フラット35と財形融資(5年ごと固定)の配分はどうすべき?3大疾病特約は?

2018年10月9日

財住金フラット35エースSと財形融資の併用という裏ワザ

 

あまり知られていないのですが、財住金(財形住宅金融株式会社)のフラット35エースという商品は頭金を2割出すことによってフラット35の金利から0.12%引き下げとなります。

そして、このフラット35エースは「S」と重ねて適用することができるので当初の10年(又は5年)は0.25%引き下げに出来るのです!これがフラット35エースSというやつです。

つまり

  • 最初の10年(又は5年)は0.37%の引き下げ
  • その後はずっと0.12%の引き下げ

ということです。すごく有利なフラット35ですよね!

でも、頭金2割ってのがハードル高いな…

と思われるでしょうが、裏ワザがあります。

資金計画上、下記の①~③の全てに該当する場合は融資率8割以下金利が適用されて、頭金が1割でも0.12%の金利引き下げとなるんです!

  • ① 財形融資を500万円以上利用
  • ② フラット35エースの融資率が8割以下
  • ③ 自己資金が1割以上

フラット35の頭金について、詳しくはこちらの千日のブログでも書いています。良かったらあわせて読んでみてくださいね。

フラット35の頭金の現金が無くても低金利で借りられる?裏ワザ教えます|千日のブログ

利用することが条件となっている財形融資とは、勤め先に給料の天引きで貯蓄していく制度がありますよね、その制度のうち、その貯蓄した資金の使い途を住宅の取得に特化する制度で、固定金利ではなく5年ごとの変動金利です。

2018年9月の金利で0.47%~なので変動金利と考えても、5年固定金利と考えても、低金利ですよね。

つまり、2割の頭金を自己資金で用意できなくても、1割を自己資金、残りの1割を財形融資で借りてフラット35エースSの低金利で借りるということが出来るのです!

着いてきてます?ちょっとややこしいですが、すごくお得なんですよね。ただ、この財住金のフラット35というのは、勤め先が財住金に出資又は提携している企業(通常は大企業)や公務員となっています。

なので、そもそも審査の属性が高いというのがミソなんですよね。今日はそんな財住金のフラット35エースSと財形融資の配分についてのご相談です。

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相談:財住金フラット35と財形融資の併用でその配分比率をどうするか?

最後は自分で決めるしか無いと思うのですが、色々調べた中で千日さんが出す答えが最も参考になると考えたので質問させて頂きました。

居住予定の家族の年齢と年収 私:31歳 年収750万円
妻:32歳 年収0円
長男:4歳
長女:1歳
自己資金の額 1000万円
物件価格 4500万円(土地1390万円、土地以外3110万円)
物件のタイプ 注文住宅2018年8月完成予定
借入予定額 3500万円
住宅ローン 財住金フラット35エースS:当初10年1.04%(フラットS▲0.25%込)残り期間1.29%
財形融資:当初5年0.47%(子育て支援▲0.2%込)残り5年ごとにその時の金利で固定(このままの金利であれば0.67%程度)
利子補給制度
会社から利子補給制度を受けれるので、借りた額のうち1500万円分については、1%を超えた金利部分の支払いを会社が25年間負担してくれるというお得な制度があります。
※上の例で行くと1500万円分は当初25年1%、残り1.29%で借りれるということになります。
3大疾病特約
フラットは金利に0.23%上乗せでいわゆる3大疾病特約が付けれます。なおかつこの0.23%上乗せも利子補給対象なので、1500万円分は当初25年1%、残り1.52%で3大疾病付きでローンが組めるということになります。
財形融資は0.23%相当の保険金を上乗せで払えば特約が付けられます。
相談内容 財住金のフラットと財形融資の配分で悩んでいます。
・利子補給制度があるし3大疾病特約も補給対象ならフルフラットで特約をつける?【リスク無】

・5年後の金利上昇リスクを踏まえ、5年後に一括で返せる額に留めた財形融資を借り、残りをフラットにする?【リスク小】
※私の場合、財形融資1200万円が限度と考えてます。

・利子補給制度をフルに享受できる1500万円だけフラットで借り、残りを全て財形融資にする。【リスク中】

・5年固定としてはトップレベルのスペックなので全額財形融資で借りる【リスク大】

自分の中ではこれかなぁと思うのはあるのですがイマイチ踏み切れない優柔不断な自分がいるので相談させてください!

よろしくお願いします。

回答①:S級に有利なフラット35エースSと利子補給制度の恩恵をフルに受ける

これは、贅沢な悩みだなと思いますね。

  • 冒頭にあるように、財住金のフラット35エースというのは大企業の会社員や公務員しか使えない超有利な商品で、しかも頭金1割でも利用できる裏ワザ付きです。
  • さらに「S」で当初10年は0.25%引き下げになります。
  • 加えて会社の利子補給で(1500万円分は25年間)1%の金利です。

35年の超長期固定金利でここまで低金利になる商品はどこを探してもありません。住宅ローンをA級、B級、C級に分けたとしたら、これはS級の住宅ローンです。つまり規格外に有利だということです。

結論を先に言いますと、私なら自己資金1割でフラット35エースSの適用を受ける方法を採用します。

財形融資は変動金利ですが1割なので金利が上がればいつでも繰上げ返済で完済できます。金利変動リスクは実質的に負わないという選択です。

3大疾病特約については、それが定年までの30年で幾らなのかを計算して判断します。それはこの後半でシミュレーションを行いますね。

突き詰めると住宅ローンの選択には変動か固定しかない

今回のご相談の条件には色々と有利な制度があり、5年の変動金利を混ぜれ金利が安くなるということで目移りするのですが、根本的なところで、住宅ローンには変動か固定しかないんですよ。

意思決定には、考慮する要素の優先順位があります。住宅ローンの金利タイプの場合は金利変動リスクをどちらが負うのか?というのが最も基本の分かれ道なのです。

どちらが安いか?ではありません。

  • 変動金利:金利変動リスクを自分が負う。
  • 固定金利:金利変動リスクを銀行に負わせる。

財形融資は「5年の変動金利」という説明になっていますよね。これはさすが公的融資だけあって正しい表現です。つまり金利変動リスクを自分が負うという金利タイプだからです。

同じような商品が民間にありますが、民間銀行では「5年固定」と呼ばれてますよね。これは一見、金利変動リスクを負わないかのような錯覚を狙った表現と言えないこともないのです。

S級の固定金利にするかA級の変動金利にするか?という選択

前半に書きましたように、フラット35エースSで1%を上限とする利子補給というのは固定金利としてS級です。

それに対して財形融資は0.47%ですね。これは変動金利です。変動金利として考えればネット銀行では0.4%台の商品は他にもあります。

金利が低いのは金利変動リスクを負うからです。リスクに見合った低さなのであってお得という事ではありません。そして1%を下回っているのでお得な利子補給が受けられないのです。

財形融資は、だれでも利用できる商品の中では最も低金利ということで、変動金利としてA級なのです。

ですから、他に事情が無い限りは、私なら固定金利を選ぶだろうなという結論です。

細かい部分では、頭金を温存して住宅ローン控除を少しでも多く受けられるようにするために、フラット35エースで9割の融資を受けるのが得です。具体的には4500万円の物件価格とすると以下のような配分で借りることになると思います。

  • フラット35:3550万円(融資率8割以下)
  • 財形融資:500万円(500万円以上)
  • 自己資金:450万円(1割以上)

前半に書いたように、財形融資は変動ですが1割なら金利が上がっても対処できますので、実質的に固定金利という選択なのです。

回答②:シミュレーションで3大疾病特約を付けるかどうか検討する

では、次に3大疾病特約を付けるかどうか?という検討を行います。前提条件は以下のようにします。

  • フラット35エース8:当初10年1.04%、11年目から1.29%(団信含む)
  • 財形融資:0.47%(団信含まず)

これに3大疾病特約に入る場合は上記に0.23%上乗せになるとします。(財形融資の金利には団信保険料が含まれませんが、比較で差が生じないので便宜上そのままとします)

資金繰り面の比較シミュレーション

(単位:円)

財住金フラット35エースS 一般団信 3大疾病特約+0.23% 差異
10年毎月返済 113,787 116,823 -3,036
11年以降返済 116,840 119,960 -3,120
60歳残高 9,409,621 9,691,081 -281,460
住宅ローン控除 3,497,200 3,516,000 -18,800

毎月の返済額に対して1%を超える部分は1500万まで25年間にわたり職場から利子補給があります。

資金繰りの面ではまず支払う金額だけを比較しています。金利が0.23%増えたとしても毎月の支払は3千円程度ですね。そんなに変わりません。

毎月の支払は12万円弱ですが、月収30万とするとその4割です。概ね無理なく払える範囲の金額と言えるでしょう。

また、定年60歳の残高は1千万円を下回ります。定年までに無理なく繰上げ返済可能な金額と言えます。

総支払額の比較シミュレーション

(単位:円)

財住金フラット35エースS 一般団信 3大疾病特約+0.23% 差異
借入費用 575,220 575,220 0
60歳まで返済額 38,891,880 39,930,120 -1,038,240
60歳残高 9,409,621 9,691,081 -281,460
住宅ローン控除 -3,497,200 -3,516,000 18,800
利子補給 -712,500 -1,575,000 862,500
合計 44,667,021 45,105,421 -438,400

総支払額の比較を行いました。上の表は頭金450万と購入手数料を除く総支払額です。借入費用は概算の住宅ローン手数料(融資手数料、印紙、登録免許税など)です。

ここでは60歳の定年のときにその時の残高を一括返済するという前提にしています。また住宅ローン控除を差し引き、利子補給も差し引いています。

3大疾病特約に加入した場合、完済までの28年間で約438,400円支払いが多くなるという結果になりました。月に平均すると、1,300円ですね。

資金繰り面でも総額でも家計に響くものでは無いですね。そして、万が一のときに払われる保険金としては最大で当初の4千万円、最小で定年時の1千万円ということですので、そこそこ良い保険です。

若い人に対しては、こちらの千日のブログにあるように疾病保障は基本的にあんまり勧めない基本スタンスです。

住宅ローンの団信に疾病保障を付ける?きれいごと抜きに答えます〜得な人と損な人 |千日のブログ

しかし、今回のケースでは負担は少ないですので、結論として入っておいても良い保険だと思いますよ。

無料相談のご感想を頂きました!

後日、ご感想のメールを頂きました。

千日様

ご丁寧に回答頂きありがとうございます!

ブログを拝見する中では千日様は変動寄りかな?(最近は固定寄り?)とも思っていたのですが、回答が固定寄りだったことに少し驚いています。

それだけ、財住金のフラットと財形融資の組み合わせはオススメということと理解しました。

私個人の考えも固定寄りだったので、今回頂いた回答は自分の選択の後押しとなりました。ありがとうございます。

ともあれ、払っていくのは自分なので、最後まで考えて決めようと思います!
本当にありがとうございました!

こちらこそ、貴重な実例をありがとうございます!

今は基本的に固定を選んでおいて損は無いと思っています。

これからも更新していきますので、千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答えるともによろしくお願いします!

以上、参考になれば幸いです。

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