40歳夫婦共働きの住宅ローンシミュレーション10年完済と20年完済を比較

2023年4月14日

40歳50:50の共働き夫婦で組む住宅ローンの選び方は?

最近は夫婦共働きでも、男女の収入差がほぼ無い50:50の共働き夫婦が増えています。結婚出産して、その後に職場に復帰しやすい環境が整ってきたのが理由です。これによって夫一人の場合の倍の住宅ローンが組めるようになっています。

しかし、この50:50の共働き夫婦がフルに借りる住宅ローンを無理なく完済するには以下の2つ前提が必要なのです。

  • 夫婦の両方が失業しない。
  • 夫婦が離婚しない。

ずっとニコイチで最後まで行くという前提が必要なんですね、この保証はあるでしょうか?そんなのないです。

  • 夫婦の片方だけで年収1000万ある場合。
  • 50:50共働きで1000万の世帯年収がある場合。

これは明らかに違います。リスクの質量としては同じですがその傾向と対策が異なるのです。

前者は収入とリスクが一人の大黒柱に偏っているので、そこに保険をかけるということになります。団信がその一つです。その方法はちゃんと開発されて先輩たちがその有効性を実証してきています。

後者は最近増えてきたパターンなので、「コレで間違いない」という方法がまだ無いのです。収入とリスクが二人に分散されている。でもどちらかの収入が無くなると住宅ローンの継続は難しくなります。すぐに生活が立ち行かなくなるようなことは無いですが、家に関しては売却した方が良い状況になります

収入が半減しているのに、無理に返済を続けようとしてサラ金などで借りるとかえって首を絞め、最終的に自己破産に追い込まれます。コワイです。

住宅ローンで破産する人はまず居ません。物件を売れば大半を返せるからです。住宅ローンを払うためにサラ金などでお金を借りてしまうと、首が回らなくなって破綻するのです。

夫婦どちらかの収入が無くなったとき=マイホームを売るときだ。

そうした想定と覚悟をもって臨んでください。

今後はこうした、50:50の共働き夫婦特有の住宅ローンのリスクと、その対策法が求められる世の中になってきます。今日はそんなご夫婦からの相談です。

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相談:共働き未就学児2人で新築戸建を購入します

すでに千日さんのブログと書籍家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本を拝見しており、
夫の定年60才で完済もしくは借入残高1000万以下を目標にローンを組みたいと考えております。

家族の年齢と年収 夫 40才 年収650万、妻 37才 年収450万、6才と4才の未就学児(全て2019年の満年齢)
自己資金の額 現預金1500万円。
諸費用は自己資金から、物件価格は住宅ローン控除を活用するため全額借入する予定です。
物件価格 3900万
物件のタイプ 建売戸建て2019年3月引き渡し予定
借入予定額 3900万円
住宅ローン 未定ですが不動産仲介業者からは、申し込みの際に事前審査を通したイオン銀行を勧められております。審査日数の目安込みでアドバイス頂けると大変助かります。
相談内容 夫の定年退職までの20年間で完済もしくは残高1000万を目指したいです。お勧めの住宅ローンは何ですか?

売主の決算期の都合上3月中旬の引渡しを希望されていて、気持ちが急いてきております。

資産自体は物件価格弱の資産を有しており、その3分の1は株式もしくは投資信託となっております。

次の土曜日にSBIマネープラザにローン相談に行く予定としておりますが、ぜひ客観的なアドバイスを頂けたら非常に助かります。

回答①:無理なく完済できて老後資金も残す住宅ローンの4つのルール

本を読んでいただきまして、ありがとうございます。本の中で紹介している4つのルールは「完済できる住宅ローン」「老後資金も残せる資金計画」を突き詰めたものです。

基本的に右肩下がりの人口減少社会では、長期的に不動産の価格が上がるということは期待できません。どんな人気の地域であってもです。なので価格が上がったら売って、新しい家を買うなんて想定は取りません。

  • 右肩下がりの社会経済でも完済できる住宅ローン。
  • 完済した上で、老後資金も残せる資金計画。

これがこの少子高齢化社会で家を買う人が取るべき方法だと思っています。私の家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本ではそれを具体的な住宅ローンのシミュレーションのルールとして落とし込んでいます。

それが無理なく返済できる住宅ローンを見積もる4つのルールです。

  1. 毎月の返済は手取り月収の4割以下でボーナス払いなし
  2. 返済額が一定になる元利均等返済方式
  3. シミュレーションの金利は固定金利(1.38%)
  4. 定年時のローン残高は1000万円以下

この4つのルールを、35歳40歳の各年収でスタートし、無理なく完済できる住宅ローンの金額として、表にすると以下のようになります。

(単位:万円)

年収 月収 35 40
400 20 2663 2440
600 25 3250 2860
700 30 3755 3248
900 35 4255 3680
1000 40 4714 4103
1200 50 7031 5982
1500 60 8317 7049
2000 80 10860 9160

40歳で年収650万ですと、2860万円と3248万円の中間あたりですから、3054万円ですね。

ご夫婦の年収を合計すると、1100万円です。4103万円と5982万円の間くらいですので、5042万円です。年収1200万円からは毎月手取りの50%までに上限を引き上げていますので、借入可能額が上がるようになっています。

つまり、3900万はご主人一人では少しレンジを超えますが、ご夫婦の収入を合算すると余裕のある住宅ローンです。

通常は、二人のうちどちらかの収入が無くなる場合は物件の売却を行うことを想定したプランにするべしとなります。

ただし、現在保有している金融資産が物件価格と同じくらいということですね。つまりキャッシュで購入しようとすれば出来るということです。収入が半減する場合は貯金で繰上げ返済して毎月の返済額を軽減することが出来ます。

そこで2通りの資金計画とそれに合った住宅ローンをご提案します。

  1. 10年間の住宅ローン減税の恩恵を受けた後に一括繰上げ返済する計画。
  2. 10年間の住宅ローン減税の恩恵を受けた後に大きく繰上げ返済し、20年後(定年時)の残高を1000万程度にする計画。

回答②:10年後に全額繰上げ返済する場合にベストな選択は?

住宅ローン減税の恩恵を最大に受ける方法は4つのセオリーがあります。

  1. 当初の借入は多い方がトク!
  2. ローン残高がゆっくり減るように借入年数は長い方がトク!
  3. 前半の期間にローン残高の減りが遅い元利均等返済がトク!
  4. ローン残高を減らすと損だから繰上げ返済はしない方がトク!

それを満たす住宅ローンと返済方法は以下のようになります。

《前提条件》

  • auじぶん銀行or住信SBIネット銀行変動金利0.457%(2019年2月時点)、auじぶん銀行10年固定0.59%、三菱UFJ銀行10年固定0.69%
  • それぞれ35年元利均等返済、ボーナス払いなし。
  • 住宅ローン減税は10年(消費税率は8%)。
  • 10年後に全額繰り上げ返済する。

資金繰り面の比較シミュレーション

(単位:円)

3900万円を10年で完済 住信SBI及びじぶん銀行変動 auじぶん銀行10年固定 三菱UFJ銀行10年固定
毎月返済 100,498 102,797 104,547
10年後残高 28,486,070 28,665,984 28,800,390

金利は結構違う印象を受けますが、毎月の返済額、10年後の残高はそんなに変わらないですね。

これはそもそもが低金利であるために、利息の金額にそれほど差が無いためです。10円は1円の10倍ですけど、どっちも大した金額じゃないというのと同じです。

4つのルール「手取り月収の4割以下」について判定しましょう。旦那様の手取り約27.5万円の4割は11万円です。単独の収入で当初固定金利は範囲内に収まっていますね。

また、変動金利については金利の上昇に対応する貯蓄が必要ですが、現時点でキャッシュで購入可能な金融資産があるので、その点は問題なしです。

借入費用の比較シミュレーション

(単位:円)

3900万円を10年で完済 住信SBI及びじぶん銀行変動 auじぶん銀行10年固定 三菱UFJ銀行10年固定
印紙 20,000 20,000 20,000
登録免許税 39,000 39,000 39,000
保証料 0 0 803,790
事務手数料 900,072 900,072 32,400
司法書士報酬 70,000 70,000 70,000
合計 1,029,072 1,029,072 965,190

auじぶん銀行と住信SBIネット銀行は事務手数料、三菱UFJ銀行は保証料です。保証料の方が若干少なくなる計算です。

さらに保証料は繰上げ返済することによって返金されますので、この後の総支払額で明確な差として出てきます。

総支払額の比較シミュレーション

(単位:円)

3900万円を10年で完済 住信SBI及びじぶん銀行変動 auじぶん銀行10年固定 三菱UFJ銀行10年固定
借入費用 1,029,072 1,029,072 965,190
10年返済額 12,059,760 12,335,640 12,545,640
10年後残高 28,486,070 28,665,984 28,800,390
住宅ローン控除 -3,325,600 -3,336,600 -3,344,800
保証料払い戻し 0 0 -292,188
合計 38,249,302 38,694,096 38,674,232
変動金利との差 444,794 424,930

どれも、3900万円を借りているのに返済総額は3800万台となっているので、借金して逆に儲かってしまったような結果になっていますね!これが、住宅ローン減税の効果です。

総支払額で最も安くなったのは変動金利です。しかし、変動金利は上昇するリスクがあります。

10年固定は変動金利よりも少し高い位ですが金利が固定されていてリスクフリーです。10年固定がお勧めです。

10年固定で金利が低いのはauじぶん銀行ですが、三菱UFJ銀行は保証料の返金があることで総支払額が若干少なくなるという結果になっています。

これに対してauじぶん銀行は2月の申込から、団信のガン50%保障に加えて全疾病保障特約(180日以上入院して就業不能となったら住宅ローンがゼロ円)が無料で付帯するようになりました。

10年固定は10年経過すると金利の引き下げ幅が減ってしまいます。例えばauじぶん銀行の10年固定は当初10年間は0.59%と最安ですが、10年経過すると金利引き下げが0.8%となります。これはどういうことかというと、今の変動金利の基準金利2.341%から引き下げるとすると1.541%になるということです。ちょっと高すぎますよね。

ちなみに、三菱UFJ銀行の10年固定は10年経過すると金利引き下げ幅は1.6%となります。今の変動金利の基準金利2.475%から引き下げるとすると、0.875%です。そこまで高い感じではないですね。

10年後にそのまま借り続ける可能性があるなら、三菱UFJ銀行の10年固定、絶対に繰上げ返済するならauじぶん銀行の10年固定、という考え方もあります。

回答➂:20年借りる前提でのベストチョイスは?

10年で繰上げ返済するのも可能ですが、今は金利が安いのであえて20年間借りておくという選択肢もあります。

その場合は、20年借りることを前提とした中での最安金利になるようなプランを考えることになります。

《前提条件》

  • auじぶん銀行or住信SBIネット銀行変動金利0.457%(2019年2月時点)、三菱UFJ銀行3年固定0.39%→0.625%、三井住友信託銀行20年固定1.07%
  • それぞれ35年元利均等返済、ボーナス払いなし。
  • 住宅ローン減税は10年(消費税率は8%)。
  • 10年後に一部繰り上げ返済(期間短縮型)して定年時の残高を1千万程度にする。

あえて、
三菱UFJ銀行の3年固定を比較に入れているのは、固定期間終了後の金利引き下げ幅が1.85%と大きいためです(10年固定のときは1.6%でした)。なので、実質的に3年間だけ固定される、実質的な変動金利という性質の商品です。

資金繰り面の比較シミュレーション

(単位:円)

3900万円を20年で完済 住信SBI及びauじぶん銀行変動 三菱UFJ銀行3年固定 三井住友信託銀行20年固定
毎月返済 100,498 99,353 111,368
4年目~ 100,498 103,064 111,368
10年後残高 28,486,070 28,617,881 29,303,588
10年後繰上げ返済 6,912,000 6,925,000 7,432,000
60歳残高 10,245,834 10,333,243 10,242,096

毎月の返済額、10年後の残高はさっきと大して変わらないですね。

60歳の残高を1000万程度にするために10年後に繰上げ返済する金額は約700万です。これについては、全く問題は無いと思います。

繰上返済には期間短縮型と返済額軽減型があります。

  • 期間短縮型:毎月の返済額は変えずに期間を短くするという方式。
  • 返済額軽減型:期間をそのままに、毎月の返済額を少なくする方式。

支払利息を節約できるのは、前者の期間短縮型ですので、ここでの繰上げ返済は期間短縮型によっています。

借入費用の比較シミュレーション

(単位:円)

3900万円を20年で完済 住信SBI及びauじぶん銀行変動 三菱UFJ銀行3年固定 三井住友信託銀行20年固定
印紙 20,000 20,000 20,000
登録免許税 39,000 39,000 39,000
保証料 0 803,790 803,790
事務手数料 900,072 32,400 32,400
司法書士報酬 70,000 70,000 70,000
合計 1,029,072 965,190 965,190

auじぶん銀行と住信SBIネット銀行は事務手数料、三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行は保証料です。保証料の方が若干少なくなる計算です。

さらに保証料は繰上げ返済することによって返金されますので、この後の総支払額で明確な差として出てきます。

総支払額の比較シミュレーション

(単位:円)

3900万円を20年で完済 住信SBI及びauじぶん銀行変動 三菱UFJ銀行3年固定 三井住友信託銀行20年固定
借入費用 1,029,072 965,190 965,190
60歳まで返済額 24,119,520 24,601,764 26,728,320
10年後繰上げ返済 6,912,000 6,925,000 7,432,000
60歳残高 10,245,834 10,333,243 10,242,096
住宅ローン控除 -3,325,600 -3,320,100 -3,375,200
保証料払い戻し 0 -78,507 -78,507
合計 38,980,826 39,426,590 41,913,899
変動金利との差 445,764 2,933,073

変動金利は3900万円を借りているのに返済総額は3800万台となっているので、借金して逆に儲かってしまったような結果になっています。

  • 変動金利と3年固定との差44万円は3年間金利を固定する対価です。
  • 変動金利と20年固定との差293万円は20年間金利を固定する対価です。

まとめ~良い商品を押さえておいて来月決める

三菱UFJ銀行は10年で完済する場合も20年で完済する場合も使える商品が入っていますし、来月もさらに下がる可能性があるので押さえておきたいですね。

また、ネットでの仮審査スピードが早く、すぐに本審査に移行できるのが特徴です。今から出しておけば3月の実行に間に合います。

三菱UFJ銀行には、7大疾病保障(3大疾病罹患で住宅ローンがゼロ)があります。金利に0.3%上乗せとなりますが、キャンペーン期間中は0.1%引き下げになるので、差し引き0.2%の上乗せで充実した保障が受けられるのも魅力ですね。

そして、auじぶん銀行は三菱UFJ銀行とKDDIが半分づつ出資して設立したネット銀行です。ネットでの仮審査の仕組みは共有していますので、これも事前審査からスムーズに本審査に移れます。スピードは同じくらいです。

これに対して、三井住友信託銀行は審査スピードという面では、それほど早くないですので、ギリギリになるかもしれません。ただし、20年の固定金利ではダントツの安さですので、金利を固定したいのであればゴリ押してこれで行きましょう。

今回のご相談者はSBIマネープラザという住信SBIネット銀行のリアル店舗でご相談される予定です。ここは相談員のレベルが高く、さらにフラットな立場で意見をくれるとのことで、すごく評判が良いです。

変動金利では、auじぶん銀行と互角ですが、団信の保障ではauじぶん銀行がガン50%保障と全疾病保障が付帯するのに対して、住信SBIネット銀行は全疾病保障だけですので、明らかな差がついてしまいましたね。

ただ、審査のポイントや自分の気になっていることを直接対面で聞いたうえで申し込めるというのは、まだまだアドバンテージがある部分です。かく言うわたしも、審査のポイントを聞くという目的で無料相談を利用しました。

積極的に利用するべきだと思いますよ。

以上、参考になれば幸いです。

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