財住金フラット35エースと財形融資のミックスのススメ

住宅を購入するために、何となく職場の財形貯蓄を利用して資金を貯めている人は多いです。特に住宅財形貯蓄は、勤労者の持ち家取得を促進することを目的とした制度です。

5年以上の期間にわたって定期に給与天引きで積立て、マイホーム取得の頭金として払うことを要件として元本550万円まで利子が非課税になりますね。

もちろん、これだけでも有利な制度ではあるのですけど、住宅財形貯蓄をしていることで、安い金利、安い手数料でフラット35が借りられることは、意外と知られていません。

職場に財形貯蓄の制度がある場合、勤務先や所属している中小企業団体が財住金に出資、または提携(公務員等※の方に限ります)している可能性があります。その場合、財住金フラット35エース(公式サイトへ移動します)が使えます。

  • 融資率8割以下:フラット35の金利から0.12%低い金利で融資手数料は1%(税別)、財形住宅融資を500万以上併用すれば0.8%(税別)。
  • 融資率8割超9割以下:フラット35の金利から0.06%低い金利で融資手数料は1%(税別)、財形住宅融資を500万以上併用すれば0.8%(税別)。

では今日のご相談者です。

財住金フラット35エースと財形融資のミックス

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相談:30代共働き夫婦、財形貯蓄が500万アリ、最適な住宅ローンは?

お世話になります。ブログ、書籍家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本拝読させていただきました。
住宅ローンの選び方で悩んでおり、アドバイスをいただけますと幸いです。

家族の年齢と年収私(36歳会社員、年収560万)、妻(36歳会社員、年収390万)、子(2歳)
自己資金の額財形貯蓄500万、預金150万、(手付金200万支払い済み)
物件価格4050万
物件のタイプ新築マンション(長期優良住宅)2019年9月完成予定
借入予定額未定
住宅ローン①三井住友信託銀行
・フラット35s
・30年固定金利
・ミックス(変動、固定の割合未定)
②じぶん銀行or住信SBI銀行
・変動金利
③アルヒ
・スーパーフラット9s
全て仮審査、本審査はこれからです。
相談内容変動金利か固定金利かによっていくら頭金を入れるかも変わってくると思います。
最適な商品や借り入れ年数などをご教授いただきますようお願い申し上げます。

回答①:財形貯蓄しているなら長期固定金利は財住金フラット35が要チェックです

変動金利か?固定金利か?という大きな方向性を決めるにあたっては、変動金利で最も有利な商品と固定金利で最も有利な商品で比較することになります。

そこで、現在検討されている変動金利については、じぶん銀行か?住信SBIネット銀行か?ということですね。これについては問題ないと思います。

これに対して固定金利については、三井住友信託銀行フラット35S、30年固定、ミックス(変動と固定)、アルヒスーパーフラット9Sとのことですが、これらについては必ずしも最も有利とは言えないものです。

冒頭に書いておりますように、財形貯蓄制度があるということは、財住金フラット35エースが使える可能性があります。これの最も低金利は頭金2割(融資率8割以下)なのですが、頭金1割(融資率9割)であっても、これらよりも有利な条件となっています。

例えば2019年3月時点の金利と融資手数料で比較すると以下のようになります。

  • 財住金フラット35エースS9割:当初10年0.96%その後1.21%(融資手数料1.08%)
  • アルヒスーパーフラット9S:当初10年0.97%その後1.22%(融資手数料2.16%)
  • 三井住友信託銀行30年固定:1.21%その後はその時点の店頭金利による(融資手数料2.16%)

そこで実際に幾らの差になるのか、シミュレーションしてみました。金利と融資手数料等以外の条件は以下のように共通とします。

  • 物件価格4050万円に対して頭金1割405万円を入れて、3645万円を借りる。
  • 借入期間35年、元利均等返済ボーナス払い無し、繰上げ返済もしない。
  • 60歳(24年後)の残高を一括返済する。

資金繰り面の比較シミュレーション

(単位:円)

物件価格4050万円 財住金フラット35エースS9割 アルヒスーパーフラット9S 三井住友信託銀行30年固定
頭金 4,050,000 4,050,000 4,050,000
毎月返済 102,215 102,384 104,944
11年目~返済 105,318 105,492 104,944
60歳残高 13,010,594 13,024,771 13,027,471

毎月の返済額は手取り月収の4割以下にすることを推奨しています。年収560万の手取り月収を23万円位とすると、その4割は9万円ですから、ちょっとオーバーしていますね。

また、定年時の残高は1000万以下とすることを推奨しています。これも少しオーバーしています。

しかし共働きですので奥様の年収390万もプラスすれば手取りの月収は40万円くらいになりますよね。そうするとその4割は16万円ですので、レンジ内になっていると言えます。

定年時の残高についても、住宅ローン減税が終わった時点で約13百万円の貯蓄が出来ていれば、完済のメドを付けることができるでしょう。

今後の収入の増加も考えますと、今は共働きが前提ですが、将来的にはご主人単独でも無理なく返済できて、共働きを継続すれば、教育費や老後資金も余裕をもって貯められるような資金計画ができると思います。

けして余裕のある金額とは言えませんが、ちゃんと計画的に貯蓄を行っていくという前提であれば無謀な住宅ローンではありません。

借入費用の比較シミュレーション

(単位:円)

物件価格4050万円 財住金フラット35エースS9割 アルヒスーパーフラット9S 三井住友信託銀行30年固定
印紙 20,000 20,000 20,000
登録免許税 36,450 36,450 36,450
事務手数料 393,660 787,320 787,320
司法書士報酬 70,000 70,000 70,000
合計 520,110 913,770 913,770

借入費用では、財住金フラット35エースの融資手数料が1%(税別)で他の2%(税別)の半分ですので、大差で有利ですね。約40万円も安くなるのですから、これは大きな差と言えます。

では、支払総額でどうなるのか?見てみましょう。

支払総額の比較シミュレーション

(単位:円)

物件価格4050万円 財住金フラット35エースS9割 アルヒスーパーフラット9S 三井住友信託銀行30年固定
借入費用 520,110 913,770 913,770
頭金 4,050,000 4,050,000 4,050,000
60歳まで返済額 29,959,224 30,008,736 30,223,872
60歳残高 13,010,594 13,010,594 13,024,771
住宅ローン控除 -3,146,400 -3,139,400 -3,158,200
保証料払い戻し 0 0 -35,575
合計 44,393,528 44,843,700 45,018,638
財住金フラット35エースSとの差 450,172 625,110

総支払額では意外と大きな差となりました。資金繰りでは大した差にはならないのですが、最初に払う借入費用の差が大半ですね。

財住金フラット35エースが使えるなら、これが最も有利な固定金利になると思います。勤務先の人事総務に確認してみてください。

回答②:お勧めは財住金フラット35エースS8割と財形融資の併用

財住金フラット35エースの融資率8割以下は、フラット35の金利から0.12%低い金利で融資手数料は1%(税別)、財形住宅融資を500万以上併用すれば0.8%(税別)です。

つまり、この融資率8割以下かつ財形住宅融資と併用すれば最強なんですね。しかし、融資率8割ということは頭金が2割必要ということになります。

しかし!財形住宅融資も500万円借りた上で、フラット35エースの融資率を8割以下にしても、この「融資率8割以下」が適用となるのです!条件をまとめると以下のようになります。

  1. 財形住宅融資を500万円以上利用する。
  2. フラット35エースの融資率が8割以下になる。
  3. 自己資金を1割以上入れる。

以下のような内訳で借りるわけです。

  • 物件価格は4050万円の1割405万円は現金で払う。
  • 残りの3645万円のうち、500万円は財形住宅融資で借りる。
  • その残りの3145万円はフラット35エースで借りる。これは物件価格の77.7%だから8割以下になっている。

つまり、自己資金として払う現金は物件価格の1割である405万円のまま、借入のうち500万円を財形住宅融資で借りるというミックスローンです。

財形住宅融資は5年変動金利の公的融資

財形住宅融資は5年ごとに金利を見直す変動金利です。メガバンクやネット銀行の変動金利は6か月ごとに金利を見直すのですが、それが5年ですから、金利の変動リスクが少ないです。

メガバンクやネット銀行が5年固定金利と呼んでいるものが、つまりこの5年変動金利だとも言えるのですよ。

2019年3月の金利は0.67%なので、かなりの低金利ですよね。しかも、子育て勤労者や中小企業勤労者の特例として0.2%引き下げとなり、0.47%という低金利の適用があります。

ご相談者の場合は2歳のお子さんがいますので、子育て勤労者としてこの特例が受けられる可能性が高いです。5年間金利が固定されて0.47%ってすごくないですか?

しかも、それによってフラット35の金利がさらに引き下げとなり、そればかりか融資手数料も0.8%(税別)とさらに安くなるのです。願ったりかなったりですよね。

ネット銀行の変動金利も魅力的ですが、金利が変らない安心と金利、手数料のおトクさを考えると、これを中心に計画しておくのがお勧めです。シミュレーションの前提は、以下のようにしました。

ミックスローン 借入金額 金利 借入期間
財形住宅融資 500万円 0.47%5年変動 20年
フラット35エースS8割 3145万円 0.9%→1.15% 35年

資金繰りの比較シミュレーション

(単位:円)

物件価格4050万円 財住金フラット35エースS9割 財形住宅融資と財住金フラット35エースS8割のミックス 差異
頭金 4,050,000 4,050,000 0
毎月返済 102,215 109,151 -6,936
11年目~返済 105,318 111,810 -6,492
60歳残高 13,010,594 11,151,817 1,858,777

財形住宅融資の借入期間を20年と少し短めにしているので、毎月の返済額は少し高くなっていますが、それほど大きな差にはなっていないです。

その代わり早期に元本が減るので60歳の残高は185万円少なくなっています。

借入費用の比較シミュレーション

(単位:円)

物件価格4050万円 財住金フラット35エースS9割 財形住宅融資と財住金フラット35エースS8割のミックス 差異
印紙 20,000 40,000 -20,000
登録免許税 36,450 36,450 0
保証料 0 48,500 -48,500
事務手数料 393,660 305,208 88,452
司法書士報酬 70,000 100,000 -30,000
合計 520,110 530,158 -10,048

ミックスローンにすることで、印紙代や財形住宅融資に必要となる保証料などがかかってきますが、その代りに事務手数料が1%から0.8%に割引となっているので、総額として殆ど差が無いという結果になりました。

では、完済までの総支払額でどうなるのか?比較してみましょう。

総支払額の比較シミュレーション

(単位:円)

物件価格4050万円 財住金フラット35エースS9割 財形住宅融資と財住金フラット35エースS8割のミックス 差異
借入費用 520,110 530,158 -10,048
頭金 4,050,000 4,050,000 0
60歳まで返済額 29,959,224 30,834,312 -875,088
団信保険料 0 154,824 -154,824
60歳残高 13,010,594 11,151,817 1,858,777
住宅ローン控除 -3,146,400 -3,077,500 -68,900
保証料払い戻し 0 0 0
合計 44,393,528 43,643,611 749,917

総支払額では、財形住宅融資とフラット35エースS8割融資のミックスの方が約75万円も少ない支払で完済できるという結果になりましたね。

変動金利がミックスされているので金利変動リスクがあると言えばあるのですが、その金利は5年間は固定されています。それに変動で借りるのは500万円だけですので、それくらいであれば、5年の間にもしも上がったときのための繰上げ返済資金を貯金することができますね。

つまりリスクがあるといっても、十分に対応可能なリスクです。財形貯蓄で住宅ローンを借りることができるのであれば、是非このミックスローンを中心に検討してくださいね。

以上、参考になれば幸いです。

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