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購入後2年半だけど住み替えたい!今の住宅ローンと住宅ローン控除について解説

2018年10月11日

住宅ローンも住宅ローン控除もまだ残っているけど住み替える場合

 

マイホームを購入した後、5年以内の短期間のうちに売りたい思う人は少なくありません。

例えば過去10年間に首都圏で完成引渡しされたマンションのうち、築5年以内に売りに出されるマンションの戸数の割合は4.4%〜8.8%(平均6.5%)だそうです。

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家の購入には仲介手数料や登記費用、住宅ローン手数料などで新車一台分くらいの出費がかかります。なので一般論として、すぐに自宅を住み替えるというのは購入にかかった手数料等の金額のロスが生じます。

また、住宅ローン控除が受けられる10年間は年末の住宅ローンの残高の1%が所得税等から還付(返金)されるので、どうせなら10年住んでから売った方が得だという考え方もあります。

しかし、今の住宅ローン控除は2021年12月31日まで延長されていますし、2019年10月消費増税10%に合わせて住宅ローン減税が拡充!政府が検討する減税、補助金|千日のブログという情報もあります。

つまり新たに購入した家の住宅ローンでより有利な住宅ローン控除を受けられる可能性があるので、その点はロスとは言えませんね。

ただし、住宅ローン控除を受けられるかどうかは、今のマイホームの売却益の確定申告によって受けられない場合もありますのでこのブログを最後まで読んでから判断してください。

さて、今日のご相談者です。

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相談:購入2年半ですが本物の木の家を建てたいです!住宅ローンと住宅ローン控除について教えてください

当初はこの家に満足していたのですが、子供が最近ぜんそくと診断されたことや、リノベーションしたことをきっかけに家に興味を持ち本を何冊も読んで家のことを勉強するうちに、本物の木の家を建てたいという願望が生まれました。

それなら初めから貯金をして新築にすればよかったのですが、そこは私の考えが浅はかだったとしか言いようがありません。

居住予定の家族の年齢と年収 夫29歳(450万円)、妻29歳(育休明け)、息子3歳、猫1匹という家族構成です。
地方公務員の共働きです。
現在の家 約2年半前に中古住宅(戸建て)を1300万円で購入し、1000万円かけてリノベーションしました。
現在の住宅ローン 2280万円を35年ローン10年固定金利で借りており、月々の返済は約6万2千円。そのうち約1万2千円は利息。リフォームにより住宅ローン減税が適用されています。
現在の住宅ローン残高 2140万円
新しい家 2〜3年以内には現在の家を売却し、今よりも小さい土地で、28坪ぐらいの小さめの家でいいので、自分が心から満足の行く家を建てたいと思っております。
自己資金 家にかけられる自己資金は約250万円です。今後も月に5万円ペースで家のための貯金をしていくつもりです。
相談 住宅ローンについて
別の土地を購入し家を新築するのは住宅ローンを完済してからになると思います。家の売却代金と自己資金で住宅ローンを完済できたとしても、いったんは賃貸にうつってから新たに住宅ローンを組むしかないでしょうか?
住宅ローン控除について
新築がもし実現した場合、再度住宅ローン減税が受けられる可能性はありますか?

査定額しだいですが、マイナスになるのは当然だと思っているので、マイナス部分は自己資金で賄うつもりです。

先日家の外観だけでとりあえずの査定をしてもらうと1800万円でした。そうなると完済に別途340万払う必要があります。

p.s.千日さんの書籍の家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本を購入し、読ませていただきました。

具体的に分かりやすく書かれており、今後の計画を立てる上での大きな助けとなりました。ありがとうございます。

回答①:住み替えで今の住宅ローンと新たな住宅ローンをどうするか?3つの選択肢を解説します

住宅ローンとは、銀行などの金融機関と結ぶ金銭消費貸借契約です。これは契約ですから、住み替えに伴って売却する場合はもちろんのこと、転居する場合にも約束ごとがあります。

住宅ローンの期間中に住み替える場合にどういう選択肢があり、どういう約束事があるのか?解説しましょう。

3つの選択肢があります。

  1. 現在の家を売却して住宅ローンを完済してから新たに家を建てて住宅ローンを借りる。
  2. 売却前から家を建てて住宅ローンを借りるダブルローンで現在の家が売れてから完済する。
  3. 現在の家を賃貸に転用し賃貸収入で住宅ローンの返済を継続し、新たに家を建てて住宅ローンを借りる。

現在の家を売却して住宅ローンを完済してから新たに借りる

この方法を採用されていますね、原則的で正攻法です。今借りている住宅ローンは住んでいる家を担保にしています。物件には債権者の「抵当権」が設定されています。抵当権というのは、売却代金でもって債権を回収することができる権利です。

つまり、売った代金は住宅ローンの完済に充てられるということですね。足りない場合は一括で支払う必要があります。分割は原則ダメです。

現在の住宅ローンを完済すれば他にカードローンなどが無ければ無借金状態となります。3つの選択肢のなかで、新たな住宅ローンを借りるときの融資額は最大となります。

一旦完済するということは家を売るということですから、そこから先はどこか賃貸住宅で仮住まいしなければならず、それによって自己資金となる貯蓄は減ります。

しかし、これから建てる家には妥協をしたくないということであれば、新たな家の融資額が最大となるこの方法は理にかなった方法だと思いますよ。他の借入が無いことで増える融資枠の方が遥かに大きいからです。

売却前から家を建てて住宅ローンを借りるダブルローン

賃貸住宅の仮住まいの支出を削減する方法もあります。それが売却前から家を建ててしまい、完成してから引っ越して、現在の家を売却し住宅ローンを完済する方法です。

これによってムダとなる仮住まいの家賃が不要になります。原則的な方法ではありませんが、割と一般的に行われている方法です。

既に住宅ローンを借りている場合であっても、その家を売却する予定であるという前提で新たな家の住宅ローンの審査を受けることが出来ます。

しかし、売れるまでの間はダブルローンになりますし、売れるとは限りませんし、売れたとしても幾らで売れるかも分かりません。

なので、新たな住宅ローンの審査は厳しくなりますし、ローンを完済した場合よりも融資可能額は減ってしまいます。

ただ、これから建てる家のハウスメーカーが不動産業も営んでいる場合は現在の家の買取りを保証してくれる場合もあります。普通に売れれば仲介手数料が入りますし、買い取る場合は利益が出るような金額で査定して利益につなげられますからね。

なので、このような場合は現在の家の売却によるリスクを小さく抑えることが出来ます。そうなると、

  • 不動産会社が買い取り保証する金額なら完済できるか?
  • 新たな住宅ローンで希望の金額を借りられるか?

という二つのポイントをチェックすることになりますね。

現在の家を賃貸に転用して不動産収入で返済を継続する

あまり一般的な方法とは言えませんが、賃貸に転用するという選択肢もあります。ただし銀行としては原則として住宅ローンの対象となっている住宅を賃貸することは認めていません。

住んでいる家を押さえているからこそ、低金利で融資できるという面があるんです。金儲けのために所有するということであれば、その分高い金利(不動産投資ローン)への切り替えを要求される可能性があります。

しかし、銀行も何が何でも賃貸への転用を認めていない訳ではありません。例えば、転勤や親の介護などやむを得ずそこに住むことが出来ない場合は賃貸も認めています。なので、話の持って行き方によっては賃貸へ転用しつつ、住宅ローンの返済を継続することも可能なんですね。

ただし、そうなると新たな住宅ローンの審査では数千万の借金があり、その支払いを賃貸収入で賄っているという状態で審査を受けることになります。つまり、審査が厳しくなります。

また、賃貸にしてもローンを完済するまで途切れることなく借りる人がいるとは限りませんし、家賃を滞納するかもしれません。そうなるとローンの返済は厳しくなるでしょう。

回答②:買い替えによって住宅ローン控除はどうなるか?

住宅ローン控除とは各年の12月31日のローン残高×1%を所得税等から最大10回返金される減税制度です。

税金ラボ

一般の新築住宅では1年の上限は40万円でそれが10回ですから10年間で最大400万円です!これが有るか無いかは大きいですよね。

マイホームの売却益に対する3000万の特別控除と併用できない!

ただし、この住宅ローン控除は直近の5年間にマイホームを売却し、その売却益に対して3000万円の特別控除を受けた人はうけられません。

どういうことかというと、不動産の売却益には本来は税金がかかるんですが、住居として使用していた家の場合は3000万円までは税金を免除してあげるという制度です。つまりこれを利用して税金を安くした人に、さらに住宅ローン控除という減税をダブルで受けるのは減税し過ぎだからダメという主旨です。

なので、どっちが得かを判断しなければならないんですよね。ご相談者は損失になるものと見込まれていますが、不動産取引はあくまで相対取引です。高く買う人が居れば売却益が出ます。

もしも10万円くらい売却益が出たというケースでこの3000万円の特別控除を適用してしまうと、住宅ローン控除(10年で最大400万円)を受けられなくなってしまいます。

具体的にどんな判断になるのか、詳しくは千日のブログに書いていますので読んでみてくださいね。

マイホームの買い替えで売却益が出たら、住宅ローン控除と3000万円の特別控除どっちが得か?|千日のブログ

マイホームの売却益に対する減税は、この3000万円の特別控除以外にもいろんな制度があります。これらの適用を受けていると住宅ローン控除を受けられないので注意が必要です。

軽減税率の適用を受けていると併用できない

所有期間が10年を超えるマイホームを売却した場合は、3000万円の特別控除後の所得金額愛して通常よりも低い税率が適用できます。

しかし、これを受けるということは住宅ローン控除は受けられないということになります。

特定のマイホームの買い換え特例とも併用できない

新しくマイホームを買い換えた場合には以下の特例によって売却益の税金が節税できます。

売った家より買った家の方が安い場合:その差額について売った家の取得分の一定分を差し引いた後税金がかかる。

売った家より買った家の方が高い場合:売った家についていくら売却益が出てもその年に税金はかかりません。ただし将来、今回買った新しい家をさらに売却するときに古い家の売却益に税金がかかります。

しかし、これを適用すると住宅ローン控除は受けられなくなります。

回答➂:所有期間が5年を超えていれば売却損が出た場合に損益通算できる(住宅ローン控除も受けられる)

これはご質問に無かったことですが、現在の家の所有期間が5年を超えていた場合、売却損の分を給与所得の黒字と相殺させて税金を安くする(損益通算する)ことが出来ます。

損益通算できるのは次の2通りの場合ですが、いずれもまずは売った年の1月1日現在で所有期間が5年を超えることが前提です。

  1. マイホームの買い換えをして新しく買った家に住宅ローンを組んだ(居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失)。
  2. マイホーム売却代金以上の住宅ローンが残っている(特定居住用財産の譲渡損失)。

現時点で2年半経過していて、新しく家を建てるのは2~3年後と計画されています。ですから、どうせなら5年経過してから売却して家を建てれば、売却損になったとしてもその分税金が安くなりますのでお得です。

この損益通算をしても、住宅ローン控除は受けられますし、また控除しきれなかった売却損は翌年以降に繰り越すことが出来ます(3年まで)

注意:最後は必ず税務署に確認してください

これは念のためですが、税法は毎年改訂されます。また、ここに書いている内容は厳密な表現ではなく、読みやすさを優先して少しくだけた表現となっています。

あくまで、自分のケースで、また、確定申告する年度でこの通りになるとは限りません。

税務署では匿名の電話相談も受け付けています。税務署に所属する税理士が答えてくれます。必ず税務署に問い合わせてくださいね。

税についての相談窓口|国税庁

無料相談のご感想を頂きました!

この回答について、ご相談者からメールでフィードバックを頂きました。

千日太郎 様

先ほど回答を拝見いたしました。
詳しくご丁寧に回答してくださり、本当にありがとうございます。
また、最後に記載していただいた、5年所有した場合の制度については知らなかったので、こちらも大変参考になりました。

勇気を出して質問したことに対し、これほどまでに真摯に対応していただいた姿勢に、感動いたしました。
これからマイホームの実現に向けて様々な困難にぶつかると思いますが、自分から行動を起こせば物事は少しずつでも、前を向いて進んで行くという勇気になりました。

税務署への確認などの注意点についても承知いたしました。

今後もブログ等、拝見させていただきます。

ありがとうございました。

こちらこそ、おかげさまで良いコンテンツを書けたと思います。ありがとうございます!
家を買うお友達に、本やブログをお勧めいただければありがたいです!
もしAmazonや楽天などでご購入なら、ご面倒でなければ☆の評価など頂けますと、小躍りしてよろこびます笑。
こんどこそ、納得のいく素敵な家を建ててくださいね!

以上、参考になれば幸いです。

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