窓口が全国で175か所もありますので、そうした点でネット銀行よりも頼りになります。

店舗の検索や相談予約はこちらからどうぞ☟





無料相談のご感想を頂きました!

後日、ご感想のメールを頂きました。

千日様

お世話になっております。先日は、丁寧でわかりやすい回答をいただきありがとうございました。

貯蓄で住宅ローンの保険になる事もわかりましたし、増税によるローン減税変更予定や、おすすめの住宅ローンタイプやシミュレーションを提示してくださったおかげでイメージをつかむことができました。

住宅ローンにプラスして毎月駐車場、管理費、修繕積立費がかかることを考えれば、借入金額を4000万円以内に留めたいと思いました。

ネット検索でも、持病ありでの住宅ローンについてはほんの少しだけしか書かれていないことが多かったので、今回の千日さんの回答がとても参考になりました。
本当にありがとうございました。

こちらこそ、参考になる事例を頂きましてありがとうございます!
実際に購入を真剣に考える方のナマの声がコンテンツ作りのヒントになります。

もし、お知り合いに家を買われる方がおられたら、本やブログをお勧めして頂ければ嬉しいです!
今後ともよろしくお願いします。

以上、参考になれば幸いです。

50代ワイド団信or団信に加入しない最適住宅ローンランキングを見る

50代世帯年収1000万以上の最適住宅ローンランキングを見る

共働き世帯年収1000~1200万円の相談事例とシミュレーションを見る