独身女性の新築マンション購入のリアルケース 住宅ローンと団信の決め方(39歳年収520万)

2018年10月28日

増加傾向にある女性単身のマンション購入での住宅ローンと団信のセオリー

 

最近は働く女性でマンションを購入する人が増えています。背景として女性の社会進出があるのは言うまでも無いことですが、完済までどのようにしたか?という事例については無い状態です。

いずれにしても「これまで」と「これから」は違います。

今までにセオリーがないところに、これからの安全確実な道を考えるというのは、千日がまさにライフワークにしようとしている分野ですので、どんどんご相談を寄せて欲しいと思っています。

今日はそんな働く独身女性で、新築マンションの契約をされた方からのご相談です。

  • 女性が独身で購入するマイホームの住宅ローンは何が違うのか?
  • 団信生命保険についてはどういう観点から選べばいいのか?

では始めましょう。

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相談:りそな銀行(団信革命)変動金利と住信SBIネット銀行(全疾病保障)変動金利どちらにするか?迷ってます

手付金を20万円入れ、入居説明会も終わり、銀行を早く決めて、不動産会社へ報告をしないといけない状況です。
しかし知識もなくてどうにも決めきれず、ネットでいろいろ情報を集めていた時に偶然ブログを拝見させていただきました。よろしくお願いします。

年齢と年収 独身女性:39歳 520万円
自己資金の額 なし(両親から諸費用分、約100万円の援助を受けようと思ってます。
引渡しまでに貯金は50万円しようと思ってます。)
物件価格 物件価格 2800万円
物件のタイプ 新築マンション2019年1月完成引き渡し
借入予定額 2800万円
住宅ローン りそな銀行変動金利0.47%(団信革命0.3%に加入すると0.05%割引となるので0.72%)
住信SBIネット銀行変動金利0.457%
相談内容 どちらも本審査は通っていますが、健康に自信がない為、りそな銀行の団信革命を選んだ方がいいのか・・・
それとも金利の安い住信SBIのMR.住宅ローンREAL
でいいのか・・・
そろそろ決めないといけないので焦ってます。

 

回答①:保険についての偏りのない基本的な知識を付けておく

現時点で単身ですから、収入は自分の1本のみです。病気になって入院した場合にどうなるのか…不安があるでしょうが、むやみに保険に入るのはお勧めしません。

保険を考える場合、まずは国の社会保障、その次に職場の福利厚生、そして最後に民間保険です。住宅ローンの団信やその疾病保障特約などは民間保険に相当します。

保険はピラミッドの下から上へ考える

著書の家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本でも、住宅ローンを組むときの保険の考え方について詳しく書いていますが、ちょっとさわりのところをご説明しておきましょう。

国の社会保障は高額医療費制度や傷病手当金ですね。どんなに医療費が高額になっても収入に応じた上限額(3万5400円~)を超えた分は返金されますし(高額医療費制度)、入院中は収入に応じた傷病手当金が支給されます。

既に私たちは世界でも手厚い健康保険に加入し、毎月の給料から保険料を払っているのです。どんな保障がうけられるか、しっかり知っておくべきです。

また福利厚生の充実した大企業や公務員であれば、互助会や見舞金などで補充されます。

民間保険っていうのは、国と職場から保障されたうえで、さらに足りないのなら、その部分を補うものなんです。

回答②:変動金利で無理なく返済できるか?団信の保険料は幾らか?シミュレーション

では、仮審査の通ったりそな銀行変動(団信革命に入って0.72%)と住信SBIネット銀行変動金利(全疾病保障が無料で0.457%)でシミュレーションし、比較しましょう。

前提条件

  • 借入金額:2800万円
  • 借入期間35年、元利均等返済ボーナス払いなし
  • 60歳の定年時にそのときの残高を全額繰上げ返済する

これで以下の3つの比較シミュレーションを行います。

  1. 資金繰り面の比較シミュレーション
  2. 借入費用の比較シミュレーション
  3. 総支払額の比較シミュレーション

借入費用は両者で大した違いが無いので割愛します。

1.資金繰り面の比較シミュレーション

(単位:円)

2800万円35年 りそな0.72% 住信SBIネット銀行0.457% 差異
毎月返済 75,438 72,153 3,285
10年後残高 20,706,139 20,451,451 254,688
60歳残高 12,052,625 11,739,811 312,814

毎月の返済額では変動金利の方が3千円安くなりますね。そんなに差は無いです。折り返しの10年後でどちらも約2千万円、定年時には12百万円です。

金利が上がらなかったとしても、定年までに12百万円の貯蓄をしていく必要があるのですね。今から約20年ですので年間60万円は住宅ローンの完済のために貯蓄をする必要があります。

さらに、変動金利の場合は金利が上がったときに対応できるか?が大事です。そのために千日は「2つの「四」」をクリアすることを推奨しています。

  1. 毎月返済額の4分の1を貯蓄する(金利が上がったときのため)。
  2. その4分の1の貯蓄と毎月返済額の合計を手取り月収の4割以下にする。

詳しくはこちらをご一読ください。

金利タイプ選びのセオリー

ではこれを比較してみましょう。

項目 りそな0.72% 住信SBIネット銀行0.457%
変動毎月返済 75,438 72,153
4分の1貯蓄 18,860 18,038
合計 94,298 90,191

固定金利の方は金利が上がった場合のことを考える必要がありませんので4分の1の貯蓄を考える必要はありません。

年収520万の手取り月収23万円の4割は9.2万円です。りそな銀行では少しオーバーしますが、概ねレンジ内にあるといえます。

完済のための年間60万の貯蓄と兼ねて、月に1万8千円を貯蓄していきます。

  • 月収から貯蓄:1.8万円×12か月=21.6万円
  • ボーナス貯蓄:夏冬合計で38.4万円

このようなペースで年間60万円の貯蓄を続けていくようにすれば可能だと思います。

2.借入費用の比較シミュレーション

(単位:円)

4320万円35年 りそな0.72% 住信SBIネット銀行0.457% 差異
印紙 20,000 20,000 0
登録免許税 28,000 28,000 0
保証料 577,080 0 577,080
事務手数料 32,400 604,800 -572,400
司法書士報酬 100,000 100,000 0
フラット35物件検査手数料 0 0 0
合計 757,480 752,800 4,680

大した違いは無いですね。りそな銀行と住信SBIネット銀行の違いは保証料か融資事務手数料かという違いだけです。

保証料は期日前に繰上げ返済すると返金されます。しかし融資事務手数料は返金されないという違いがあります。

後で述べますが、定年時に全額繰上げ返済するのでりそなの方ではいくらか返金されることになります。

3.総支払額の比較シミュレーション

(単位:円)

4320万円35年 りそな0.72% 住信SBIネット銀行0.457% 差異
借入費用 757,480 752,800 4,680
60歳まで返済額 19,010,376 18,182,556 827,820
60歳残高 12,052,625 11,739,811 312,814
住宅ローン控除 -2,403,100 -2,387,600 -15,500
保証料払い戻し -56,364 0 -56,364
合計 29,361,017 28,287,567 1,073,450

総額では金利の低い住信SBIネット銀行の方が107万円少なくなるという結果になりました。

この差というのは、団信革命か全疾病保障かという違いでもありますよね。比較してみましょう。

住信SBIネット銀行全疾病保障 りそな銀行団信革命
精神障害等を除く全ての病気やケガで働けなくなったらローン残高がゼロ円になる。 3大疾病だけでなく「16の特定状態」「所定の要介護状態」でローン残高がゼロ円になる。
8疾病で12カ月継続して働けなくなったらローン残高がゼロ円になる。 まだ働ける状態でも上記に該当すればローン残高がゼロになる。
8疾病以外の病気やケガの場合でも入院により12カ月継続して働けなかったら、ローン残高がゼロ円になる。 入院などの条件なし。
住信SBIネット銀行の審査へのリンク(マネープラザの実店舗)
りそな銀行団信革命へのリンク
  • 保障される金額はどちらもその時点のローン残高ですから差はありません。
  • 病気の範囲としては住信SBIネット銀行の方が広いです。
  • 保険金が支払われる条件については、りそな銀行の方が緩いです。

単身で住宅ローンを返済する身としては、範囲よりも、早い段階で保険金が受け取れる方が助かりますので、若干りそな銀行の方が手厚いです。

ただ、もとから国の保障がある程度あることを考えれば、微妙な差ではありますね。

早い段階で保険金が受け取れる団信としてはやはりガン保障です。これはガンに限られますが、医師によって正式診断された時点で保険金が支払われます。

じぶん銀行は住信SBIネット銀行と同じ低金利で無料で50%保障団信が付帯しますので、こちらも審査に通しておくことをお勧めします。

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営業マンは急かしてきますけど、引き渡しが来年の1月ならまだまだ焦る必要は無いですよ。実務上、銀行は前の月からでも変更はききます。ただ彼らが面倒だからやめて欲しいというだけのことです。

さしあたり、現時点の2つのどちらか?ということであれば、私ならば支払の少ない住信SBIネット銀行で話を勧めます。ご相談者も利用された、こちらですね☟

回答➂:自己資金ゼロで変動金利を借りた後は貯蓄に励む!

変動金利を選んでいいのは金利が上がった場合に対応できる貯金のある人でもあります。

必要な貯金額は、変動金利が上がったときに毎月の返済額を維持したまま予定の年数で完済するために、幾ら繰上げ返済できるか?という物差しで測ります。

例えば3000万円を変動金利0.5%で35年元利均等返済で借り入れた場合、毎月の返済額は7万7876円です。金利があがってもこの7万7876円を維持したまま、当初の35年で完済するには、その時点で幾ら繰上げ返済すればいいか?という金額です。

(単位:万円)

3000万円借入から金利上昇したら繰上返済すべき金額
残期間 30年 25年 20年 15年
残高 2607 2199 1781 1352
0.5→1.0% 182 129 85 49
0.5→1.5% 347 249 165 96
0.5→2.0% 497 359 239 140
0.5→2.5% 633 460 309 183
0.5→3.0% 757 554 375 223
0.5→3.5% 870 641 436 261
0.5→4.0% 973 721 494 298

例えば借入から5年後には、残期間30年になっていて、そのときの残高は2607万円です。
その時点で金利が0.5%から2.5%に上昇したとしたら、633万円を繰上げ返済することで、今後も7万7876円の毎月の返済で完済できるということですね。

特に自己資金ゼロで変動金利をスタートする場合、上記の表にある金額が貯金の目標です。なので、特にマンションを買った直後の5年~10年というのは残高も大きく金利上昇の影響大きい時期でもあります。

この期間は特に貯金を頑張る時期と割り切って頑張ってくださいね。

以上、参考になれば幸いです。

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